1999年 |
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小野不由美『悪霊とよばないで』(講談社X文庫 ティーンズハート)読了。
海辺の老舗の料亭の一族を襲う悪霊と闘うお話。今回は、本格的なオカルト物。役立たずだと思われていた巫女さんや坊さんの実力が明らかになる。
倉阪鬼一郎『田舎の事件』(幻冬社)読了。
JR本線が通ってはいるものの、最寄り駅に行くためには何時間もかけてバスと私鉄のお荷物路線を乗り継いでいかなくちゃならないような田舎の町で「エリート」たちが引き起こすあんな事件やこんな事件。
こんどこそ、安心して笑えるだろうと思ったら、やっぱり笑いが引きつってしまいました。
こういう「田舎」がどういうものなのか想像できてしまって、私にとってはある意味『死の影』よりコワかったです。
田舎はね、コワイぞ〜。「この前」の大水のとき(←50年前のこと)には、水が引いたあとで、2倍に膨れ上がった赤ん坊が木の枝にひっかかっていたとか、 どこそこの嫁が姑にいじめられたあげくおかしくなって、ドブ川にハマって死んだ(←25年前ぐらいの話らしい)とか、どこそこの息子はヨメさんに逃げられた(←15年くらい前の話らしい)とかいう話題が、 茶飲み話の席でうれしそうに何度も何度も繰り返されるんだから。あー、やでやで。
『田舎の事件』は、まさしくそういう「田舎」が生み出した事件を集めた短編集。
自我だけ肥大した「エリート」であっても、都会であれば、生き延びる道はいくつも存在する。周囲に馬鹿にされつつも自分をごまかし続けて生きることも、ヘコまされて分相応の生き方を選ぶことも可能だろう。
だが「田舎のエリート」は、肥大した自我を抱えたまま、周囲の「善意」と「期待」によって狂気へと追いつめられていくのだ。ああ、こわい。
唯一大笑いできたのは「恐怖の二重弁当」でありました。これだけは、私にとって全くの他人事だってことなんでしょうね。 都会に住んでいてこの作品集で心から笑える人がうらやましい。
野田昌宏『SFを極めろ!この50冊』(早川書房)読了。
野田昌宏センセイによる「このSFがすごい!」。
野田節は健在。でも、これだけ広い範囲のSFを一人でフォローするのはツラかったかも。
安っぽい造本という意見もあるようですが、私にいわせりゃ、これでもまだまだ立派すぎ。だって1500円ですよ。高校生が買うには高いと思う。大学生でも買うのにちょっと躊躇するかも。
これって、そもそもは、SFをどこから読みはじめていいか分からない人、特に若い人のためのガイドブックでしょ? だったら、チープな造本でもいいから、手軽に買えるような価格設定にしなくちゃだめなのでは? 本屋で見たときに、老舗のプライド(笑)が邪魔してるのねぇと思ったです。
トウのたったSF者が読んだ本のチェックリストとして使用しているんじゃ、意味がないと思います。
チェックリストとして使用した結果ですが、ええと私は50冊中27冊読んでます。ハードSFは全滅。
50冊の中にタニス・リー『銀色の恋人』が入っていたりと、かなり女性を意識した柔らか志向だと思いました。
ワタクシ的には文句ないです。『夜の翼』が入っていないのは残念だけど。
そうそう、こういう本には、巻末に書名一覧を付けておくべきでしょう。 本屋やインターネットで注文するとき、正しい書誌情報を得るためにいちいちページを繰って該当個所を探すのは面倒。
香山リカ『自分を愛するということ』(講談社現代新書)読了。
