Alisato's 本買い日誌*

2000年 01月 上旬

更新日: 2002/05/23

2000年01月 [ 上旬 / 中旬 / 下旬 ]

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Topics

01 (土)
[diary] ごあいさつ: 01/01
[game] 千代紙駒の『さんさめ』: 01/01
02 (日)
[diary] 正月の過ごし方: 01/02
[購入本] 波津 彬子『幽霊宿の主人(あるじ) 冥境青譚抄』 (白泉社文庫,1999.12,\600+税): 01/02
03 (月)
[book] とりあえずのマイベスト5: 01/03
04 (火)
[game] ニューさんさめにハマる。: 01/04
[net] 啓蒙活動 ふたたび: 01/04
久美沙織『ドラゴンファームのこどもたち』: 01/04
05 (水)
倉阪鬼一郎『白い館の惨劇』: 01/05
07 (金)
[ya/ft] ヤングアダルトとライトノベルの来歴: 01/07
08 (土)
[購入本]花郁 悠紀子『カルキのくる日』 (秋田書店 秋田文庫,2000.2,\562+税): 01/08
テリー・ブルックス『妖魔をよぶ街』上下: 01/08
[ya/ft] ファンタジー年表関連メモ: 01/08
09 (日)
[obs] 本庄・遊あいらんど: 01/09
[購入本] 風見潤・編『見えない友だち 34人+1』(集英社コバルトシリーズ): 01/09
[購入本] 竹内志麻子『夢みるうさぎとポリスボーイ』(集英社コバルトシリーズ): 01/09
[購入本] 竹内志麻子『そこでそのまま恋をして』(集英社コバルトシリーズ): 01/09
[購入本] 谷山浩子『きみが見ているサーカスの夢』(集英社コバルトシリーズ): 01/09
[購入本] その他4冊: 01/09
10 (月)
竹内志麻子『夢みるうさぎとポリスボーイ』『そこでそのまま恋をして』: 01/10

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2000.01.01 (土)

◆[diary] ごあいさつ

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

ばたばたしている間に2000年になってしまいました。カウントダウンはボレロを見ながらでした。去年と違い、カウントダウンが終わってからすぐにご近所の神社に初詣に行って甘酒を飲んできました。

◆[game] 千代紙駒の『さんさめ』

私が作っている千代紙背景のパターンを利用して、【ARCOIRIS】のIRISさんが駒落しゲーム「ニューさんさめ」(三次元「さめがめ」)用の駒を作ってくださいました。
「さめがめ」というのは有名なフリーソフトの駒落しゲームなのですが、「ニューさんさめ」はそれを3次元にしたものです。駒が色紙のように重なっているのです。ハマります。駒の選択中にアニメーション表示されたりして、見ているだけでも楽しいのです。千代紙駒も色をアレンジしてあって、とってもきれいです。

というわけで、お正月用のゲームをお探しの方はぜひ。

駒は【ARCOIRIS「さんさめ」の駒展示室】にあります。
ゲーム本体は、【ニューさんさめ】の「Program」コーナーからダウンロードしてください。

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2000.01.02 (日)

◆[diary] 正月の過ごし方

今年は2000年問題対策で旦那が自宅待機せねばならないので、横浜の実家に帰らずに家で過ごす。
年賀状を出しにいった帰りに新刊書店に寄り、波津彬子『幽霊宿の主人』(白泉社文庫)をゲット。 波津彬子ページの更新を行う。

正月番組はつまらないので(『ショウムニ』はビデオに撮ったけど。江角マキコの脚はかっこいい。)、『宇宙戦艦ヤマト』映画版のビデオを引っ張り出してきて、アラを探してツッコミを入れながら鑑賞。なんでいきなりこんなものが出てきたかというと、旦那が本の整理をしてヤマトな漫画本を山のように掘り出してきたからである。ブック・オフにもっていくというので、ソノラマ文庫をすこし拾っておく。香山滋が一冊だけありました。

□[購入本] 波津 彬子『幽霊宿の主人(あるじ) 冥境青譚抄』 (白泉社文庫,1999.12,\600+税)

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2000.01.03 (月)

