1999年 |
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平井和正『月光魔術団II ウルフガイDNA 1』(メディアワークス)を読む。
読んでも読んでもさーっぱり話が見えなかった『月光魔術団』、この巻の巻頭のあらすじを読んでようやくどういう話か理解する。
版元が変って第二部に入っても、なにがなにやらよくわかんなくて、やっていることは妙に健全な(?)学園ポルノである。
まあいいや、にーなが出てくるから。
『月光魔術団』は、電撃文庫に入りましたが、いいんですかねぇ、こんなの青少年に読ませて。 痴漢やレイピストはしっかり成敗されるので、教育的っていや、教育的ですが。
(1999.08.17追記)
でもよく考えてみたら、自分が青少年だった頃はもっとインビなのを読んでいた気もするので、別にいいのかも。
田中聡『名所探訪 地図から消えた東京遺産』(祥伝社文庫)を読む。
タイトルどおり、歴史的文学的な東京名所跡を尋ねて歩く本。浅草十二階や鹿鳴館、巣鴨プリズン、池袋モンパルナス、吉原といった場所が出てくる。
結構面白かったが、単なる歴史散歩でなく、荒俣宏『新東京物語 異都発掘』(集英社文庫)のように現在は存在しない街を幻視する方向でやってくれるとワタクシ的にはもっと嬉しかった。
せっかく玉の井ラビリントなんて魅力的な名前がでてくるのに……物足りなくて残念。
私と同じく存在しない街に幻想を感じるアナタには、野村宏平さんの【東京真空地帯】も面白いと思います。現実の街なのに、なぜこれほどまでにアヤシイのか。
牧野修『プリンセス奪還』(朝日ソノラマ ソノラマ文庫)読了。
ラグビーとバスケットとホッケーにウィザードリィの世界を流し込んだような格闘スポーツ「リカプト」。 中年の会社社長・三木松は、夢で出会ったプリンセスの呼びかけに答えるべく、選手を寄せ集め「リカプト」の新チームを結成した。 勝ち進む彼らの肩には実はこの世界の運命がかかっていた!
「リカプト」っていうのは、タクティクスオウガを人間がやるスポーツみたいなもんですね。
不良少年、老人、女の子、オカマ、トラウマ持ちの元名選手という寄せ集めチームがエリートチームをやっつけるという、
ハリウッド映画の黄金パターンに、美しいプリンセスを助けて世界を救うというオプションまでついているB級アクションSF風ファンタジー。
お約束物、定番メニューの場合、料理人の腕の良し悪しがもろに出るものですが、さすがに上手いというかなんというか……。
「リカプト」というゲームと夢のお姫様の依頼を結びつけるのに中年オヤジの思い込みを持ってくるとは、なんて強引(笑)。
でもそれで納得させられちゃうんですよ〜。
B級SFとしても、スポーツ物としてもそれなりに読めてしまいます。
この「説得の三木松」ってガニマタの中年オヤジが最高にかっこいい。オヤジなのにというか、オヤジだからこその男のロマン〜。(ちょっとふるほん文庫やさんの社長を思わせます)
もっともライトノベルとして見た場合、キャラ萌えしにくい作品なんで、若い人には受けなかっただろうと思います。
だいたい『プリンセス奪還』なんて、タイトルがださださだよね。
オヤジのロマンのわかる大人のあなたなら、読むのも吉。
日中暑いときは、動かず昼寝。暑い国にはどこだって昼寝の習慣があるんだよ。 サマータイムなんてくっだらない労力のムダを実施する前に、夏の昼寝を制度化せいっ!
