1999年 |
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一気読み。もともとマンガを読むのは、むちゃくちゃ早いし、何度も読んでいるので3時間ぐらいで読めましたが、
その後「戻ってこれなくなって」しまいました。いやぁ、名作。
赤木かん子はこれをタッキー系って断じてしまってますけれど、ちゃんと「こちら側」に戻ってきてますって。
アニメも非常によい出来なんですが、紫苑の子供時代のところで終わっていて、残りはイメージフィルムみたいな形で出ているんですね。 もったいない。もっときちんとした形で出してほしいです。
【internet ぱたぽん】のまこりんさんが、掲示板のログを赤木かん子さんご本人に渡してくださるとのこと。 まこりんさんがまとめた【赤木かん子とYAおよびACについて】も興味深いです。 私もなにか書こうと思ったんだけど、結局なにも書けず。
ニムさんのところにアップした私の書き込みは別ファイルに移動させました。
新井素子『チグリスとユーフラテス』が貸し出し可能になったと連絡があったので、借りに行く。
以下の本を借りる。
・赤木かん子『かんこのミニミニヤング・アダルト入門 パート1 図書館員のカキノタネ』
・赤木かん子『かんこのミニミニヤング・アダルト入門 パート2 図書館員のカキノタネ』
・新井素子『チグリスとユーフラテス』(集英社)
・カポーティ『夜の樹』(新潮文庫)
カポーティは、文庫の棚を眺めていて、ふっと目に留まって「あら、カポーティの新しい本が」と手に取ったら、「ミリアム」が入っていて、 「あー、『ミリアム』ってカポーティだったのね〜」と思いながら、あとがきを読んだら初代編集者として意外な名前が。いや、意外でもないんだけど。 こういうことは結構ありますね。SFの血が呼ぶんでしょうきっと。というわけで、【あの御方】の担当してた本なら多分イケるだろうと借りてきました。 実をいうとカポーティは未読なのでありました。
それから摩耶雄嵩の本を検索してもらって、『メルカトルと美袋のための殺人』を予約。 「まやゆたか」と言ってもカウンターの人には通じなさそうなので、棚に残っていた『翼ある闇』を持っていって、「この作者を検索してください」と頼み、 ディスプレイに表示された書名を指して予約してもらう。なんでかっていうと書名が読めなかったからだ(笑)。 カウンターのおばさんも『メルカトルと美袋(みなぎ)のための殺人』が読めなくて、「め、める、めるか、めるか……とると、び……みなぎ……」と、たいへんにたどたどしい(笑)。 こんな読みにくい筆名と書名をつけるとは、新・新本格の人たちは、まったくもって本屋と図書館泣かせなことである。
赤木かん子とYAとACについて書こうと思ってまとめられず、とりあえずACについてのサイトを調べようと思って検索をかけました。
gooで検索かけたら、1000件以上ヒットしてしまって、自称アダルトチルドレンの人のページの中には思わず「気持ち悪いっ」と思ってしまうものもあって……うーん。
やっぱりACという言葉が「消費」されるのも問題ありかも。
カミングアウトすることで立ち直ろうとするのは、多分良いことなのだけれど。
そんな中では、ここが割と詳しいです。
【N-Parkアダルトチルドレン特集】
風野春樹さんの日記は、ニュートラルな立場で解説してあるので、読みやすいしわかりやすいです。
【読冊日記98年9月中旬(9月15日)】
あと、ACの自助グループであるところのJACAというところもホームページを立ち上げているのだが、アメリカで使われている文書をそのまま日本へもってきて使っているらしく、