■[book] とりあえずのマイベスト5

だらだらの正月三日目。
WEB日記ページを整理したりしてました。雑誌を除くと1999年は160冊ぐらいの本を読んだようです。月平均13冊なのでこれが普通のペースなんですが、1998年、1997年と通常よりも多くの本を読んでいたせいか、 1999年は、あまり本を読んだという気がしません。読みかけている本はまだあるんですが、途中で止めちゃうとなかなか読み終わりませんね。
ベスト5は、以下の通り

1 コニー・ウィリス『ドゥームズディ・ブック』(早川書房) [1999/06/10]
2 キャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』(創元推理文庫)[1999/12/30]
3 小林恭二『カブキの日』(講談社)[1999/05/11]
4 山之口洋『オルガニスト』(新潮社)[1999/05/10]
5 妹尾ゆふ子『魔法の庭 3 地上の曲』(プランニングハウス) [1999/11/03]

1位と2位がなぜかクリスマス本ですね。5位は迷いましたが、応援の意味でもこれを入れておきます。正確には、魔法の庭三部作+『風の名前』ぜんぶまとめて5位という感じ。感想、まだ書いていないんですよね。かかなきゃー。

リンクページもなんとかせねばならないですねー。

2000年の読み初めは、辰年ということで久美沙織『ドラゴンファームのこどもたち』(プランニングハウス)。お人好しすぎる主人公にハラハラしながらも苛立つことがないのは、作者の絶妙なバランス感覚による人物造詣の賜物かな。しかし、ディーディーに黙って勝手に息子をこさえたりして大丈夫なのか、フュンフ?

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2000.01.04 (火)

◆[game] ニューさんさめにハマる。

ニューさんさめ】にハマる。
「木枯らし落し」というモードの駒がずじゃじゃじゃじゃーと落ちていく様子が快感なのだ。

◆[net] 啓蒙活動 ふたたび

あーっ、びっくりした
まさかあんなところで自分の名前を発見しようとは……どきどき

『カウチップの魔術師』はタイトルがヴィンジで中身がティプトリー(「接続された女」)というパロディとしては高度な形態なので、ちょっち分かり難いかと……。

ちなみにヴァーナー・ヴィンジ『マイクロチップの魔術師』は新潮文庫(品切れ)で、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「接続された女」「愛はさだめ、さだめは死」「男たちの知らない女」は短編集『愛はさだめ、さだめは死』(ハヤカワ文庫SF)に収録されております。
以上、啓蒙活動でした。

(2000/01/05)
注記がつきましたね。わーいっ。
ジョン・バーンズ『大暴風』は未読です。人工生命ネタは好きなので読もうかなぁ。

失礼小説注釈集が欲しいなぁ欲しいなぁ、といっていたら【失礼文学館(仮称)(http://r-a.virtualave.net/sitsubun/index.html)】の【カウチップの魔術師(http://r-a.virtualave.net/sitsubun/cowchip.html)】に注釈と参考資料リンク集がっ! AIについてからコンピュータ・ウィルスについてまでしっかり知識が身についてしまう。なんてすごい。
こういうのなんて言うんでしょうね。わざわい転じて福となす? こうなると件の人がミューズを自称したとしても、誰も文句いえないかも。ああこわい(^_^;)

■久美沙織『ドラゴンファームのこどもたち』

久美沙織『ドラゴンファームのこどもたち』(プランニングハウス)読了。

5人兄弟の末っ子(だから「フュンフ(5番目)」と呼ばれる)にして、デュレント・ペンドラゴン牧場の跡継ぎのケイオス・デュレントももう妻も子もある21歳。愛竜シッポとそのこどもたち、姉のリアンらとともに、エリからタービュランスへの飛竜遠距離耐久レース(竜によるパリ=ダカール・ラリーですな)に参加することになるのだが……。