リカちゃん先生が、「私探し」をキーワードに読み解く現代。多重人格、ストーカー、アダルト・チルドレン、洗脳、誇大自己などの事象について、わかりやすい言葉で書かれていて、これはお勧め。
自分を棚に上げずに語る姿勢に好感が持てます。
とりわけ面白かったのが、4章の「自己愛人格の人たち」(p.160)以降の項目で、【こだまのあとだま研究所】の研究対象のことを念頭に置いて読むと、 もうむちゃくちゃ笑えます。たとえば、こんなところ。
====引用開始====
つまり、幼児のときに手に入れた「私がいちばん」という誇大自己を手放すことができず、 ついにそれにかわる等身大の自己のイメージを作り上げることができないまま大人になって、いまさら「やっぱりまちがっていました」ということもできずに、 むりやり「これでよかった、私は特別だったんだ」ということを納得しようとしている、という人たちが、ものすごい勢いで増えつつあるということです。
よく「私って幼児体型だから」と言う人がいますが、誇大自己を捨て切れない自己愛人格の人は、「自己が幼児体型のまま」というように考えられるかも知れません。 (中略) 自分を変えるのではなくて自分のまわりをむりやり変えて、「やっぱり幼児体型の方が美しいね」と力づくで認めさせようとしているのでしょう。
(p.169)
====引用終了====
「幼児体型」をいろいろな言葉に変えて読むと、楽しいです。
ただ、こういう笑いは、あとでしっかり自分にも跳ね返ってくるんだけどね。
エアコン入れれば寒いし、止めば暑いし、夏風邪を引いたのか、くしゃみは止まらんし、パソコン触ると首が凝って頭痛いし、寝てもだるいしで、ばててます。
それでも7月後半分の日記は、更新しました。
ちゃんとした感想を書くため、妹尾ふゆ子『風の名前』(プランニングハウス)を再読中。
暑くて食欲がないときのための飲み物。
良く熟れたバナナを1センチの厚さの輪切りにします。平らに並べて、ラップで包んで冷凍庫へ。
バナナが凍ったら、3〜4個をグラスかマグカップにほうり込んで、上から牛乳を注ぎます。
スプーンでかきまぜて、バナナが半分くらい溶けかけたところで飲むと、ほの甘くて美味しい。
溶けかけバナナはスプーンですくって食べてください。白玉団子を入れても美味しいかもしれない。
ボランティア関係の講演会を聞くため、暑い中を出かける。つまんない話だった。
でも、たまには暑い中歩いて汗を流した方が、一日中冷房の効いた部屋にいるよりも身体には良いのかも。
昨日よりは気温が低いせいか、少しは過ごしやすい。
風邪薬を飲んだので、夏風邪は快方に向かってます。
「千代紙つづり」の更新作業を行う。利用者からのリンクメールが溜まっているので、なんとかしなくちゃと思ってはいるのですが。
伊藤夫妻の結婚披露パーティの出席者のことで友人からメールがあった。
ところで、いとーくんのパーティで2コマアニメを撮っていた
ロンゲめがねのお兄さんは、メディアアーティストの
岩井俊雄さんでした。『ウゴウゴルーガ』のCG「トマトちゃん」
とか「アートくん」の作者で坂本龍一とコンサートもやっちゃう
よーなすごい人なのよー。
そ、そうだったのか。そんな偉い人が、結婚パーティの余興とはいえ、私のつたない絵を撮って2コマアニメにしてくれちゃったのね。 すごいじゃん。持つべきものは出世した友人知人後輩。
洗濯物を干したまま、うっかり昼寝してしまったら、雨降りまして……。 どっかで太鼓の音がするなぁと思ったら、雷だったんですわ。
入道雲が出て、にわか雨が降ることって、最近では珍しいたような気がします。昔は夕立ってありましたけど。
地球温暖化のせいなのでしょうか?
