1999年 |
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綾辻行人『セッション―綾辻行人対談集』(集英社文庫)読了。
新刊書店で、『ネムキ 2000年1月号』と『このミステリがすごい! 2000年版』を購入。
図書館で、相場博明 『ポップコーンの科学-ふくらむなぞに挑戦-』(さ・え・ら書房)を借りる。
ポプラ社版江戸川乱歩の少年探偵の新装版が並んでいました。
上遠野浩平『ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ侵蝕』(電撃文庫)読了。面白かった〜。
上遠野浩平が橋本治に影響を受けていることに1000ギタン。ブギーポップの最初のやつは、実は『桃尻娘』だったんじゃないか……とか。『ハイスクール八犬伝』と比べてみるのも一興か。
相場博明 『ポップコーンの科学-ふくらむなぞに挑戦-』(さ・え・ら書房)読了。
子ども向けとして出てますが、ポップコーンがなぜ膨らむかを簡単な実験を通して推論していく大人が読んでも面白い本。
科学するココロを身につけようという本ですね。とーっても解りやすくて、おすすめ。
結論からいうと、ポップコーンが膨らむのは、水蒸気と圧力のせいでした。水が気体(水蒸気)になると非常に体積が増えるというのと、気圧が上がる沸点が上がり、下がると沸点も下がるというのがポイント。
コーンを加熱すると中心部分の水分が水蒸気になる。
↓
水蒸気によってコーン内部の圧力が上がる。
↓
コーンの皮がやぶれると、内部の圧力が一気に下がる。
↓
圧力が下がることで中心部の外側に含まれていた水分が沸騰し、デンプンを膨らませる。
というようなことらしい。
ポンせんべいも原理は同じ。釜の圧力を上げた後、、蓋を開けて一気に圧力を下げることで米を膨らませているらしい。
電子レンジで、ゆで卵やタラコを加熱すると破裂するのも同じ原理だそうです。
京フェス'99の「ヤングアダルト総括」を受けて、
【林哲也さんの不純粋科学研究所】
では、「ヤングアダルトの起源」を探るプロジェクトが発動しています。
関連する日記記述は、
【1999年12月5日】、
【1999年12月12日】、
【1999年12月15日】
あたり。
林さんはリスト者なので、文献データに裏付けされたしっかりした考証が期待できると思います。今度の動向に注目。
昔の文庫ハサミ込みチラシは、ブック・オフへ行って該当文庫を片っ端から開いてみると、そのまま残っていることが案外多いものです。
ワタクシも及ばずながら、側面攻撃……じゃなかった側面援護を。体力があれば、ニフティのログも掘り出したいところですが、現在大量の更新案件を抱えていて身動きとれないので、コバルト文庫の情報をメモしておきます。
というわけで、集英社文庫コバルト文庫Y.A.シリーズについて。
これは<ヤング・アダルト>とはいっても、「オタク系ヤングアダルト」ではなくて、サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』につながるような「晶文社系ヤング・アダルト」作品のことです。文庫表紙見返しの説明に寄ればつぎのようになります。
===引用開始===
《Y.A》
Young Adult Litereture の略
若者が直面するさまざまな問題をテーマに描かれたヴィヴィッドな現代アメリカ青春文学の総称。
===引用終了===
S.E.ヒントン『アウトサイダー』表紙見返し より
私が確認できた限りでは、1983年2月発行のストラッサー『エンジェル・ダスト・ブルース』から1984年8月発行のロバート・タイン 『フットルース』までが、このY.A.シリーズの名前で刊行されています。1984年末ぐらいまでは海外翻訳物はY.A.シリーズとして出ていた可能性がありますが、1985年1月発行の『ベスト・キッド』にはY.A.シリーズの名前がついていません。
この手の海外翻訳作品でコバルトで出た最後の作品が、ロバート・コーミア『チョコレート戦争』(1987/08)。
赤木かん子絶賛の名作で、その後扶桑社文庫で復刊したようです。
Y.A.シリーズとして出た主な作品をリストアップしてみます。
集英社文庫コバルトY.A.シリーズ
(多分抜けがあります)