なんというか妙に新興宗教がかった翻訳が(大変失礼な言い方なんだが)「気持ち悪い」。
あの翻訳はどうにかならんもんでしょうか。
新井素子『チグリスとユーフラテス』読了。
感想を書いていたら長くなってしまったので、別ファイルにしました。
天気が良いせいか、運転手な夫の人がうきうきと車を出して、小山のブック・オフまでドライブ。
私にとってのブック・オフの魅力は、値段の安さもあるが、古い本(古書ではない)と新しい本が同じように棚に並んでいることにある。
たいていの新刊書店には、新刊と書店が売れると思った本しかないが、ブック・オフには、大量に売れて読み捨てられた本と、読者がつまらないと思った本と、大事にしていたけれど手放さなければならなかった本が、同じレベルで棚に並んでいるのだ。
本を売りに来た人の趣味を残したまま、機械的に分類整理されて配架されるので、なんだかむちゃくちゃ笑える棚になったりする。
昔ながらの古書店や新刊書店がやっているような、書店(や取次)による情報操作がほとんど行われずに作られる棚っていうのは、ブック・オフができて初めて存在できたんじゃないかと思う。
・『別冊ぱふ 活字倶楽部Special 3』(雑草社)
・『別冊ぱふ 活字倶楽部 '97年夏号 特集:京極夏彦』(雑草社)
・名香智子『鈴姫さま』(角川書店 ASUKAコミックス)
・明智抄『パンドラ』(朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館)……明智抄ってもしかして凄い人かも
・J・ユルスマン『エリアンダー・Mの犯罪』(文春文庫)……転売用
・フィオナ・マクラウド『ケルト民話集』(ちくま文庫)……ごめんなさい、ごめんなさい、100円だったので買ってしまいました。
・竹宮恵子『マンションネコの興味シンシン』(角川書店)
・ジャック・ヴァンス『復讐の序章』(ハヤカワ文庫SF)
・ジャック・ヴァンス『殺戮機械』(ハヤカワ文庫SF)
・永江一石『インターネット ホームページマスターへの道』(廣済堂出版)
ちくま文庫は買い支えないとまたつぶれんじゃないかとか思うんですが、100円の魅力には勝てなかったです。
竹宮本は他にもあって、どうやらファンがまとめて手放した模様。いいのかね? きっと後悔するよ。
ジャック・ヴァンスは<魔王子>シリーズの1巻と2巻目。以前3巻目だけを手に入れたので、これでやっとまとめて読むこことができます。
『別冊ぱふ 活字倶楽部 '97年夏号 特集:京極夏彦』は、波津彬子さんの表紙。買い逃してしまって、探していたので、とっても嬉しい。 キセルを片手にした色っぽい着物姿の男性はもしや、京極堂? これが京極堂だったら、榎津はどうなっちゃうの〜、きゃぁぁ。とまあ、煩悩の余り立ってられないくらい素敵なイラストです。イラスト集に入りませんかねぇ、これ。
永江一石『インターネット ホームページマスターへの道』(廣済堂出版)を読む。 ホームページのコンセプトワークについての本。ブック・オフで買っては申し訳ないような面白い本でしたが、 平成8年6月初版なので、さすがにもう新刊書店にはないでしょう。内容もちょっとばかり今の状況には合いません。 ただ、ホームページのコンセプト作りの点というのは、そんなに変りはないので、目を通しておいてもよいかも。改訂版ってでているのでしょうかね。 (あとで、検索かけよう。)
まあ、書いてあることを一言でまとめれば、「プロの心構え」を持てということですね。
目玉企画を持て。見せかたを考えろ。手を抜くな。ハンパはするな。著作権には気をつけろ。自分のページに責任を持て。人様に時間を割いていただくのだというのを忘れるな。