【うさぎ屋本舗】の【掲示板】で、 T-Time版の『仮面祭』と『Digitalian』が配布されていたので、さっそくダウンロードしました。
【T-Time】もVer.2.0が出たというので、機能限定版をダウンロード。
私のマシンだと遅すぎるので、旦那のマシンにこっそりインストールしました。さくさくめくれていい感じ。エキスパンドブックよりもこちらの方が断然好き。
PDFリーダーと同じぐらい好きです。
画面サイズも表示文字列も縦横表示も変えられるので、自分の好きな環境でテキストを読むことができます。
エキスパンドブックは文字サイズを変更できないので、字がぼけちゃって読みにくいんです。その点、T-Timeは安心。
画面サイズを新書本の1ページぐらいの大きさの縦長にして、文字を大きめにして読んでいくのが私の好みのようです。
私は本を読むときには1ページづつしか見ていないんです。だから、見開きページイメージだと隣のページがかえって邪魔。
ソフトカバーの薄い本ですと、片方のページを丸めて、片手で読んでいますし。
『Digitalian』は、T-Time版がとってもいい感じです。 黒背景に白文字が内容に合っていて、紙の本やHTMLよりもこっちの方が似合うんじゃないでしょうか。 小森さんのイラストもT-Timeでの画面レイアウトの方が似合っていると思いました。ただ、英文字が縦書きになるのは、何だか落ち着きませんね。
『仮面祭』は、マシンの色数設定のせいなのか、イラストの色が飛んでしまいます。これでいいのかな? あとで、設定を確認してみます。 (後日、マシンが256色設定になっていたからだというのが判明。32767色設定にしたら、美しいイラストが表示されました。) イラストの画面レイアウトが、とってもいい感じです。
ようやく第三章を読み終える。
ヴィクトリア朝時代の服装を整えて、ネッド君はいよいよ時間旅行へ。
でも、ぼーっとしていて、ダンワーシィ教授の指示を聞き損う。そこへこわいおばさんが乱入し……。
【わっちりんくす】されてから、本日の有里のページへ直接いらっしゃる方が多いようなので、
【Read Me!】の登録ページをトップページからこのページに変更してみました。
果たして順位は上がるでしょうか?
(後記:下がりました(笑)。 日記のリピータは毎日50人前後のようです。トップページのときは80人くらいだったので、残り30人はいったい何処へ?)
OVAの『シャーマニック・プリンセス』5巻、6巻を見る。キャラクターデザインが『レイアース』の石田敦子さんで、私はこの作品の雰囲気がすっごく好きなんですが、言葉だといまいち魅力が伝えにくいなぁ。
魔法世界ガーディンアン・ワールドから魔法の源「ヨルドの座」というものを盗み出したかつての恋人を追って、ティアラという少女がこの世界へやってきて、
色っぽくも狂暴な異形のお姉さんに変身して、かつてのライバルと戦ったりするお話です。流れとしては、魔女っ子物に属するのかもしれません。ちょっとだけ、『魔女っ子メグ』のオープニングの雰囲気なんかがあります。
ストーリーそのものよりも映像表現の方にポイントが置かれていて、魔法の力が新体操のリボンみたいにくるくるしちゃったりするのが良いんでこざいますよ。
あとはダークな雰囲気ね。ファンタジーアニメとしては、非常によくできていると思います。
OVA版の『吸血姫 美夕』と同じくらい私は好きです。
以前Niftyの海外ファンタジー会議室で、『シャーマニック・プリンセス』みたいな小説がよみたいんですー、何か紹介してくださいーというお嬢さんがいらっしゃったのですが、 残念ながら、はっきりしたレスはつかなかったみたいです。 そりゃそうだろう。こんな小説、海外にはないもん。ライトノヴェルにならあるかもしれませんが。 でも単純にノヴェライゼーションすると、すげーつまんない話になりそうなんですよね。 アニメじゃないと描けない話ってのもあるのかもしれない。
TUTAYA系列の店ですが、おっとびっくり野田昌宏『SFを極めろ!この50冊』がっ! こんな田舎にまで配本されるとはっ! さすがはTUTAYA系列。 SW本の隣に積んであったので、なるほどそういう売り方があったのかーと思いました。
もうひとつ驚いたのは、ブギーポップシリーズの新刊が入っていたこと。 いままで新刊の入るのが遅い店と思っていたのですが、1〜2冊は配本されて、すぐに売り切れてしまっていたのかもしれません。 私はいろいろと買う本があったので、これは旦那に買わせました。