トッド・ストラッサー 『エンジェル・ダスト・ブルース』(1983/02/15) S.E.ヒントン 『テックス』(1983/04/15) ソニア・レヴィタン 『H2O…涙』1983/04/15 A・M・ステファンセン『アンバースディ』(1983/05/15) ル・グイン 『ふたり物語』(1983/05/15) S・E・ヒントン 『アウトサイダー』(1983/06/15) トッド・ストラッサー 『ロックンロールナイト』(1983/06/15) S.E.ヒントン 『おれたちのレクイエム』(1983/07/15) リチャード・ペック 『レイプの街』(1983/07/15) ポーラ・ダンツィガー 『1/2ペアレンツ』(1983/08/15) リズ・ベリー 『イージー・コネクション』(1983/08/15) ノーマ・クライン 『サンシャイン』(1983/09/15) J・P・リーディング 『恋のトライアングル』(1983/09/15) デニス・ネメック 『ロングウェイ・ホーム』(1983/10/15) マリリン・エゼル 『名探偵は19歳 スーザン・サンド 1』(1983/10/15) マリリン・エゼル 『名探偵は19歳 スーザン・サンド 2』(1983/10/15) マリリン・エゼル 『名探偵は19歳 スーザン・サンド 3』(1984/02/15) マリ・ブラディ 『ラスト・クリスマス』(1983/10/15) リアノー・フライシャー『ステイン・アライブ』(1983/11/15) スチュワート 『オータム・ストーリー』(1983/11/15) ジャン・ユーリ 『マリアンの木曜日』(1984/01/15) ジュディ・フィーファー『ラブ・クレイジー』(1984/01/15) ミッシェル・モーリス 『朝のこない夜』(1984/02/15) ラリー・ボグラッド 『バッド・アップル』(1984/03/15) ウォルター・オクレシー『ワンウェイ・トリップ』(1984/04/15) ヘンリー・ビーン 『ロンリーウェイ』(1984/05/15) ノーマ・クライン 『ビギナーズ・ラブ』(1984/06/15) ジョアンヌ・ウェブスター『キッシング・タイム』(1984/06/15) ロバート・タイン 『フットルース』(1984/08/15)
あんまり売れなかったんだろうなぁと思います。 解説目録を読むと凄いテーマが扱われているんですが、登場が早すぎたってことなんでしょうね。
たとえばこんなの。
===引用開始===
リチャード・ペック 『レイプの街』
N.Y郊外の小さな町に住む少女ゲイルは平凡な少女。 ところがある日彼女に無言の電話が…見えない影におびえ、 ジリジリと追いつめられるゲイルを待っていた運命とは。
===引用終了===
『コバルト文庫 ’90解説目録』p.194 より
発行は1983年7月。解説を読む限りではストーカー物のようです。しかしこのタイトルは……。
===引用開始===
ミッシェル・モーリス 『朝のこない夜』
毎晩酒臭い息をふきかけながら、のしかかってくるパパ。 幼女の時から父親に犯されつづけてきた少女カーラがたどりついた、 汚辱にまみれた青春からの逃げ道とは?
===引用終了===
『コバルト文庫 ’90解説目録』p.196 より
性的虐待物です。発行は1984年2月。この頃には既にこーゆーのが出ているわけですね。
もともとコバルトシリーズのもとになった『小説ジュニア』は、
「いま愛と性に悩みぬくわたし『ひと夏の浜辺に”性の地獄”を見た!』」(文庫ハサミ込みのしおり裏の1979年8月号広告より)
なんていう読者告白体験記が載るような雑誌ですから、こういった作品が文庫に入っていても不思議はないのかもしれません。
ただ、こういうのを「Y.A.シリーズ」と銘打って出していた手前、集英社は絶対にコバルト文庫やスーパーファンタジー文庫を「ヤングアダルト」とは呼ばないだろうなぁという気がします。
@niftyのログをちょっとだけ掘り返しました。 【SF&ファンタジーフォーラムのWebページ】には 【ライトノベルとは?】 というページがあって、「比較的若い読者、具体的には小学校高学年から20代くらいの人向けの文庫やノベルズから出ている小説の総称として、FSFで考えたもの」と定義してあります。
フォーラムにライトノベルの会議室が出来たのは、1990年12月です。(圧縮ログがFSF1 MES2 #97にあります) 最初は「ライト・ノベル」とナガグロのある表現でした。ナカグロなしの「ライトノベル」になったのは、1992年ごろのことのようです。会議室が出来る前のどの時点からこの名称が使われるようになったのかは、まだ不明です。 時間があるときに調査は続行しますが、溯れるのはニフティができた1987年までですね。
フォーラムでは明言していませんが、会議室利用者の間では「ライトノベル」は明らかに「かるいSFとファンタジー」の意味で使用されていたようです。