てなところでしょうか。
まあ、私が思っていることとあんまり違わないので、ほっとしたりして。自分がプロの姿勢を実践できているかは別として。
ちなみに私が見てうんざりしちゃうのは、トップページがやたら重いページとか、
表紙と自己紹介しかないページとか、工事中ばかりのページとか、内容が浅く広くてハンパなページとか……。
台湾の方から送っていただきました。純台湾産の少女漫画雑誌。でも内容的にはほとんど日本の少女漫画と変りありません。学園漫画の背景の街路樹や構内の樹木にヤシの木が出てくるのが、台湾。 高校生がプールバーにいるという描写もあった。日本じゃもうビリヤードやる高校生はいないでしょう。 絵柄は強いていればマーガレット系かな。アクション系漫画や中華ファンタジーも載っているので、雰囲気としては『プリンセス』みたいな感じ。
広告も面白い。日本の漫画がこんなに翻訳されて出版されているとは思いませんでした。12冊も予告が出てるんですよ。 河原和音、伊東千恵、相原実貴、内田一奈、秋里和国、尾崎裕二、初田しうこ、さかたのり子、波津彬子、春野まみなんて名前がでています。 波津彬子さんのは『九つの夜の扉』が『九道黒夜門』って名前で出るようです。
巻頭の咎井淳「PEGGY」という作品が面白かったです。送ってくれた方がわざわざ日本語に訳してくれたので、内容もばっちり解りました。
前後編の後編だけでしたけど、だいたい話はわかる。
お話は――。陳宗文という高校生がパソコン通信で、女の子と知り合うのですね。彼女の名はPEGGY。チャットをするうちに彼はPEGGYに恋するようになるのですが、
ある日宗文はPEGGYが、彼の一番嫌いなクラスメイトの美少年・沛騏(※)と「人にいえない関係」であることを知ってしまいます。その関係とは、なんと……。(ここまでが前編)。
実は、PEGGYと少年とは同一人物だったのです。以前不良にからまれたところを陳宗文に助けられた少年は、なんとか宗文と知り合いたかったのです。(友情以上の感情があったかどうかは不明(笑))
でも陳宗文は、女の子にモテる沛騏を毛嫌いしていたので、仕方なく「PEGGY」という名前でメールを送ったというわけ。
陳宗文からの「会いたい」というメールを受け取って、PEGGY=沛騏は悩みます。「いつまで隠すのか。最初から本当のことをいっていたら……」
チャットで宗文から、「まだ僕のことを好きか?」と尋ねられた沛騏は、本当のことを打ち明ける決心をして、日曜日に公園の噴水の前で会う約束をします。
しかし翌日、美少年は宗文に屋上に呼び出されます。「まさかばれたんじゃ」と不安に思う美少年。だが、現れた宗文の台詞は……。
宗文「今日は珍しく親衛隊と一緒じゃないんだな。」
沛騏「何か僕に用事があるんですか?」
宗文「何か? とぼけんなよ。PEGGYのことで、おまえにいっておくことがある」
沛騏「え?」
宗文「俺はな、おまえと違って、彼女に本気なんだ! あんな純情な娘を……」
沛騏「誤解だよ。実はそんなことじゃないんだ」
宗文「うるせえ!」
沛騏に掴みかかる宗文。そのとき、沛騏のポケットから落ちたのは、宗文がPEGGYに送ったはずのペンダント。
「てめぇ、手ぇ出したのか!」「ち、違う」
沛騏を何度も殴りつける宗文。殴られながら沛騏はつぶやく。「これは、罰……。神様からの罰……。宗文を騙したことへの、そして……僕の弱さへの……」
日曜日、公園の噴水の前で、何も知らない宗文はPEGGYを待つ。彼女への告白の言葉を考えながら。
そしてENDマーク。
早い話がネカマの話なんですが、そこはかとなく漂うBOY'S LOVEな雰囲気がとっても良いです。 絵は、日本のボーイズラブ系の漫画家より全然上手いし。 翻訳がでるといいのになぁ。