購入したのは以下の本。
・ほったゆみ/小畑健『ヒカルの碁』(集英社 ジャンプコミックス)
・小野不由美『悪霊がホントにいっぱい!』(講談社X文庫 ティーンズハート)
・小野不由美『悪霊だってヘイキ!』上下(講談社X文庫 ティーンズハート)
・『小説現代9月増刊号 メフィスト』(講談社)
・『CREA 9月号』
『CREA 9月号』は、猫の特集で小猫の写真が本当にのたうちまわるほど可愛い。 大島弓子さんのロングインタビューも掲載されています。
小野不由美『悪霊がホントにいっぱい!』(講談社X文庫 ティーンズハート)読了。
シリーズ2冊目。ポルターガイストの出る家での悪霊退治。少々重要な伏線が張られているので、最終話を読む前に読んだ方がいい。
小野不由美『悪霊だってヘイキ!』上下(講談社X文庫 ティーンズハート)読了。
ダムのある村で、ナルの探している場所が見つかる。その村の村長に廃校の調査を依頼されるナルたち一行。
ひとりになってしまった主人公が頑張る学校の怪談のパートは、恐ろしくも感動的。
ナルの正体がわかるパートは、いかにもミステリ研出身らしい雰囲気がある。
驚愕の真相……は、後日譚の『悪夢の棲む家』(講談社X文庫 ホワイトハート)から読み始めた私には、ちっとも驚愕じゃなかったのが、ちと残念。
ティーンズハートの頃からのファンの人には、『悪夢の棲む家』は、評判が悪かったらしい。 たしかに三人称でシリアスな『悪夢の棲む家』よりも、女の子の一人称で語られるコメディ風のティーンズハートのシリーズの方が圧倒的に面白い。 (『悪夢の棲む家』は、視点の置き方も悪かったと思う。あの熱血刑事ってやな奴じゃん。) シリーズが再開されるときには、また趣向を変えるつもりだそうなので、それに期待。
CDドラマなどなどの情報が知りたい方は、【悪霊補完委員会】をどうぞ。
『小説現代9月増刊号 メフィスト』(講談社)を読み始める。
この号で、恩田陸「麦の海に沈む果実」は最終回。はやみねかおる、大塚英志も再登場。小説の感想はおいおい書いていきます。
今回一番ウケたのは、「★『メフィスト』は広告ページまで見逃せない!」(p.71)という、コピーです。
あと千街昌之「ニューウェイヴ・ミステリへの提言」が、非常にわかりやすかったので、びっくりしました。いったいどうしたんだ? 毎回こーゆー風に書いてくれると私は嬉しい。ネタは『バトル・ロワイヤル』とか津原泰水とか。
本があふれてどうしようもないので、先日買ってきたプラスチックの半透明の衣装ケースに、完結したマンガを入れていく。本の絶対量は変わらないのだが、ともかく本棚は空く。
新しく買った文庫本はティッシュペーパーの空き箱に詰め込んである。それを作者別、分野別に詰め替えたり、気に入った作者の本だけを抜き出して本棚に並べたりする。
本のつまったティッシュボックスは20個近くあるって、やってもやっても終わらない。三分の一ほど整理したところで、夕飯のしたくをしなくちゃいけないのに気づいて、作業を止めた。
汗だくになったので、顔でも洗おうと洗面所に入ったら、洗面台の中にソイツがいた。てらてらと黒茶色にひかる楕円形の、カサコソと歩くアレである。悲鳴を上げた。
こっちの悲鳴に反応して向こうも飛びすさるのがご愛敬ではある。しばし睨みあう。
洗面台の水を張る部分の縁に移動して隠れたつもりになっているので、柔軟剤をぶっかけてみる。うまく掛からない。じっと様子をうかがっているのを見澄まして、キッチンににすっとんでいって、中性洗剤の容器をひっつかんで戻る。
奴はさっきの場所にまだ潜んでいる。中性洗剤をぶっかける。今度はうまく掛かり、敵はもがきながら洗面台の縁から出てくる。飛ぼうとするが、洗剤液のせいで羽根がうまく開かないらしく、すぐ落ちた。
物陰に隠れようとするのを、雑巾で洗面台の中へ追い落とす。さらに中性洗剤をたっぷりとかけまわしてやる。敵は10秒ぐらいはもがいていたが、すぐに動かなくなった。
水に強い場所だったら、殺虫剤よりも中性洗剤をかけてやる方が、ずっと確実である。洗剤でぬらぬらしているのを始末するのは結構大変だけれど。
敵は体長が5センチちかくもあるでかい奴だった。排水口から進入したと思われる。別の場所に移動する前に発見できてよかった。
というわけで、今日は結構疲れたのだ。
「やおい」を「ヤオイ」とカタカナ表記するのは間違いらしい。栗本薫はカタカナ表記なんだけどね。
「まんが」の表記には「まんが」「マンガ」「漫画」(あと石ノ森章太郎がなにかいっていたはずだが……どういう字だっけ?)があるが、私は「マンガ」派である。