冬物衣料などなどを買う。
新刊書店では以下の本を買う。文庫版『幽霊宿の主人』は見つからず。
・山田章博『おぼろ探偵帖』(日本エディターズ)
・『コミック・ファン』7号
・波津彬子『燕雀庵夜咄』(白泉社文庫)
12/11の日記を更新しました。
ネットをごそごそと検索して、年賀状に使う画像をゲット。
とりあえず版下は完了。あとは宛名を打ち込んで印刷するだけ。(これからやります)
23日には投函したいものです。
障子の張り替えをする。実家には障子がなかったので、生まれて初めての作業でありました。
ノリじゃなくてアイロンで張るタイプの障子紙なので、かなり楽なのですが、古い紙をはがすのに手間取り、
今日は一枚分しか張り替えることができませんでした。
マメな同居人の大活躍で私は楽。
家中のレースのカーテンを洗濯。そういえば、去年も同じ日に洗濯していたっけ。洗濯機の水が唖然とするくらい汚くなる。 洗い立てのカーテンは眩しいほど白い。やっぱり手間かけるなら、これぐらいの結果はでないとね。
あとは年賀状をプリントアウトしたりとか。
宛名印字にはフリーソフトの
【AddressBook】
を使用。3種類の印刷(リスト、はがき、システム手帳)をサポートしたアドレス帳で、印字プレビューできるのがポイント高し。
パソコンにプレインストールされている市販ソフトよりよっぽど使い勝手が良いよ。
台湾の波津彬子ファンの方からカードが届いた。地震があったというので、心配していたのだが、ご無事でなにより。
気忙しいので(忙しいのは気だけなんだけど)、本が読めません。牧野修(←溝口少年よりキチク系認定)も、体力なくて読めません。
積読本を片づけなくちゃいけないんだが、うーっ……。
読みたい本(久美せんせいやテリー・ブルックスや倉阪せんせいの新刊)は、うちのほうの本屋にはまだ配本されませんし。
(下手すると永遠に配本されないかもしれない。イナカだから)クロネコヤマトするか、どこかに買出しに出るか……。
年末だからクロネコヤマトも日程的に苦しいか?
冷蔵庫の奥に忘れ去っていた漬物の容器があったので、フタをあけてみると、見慣れぬ白いぶよぶよした物体が……。
一瞬、何か別のものの容器をあけてしまったのかと思いました。
次の瞬間、ソレが何かを認識して(多分カビです)、「ギャッ!」
ソッコーで棄てました。動いてはいなかったようです。
『カウボーイ・ビパップ』にこういうネタがあったよなぁ……。
ミレニアム・イベントとして、ルミナリエが東京に来るらしい。
詳細は
【東京ミレナリオ】
で。
ちなみにこちらが、
【神戸ルミナリエ】
公式ホームページ。
去年のものは
【これ】
とか。きれいですねー。
すこし前の 【備忘録(10月23日)】 で細田さんが 【『このミステリーがすごい!』で過去に誰がどの作品に入れたか・日本編(1999.10.23)】 というのを発表していたので、そのリストをもとに誰がワタクシ的に趣味の合う書評家であるか調べようと、 私の好きな作品に票を入れている作家をリストアップして集計してみた。
で、その結果がこれ。
12 大森望・(臼田惣介) 10 関西学院大学 8 京都大学・森脇晃・西上心太・浅羽莢子・田中成穂・本多良隆 7 ワセダミステリクラブ・北村一男 6 慶應義塾大学・広辻万紀・黒田昌徳・柴田静也・千葉大学・土屋和夫・柿沼瑛子 5 碓井隆司・山崎幸雄・川出正樹・村上貴史・東京大学・日下三蔵 ・穂井田直美・鈴木文平
ワタクシ好みの作品には、綾辻と京極が多いので結果が偏っている気もします。
トップに大森サンが来ちゃうのは、やっぱりーという感じですが、これは別に私が大森せんせいオススメの本を狙って読んでいるからという理由だけではなさそう。
大森せんせいは泡坂妻夫『生者と死者』なんてのにも票を入れているんだから、基本的にアクロバットな話が好きなんだと思う。臼田惣介は、私と趣味が合致しているのが綾辻と京極に集中しているので、除外。
意外だったのが、関西学院大学。森博嗣『今はもうない』に票を入れた人がいたりして、
どうやら約一名私と似た趣味の人が交じっているらしい。
ワタクシ的に注目しているのが、柿沼瑛子、安藤吉和、鈴木文平の3人。ワタクシ好みのどちらかというと幻想文学系の作品を選んでいた人たちですね。
というようなことを頭にいれつつ、『このミステリがすごい! 2000年版』をチェック。
ベスト20に入った海外物では、
・キャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』(創元推理文庫)……雪樹さんのおすすめだったのでは?