99.06.12追記:「沛」という字が出せなくて難儀していたら、【加藤さん】に変換の仕方を教えていただきました。「ハイ」と読むそうです。
私、『タ・ヴィンチ』は嫌いなんですが、『活字倶楽部』は好きです。多分『タ・ヴィンチ』のおしゃれでスノッブで選ばれた一般大衆(笑)な感じがするところが嫌なんでしょう。
やっぱりビョーキでおたくです、私。
古本屋には4冊も出ていたのに、2冊しか買ってこなくて、今、猛烈に後悔しています。
本家『ぱふ』と同じく、読者の投稿イラストが満載で、その妙な熱気にちょっと引いてしまうところはあるのですが、そのイラストもよく見ていくとなかなか興味深かったりします。 ほとんど新本格(講談社ノベルズ)系やライトノベルズ系の作品のイラストなのですが、中には高野史緒『ムジカ・マキーナ』(新潮社)や三浦哲郎『忍ぶ川』のイラストがあって、思わずにやり。 なんで三浦哲郎? という気がしないでもないのですが、関口巽から三浦哲郎までの距離は意外に近いのかもしれません。
新刊およびおすすめ本のレビューは、SFMの執筆者より5〜6歳若いライターが書いているようです。作品に対する愛が感じられて読んでいて気持ちがいいです。 私が特に注目しているのが、宇多加寿子という人で、どうやらファンタジー系を得意としている人らしいです。 レビューしている本が私の読書の守備範囲とかなり重なるので、この人を追っかけていけば面白い本に出会えるのではと期待しています。
夫がどうしても書斎(とゆーか、書庫というか)にエアコンが欲しいというので、買いました。 パソコンが置いてあるから、エアコンは必要なんです。 以前置いてあった私のマシンは、壊れましたからね。暑さのせいだけではないでしょうが、原因のひとつであったことは間違いないのではと思っております。
綾辻行人『時計館の殺人』(講談社文庫)読了。
このトリックは結構すごいかも〜。正しく幻想とミステリな話。
別役実『もののけづくし』(ハヤカワ文庫JA)いつの間にやら読み終わっていたようです。 何冊も平行して読んでいる(というか、読みかけの本がそこら中に転がっている)ので、こういうことはよくあります。 やっぱり一番おもしろかったのは「こだまのあとだま」の話ですね。(笑)
図書館から、『メルカトルと美袋(みなぎ)のための殺人』の貸し出し可能の電話あり。相変わらず、「める、めるか、めるか……とると……」と、たどたどしく書名が読み上げられるのであった。
邪魔な『SFマガジン』と『メフィスト』の整理をする。 まあ、『SFマガジン』は1年に数冊しか買わないので、20冊もないんですけど特大号が多いので、やたら場所を取るのが困りもの。 結局『メフィスト』は分解して必要な部分だけを抜き出し、『SFマガジン』の方は年ごとのSF回顧特集だけを切り抜いて別にしておく。
年ごとのSFの総括が始まったのって、1994年からなんですよね。(99.06.20追記: 1992年3月号にも載ってました。)まあ、それ以前はファンジンがそういうデータ収集の役割を担っていたのかもしれませんが。 ちなみに【SF図書総目録データベース検索】がカバーしてるのは、1946〜1990年までで、1991,1992,1993の3年分のデータが行方不明ですな。(1999.06.13追記:私にとっては、ですね。) ともあれ、今年こそは、年間SF回顧を別冊で出してください。早川書房さま。って、ここで言っていても仕方ないか。 【早川書房ホームページ】にメールを出した方がいいのかも。