お人好しで頼り無げなのに、なぜか彼を中心に物事が善い方向へ転がっていってしまうフュンフ君が主人公のドラゴンファームシリーズの完結編。

ドラゴンが出てくるとはいっても、久美沙織の描く竜は翼のある馬犬といったイメージで、ドラゴン=伝説の幻獣のイメージを抱いていると最初のうちは戸惑う。出てくる人物も事件も妙にドメスチック(中には世界的な陰謀話も含まれるというのに!)で日常的なので、きらきらしいドラマチックファンタジーを期待した人はやっぱりちょっと戸惑うだろう。だが、日常的でリアルであることこそがこの作品の魅力であるし、ドメスチックでありながら、ファンタジーとしての「不思議」と「真実」はしっかり含まれている。

今回のテーマはタイトルどおり「こどもたち」だが、フェミニズム・テーマも含まれている。フェミニズムな部分はちょっと生煮えだと思う。(キャラクターがギロンしちゃまずいよね。)この問題は何が最善かという結論が出ていないので、生煮えなのも仕方が無いのかもしれない。

キャラクターでは、レースで競い合うことになる女性4人チームの中のひとり、黒髪の女戦士ヴァラがとってもカッコいい。(フュンフ、黒髪にキツイ目をした女性がタイプか?)
将来が心配だったヒンドリにも、どうやら幸せやってきそうだし、めでたしめでたしである。

シリーズものなので、シリーズの最初から順番に読むのがよろしいでしょう。第一部の『ドラゴンファームはいつもにぎやか』は残部少という噂があるので、早くまとめて購入するが吉。
(2000/11/23 追記:版元倒産のため、もはや新刊書店では手に入りません。)
(2001/09/06 追記:ハヤカワ文庫JAよりドラゴンファームシリーズとして復刊)

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2000.01.05 (水)

このページ上部のJavaScriptが変なようです。というか、2000年問題に対応しようとしたら、かえってヘンになってしまったんだな。我が家で最初の2000年問題による障害発生ですな。あ、ビデオのGコード予約も動かないのだが、使ってないから別にいいや。

■倉阪鬼一郎『白い館の惨劇』

倉阪鬼一郎『白い館の惨劇』(幻冬舎, \1600) 読了。

美術館となっている白い館を舞台に起こった殺人事件に「名探偵」が挑む……といっちゃっていいんでしょうか? 相変わらずメタメタした構成です。

白地に藤田画伯の手による額縁の絵と金文字のタイトルという、たいへん美しい装丁。シリーズの残りはやっぱりタイトルに合った地色の装丁になるのでしょうか。
某日記で「ザ・ヒヌマ・マーダー」をやっていると書かれていたのはこういうことかぁ。砂嵐というので、ちょっと皆川博子の短編を思い出したり。「駝鳥館」にゃ頭を抱えましたけどねぇ。そのうちパンダ館(……大熊猫館?)も出てくるのではなかろうかと思っちゃいましたよ。

ゴーストハンターと仲間たち(山田宮司も好きだな)の出てくるパートは楽しませていただきました。キャラクター至上主義者としてはあの人たちがトリオ漫才やってくれればそれで満足というか。
キチクな原理主義者たちと「とくにたたかわない」というタレた姿勢がいかにもらしくてよろしいですね。
朱盤というのは、よい名前なのになぁ。もったいないなぁ。

というわけで、カルトな(?)一冊。マニアならちゃんと『赤い額縁』から順に揃えるべきでしょう。

購入ガイド
・倉阪 鬼一郎『白い館の惨劇』 (幻冬舎 ,2000.1,\1,600+税)
 ISBN4-87728-353-6【amazon】 【bk1(01713360)

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2000.01.06 (木)

だれだれでどんよりしていて、やる気なし。でも一応井辻朱美のページとか角川ホラーのページは更新しました。

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2000.01.07 (金)

◆[ya/ft] ヤングアダルトとライトノベルの来歴

「ヤングアダルト」という名称の来歴について、【林哲也】さんの【1月3日の日記】で新事実が明るみに! なんと『現代用語の基礎知識』に「ヤングアダルト」が載っていたらしい。続報を待つ。