・エリザベス・フェラーズ『自殺の殺人』(創元推理文庫)……『猿きたりなば』も良さそう
ネットでも話題の国内物は、
・京極夏彦『巷説百物語』(角川書店)……仕掛け人シリーズだったのか
・津原泰水『蘆屋家の崩壊』(集英社)
・天童荒太『永遠の仔』(幻冬舎)
柿沼瑛子イチオシの服部まゆみ『この闇と光』(角川書店)もワタクシを呼びます。今年は、これに票を入れた人を中心にチェックしたほうがいいのかも。と思ってリストを見ていたら、千街晶之と田中成穂が久世光彦『逃げ水半次無用帖』(文藝春秋)を挙げてますな。どんな本だ? 久世光彦も捕物帖も好きなので、これもチェック!
【タニグチリウイチ】さんの
【積ん読パラダイス】
を読みに行ったら、読んでいない部分がずいぶんとありました。久しぶりだったからなぁ。
【フランチェスカ・リア・ブロック『ウィーツィ・バット』(東京創元社、)】
で、さりげなく「ヤングアダルト」論を展開したりと、相変わらず示唆に富んだ書評が多いです。
TONO『ダスクストーリィ−黄昏物語−1』(集英社)が出ているのを知ったのも収穫。
でもワタクシ的に一番気になったのは、
【森青花『BH85』(新潮社)】
の書評。ああ、痛い、痛い、痛すぎる。眼鏡が曇って、ディスプレイが見えません……。
図書館で以下の本を借りる。どうも小説が読めない精神状態にあるようです。
・五味太郎『さらに・大人問題』(講談社)
・本の雑誌編集部編『匿名座談会』(本の雑誌社)
・篠田節子『寄り道ビアホール』(朝日新聞社)
ついでに京極夏彦『巷説百物語』(角川書店)もリクエスト。4人待ちだそうです。 読めるのは、来年の3月か?
自分の分だけ年賀状を出して(同居人の分はまだ)、書店で本を買う。欲しい本が全然入ってこないのだ。
あ、ハリー・ポッターは、ありました。こんなイナカにも配本するなんて大丈夫なのか出版社? 出版社は売れたときほど危ないといいますが。まあ、ボーナス・クリスマス・お正月でお年玉と売れる要素はありますから、大丈夫なのかな。フォントが変更されるのが気になるという意見もあるようですが、ちらっと見た限りでは私はそれほど気にならなかったです。『はてしない物語』などなどで慣れているからかも。活字の中に別のフォントの活字が混ざるのは大丈夫なんです、わたしの場合。気になるのは手書きが混じる場合。 なぜか知りませんが、一気に興ざめしちゃう。
牧野修『忌まわしい匣』もまた入っていました。角川ホラー文庫の新刊の方はなかったです。入らなかったのか、売れちゃったのか。友成純一の「リョージョク(←なぜカタカナかというと変な検索に引っかからないためだよーん)の魔界」は3冊も入っていたのに。
でも顔と名前の割れている店でアレを買う勇気はない。
・富樫義博『HUNTER×HUNTER 7』(集英社 ジャンプコミックス)
・『ホラー・コレクション おぞけ』(祥伝社文庫)
・『異形コレクション14 世紀末サーカス』(廣済堂文庫)
【うさぎ屋】 さんのところでも、「世間的にはファンタジーとはいかなるものとして認識されているか」という問題の考察が続いています。 【読み手の歴史】 【曖昧な】 をお読みください。
SFから入った人と児童文学から入った人とゲームから入った人では「ファンタジー」観が異なるというのは、
私も感じることではあります。
「『ファンタジーって言葉の意味が曖昧なまま』 どんどん流布しちゃったんじゃないか」というのも思い当たる点がありますね。
ただ、私の感覚では児童文学方面で「ファンタジー」という言葉を使い始めるようになったのは、『指輪物語』がメジャーになってからという気がするんです。 それまで、魔法が出てきたり、あちら側へいってしまう物語(ナルニア国ものがたり、『ひかりの国のタッシンダ』、『ムッドレの首かざり』、『銀の炎の国』などなど)はたくさん書かれていたにもかかわらず、それを「ファンタジー」とは呼ばなかったんじゃないかと。 少なくとも私の場合は、ハヤカワ文庫FTが出て初めて、私の好きな「あちらの側へいってしまう物語」が「ファンタジー」という名称で括ることができることに気がついたわけで。
SF方面ではずいぶんと前から「ファンタジイ」という名称が使われているようです。 1970年5月号の特集が「特集:ファンタジィ・ファンタジイ」ですから。掲載作品については後で調べます。( 【SF雑誌データベース検索】 で検索可能だと思うので。)
