1999年 |
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金蓮花『竜の眠る海 虚飾の檻』前篇・中編・後編(集英社コバルト文庫)を読了。
完結していないのを知って、迷いつつ冒頭を読みはじめたら、止まらなくなって結局後編まで読み終わってしまった。
「つづく」の文字が恨めしい。は、早く完結編を〜っ。
『竜の眠る海 剣の末裔』の直接の続編なので、呼んでいない人はまずそちらから読むべし。
物語は『剣の末裔』から2年後のお話。『剣の末裔』のラストでオロディカナへ渡った恋人タニミナを迎えに来たはずのカディア皇帝ダーシャ、
だが、彼の口から発せられたのは信じられないような裏切りの言葉。さらに姉姫ノーイの身にも異変が……。
姉の身を案じるリューイ王子であったが、タキエダ領主カズサの危篤を知らされ、エシャンテへと旅立つことになった……。
ダーシャ&タニミナの話とエシャンテのカズサ&アサノの話を強引にくっつけ、リューイ君は狂言廻し。 シリーズ物の拘束を逆手に取ったともいえますね。 書きたかったのは、カズサとアサノのお話でしょう。これは本当は銀葉亭茶話のための物語だったのかも。 夏椿のエピソードがすごく良いです。この人は、不器用な初恋を描かせたら右に出るものはないんじゃないかと思います。
謎が見えた時点で、「つづく」になっちゃって残念。だから、は、はやく続きを〜っ!(って、急かすと品質落ちるんだよな)
もう定期購読料が切れていたと思ったのに、 なぜか『季刊・幻想文学』54号が届きました。払い込んだのは、51号からの4冊分の代金だったのですが、 増刊のモダンホラー・スペシャルの分がカウントされて いなかったみたいです。まさか定期購読者には 無料進呈とかいうんじゃないと思うので、次回入金時に清算する予定。
今回の特集は、「世界の終わりのための幻想曲」。
でもって、小特集がなんと「山尾悠子の世界」。
山尾悠子、15年ぶりの復活!いやぁ、すごいぞ、偉いぞ『幻想文学』。
(と、騒いでいたら、もっとすごい事が……)
上遠野浩平『ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王』(電撃文庫)読了。
近所の本屋では見つからず(多分、赤羽近辺の結界に阻まれているんでしょう)、旦那に購入を頼みました。いままでこの方法を思い付かなかったとは不覚。 東京(新大久保の江崎書店のきわめて近く)に通勤しているんだもの、コキ使わにゃ。(笑) どうやら旦那の方もこのシリーズが気に入っていた様子で、 文句も言わずに買ってきました。代金も請求しない。
ストーリーは『ブギーポップは笑わない』の後日談。巨大高層建築”ムーンテンプル”に閉じ込められた人々。その中には『ブギーポップは笑わない』の登場人物たちもいて……。
不可思議な空間を出現させる「歪曲王」とは何者か……。というような話。
『エヴァ』TV版の25話に似ているという噂もありますが、そんなにエヴァエヴァしてるわけじゃありません。
前の2作(『VS イマジネーター』や『パンドラ』)と比べると軽めだと思いますが、シリーズ物の中休みとしてはこんなものかと。
私は嫌いじゃありません。
それにしても、『エヴァ』に似ているという声が出ても、菊地秀行の名前が上がらないのは何故? 読者分布が違うから? 二重人格で妖糸使いっていったら、秋せつらだと思うんだけどなぁ。
電撃文庫のTVCMで、『ブギーポップは笑わない』のイメージアニメみたいなのが流れていますが、 間違ってもアニメ化なんぞしないで欲しいものだと思います。 なににろ、アニメや映画は一人称の視点では撮れないだから。
『季刊 本とコンピュータ』98年冬号(トランスアート) が本屋に届いたというので取りに行く。