「ライトノベル」という名称の来歴については、@niftyのFSFのシスオペの方からメールをいただきました。要約しますと以下のようなことらしいです。

メールには晶文社系「ヤング・アダルト」についての引用もあったのですが、孫引きになるので引用は控えます。元になったのは、『児童文学事典』(1988年,東京書籍)と、ヤングアダルト出版会の『英独仏ヤングアダルト図書視察レポート』(1993.9)だそうです。
晶文社〈ダウンタウンブックス〉、岩波書店〈あたらしい文学〉、理論社の〈10代の本セレクション〉などが晶文社系「ヤング・アダルト」らしいんですが、具体的な作品名は宿題ということで。
ティーンエイジャーの問題意識を前面に押し出した作品ということですが、日本の若者は問題意識なんて持たないんだから、そんな本売れっこない/売れなかったと思います。問題意識を持たないんじゃなくて、問題の質が違うというべきなのかもしれないけど。

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2000.01.08 (土)

□[購入本]花郁 悠紀子『カルキのくる日』 (秋田書店 秋田文庫,2000.2,\562+税)

■テリー・ブルックス『妖魔をよぶ街』上下

テリー・ブルックス『妖魔をよぶ街』上下(ハヤカワ文庫FT)読了。

イリノイ州ホープウェルに住む少女ネストは、祖母の血筋から魔力を受け継ぎ、森の精とともにホープウェルの公園を守っていた。だがある年の夏、ホープウェルの町に不穏な雰囲気が立ち込め、ネストの前には見知らぬ訪問者がつぎつぎと現れた。

20倍に薄めたキング『IT』+2倍に薄めたマーガレト・マーヒーといった趣。面白かったのですが、この手のモダン・ファンタジー(あるいはアーバン・ファンタジー)が好みなだけに、点が辛くなってしまいます。あともう一歩で傑作!って感じなだけど、どこか物足りない。ジョン・ロスのキャラクターはすごくいいのに、そのほかのキャラクターが一味足りないというか……。もうすこし、なにかこう緊迫感とか恐怖感があってもいいと思うんですけれど、感情移入しにくいったら。視点がネストとボブせんせいとジョン・ロスの間で移り変わるのが原因かもしれません。
 原題の RUNNING WITH THE DEMON は、たいへん意味深なタイトルなんですが、日本語には移し難いですよね。 DEMON は 「デーモン」と訳してありましたが、DEVIL とはどう違うのでしょう?

(2000/01/11) で、調べました。詳しくは1/11の「デビル、デーモン、ウィザード」で。

購入ガイド
・テリー・ブルックス/井辻 朱美訳『妖魔をよぶ街 上』 (ハヤカワ文庫FT 268,1999.12,\660+税)
 ISBN4-15-020268-0【amazon】 【bk1(01712587)
・テリー・ブルックス/井辻 朱美訳『妖魔をよぶ街 下』 (ハヤカワ文庫FT 269,1999.12,\660+税)
 ISBN4-15-020269-9【amazon】 【bk1(01712588)

◆[ya/ft] ファンタジー年表関連メモ

うさぎ屋本舗】の近況にファンタジーの話題。

『指輪物語』の新訳愛蔵版の初版発行日は1992年3月19日。

【うさぎ屋本舗】の掲示板の加藤隆史さんの書き込み(「Re^2: SFファンのファンタジー」1999/12/30 06:54 )によると

====引用開始====
SFM 71年10月号に「アトランティス英雄幻想譚」として5編が掲載。
特集解説に「ファンタジイ」という表現が一回出現。
収録作は
「ツザン・トゥーンの鏡」R.E.ハワード
「ダゴンの末裔」ヘンリー・カットナー
「ウリオスの復讐」エドモンド・ハミルトン
「タンディラの眼」L.スプレイグ・ディ・キャンプ
「マルグリスの死」C.A.スミス
====引用終了====

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2000.01.09 (日)

◆[obs] 本庄・遊あいらんど

同居人で運転手のヒトがドライブするというので、くっついていった。目的地は、本庄・遊あいらんど。 CDや古本も扱っている中古ゲーム屋さん。棚3本を占領している古いコバルト文庫を1冊10円で売っている。掘り出し物は去年拾ってしまったのだが、まだ残っているものを探す。ならべ方がバラバラなのでイライラして、片っ端から作者ごとにまとめて並べ直す。が、量がありすぎて、全部は無理だった。無念。