ところで手元にある『別冊奇想天外No.10 SFファンタジィ大全集』(奇想天外社, 1980)をぱらぱらやっていたら、
笠井潔が「ファンタジーの遍歴時代――セルバンテスからトールキンまで」という題でファンタジーの歴史について語っているようです。うーっ、なぜいつも私の前に出てくるのだ笠井潔。
で、読みました。「ファンタジー」をセルバンテスに端を発する西洋の非リアリズム小説の系譜で眺めるといった内容でした。
『別冊奇想天外No.10 SFファンタジィ大全集』においては、「幻想文学」も「ファンタジー」も一緒の扱いのようです。
巻末の必携図書リストには、芥川や鏡花、中井英夫の名前もありますから。(それも『虚無への供物』の名前があがってる! トールキンファンがファンタジーだと思って読んでもわからんだろう、あれは。)
ただ、こういう形で特集本が出るってことは、1980年には「ファンタジー」はメジャーになりつつあったということなんでしょうな。
というわけで、相変わらず頭の中はごちゃごちゃしたまま。年表には幻想文学系のリストも加えないといけないんですけどねぇ。 妖精文庫とか。
ファンタジーの名称や定義については【みとさんのなりゆきの本棚】でも話題になっているようです。
赤木かん子『大人のためのヤングアダルト絵本ガイド』(サンタポスト)読了。
クリスマス・プレゼントとしていただいた本です。ほんとうにありがとうございます、くださった方。
サンタポストという無店舗会員制書店の主催で開かれた「赤木かん子の絵本講座」をもとにした本だそうです。
冒頭がジャンル論、つぎに子どもの本について、それから絵本の紹介となっています。
ジャンル論はメッセージ性の強い作品を書く作家については的を射ているような気がします。
(ジャンルに「忠誠心」を持っている作家には当てはまらないと思いますが)
===引用開始===というのは、大変納得。
そのように、ひとつのジャンルが生まれ、成熟して、爛熟して、衰退していく……、それは、 それを読む時代の人たちの精神状態と密接な関わりがあります。本は本だけで存在するのではなく、それを読む人間たちと一緒に存在するのです。 ですから、読者の方がそれを必要としなくなったら、そのジャンルは廃れていきます。今、とても人気のあるジャンルがあるとします。 そうしたら、「それが一体何で人気があるのだろう?」「今の人たちはなにが面白くてそのジャンルが人気があるのだろう?」 と考えてみると大変面白いです。
===引用終了===
p.18
夫の実家の餅つきを手伝いました。餅を搗くのは機械がやって、私の役目はもち米を蒸している釜の火の調節(マキを使うのです。)ですが。
役得として出来立ての「からみ餅」をいただきましたです。
このあたりの「からみ餅」は、大根おろし+すりゴマ+みそ+しょうゆ+さとう+青海苔に搗き立ての餅をからめたものです。
ヨメに来てからこういうものがあるのを知りましたが、なかなか美味でございます。(でもウチの夫はコレが嫌いで絶対に食べようとしないのだった)
関東なので四角いのし餅を作って硬くなったところで切り分けるのですが、包丁で切り分けるのは大変かもしれないと夫が言い出したので、餅切り機(紙の裁断機のような形状をしている)というのを買ってきて、クリスマスプレゼント代わりに義母にプレゼントしました。自分が代わりに切ってやるといわないところが……(苦笑)。
プロバイダは@NIFTYとBIGLOBEを使っています。@NIFTYは、月150時間コース、BIGLOBEは月15時間コースです。
主に@NIFTYを使用しているので、定額料金内の接続時間をオーバーすることはありませんでした。11月までは。
夜中のテレホ時間は@NIFTYにつながり難いので、BIGLOBEのアクセスポイントからアクセスしていたのです。でも自分が15時間コースであることをコロッと忘れていたのです。15時間コースは、15時間を超えると、1分10円だかのえらい高いレートで課金されます。1時間オーバーすると600円。5時間オーバーすると3000円……。
先ほど確認してみましたら、ハリー・ポッターと『巷説百物語』が買えるほど時間オーバーをしていることが判明しました。 やっちまったことは仕方がないですが、経済的理由からハードカバーは買うのを我慢して図書館で借りているのに、なんてこった。自分のうかつさが憎い……。
あ、【ニムさんの12月24日の日記】でつっこみが。