「初心者のためのHTMLチェックリスト」というのを作り始める。参考資料として、文字化け対策のページへリンクを張ろうとしたら、そのページが消えている。
【HTML作文ノウハウ 文字化け対策】というページです。どこかに移動していないかと探しまわったけど、まだ見つからない。
一応テキスト部分はHDDに残してあるんですが、とっても残念。
WEBページはいつ消えるかわからないから、参考になると思ったページは、しっかりダウンロードしておかないといけませんね。
Nifty不調。Hyper Road のアクセスポイントからログインできない〜。
【安田ママさんの掲示板】での話題をうけて、【ニムさんの日記 8月18日】でもこの話題が。
書店員の方には悪いが、実のところ私は通常の書店員には、ほとんど期待していない。何も考えていないコンビニ店員以下の店員が8割以上だと思っているので、店員に物を尋ねることもしない。
ときどき凄い棚のある店を見ると、いい店員さんがいる店だなとは思うけど、そのいい店員さんが表に出ているとは限らないし。
(三省堂本店だけは少しはマシだと思っているので、たまに本の置き場所を尋ねたりする。)
アルバイト店員は全く役に立たないが、ベテラン店員の中にも客を馬鹿にしくさる奴がいるので、やっぱり当てにはできない。
【安田ママさんの掲示板】を読んで、ちゃんと「考えている」書店員さんもいるということはわかったけれど、
いままで書店を利用してきてずいぶんと失望や不快感を味あわされたので、まだまだ書店員への不信感はなくならない。
私と書店員との「対話」はもっぱら棚とポップを通じて行われる。最近で一番感動した棚は、新宿紀伊国屋のミステリの棚である。
私の大嫌いな有隣堂では「本のソムリエ制度」というのを始めたそうである。
(そんな制度の前に、棚作りとレジの店員の接客態度をなんとかした方がいいと思うのだが。)
でも、その制度が私の愛する三省堂本店で導入されたとしても、利用する気になるかどうかは、わからない。
万が一何かを直接的にお勧めされちゃったりすると、私って反発する方だし。
私が書店/書店員に望むことは、たとえば以下のようなこと。
こういう店になら足を伸ばす甲斐がある。売り上げに結びつくかどうかは知らんけど。
なんだか図書館に望むことと同じような感じになってしまった気もする。
・個性のある棚作り(別に客の好みは反映されてなくてもいい)
・ポップや掲示板などでの情報発信
・レジでの迅速かつ丁寧な接客態度(客が並んでいるのに、ぼーっとしてる店員がいるとこは失格)
・在庫、所在、発売日等に迅速に返答できるレファレンス・サービス
上記の「書店に望むこと」に、本の注文についての項目がないのは、私がほとんど注文をしないからである。本屋めぐりが趣味なので、欲しい本を探すことを口実にあちこちの本屋をまわっているうちに、見つけてしまうことが多いのだ。
そうやって探し回った本を見つけたときは本当に嬉しい。大事に読もうという気にもなる。
注文した本が届くのを待っている間に、他の本屋でその本を見つけてしまうことぐらい悔しいことはないし、
本が届くまでに読む気が失せることもありそうだし。それに本屋に注文するためには、正確な書誌情報を把握しておかなければならない。これが面倒。
というわけで、本を注文するのは、あちこち探し回ってみつからなかったときの最後の手段である。
予約金については、まあ仕方がないという気はする。注文して取りに来ない人というのは多いらしいし、注文した本は返品できないので、そういうことがあったら書店が損するだけなのだから。
どのみち本がくれば金は払うのだ。前払いでも後払いでも私としては構わない。
(1999.08.20 追記 ニムさんの日記8/19の予約金についての記述は、金額うんぬんではなく、予約金を要求する店員の態度が問題だったらしい)
問題なのは、発売日前の予約を受け付けてくれないことである。
少なくともうちの近所の本屋では、予約限定本以外の予約は受け付けてくれないようだ。
地方で配本が遅いから、事前に予約しておこうと思うのに、まったくっ!! もっとも、これは書店が悪いんじゃなくて取次が悪いんだと思うけれど。
最近ではインターネットで注文を出して、書店で本を引き取れるようになっってきて、これはとっても便利である。正確な書誌情報をメモしていかなくてもすむし、わざわざ書店に出かけていくこともない。
セブンイレブンで本を受け取るシステムも話題になっているが、発売日前に予約ができるようなら、それも利用するかもしれない。というより、事前予約ができるならぜひ利用したい。(ローソンの方が近いので、ローソンで受け取れた方が、個人的には嬉しい。(笑))
泡坂妻夫『からくり富』(徳間文庫)読了。
登場人物がリレー式に代わっていく捕り物帳。泡坂妻夫の作品としては平凡すぎる気がするのだが、なにか見落としがあるのかもしれない。
過去の作品との関連まで説明してくれる解説がすばらしい。
朝6時台に起きる。ラジオ体操をいく。10時までに机に向かう。プールにいく。プールの後、図書館で貸し出し限界まで本を借りる。 家に帰ってお昼を食べて、昼寝。麦茶を飲みながら本を読む。
そーゆーのが私の子どもの頃の夏休みの過ごし方でした。今は「毎日が夏休み」なもので、生活にメリハリがないですが。
今日の行動は、ラジオ体操とプール以外は正しい夏休みっぽいかも。向かうのは机じゃなくてパソコンだったりするけど。
本屋に 大原まり子・岬兄吾編『SFバカ本 ペンギン編』(廣済堂文庫)と『活字倶楽部』を探しに行ったのだが見つからず(前回行ったときはあったのだが)、
京極夏彦『百鬼夜行―陰』(講談社ノベルス)を見つけてそちらを買う。
この店は床面積は広いのだが、店長と店員+アルバイトの3人しかいない店なので、あんまり多くは望まない。手書きポップというかポスターが天井からたくさん下がっていて、そのへんの営業努力は認めている。
目立つところにオカルト・UFO・占い・ヒーリング系の本を集めたコーナーが新設されていた。いったいどうしたというのだろう? 売れるのかなぁ?