早川書房のホームぺージでは、『SFマガジン』のバックナンバーも買えるようなのですが、内容がわからないとどれを買ったらよいか分かりませんね。 そういう場合は、【AMEQ Land】や 【SF雑誌データベース検索】で作者別の検索をかけたり、 【三等兵・林の不純粋科学研究所】にある【SFM 巻号順タイトルリスト90】をチェックすると吉。 SFMに掲載された書誌情報をお探しの方は、【Hirayan's Sci-Fi page】に情報があります。
図書館で『メルカトルと美袋(みなぎ)のための殺人』を借りる。新刊情報をチェックしたら、和田はつ子『魔神』(角川春樹事務所)があったので、予約を入れる。 書店で見たときに一瞬、篠田節子の新刊かと思いましたよ>『魔神』。なんとなく、装丁が『弥勒』あたりと似た感じ。
コニー・ウィリス『ドゥームズディ・ブック』(早川書房)読了。
いやぁ、凄いです。1700枚、600ページ、厚さ4cm、重さ780g(←量るな〜)、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞のトリプルクラウンは伊達じゃない傑作。
3600円払って、神保町からえっちらおっちら担いできた甲斐がありました。
クリスマスの話なので、初夏の気分の6月に読むにはふさわしくなかったかもしれんけど。
紹介してくれたニムさんありがとう。貴女が日記で言及してくれなければ、この傑作を読み逃すところだったかも。
超おすすめです。
感想は長くなったので、別ファイルにしました。
私の『チグユー』の感想が、なんと【みのうらさん】の6月9日付け日記で引用&言及されております。なんか嬉しい。(*^_^*)
いろいろとつっこみが入っております。確かに文体だけの問題じゃないかも>新井素子。
みのうらさんの見解には、ほぼ全面的に同意しちゃうところではあります。いやぁ、ごもっとも。
エピソードの作りの稚拙さについては、あえて意識に上らせないようにしておりました。だって、つっこみ入れるとキリがないんだもん。
だから、みのうらさんが問題にしているダイアナの章も、惑星管理システムがなんかヘンなのも横に置いておいて、ダイアナがエリートにしては頭悪すぎというのも横に置いていて、
拉致監禁されたというのも横に置いておいて、とりあえずダイアナと女の対決を読むという姿勢ですね。
それだけいろいろ横に置いておいても、まだ十分にヘンなんだけど、ゴキブリ問答。ゴキブリを口に突っ込んで騒いでる方も、つっこまれてポカンとしてる方もちょっとバカっていうか。対応的には、ダイアナの方が犯人の女よりは正しいと思いますけれど。
蛋白源なんだから、騒がずに自分で食え(笑)>主犯の女。 人肉加工の前にゴキブリ集めて加工食品を作るぐらいのこたぁ、考えろ>ダイアナ。
とか思ったですよ、私は。それほど、甘やかされて脆弱な社会だという話なのかもしれないんですが。
まあ、ここのポイントのひとつは、「何の努力もせず、何にも考えずシコシコと子供こさえてボロボロ生むような奴が、子供を作る暇もないほど一生懸命頑張っている人間に、文句たれんじゃねぇ」
ってことですから、それだけでワタクシ的にはOKなんですけど。
あと新井素子って男の趣味悪いんじゃないかとか、いろいろ思うことはあるのですが、いちいち挙げていくと せっかく擁護論を書いたはずなのに、ちゃぶ台ひっくり返したくなるからこれまで。
なんせ『ドゥームズディ・ブック』を読んだばかりだから。コニー・ウィリスと比べては、あまりにもかわいそう。
・マックス・エルンスト『百頭女』(河出文庫)
・『ネムキ』99年6月号
なんだかしらんが、今月号の「雨柳堂夢話」は、とってもホラーしている。波津先生にいったい何が?