『まぼろしの白馬』って1964年発行ですか。でもって、すでに「ファンタジー(架空の物語)」という言葉が使われている……と。では私の昨日の ”児童文学方面で「ファンタジー」という言葉を使い始めるようになったのは” というのは、 ”「ファンタジー」を(サブ)ジャンルとして認識するようになったのは” と言い換えたほうがいいのかな。
私の頭の中では「(海外の)児童文学=不思議や魔法を描いたもの」という認識があって(リアリズム小説は眼中になかった)、 でもそれが「ファンタジー」という枠で括られることを知らなかった……ようなんですね。 『ひかりの国のタッシンダ』にも『光車よ、まわれ!』にもムーミンシリーズにもナルニアにも「ファンタジー」という言葉は使われたいなかったような気がする。
「ファンタジー」という言葉が「本の売り文句」として登場したのはいつかというのも、研究課題にしておきましょう。
それから【SFオンライン】最新号の書評欄で井辻朱美さんがご自分のファンタジー観の一端を披露しているので、ファンは見るべし。特に秘密調査員の人。
ブックス・王へ行ったら、文庫本どれでも100円セールをやっていたので、13冊ばかり買う。
コバルト文庫関係のチェックを行う。コバルトシリーズで『スーパーガール』もY.A.シリーズであったことを確認。
それからコバルト文庫の藤本ひとみの本の中に「Revival Selection」と銘打たれたものがあって(『キューピットの迷宮』『トレドの花冠』など)、これは何なのだろうと以前から気になっていたのだが、ようやく真相が判明。
これらの作品は、もともと角川スニーカー文庫で出されたものだったのだ。
1988〜1989年にかけて、なぜかは知らないが当時のコバルトの作家(久美沙織、藤本ひとみ、図子慧、喜多嶋隆)が、スニーカー文庫にも書いていた時期があっって、その一部がコバルトに戻ってきたというわけ。まあ、藤本ひとみだからこその処置だと思います。
購入本は以下の通り。
・A・ブルトン『シュルレアリスム宣言』(岩波文庫)
・我孫子武丸『0の殺人』(講談社文庫)
・我孫子武丸『8の殺人』(講談社文庫)
・谷山浩子『ボクハ・キミガ・スキ』(集英社コバルト文庫)
・図子慧『四月闇桜姫』(集英社文庫コバルトシリーズ)
・R・シリヴァーバーグ『時間線を溯って』(創元推理文庫)……昔、持っていましたが
・R・ラッカー『空を飛んだ少年』(新潮文庫)……もしやレア物?
・パトリック・オリアリー『時間旅行者は緑の海に漂う』(ハヤカワ文庫SF)
・岡崎弘明『月のしずく100%ジュース』(新潮文庫 ファンタジーノベルシリーズ)
d 岩本隆雄『星虫』(新潮文庫 ファンタジーノベルシリーズ)
d 岩本隆雄『イーシャの舟』(新潮文庫 ファンタジーノベルシリーズ)
d コニー・ウィリス『わが愛しき娘たちよ』(ハヤカワ文庫SF)
d 井辻朱美『パルメランの夢』(ハヤカワ文庫JA)
ようやくハヤカワ文庫の新刊を置いてある店をみつける。
・テリー・ブルックス『妖魔をよぶ街』上下(ハヤカワ文庫FT)
・キャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』(創元推理文庫)
・『SFマガジン』2000年2月号
来年からは、購入した本を検索できるように見出しを考えよう。値段も入れたほうがいいかも。
ようやく同居人の分の年賀状も書き終える。
親戚のところで不動産トラブルふたたび。頭と胃が痛いことではある。(なんせ当事者は我が家の地主なんで下手すると火の粉が掛かってくるのよ。)
ということで、精神点にクリティカルダメージを受け、ネットとゲームに逃避する。
TVゲームやパチンコは逃避行動としては、非常に効果的かも。殺人を犯した少年が、その後最初にやったことはTVゲームだったとかいう話がありましたな。エヴァのアスカもゲームに逃避してたし。
年賀状を出して、銀行に行く。年末だし、2000年問題対策で何冊もの通帳に記帳しようとする人が多いから時間が掛かった。
新刊書店にはやっとハヤカワ文庫FTの新刊や角川ホラー文庫の新刊が入った。
牧野修や若竹七海を横目で見ながら(小林泰三はハードカバーで持っている)、
なぜか目が合ってしまった中井拓志『quarter mo@n クォータームーン』を買い、
帰ってから大掃除もせず一気読み。
家計簿の締め。クレジットで買ったものは私の口座からお金が落ちるので、ややこしいことになっている。 赤字じゃないですが、でも……ちょっと……うーん。そういや、来年は車検だ。うーっ。