目当ては「欲しい本が書店にない!」という記事だったのだけれど、一番面白かったのは、黒崎政男「古いメディアはなぜ、魅力的なのか?」。
黒崎政男「古いメディアはなぜ、魅力的なのか?」では、情報の「質料性」ということを問題にしている。
===引用開始===
マクルーハンの<メディアはメッセージである>という言葉は、このような考えは間違いである、と主張している。 どのような伝達手段(情報の質料)が採用されているのか、ということが、それ自体ですでに、ある意味性(メッセージ性)を帯びてしまう、ということなのである。 (p.61)
===引用終了===
===引用開始===
情報がデジタル化によって質料性から解放されたことは、決して、我々が情報を質料性なしに<形相そのもの>で享受できるということを意味しないのである。 (p.62)
===引用終了===
同じ小説をハードカバーで読むのと文庫で読むのとディスプレイ上で読むのとでは、読み手の感想は違う――ということなんでしょう。
うーん、確かにそうなんだろうと思います。小説なんて、ディスプレイに縦書き表示される場合と横書き表示される場合だけで、雰囲気全然違ってしまうし……。
「本当は文庫本で読んではいけない本」というのもあるし。(でも経済的理由などで仕方なく読むんだけど)
そうなると、絶版本をオンラインで……というのは、次善の策ではありますね。
とある方が、「山田ミネコの単行本未掲載作品がのっている雑誌をみつけました」と譲ってくださいました。 山田ミネコ「アフリカの魂」が掲載されている号です。
昭和48(1972)年発行ですから、今から25年以上も前の雑誌です。なのにちゃんと(物理的に)読める。雑誌の場合、インクがにじんじゃって読めなくなることが多いんですが、 よほどよい環境にあったのか、はたまた良い紙を使っていたのか……。
25年前の雑誌だから内容が笑えます。デビューしたての郷ひろみのインタビューとか載っているんだもの。
あんまり面白いんで、目次や広告に出ている作品のリストを抜き出しておきたいぐらいです。(やるつもりだったんですけど、時間が……。)
巻頭は山田ミネコ「アフリカの魂」。アフリカ系米軍兵士と日本女性の間に生れた少女が主人公の学園物。作者の認識の甘さとかいろいろあって、現在では差別問題に引っかかるような作品。
だから単行本にも収録されていないんでしょう。
特筆すべきは、今見てもあまり古さを感じさせない西本弘子の絵の上手さでしょう。目の中に星が入っているけど、それを除けば今『プリンセス』あたりに載っていても、全然おかしくない絵柄。
デッサンもほとんど狂っていないし。(って、わざわざ書かなくちゃいけないほど、他の人がひどいってことでもあるんですが。)
お針子がプレイボーイの御曹司に騙されるが、誠実な青年と出会ってうんぬんというお話はちょっとアレですが、
脇役のダンサーの女性が良くってね。西本弘子、どうしているのかなぁ。コミックス出てたんでしょうか。(あとで、古本パティオあたりで質問してみましょう。)
美内すずえが25年前に環境破壊がテーマの作品「日本列島一万年」を描いていたっていうのも驚き。
あと木内千鶴子が「先生と生徒の愛と憎しみを描く、異色感動読みきり」というのを載せてます。 担任の女教師にあこがれる女の子が、同僚との恋愛問題がこじれた教師のためにおせっかいを焼いて、かえって疎まれて登校拒否になってしまうというお話。 こういう話は25年前からころがっていたんだねぇというべきか……。 木内千鶴子って、リアルタイムで読んでいるときは、絵柄は古いし話も辛気臭くて嫌いでしたが、 実は児童文学とか子どもの文化とかの観点からは、押えておかないといけない作家なのかも。巴里夫とかさ。 延々と雑誌に掲載されていたってことは、読む人/支持する人がいたってことですものね。 (それとも単に教育委員会対策だったのか??)