やっぱり一番多いのは山浦弘靖先生。ああ、リスト作らなきゃ。当然のことながら、売れていた人ほどこういうところに出る率も高いです。でもある時期からコバルト文庫は買い取りをしなくなったらしく、日向章一郎が全然なかったです。氷室冴子の金銀もなかったなぁ。

あもい潤『@テンション!』を見つける。『BOOM TOWN』のパチもんのようです。どうやら私はサイバー・パンクは苦手だけど、サイバー物は好きらしい。要するにパンクが苦手ってことか。ま、あたしってヴィクトリア朝的良識派だしぃ。

同居人がヤオイ漫画/ボーイズラブ漫画の棚にふらふらと呼び寄せられていくのを目撃。な、なぜそんな棚に寄っていく? 購入本にはヤオイ本は無かった模様。よかったというべきか? (^_^;)

書くのを忘れていたが、遊あいらんどへいく途中にある住宅展示場でおジャ魔女ドレミぬいぐるみショーをやっていた。元のアニメのプロポーションがああいう感じだからセラムンの被り物ショーより可愛かった。(車を止めて見に行こうかと思っちゃいましたよ)

□[購入本] 風見潤・編『見えない友だち 34人+1』(集英社コバルトシリーズ)

□[購入本] 竹内志麻子『夢みるうさぎとポリスボーイ』(集英社コバルトシリーズ)

□[購入本] 竹内志麻子『そこでそのまま恋をして』(集英社コバルトシリーズ)

□[購入本] 谷山浩子『きみが見ているサーカスの夢』(集英社コバルトシリーズ)

□[購入本] その他4冊

本を片づけなきゃ、整理しなきゃっていっているそばから本が増える……。

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2000.01.10 (月)

某ボランティア・サークルの新年会&総会。お食事は美味しかったけど、私の大嫌いな人間が目の前に二人もいたのでしんどかった。ふたりともよく似た体型と性格をしておりましてなぁ。体型と性格の間にはやはり相関関係があるような気が。特に脂肪の量と無神経さは正比例するのでは〜。
 帰ってきたら頭痛がしたので、薬を飲んで寝る。

■竹内志麻子『夢みるうさぎとポリスボーイ』『そこでそのまま恋をして』

竹内志麻子『夢みるうさぎとポリスボーイ』(集英社コバルトシリーズ) と『そこでそのまま恋をして』(集英社コバルトシリーズ) 読了。

どっちもおんなじ様な話ですね。一見おしゃれでさわやかそうなタイトルと表紙からは想像もつかないような(?)、だれてタイハイしてそのくせ貧乏臭い男女関係がだらだらと続く話。

『夢みるうさぎとポリスボーイ』は、年上の女と暮らしている男に振られた女子高校生が別の男の子と付き合うがそいつにも振られたところでお巡りさんと知り合い、お巡りさんと清く正しい交際をしているときに最初の男に再会して焼けぼっくいに火が点いてだらだらと関係を続け、お巡りさんが派手な格好で求愛してくれたのでめでたしめでたしになると思いきや、なんとまだまだだらだらと話が続くという……。

『そこでそのまま恋をして』は、ひとり暮らしの女の子が年上の女と同棲している男と関係を持ちながら、年下の高校生とも知り合って、職場の上司からもラブコールを受けつつ、道で出会った美形のプレイボーイともだらだらと関係を続けていくという……。

メリハリとか起承転結とかいう言葉を知らんのか? といいたくなるようなストーリーですが、文章のせいか最後まで読まされてしまいました。(メリハリがない話なのは今も同じだと思うけど、ホラーだとそれが逆に効果的)
そのものズバリの描写ではなく、暗示的な文章で何があったかを判らせるのが巧いですなぁ、この作者は。
『そこでそのまま恋をして』なんて、ベッドシーンが結構出てくるんですが、ぼーっとしていると読んでいると読み過ごしてしまうほど、さりげない。

しかし、こーんな主人公でコバルトな読者の皆さんの共感を得る事ができたのでしょうか? 久美沙織の『丘の家のミッキー』は、女の子のほうからキスをしたというのでブーイングの嵐だったそうですが。
(だめだったんだろうなぁ)

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