中井拓志『quarter mo@n クォータームーン』(角川ホラー文庫)読了。
1999年9月、岡山県久米原市で起こった奇妙な事件が起こった。学生の自殺や集団リンチによる殺人事件が相次ぎ、その現場には「わたしのHuckleberry friend」というメッセージが残されていた。事件を追う捜査員は、やがて中学生たちの間にひろがるネットワークを発見する。
いとうせいこう『ノーライフキング』の1999年版といった趣の作品。事件に関った人間たちが陥ったコンピュータ・ネットワーク社会の「罠」の怖さは、インターネットを徘徊する人間にとっては他人事でない怖さである。
「ネットの外に存在する人格」の意図せぬ方向に言葉は暴走し、ネット内に悪意が蔓延する。「ネット内の真実」にネットの外の世界までもが侵蝕される。
これはネット社会を体験していないと実感できない怖さなのかもしれない。
『SFマガジン』2000年2月号の書評欄(p.266)で東雅夫サンがすごく誉めてましたが、各所の掲示板で匿名・実名・仮名の発言者による批判やら中傷誹謗やらの発言にさらされたアズ……じゃなかったヒガシさんだから当然というか。
作者は自分でページを作ったことはないか、あるいはあまり技術的な知識はないらしく、細かい点では時々首をかしげる表現がないこともない。たとえば、メールアドレスなんかなくたって、どこからアクセスされたかの見当はつくでしょとか、新聞社のサイトへのリンクを貼ったからって自動的にバックリンクされるわけじゃないでしょ(p.330)などなど。
もっともインターネット社会の体験はあるようで、全体的にネット世界の描写はリアル。
掲示板のやりとりや、メールでのやり取りなど妙に既視感を覚える。
別に件の人をモデルにした人物が出てくるわけではないけれど、あとだま系ウォッチャーは必読。
自分自身がネット社会の罠に陥らないためにも。
半日、家計簿と取っ組み合っていました。どうにか辻褄があったので、これでいいや。
あとは本を整理しなくちゃならんのだが……本棚に入りきらないぞ。どうすんだ?
2000年問題対応のため、データをバックアップ。ホームページ関連は1ヶ月ごとにバックアップしてますが、今回はその他のデータも一応バックアップ。
【うさぎ屋本舗】の掲示板では、SFとファンタジーの違いという話題で盛り上がっています。
ワタクシ的には
・ファンタジーはSFのサブジャンルではない。
・ヒロイック・ファンタジーはファンタジーではなくSFのサブジャンル。
・ファイナルファンタジーはファンタジーではない。
・魔法が出てくる作品の全てがファンタジーになるわけではない。
・C・L・ムーアは幻想SFだけど、ファンタジーにくれるなら貰う。
・ブギーポップはヤングアダルトSFだけど、ファンタジーにくれるなら貰う。
・ワタクシ的ファンタジーは、夢の領域に近い。
・ワタクシ的に好きなファンタジーはホラーの感触を持っている。
・作者のメッセージは、ファンタジーのファンタジー性を損なう。
などなどの認識をもっているんですけど、まとまらないぞー。
納会帰りの旦那と落ち合って、東京ミレナリオを見に行くことにした。
「混んでる」だの「昨日挨拶回りの時にちらっと見たけど、つまんないよ」だのと渋る夫を「千年に一度の機会なのよっ!」と説得したのだ。ついでに倉阪鬼一郎の新刊と<ファンタジーの森>の新刊もゲットする心積もりであった。こういう機会でもないと本が買えないもんね。
午後から出かけるつもりだったのだが、財布を忘れたと旦那から電話があったので、財布を届けるために少し早めに家を出た。 電車の中でキャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』(創元推理文庫)を読む。 大宮の駅で昼食をとって、北与野ブックデポ書楽へ。
幻想文学の棚は割ときれいに並べ直されていた。久美沙織『ドラゴンファームの子どもたち』を発見。
新しく入った壁際の棚には新書ノベルズがびっしり並んでいた。あまりにびっしり並んでいたので、一瞬めまいがしたくらいである。入り口付近には、ハリーポッターが平台ひとつを占拠していた。うーん……。売れてますかねぇ。
新刊の棚で倉阪鬼一郎『白い館の惨劇』を発見。装丁、きれいですねぇ。
2階の児童文学売り場で前回買いそびれた『季刊ぱろる 7号 翻訳って何?』を購入。この売り場も棚を増やすらしい。
ヤングアダルトと銘打ってある棚が面白いなぁと眺めていたら、『左手のパズル』を発見。「呼ばれた」かな?