それから『アタックNo1』の浦賀千賀子が『ベルサイユのばら』のパクリみたいな話を描いてます。 18世紀フランスを思わせる国で、黒い剣士と名乗ってテロ活動を行っている少女が、王女に化けて宮廷に乗り込むが実は彼女は……、というお話。 (『ベルばら』ってより『ラ・セーヌの星』かも。) 本家『ベルばら』は、コミックスの3巻が出た頃なので、週刊誌の方では黒騎士のエピソードをやっていたはず。 やっぱりパクリですね。そのまんまだもの。
埼玉は雪。車が動かなくなるといけないというので、アルバイト先では「女性職員への避難勧告」(←これも差別か??)が出されました。
自動車で通勤している人が多いから、チェーン無しなど確かに危ないんです。
私も自転車を置いて徒歩で帰宅。といっても、歩いても15分の距離だから大騒ぎするほどの話でもないんですが。
帰ってきたら、本屋から注文した本が届いたとの連絡あり。
性格診断をしてくれるというサイト(【 データでわかる辛口性格診断 】)で、診断してもらいました。
312人目のかんしゃく玉タイプだそうで、おもわず爆笑。
当たってる!! ちなみに詳細はこれ。312人も同じタイプの人がいるとは心強い限りです。あはは……ぁぁ〜ぁ。
面白かったので、旦那にもやらせてみました。うちの旦那は、これだそうで、並べると我が家の力関係が一目瞭然というかなんというか……。
さらに別のサイト(【心理学実験室】)で診断してみた結果がこれ。最初のとほぼ同じこといってます。
連絡のあった本屋で注文していた本を受け取る。留守電が2回も入っていて、1本は手違いかと思ったら、2冊別々に届いていたのだった。
届いていたのは以下の本。
・『T−Time インターネット<縦書き>読書術』(ボイジャー)
・佐藤史生『心臓のない巨人』(小学館PFコミックス)
別の本屋で、『異形コレクション9 グランド・ホテル』(廣済堂文庫)を見つけ購入。 実を言うとこのシリーズ、立ち読みはしても買った事はなかったのだ。 ホラーは守備範囲じゃあないから。掲載作品は、ホラーと幻想文学の境界線上の作品が多いので、買ってもいいとは思うのだけれど、表紙がコワくて〜。 今回購入したのは、京極夏彦と恩田陸が描いているのと、グランド・ホテル形式という趣向のせい。 全ての物語が1999年2月14日にあるホテル内で起こったという設定は、なかなかにワタクシ好み。
佐藤史生の漫画は、【小学館オンライン】で注文したのだが、思ったより早かった。 近所の書店店長によれば、「最近インターネット注文が増えてます」とのこと。 インターネット注文で書店に届けてもらう方式だと、わざわざ書店に出向いたりしなくて済むし、思い立ったら夜中でも注文できて便利。 宅急便方式と違って、フルタイムで働いている人や昼夜が逆転している人でも自分の都合のいいときに本を取りにいけるし。 書店側の負担も軽いのでは?(返本できるんでしょうか?) ただ、引き換え証が貰えないので、どの本を注文したのか注文者がちゃんと覚えておく必要あり。 注文画面をプリントアウトしておくのが良いのかも。
期待に胸を膨らませ、T-Timeをインストール。
いそいそと立ち上げるが、うーん、重い。というより、私の環境が貧弱なだけなんだが。
動作環境は486DX4-100MHz 以上または、Pentium-100MHz以上だそうで、私のマシンはPentium-120MHzなので、ほとんど余裕のない動作環境。遅いのも無理はないか。
T-Timeを購入した最大の理由は、HTMLを縦書き表示できるからだったのだけれど、
見出しタグ(<H3>や<H2>)が自動改行されないので、表示がおかしくなります。テキストに落としてから表示すべきか?
フォント情報ファイルを勝手に作成するのも、なんだかなぁ……。
でも縦書き表示自体はそんなに悪くないので、ニフティなどにアップされている小説データを拾ってきて、流し込むという使い方が良いのかも。
とりあえず、私の遅いパソコンじゃなくて、旦那の速いパソコンにインストールすることにします。
佐藤史生『心臓のない巨人』(小学館PFコミックス)を読む。
表題作のほか「バビロンまでは何マイル」を収録。どちらも<複合船>が出てくるSFで、雑誌掲載したものを加筆訂正したようです。
複合船というのは定住することなく宇宙を放浪する宇宙船で、乗組員は皆家族(人数は数百人)で、「船母」と「王」が「統治」しているらしい。
「心臓のない巨人」は、その複合船を舞台にした作品だが、ページ数が少なかったためか今一つ説明不足で私にはよく分からなかった。
【佐藤史生データベース】の掲示板でいろいろな感想が出ていますので、興味のある方はどうぞ。
「バビロンまでは何マイル」には、いつまでも若く美しい聖娼婦たちの「修道会」なるものが登場し、ベネ・ゲセリットかいなと思いきやなんと……。まさかこーゆー話だとは思いませんでした。私には「アレフ」の変奏曲に思えます。
いつものようにインターネットにアクセスすると【ニム】さんからメールが届いていた。急いで、【溝口さんの掲示板】を見ろという。
なんだぁ?と思って見てみると、どっひゃぁぁぁぁ、あの伝説の山尾悠子サンご本人の書き込みがっ!