いらない本を売り払う。千円なり。その金でまた本を買う。エンドレス。
・中島梓『小説道場I』『小説道場II』(新書館)
・R.ブラッドベリ他 『筋肉男のハローウィン』(文春文庫)
・『魔法都市ライアヴェック 緑の猫』(教養文庫 A&F)
・ティム・パワーズ『アヌビスの門』上下(ハヤカワ文庫FT)
・サイモン.R.グリーン『青き月と闇の森』上下(ハヤカワ文庫FT)
・小野不由美『ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか』(ソフトバンク)
・『このマンガがえらい』(宝島社)……執筆者は全然えらくない。わかっていない。
・井辻朱美『パルメランの夢』(ハヤカワ文庫JA)……布教用
【ニムさん】のところの掲示板でコニー・ウィリスの『ドゥームズディ・ブック』の続編についての情報を教えてもらう。
続編は、”To Say Nothing of the Dog”というらしい。【SFオンラインバックナンバーのコニー・ウィリスのインタビュー】の中で触れられているというのを聞いて、あわてて見に行く。
SFオンラインは毎号読んでいるけど、これを読んだ当時は「コニー・ウィリス? 誰、そのおばさん?」としか思わなかったので、全然記憶にないのだった。
6月に出るはずの『リメイク』の情報も載っていて、【大森望さん】の5月11日ごろのお仕事の意味をようやく理解する。
マイブームな状態で、コニー・ウィリスの新刊が読めるわけで、6月に『ドゥームズディ・ブック』を読んで正解ということですね。
ニムさんは、【amazon.com】に”To Say Nothing of the Dog”を注文したらしい。私も注文しようかかどうしようか考慮中。
とかなんとかいっているうちに、ついつい【Skysoft】とかを呼び出し、検索をかけてしまう。こういうこともあろうかと、洋書サイトにもリンク張っておいてよかったな。
書名で検索すると、あっさりと1999年1月に出たペーパーバックの情報が表示される。在庫は注文してみないとわからないらしいが、今日のレートで、千円を切っているので、とりあえず注文してみる。
受け取りは、よく行く隣の県の書店。(うちは、県境にあるので、県内より県外の書店の方が近くて便利だったりするのだ)
中島梓『小説道場I』『小説道場II』(新書館)を読む。
『JUNE』の小説家予備軍に小説指南をするという趣向の本。1986年初版。あくまでも「JUNE小説」にポイントを絞っていて、小説家を育てることより投稿者の実力の底上げが目的だったらしい。
最終的には技術的指導よりも小説家としての心構えの話になってしまうのだが、そもそも書ける奴は技術的指導なんかなくても方向性さえ示してやれば勝手に書けるようになるんだから、そーゆー方向に話が進むのは仕方ないか。
「拒食リハビリ」のための講座でもあるそうだし。
しかし結局「JUNE小説」「やおい小説」ってポルターガイストみたいなモンなの? 思春期(実年齢は関係ない)の女の子のモヤモヤが固まってエネルギーになるという……。
示唆に富んだ本でとっても面白かった。「JUNE小説」に興味なくても、読んでみると吉。(1999.06.23追記 これ、今でも手に入るのでしょうか? と、思ったら、。成美堂から4巻ある新版が出ていました。) それにしてもこんなも小説への愛を熱く熱く語っていた中島梓/栗本薫はいったいどこへいってしまったのだろう?
個人的にウケた言葉は以下の通り。なんでウケたかたは、2、3日前の日記を読んでください。
=======引用開始======小説の持つエネルギーは作家の内的必然性に比例するということ――らしい。
SFこそ、もっとも自由な想像力ともっとも手がたい描写力、つまりキミにはいちばんないものを必要とするジャンルだからね。
『小説道場I』p.137
=======引用終了======
=======引用開始======
(前略)他のすべては論外なのに「魅力」だけがぐーんとある。なんて――ほんっと世の中ってふしぎ、不公平、不合理。
(中略)
とにかく、「読ませて」しまうのである。何度言ってもこれはフシギなことだ。他のことはあんまし云いたくないくらい、これはスゲー話であって、このリアリティのなさ、異様な展開、ムチャクチャさは「二番もあるんだぜ」に十分対抗しているし、 その文章(ことに一人称の方の)ってものは、たえまなしに背筋がザワザワ、ゾクゾクする。