「まんが」は『コロコロコミック』とか学習まんがとか戦前の作品で、「漫画」は4コマと麻雀漫画で、それ以外はぜんぶ「マンガ」。
『マンガ少年』と『漫画少年』は全然違うでしょ。
そういう私の文章の中で、漫画が使われていたら……それは漢字変換が悪いんです。
とりあえず完了。以下覚え書き。
小野不由美の悪霊シリーズと十二国記、ブギーポップシリーズ、星界の紋章が出世して、本棚のスペシャルの位置へ。『ドゥームズディ・ブック』の功績により、コニー・ウィリスも本棚へ。
本棚のタニス・リーのあった場所にエッセイ集つめあわせと野阿梓セットをつっこむ。
ティッシュボックスに入れたハヤカワ文庫FTのうち、シリーズ完結した3箱は、さらに段ボール箱につめて、隣室の棚へ。
初期の短編集詰め合わせ、最近の単発物詰め合わせ、棚からひっぱり出したタニス・リーセット、マカヴォイほかのセットは、本棚の下の段へ。
シリーズ未完結のものは、別の棚へ。
そのほかのセットは……。
・SF既読本セット
・SF未読本セット(ゼラズニィ&ディレニー中心)
・コバルト系未読SF詰め合わせ
・中井英夫セット
・中井系詰め合わせ(中井英夫・皆川博子・霧越邸)
・国産幻想詰め合わせ(恩田陸・篠田節子・久世光彦)
・海外ミステリ詰め合わせ
・国産ミステリ詰め合わせ
・ライトノベル系ファンタジー詰め合わせ
・海外ファンタジー詰め合わせ
・鬼畜ホラーとウテナ詰め合わせ
・神話伝説とウロボロス
・マジックリアリズム詰め合わせ
午前10時ごろまでは、比較的涼しくて窓を開けるといい風が入ってきました。「勉強は午前10時までに済ませましょう」という子供のころの夏休み帳のスローガンを思い出しましたよ。
こーゆーのが正しい夏休みの気候ですよねぇ。
とはいえ、日中ぐんぐん気温が上がり、2階の寝室の室温はなんと37度! きゃーっ。
上遠野浩平 『ブキーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師』(電撃文庫)読了。
心の痛みに作用する夢のアイスクリームを作り出すペパーミントの魔術師の栄光と転落の物語……かな? ラスト近く、魔術師と彼女の指先が一瞬触れるシーンの切なさに泣けた。
もはやブギーポップ抜きでもやっていけそうですね。この分ならシリーズ物で擦り切れる心配はなさそう。
ところで、緒方剛志の挿し絵は最近ちょっとアレですね。キャラクターデザイン間違えてるし。楠木玲って、「すみれ色のワンピースを着て、紺色の大きめの帽子をかぶって」(p.52)いるんですけど。 それがなんで、こういう絵(p.56)になるの? 全部は読む暇ないから、指定ページのあたりだけ読んだんだろうか? (ちゃんと関連個所にはマークつけとけばいいのに>担当編集者)
魚柄仁之助『ひと月9000円の快適食生活』(飛鳥新社)は、タイトルどおり、安く簡単にバランスのとれた食生活を送るためのアイデア満載の1冊。巻末にはしっかり索引もついてます。 筆者はなんだかよくわからない変なおじさんですが、実は古典料理屋の息子で農学部を出た人なので、基礎はしっかりしているようです。
読んでさっそく実行したのが、塩わかめの塩を利用した即席漬けと、レンジの余熱を利用した皿のあたため方と、流しに物を置かないということでした。 流しに物を置くのだったら、その場ですぐ洗えということだそうです。なるほどね。そういえばお寿司やの板前さんなんて、使ったものをその場で洗ってますものね。 流しに汚れた食器や鍋をためこんでおくと、見るだけでどんよりしちゃいますが、置きぱなしにするのをぐっと堪えて、ちゃちゃっと洗えば確かに楽です。気分的に。
マイク・レズニック 『キリンヤガ』(ハヤカワ文庫SF)ようやく読了。
読み始めたのは6月だったのですが、あまりにも居心地の悪い作品だったので、途中まで読んで放り出しておりました。
コリバの一人称で語られるにもかかわらず、その意見に同意できない――気持ちはわからないでもないが、納得はできないという(作者のねらいどおりの)宙ぶらりん状態が、どうにも我慢できなかったのですね。
成人男性は遊んで暮らして、女は家畜扱いの世界のどこが「ユートピア」だよ、ふざけんな! ってなもんで。
案の定「ユートピア」崩壊の兆しは女たちから始まるわけですが。
私としては、【林@不純粋科学研究所さんの(ミモフタもない(笑))感想】に救われましたです。
そっかー、コリバってやっぱり誰が読んでも嫌な奴なんだ!