時間がないので、そそくさと待ち合わせ場所の上野駅のBOOK GARDENへ。
波津彬子の白泉社文庫を探すが『燕雀庵夜咄』しか見つからず。あとは、恩田陸をチェックしたりとかいろいろ。
旦那は45分の遅刻。手がけたシステムにバッグが発見されたのだそうな(対応は来年)。
ミレナリオの点灯時間には間があるので、秋葉原へ。待ち合わせ時間を決めて散開。私はLAOXコンピューター館をうろうろする。 HTML関係の本をチェックしたりとか。しかし「ホームページが簡単に作れます!」だけじゃなくて、「ホームページを作るための最低限のお作法」をちゃんと教える本はほとんどない。インプレスの『作ろう! 魅せるホームページ実践テクニックガイド』は、そういうところまでフォローしたよい本でしたが、新版になったからは、その辺がちょっと……。(それでも他の本よりはずっと良いのですが)
合流時間になったので、旦那と合流。秋葉原から東京駅まで歩く。(旦那は現在ウォーキングにこっています)
東京ミレナリオ会場の近くへいくと、プラカードを持った案内の人が立っていた。その案内にしたがっていくと、おおっ、 彼方に光のアーチが!
だか、そこに行く前にすでに道幅いっぱいの人、人、人の列ができていた。でもって、その列というか人でできた河の後ろの方にくっついて歩く。のそのそと歩く。信号を渡る……と東京駅の前の道路である。そこを交通規制して、人の列を誘導している。列の先頭はすぐ目の前に見えるのだが、そこにいくまでには何度も大きく蛇行させられるのであった。光のアーチの入り口につくまでに40分かかりましたです。
光のアーチはきれいだったけど、入り口で見てるのが一番きれい。中に入るとそれほどでもなかったりするのだった。
ブックデポ書楽
・倉阪鬼一郎 『白い館の惨劇』(幻冬舎, \1600)
・久美沙織 『ドラゴンファームの子どもたち 上』(プランニングハウス, \1060)
・久美沙織 『ドラゴンファームの子どもたち 下』(プランニングハウス, \1100)
・『季刊ぱろる 7号 翻訳って何?』(パロル舎, \1200)
・萩尾望都/文 東逸子/絵 『左手のパズル』(新書館, \1359)
LAOX
・『正しいHTML 4.0 リファレンス&作法』(株式会社ビレッジセンター出版局, \1200)
・『T-Time Ver.2.0』(ボイジャー)
更新が溜まっている分のメモ。
井辻朱美のページ……新規発見分の情報の追加。『ぱろる』とかアエラムックとかSFオンラインの書評とか(済)。
波津彬子のページ……文庫新刊の情報の追加(済)。
赤木かん子のページ……新刊情報の追加。
ハヤカワ文庫FTのページ……新刊情報を追加(済)。FTリンクのチェックと更新。
角川ホラー文庫リスト……作者順リストと索引を追加(済)。
ユリイカリスト……訂正と更新(済)。
1999年日記……話題索引と読了本索引の作成。感想未記入本に感想を追加。五色不動。99年ベスト。
1998年日記……話題別索引の作成。読了本総索引の作成。
2000年日記……レイアウトをちょっと変更。関連マクロ変更。
コバルト文庫……情報を入力すべし。はやいとこケリをつけたいぞ。
読了した本を書き忘れていたので、読了記録を追加しておきます。いつ読み終わったのかも忘れてしまった。
ロバート・J・ソウヤー『さよならダイノサウルス』(ハヤカワ文庫SF)読了。
面白かったです。SFガジェットの存在が気にならなければ、ソウヤーはミステリー(←注意。音引きあり)読者にも受けるのでは。
『ホラー・コレクション おぞけ』(祥伝社文庫)読了。
大掃除の続きをしてから、ブックオフ館林店へ行き、その後正月用品の買出し。
BOOK-ACE
・TONO 『ダスクストーリィ ―黄昏物語―』(集英社 クリムゾンコミックス, \714)
・紫堂恭子 『オリスルートの銀の小枝 4』(角川書店 ASUKAコミックスDX, 520)
ブック・オフ館林店
・名香智子 『ふんわり狩人 1』(新書館ペーパームーンコミックス)
・名香智子 『緑の誘惑』(新書館ペーパームーンコミックス)
・かわみなみ 『十二夜戦士』(集英社 EYES COMICS)
・小泉喜美子 『月下の蘭』(徳間文庫)
キャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』(創元推理文庫)読了。
素晴らしいっ! 年末ぎりぎりになって、マイベスト10入り決定!
というわけで、ばたばたしている間に31日です。
やり残した作業は山のようにありますが、ともかく皆様よいお年を!!!
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