たまげました、たまげました、たまげました。大森望さんや山之口洋さんや中野善夫さんまで驚きの声を上げ、最後には野阿梓さんまで登場されてしまった。
あまりのことに管理者の溝口さんもビビっていたらしい(笑)。
私は畏れ多くてあそこに書き込みできなくて、周辺掲示板をうろついてました。
でもあの掲示板で、最初に山尾悠子復活のファンファーレを鳴らしたのは私だもんね〜、
と、ちょっぴり誇らしく思ってたりします。
山尾悠子「仮面舞踏会」との出会いについては98年5月21日付けの日記を参照。
もちろんあの『SFマガジン』の特集は今でも大事に取ってあります。ル・グィン「アンギャールの宝物」と鈴木いずみ「魔女見習い」、 山尾悠子「仮面舞踏会」の三作は忘れられない作品で、
時々作品の一節がいきなり頭に浮かぶことすらあります。
でも、ハヤカワ文庫版の『夢の棲む街』は持っていますが、三一書房版は高くて買えなかった薄い山尾ファン。
『仮面物語』も未読だし……。
このサイトがDASACON賞にノミネートされたそうである。
ノミネートされた他のサイトを見ると、名前が並ぶなんて光栄を通り越して畏れ多いサイトばかりなのであった。
スタッフのサイトがノミネートされていないのが、奥床しい。(票割れを危惧してという話もある。)
【DASACON-- ださこん --】とは、 『第三勢力コンベンション』の略で「合宿形式で行なうネット系SF者のオフライン・ミーティング」のことらしい。合宿形式では私は参加できないである。しくしくしく。 このネーミングは秀逸だと思うぞ、私は。 多分、第一勢力が紙ベースのファンジンやってた人たち(今や書き手の側にまわっている)で、 第二勢力はパソコン通信ベースでのSFファン、でもって第三勢力がWWWベースでのファン活動をやっている人たちなのでは、という気がする。 WWWページ主体で活動してるから、濃厚に議論したりせずに適当に住みわけてるのが特徴。 WWWで議論してるヒトは、第三勢力じゃなくて、WWWに進出してきた第一・第二勢力のヒトたちでしょう。
『異形コレクション9 グランド・ホテル』(廣済堂文庫)読了。
1999年2月14日にとある郊外のホテルで起こった出来事を競作するというスタイルのアンソロジー。
これはお薦め。同じような話ばかりかと思いましたが、意外にいろんなバリエーションが楽しめました。
でもやっぱりホラー短篇は文章の上手下手が露骨に出ますね。
中でも恩田陸「深夜の食欲」が光ります。これは怖かった。恩田陸は短篇の方が上手いと思います。雰囲気を盛り上げるのが巧みですから。
期待の京極夏彦は、うーん……。決して下手とかいうんじゃないけど……。なんせエノキヅが出てないしなぁ。
自分でも意外だったのは、田中啓文「新鮮なニグ・ジュギペ・グァのソテー。キウイソース掛け」が気に入ってしまったこと。
そうか、私はこういうぐちょぐちょのも平気だったのね。これなら、ラヴクラフトもイケるかも。飯野文彦「一目惚れ」も面白かったです。
はいはい、私は鬼畜なお話が好きなんです。トリ(巻末作品は井上雅彦作ですが、これは半分あとがきだから、実質的なトリはこちら)の菊地秀行「指ごこち」も良かったです。
リリカルでエロチック。
波津彬子インタビューが『別冊ぱふ コミック・ファン 1999年5号』(雑草社)に掲載とのこと。 買わねば。
イラついております。精神状態不安定です。 ちなみに原因はアルバイトの仕事内容です。対人処理能力が人より低く、対人処理用バッファ(堪忍袋というやつ)の容量が人より小さい私が、 よりによって受付のお仕事やってたんだもん、そりゃストレス溜まるさ。多いときには3時間ぶっつづけで30人と応対しなくちゃならなかったんだぜ〜。 (1日平均100件の受付け作業を二人で担当してました。)
書類を綴じたファイル受け取って、MAX15種類の書類がちゃあんと揃っているかどうかチェックして、チェック表にチェックして、ファイルから台帳となる書類を抜いて、受付簿に相手の名前を書いて、 台帳用書類と受領証とに番号を振って、ファイルに番号シールを貼って、お客に受領証を渡して挨拶して、ファイルを箱にほうり込むまでが、一連の作業。 これを客一人につき6分でやる。中には書類が揃っていない奴もいるから、何が不足してるかを説明し、あまりにも足りない奴はお引き取り願う。これが大変。 もう夕方にはヘロヘロ。