『小説道場II』p.23
=======引用終了======
小野不由美『ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか』(ソフトバンク)読了。
小野不由美サンというのは、「聡明」(この言葉には「美しい」というニュアンスと「気配りができる」というニュアンスが含まれる)という形容詞がよく似合う人だなぁというのが感想。
『スーパーストリートII』とか『バーチャファイター』にハマりまくって、おさると化している日常が描かれたりするゲームエッセイなんですけどね、
でも時々ふっともらす言葉の端々に人格とゆーか、筆者の人生へのスタンスがにじみ出て、ああ、このヒトって「頭良くて本当の美人よねぇ……」と。(←文章人格の話ですけど(笑))
時々出てくる甥っ子のU志郎君の描写がすごくかわいいんだ。系図屋の話は、p.92に出てます。
物集高音『血食 系図屋奔走セリ』(講談社ノベルス)は、まだ読んでいないけど、小野サンと菅サンと綾辻サンと京極サンの合作だと思うな。(笑)
小野さんが私の抱いていたイメージに反して、かなり小柄なことがわかったり。
しかし、こんなに楽しく読ませていただいたのに、小野不由美サンと水玉蛍之丞サンには一銭も入らないわけで……。すみません、すみません。 なんかこう、こーゆー場合の寄付システムってできませんかね。半額で買ったけど、楽しませてもらったから定価の1/4は作者と出版社に払います――みたいな。投げ銭システムを新古本にも適用するとか。
またまた【みのうらさん】と【ヒラノマドカさん】からツッコミが入っているので、しつこく『チグユー』のはなし。
ゴキブリが生食可能かどうかは別として、東南アジアの方では、ゴキブリに酷似した虫を食べるのではなかったかなぁ。 地元の人がいくレストランでは高級料理の扱いをされているというのを、昔「なるほど・ザ・ワールド」かなにかで、見た覚えがある。 日本だって、イナゴを食べるし(うちの方では、スーパーにイナゴの佃煮がパック入りで売ってます)、ハチの子だって食べるし、 ゴキブリだって食えんことはないと思います。いや、私は別に食べたくはないですが。でも本当に飢えてたら食べる……ような気がする。
『チグリスとユーフラテス』で、生殖可能な人々がモルモットにされたり、むりやり配偶者を換えられたりしないのは、「そーゆー話じゃない」からでしょう。
これは素ちゃんのセラピー私小説だから、素ちゃんがいやだと思うことは出てこないんだと思う。
旦那さんに読み聞かせているわけだし。マリアの章なんて、半分旦那へのラブレターじゃん。
新井素子が変るには、旦那が第一読者だというシステムを変える必要があるのかも。
山本周五郎賞にノミネートされていたっていうのは、本当にびっくりしました。
あれって、上手い小説に与えられる賞だと思ってたもので。なんといいましょうか、某音楽大賞の最優秀歌唱賞にモーニング娘。がノミネートされたみたいな気分。
他の賞だったら構わないけど、いくらなんでも最優秀歌唱賞はないだろーという……。
これが星雲賞や日本SF大賞だったら全然OKなんですけどね。
ちなみに山本周五郎賞を受賞したのは、重松清『エイジ』だそうで。上手いかどうかはわかんないけど(新聞掲載時はナナメ読み)、
まあ妥当なセンでは。
(1999.07.02後記:しかし立ち読みした山本周五郎賞の選評はあんまりでした。
あの文体とSFだということでゲタをはかせられているというヒラノマドカさんの意見に賛成。
詳しくは、【ざぼんの葉】を参照。)
某掲示板で、角川ホラー文庫の在庫のことが話題になっていたので、ちょっとリストを作ってみました。 【細田さん】がお作りになるのをじっと待っていたんですが、 なかなか出てこないので、自分でやってしまいました。
『角川文庫解説目録 1998.08』のデータをEXCELにぶち込み、不明データをホラー文庫巻末の既刊案内やらで拾って、 刊行時期のデータをあちこちのサイトで検索して、空白部分を埋めていくのです。 半分徹夜でございました。ああ楽しい。
データを突き合わせて、不明部分を推理して、記入とソートを繰り返し、びしっと揃ったリストができたときの快感は、リストおたくじゃなきゃ分かるまい。(笑)
というわけで、角川ホラー文庫のリスト、あります。
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