この手の「思慮深く正しく善なる独裁的指導者」ってのは、現実のボランティア活動の場なんかには、結構多いような気がします。
ベクトルが違えば革命家になっていたような男じゃないのかな、コリバって。
「空に触れた少女」は私も好きです。
この話がSF者の琴線に触れるのは、多くのSF者のセルフイメージであるところの「特異な能力を持ちながら(それゆえに)世界に受け入れられない存在」を扱っているからではないかという気がします。
(実際に能力があるかどうかは別の話)。
要するに「空に触れた少女」はSF者の潜在的な選民意識をくすぐるから受けたのだっていったら、石ぶつけられるかなぁ……。
(99.08.16追記)
女性なら誰でも程度の差はあれ、こういう体験はあるだろうから、この話に共感するはず。そこがあざといっていえばあざといところで。
ただ男性にも妙に受けがいいのは、上に書いた理由からではないかと思うわけです。
あたしゃ、男性の共感能力にはおおいに疑問を抱く男性差別主義者なもんで。
この作品に対しての書評いろいろは、【『キリンヤガ』書評リンク集】をどうぞ。(って、みんな知ってるよねぇ)
午後から激しい雷雨であった。
8月28日〜29日に開催される【第2回DASACON】のプレネット企画【架空書評勝負】の投票がはじまりました。 あちこちにアップされている書評を読んで、【投票フォーム】で投票するのだそうです。
私も投票に参加すべく、あちこちの書評をせっせとダウンロードしています。あとでゆっくり読むつもり。
それにしても書評の仕方は十人十色。反応する場所も違うし、とても同じ本を読んだとは思えない書評もあったりして……。(笑)
各書評の共通点と相違点の一覧を作ったら面白いんじゃないかと思います。
実はわたしもこっそり(?)参加しているんですが、自分がいつも作品のどういうところに反応しているのかが判って、面白い経験でした。 どうやら私が小説を読むときにもっとも重要なのは、キャラクターとエピソードのようです。だからキャラクターにばかり言及する感想になってしまいました。 他の人との矛盾のない感想を目指したんですが……思いっきりハズしたような気もします。
綾辻行人『黒猫館の殺人』(講談社文庫)読了。
火事で記憶を無くしたという老人が、一冊の手記を手に江南らを尋ねてくる。中村青司の手になる「黒猫館」で起こった惨劇の真相は……。
この作品の趣向はたいへんワタクシ好み。これ以上書くとネタバレなので、以下自制。
これで《館》物は全部読み終わったので、ゲーム『YAKATA』を探してみようかと思います。
急に思い付いて、食器棚の再構成を行う。結婚祝いとしてもらったものの、貧乏性ゆえ、使うのがもったいなくって箱に入ったままのミントンと香蘭社の食器を小さい箱につめ直して、別の場所へ。(結局しまっておく。) 普段使いの食器以外は、ちょっと奥の方へ移動してもらったわけです。空いた場所へは、空き瓶やら密封容器やらをすぐに取り出せる状態にして入れておく。 なるべくラップを使わない生活を実施中。
橋本治『ハシモト式 古典入門』(ごま書房)読了。
高校生受験生向けの古典入門書。作者名のところにわざわざ「作家 橋本治」って入れてあるのが笑える。
古典というのは、現代とは関係のないものではない。源実朝は「おたく青年」の元祖だったし、『徒然草』の作者ウラベ・カネヨシ君も「現代青年」だった。
古典の中にも「君」みたいな人間はいるんだよ。と、読者の気をそそっておいて、じゃ、後読みたい人は自分で読んで、暗記したい人は勝手に暗記するように、と、ぽーんと突き放すのがいかにも橋本治。
確かに勉強ってのは、やりたい時に自分でやるもんだし。