これだけの数をこなしてますと、書類の厚みと持ってきた人の雰囲気を見るだけで、書類がちゃんとそろっているかがなんとなく判るようになります。 ほとんど占い師の気分。占い師の人も半分くらいはそうやって判断しているんでしょうね。 人は外見じゃないなんてことはないです。性格は外見に出ます。ほんと。
でもそんな辛いお仕事も今日で終わり。3月からはひたすら手書きで台帳作りです。
ああ、ところで、一体ぜんたい何の仕事やってんの? と思われた方もいると思いますが、
某地方自治体の「指名参加願いの受付けと登録作業」です。公共事業を請け負いたい企業というのは、
必ず各自治体に対して「指名参加願」という書類を提出しないといけないのだそうで、その書類の受付け作業を、某お役所の寒い玄関ホール(他に場所がなかったらしい)の片隅でやってました。
ここ読んでいる方の中には、ひょっとしたらそういう書類を作成したり、あちこちの自治体へ書類を届けたりした方もいるかもしれませんが、
書類出す方も大変でしょうけど、受け取る方も大変なのです。
最寄りの本屋で、以下の本を購入。波津彬子インタビューの情報を「波津パラダイス」に追加せねば。
・『別冊ぱふ コミック・ファン 1999年5号』(雑草社)
・TONO×うぐいすみつる『しましまえぶりでぃ 2』(朝日ソノラマ)
図書館で以下の本を借りる。
・藤森照信『建築探偵日記 東京物語』(王国社)
・津野海太郎『本とコンピューター』(晶文社)
・サラ・パッレキー『ゴースト・カントリー』(早川書房)
・O.R.メリング『ドルイドの歌』(講談社)
宮沢勝之という人のコンサートに行く。福祉系さだまさしといった感じのヒトです。 実をいうと半分お義理でチケットを買ったのですが、コンサートが終わる時には、本気で拍手してました。 親の老いをテーマにした歌とかあって痛くて……。でもまたコンサートがあったら、絶対行くでしょう。 勢いでCDも買ってしまいました。
ええと、「SFファンのためのインターネット・ガイド」で、ハヤカワ文庫FT 総目録が紹介されてます。 そうか、書評リンクが白眉だったのか。んじゃ、もう少し気合いれて更新します。
野阿梓「ソドムの林檎」後編は、姉川孤悲が暴れまくってくれて爽快。
大原まり子「神の片鱗」もぶっ飛んだ美少女(そういう形容詞はなかったが、美しくないのかな?)が出てきてツボ押し状態。
こちらは隔月連載だそうなので、来月は買わなくて済むのね。
雑誌の連載小説って好きじゃないんだよね。
「ソドムの林檎」みたいに掲載回数がわかっていれば、一生懸命買うけど、何回続くかわからない連載小説のためにだらだらと雑誌を買うのは……。
雑誌側からすれば、連載目当てに購読者が増えるのがいいんだろうけれど。
津野海太郎『本とコンピューター』(晶文社) 読了。
津野海太郎は、『季刊 本とコンピュータ』の編集長。要するにあの雑誌の元になったエッセイ集がこの本ということらしい。
1991年から1993年にかけて書かれたものなので、ネタ的にはやや古いが、雑誌と同じようなテーマ(DTP、電子本、活字などなど)が扱われている。
クヌース(という偉いプログラムの先生がいるのです)の「芸術としてのプログラミング」論というのを紹介している「美しい本」の章が一番面白かった。
クヌースというのは、(ちょっと前の)プログラム屋なら当然知っていなければならない人で、私も名前だけは一応知っているが、著書を読んだかどうか覚えていない。
引用されている部分を読むと、とても面白そうなのだが、引用している津野海太郎がプログラムに疎いヒトなものだから、
却ってわかり難くなってしまっている(というか余計な思想的雑音が入ってうっとぉしい)。これはやっぱり原典に当たった方が早い、というわけで、
有澤誠編『クヌース先生のプログラム論』(共立出版, 1991)という本があるそうなので、探してみようと思う。
By 有里 alisato@anet.ne.jp
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