実朝の「大海の磯もとどろに寄する波 破れて砕けて裂けて散るかも」
に込められた「死ね! 死ね! 死ね! 死ね!」という声を読者が聞ききとれるように説明するその手腕。(p.136)
橋本治は教師には向いていないけど、教えることには向いているのかも。
「漫画」と「マンガ」と「まんが」の表記について漫研時代の友人からメールをもらいました。
その友人は「漫画」派だそうです。「マンガ」だと4コマってイメージがるのだとか。
そのメールには、
そう言えば、池田理代子とか里中満智子って、「劇画家」というらしい。
全書評をダウンロードをして、現在メモを取りながら読んでいます。今回は、SF系の人だけでなくミステリ系の人の参加も多いようですね。 感想メモも投票の締め切り後に公開の予定。
各地で大雨洪水注意報が出されているのだが、夫がレンタルビデオの遅延料を惜しむので(笑)、よせばいいのに雨の中、出かけた。
狭い路地から車でちょっと広い道にでたら、おおっとびっくり、反対車線が通行止めになっている!
我が家から1ブロックと離れていないガード下の道路は、周囲より少し低くなっていて、ふだんから水はけの悪い場所なのだが、そこに水が溢れているのですね。
排水ポンプで、用水路に水を排出しているけど、そんなのでは追いつかない感じ。
道路脇の家の前に止めてある車は、タイヤの1/3が水に浸ってる。大丈夫なのか? もっと恐ろしいのは、このあたりの古い家は水洗トイレではないことである。
つまりボットン……なわけだが、そこに大量の水が流れ込んで溢れた場合……。コ、コワイ。
「こわいねぇ」「帰りはここ通るのよそうねぇ」と話しながら、盛大に水飛沫をあげてその場を離れる。
途中雨のため視界が悪かったものの、なんとか遭難もせずレンタルビデオ店にたどり着く。
夫がビデオを返している間に、私は以下の本を購入。
『別冊宝島457 もっと知りたい ホラーの楽しみ!』(宝島社)
『ネムキ 9月号』(朝日ソノラマ)
まるで、ホラーファンのような組み合わせだが、ホラーは私の守備範囲外なんですってば。
角川ホラー文庫の新刊が出ていました。リスト更新しなきゃ。
帰りは水の出ていそうな場所は迂回してきたので、通行止めがどうなっていたのかは不明。
利根川の水位はまだ大丈夫のようですが、明日明後日はわからない。 我が家は利根川が決壊したら危ない地域にあるので、そーゆーニュースが流れて、更新が止まっていたら、被災した可能性があります。 いや、マジで。
「このホラーがすごい!」ではなくて、「現代社会」をホラー小説、ホラー映画を通して読み解く本。 「現実社会における不安や恐怖」がホラー小説とホラー映画にどのように影響を与えてきたかを考える本というか。
最初に「現実社会における不安や恐怖」があり、それがフィクションとしてのホラーに結実したのであって、
ホラーによって現実社会での事件が引き起こされるわけではない、といいたいんだろうな、多分。
町山智浩「GOTH(ゴス)な人びと」がトリということは、
ホラーは「現実社会における不安や恐怖」に対する安全弁としても機能するという方向に話をもっていきたいんじゃないかと思います。
ホラー小説/映画のガイドではないので、ネタ割りまくり、オチばらしまくりの人が多いですが、ミステリーじゃなくてホラーだから誰も怒らないんだろうな。
神無月マキナ「連続殺人者たちのアメリカン・ドリーム!」、
越智敏之「”魔女”が”シリアル・ママ”になった理由」「『幼児虐待ホラー』に隠された『X世代』の現実!」、
柳下毅一郎「〈半分人間〉に憑かれた孤高の映画作家」、町山智浩「GOTH(ゴス)な人びと」なんてのが面白かったです。
越智敏之「『幼児虐待ホラー』に隠された『X世代』の現実!」では、カードの『消えた少年たち』についても触れられています。読んで、ああやっぱりーという感じ。 でも、許しの言葉を聞くために子供を××しかなかったのではなくて、子供を××しかないと思った罪悪感があの作品を書かせたような気もいたしますが。
ホラーファンじゃない人にもお薦め。むしろ、ホラーファンじゃない方が面白いかもしれません。
ガイドブックじゃないけど、読むと出てきた本や映画を読んだり見たりしたくなるのも事実。
またもや川原由美子せんせいは原稿を落としたらしい。ネムキの担当編集者さんにご同情申し上げます。なまじ人気があるから切れないんだろうねぇ。いや私も好きですが「観用少女」は。
最近のネムキは、今市子、波津彬子、篠原烏童、川原由美子といった大物看板作家のほか、TONOやJET、「ぽくぽく」のあららぎるるる、「山田の弁当」のオオノサトシといった連載陣も調子よくて、
さらに軽部華子とかまたきみこという注目株も出てきて勢いいいです。
軽部華子は「くみちゃんのおつかい」という変なマンガでデビューしてそのままシリーズ化されて、単行本まで出てしまうという超個性派。 寺山修司作品がギャグマンガになったみたいな妙な魅力があります。
かまたきみこは、波津彬子さんのアシスタントのかまーさん。何号か前の「空を見る人」という作品が評判よくて、短期連載開始。 ギャノンという巨大企業(コピー機とFAXをあつかてます(笑))に立ち向かうフリーのOA機器修理人のお話。 変な設定ですが、一口には説明できないので、ま、読んでください。伸たまきが描いた雨柳堂現代版みたいな感じ。
『ネムキ』って、変なマンガばっかり〜。
そういえば、【朝日ソノラマホームページ】がいつのまにか開設されていました。
各地で川の増水による事故が起こっているが、利根川の増水もかなりのものだった。
買物にいくため橋を渡ったのだが、いつもならはるか下のほうに見えるはずの川の水面が異様に近い。
水面までの距離が、通常の1/3ぐらいしかない。それだけ増水しているということだ。
橋の上から見える光景も一変している。ふだんならゆるやかに流れる川の両側には砂と草の河原があって、林もあったりするのだが、それがない。
代わりにあるのは、いつもの三倍近くも幅のあるうす茶色をした「河」で、その河のところどころに緑色の固まりがいくつも顔を覗かせている。
緑色の固まりは浮島ではなく木々の梢なのだ。河原も草も樹の幹もぜーんぶ水の下になっちゃって、林のてっぺんの方だけが水面から出ているのだ。
安全が保証されている限りにおいては、なかなかのスペクタクルである。
もっとも地元民の夫の話によれば、台風のときなどはこんなものではなくて、それこそ橋げたすれすれまで水が来ることもあるらしい。
川は怖いのだ。
(1999.08.17)
新聞によると利根川流域のとある場所で、助けを求める男女の声を聞いた人たちがいるらしい。もしや事故……。うーん……。
リゲインEB錠という、眼精疲労や肩凝りに効くという薬を買ったら、オマケとして高さ8センチほどの青いテディベアのキーホルダーがついてきた。 可愛いのでパソコンの上に飾っておいたら、なんとなく名前をつけたくなった。 で、そのテディベアにふさわしい名前を考えようとしたんだが、某掲示板の読みすぎらしく、なぜか「クラニー」という名が浮かんできてしまう。 どうやっても頭から離れないので、このテディベアをクラニーと命名。
どこかで同じサイズの赤いテディベアをさがして「アズレー」と名付けねば。
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