『SFバカ本 ペンギン編』は、高瀬美恵「エステバカ一代」だけ立ち読みして、結局買わなかった本なのだ。他にも読みどころが満載だというので、改めて買いにいったのだが……。 「エステバカ一代」は、わりに面白い作品だった。高瀬さんって、基本的に努力家なのねと思ったです。 もともとキャラのノリで読ませる人だから、身の丈にあわないファンタジーもどきより、こういう現代バカホラーの方が合っているんじゃないですかね。
図書館では以下の本を借りる。今回のテーマは、ネットでひっかかった作品です。
篠田節子『ハルモニア』(マガジンハウス)
柴田よしき『RIKO―女神の永遠―』(角川書店)
マイク・レズニック『一角獣をさがせ』(ハヤカワ文庫FT)
芝田勝茂『時のむすめ』(教育画劇 スピカの創作文学)
芝田勝茂『ふるさとは、夏』(福音館書店)
茶木則雄。風見潤。菊地秀行。竹河聖。柴田よしき。津原泰水。
並べてみると校風というのは、あきらかに存在するような気がする。女性はともかく、男性の方は陰謀と冒険には向かないと思う。(小心者でおっちょこちょい――な気がする。)
最近某掲示板のおかげで、ようやく津原泰水と柴田よしきの区別がつくようになった。 津原泰水が♂で『妖都』で、柴田よしきが♀で『炎都』だ。
なんでこういう話題になったかというと、私の大学の後輩で、会社員時代の後輩でもある女性の大学のクラブの同期生が津原氏であることが判明したからであります。 もっと詳しく噂話を聞いておけばよかったな〜と。単なる好奇心でございますが。(笑)
某ボランティアサークルの役員会。嫌なことだと思っているせいか、自立神経がおかしくなって、頭痛が……。
役員会は午前中だったので、昼食を食べてから旦那と一緒に車で出かける。目指すは宇都宮郊外のブックオフ。
ブックオフ宇都宮滝谷店(宇都宮市鶴田町3206-2)は、ハード・オフも併設されているフランチャイズ店。LDやハードカバーが結構多い店でした。
宇都宮ってのは変なところで、他の店ではみかけない長野まゆみのハードカバーだの早川書房の海外文学ハードカバー(SFじゃないやつ)だのがあって、なんだかとっても不思議。
ブックオフに本を売るような人が読まない本が出ているんですよ。うまくいえないけど、本を読み捨てる人だったら最初から手を出さないし、本を読む人だったら売らずに手元に置いておくような本が出ている感じ。
引越しでもあったのかなぁ?
あまり私の欲しい本はなかったのですが、野阿梓『月光のイドラ』(中央公論社 C★NEVELS)が落ちていたので、拾ってきました。
大変なお耽美だという噂ですが……。
それからイラストの棚で珍しや、坂田靖子『魔法圏』(新書館)を発見。探している人もいるんじゃないかな、これ。
店舗リストによれば、宇都宮市鶴田町にはもう一軒ブックオフがあるはずなので、番地を頼りに探してみる。
しかし、地図を見ても番地がめちゃくちゃで該当番地が発見できず。大きな通りに沿っていけば見つかるかと思ったけれど見つからず、代わりに見つけたのが、BOOK MARKET 宇都宮駒生店。
コンセプトはブックオフとほとんど同じ。ゲームソフトが多いかも。CDはブックオフより少々高め。
妙に古い本も置いてあって、手にとってみると、学校の図書館の蔵書印が押してあったり。誰だ、図書館の本を売っぱらった奴は?(笑)
ブック・オフではハヤカワ文庫JAは通常の著者別の棚とは区別されているんだけど、この本屋ではJAも作家別の棚に一緒に入れてあって、私にとっては不便。JAを特別扱いしないというのは、ひとつの正しい姿勢ではありますが。
新書は少な目。『アトランティスのなんとか王女 5000機のUFOとともにうんたら』(←よく覚えていない)という分厚いハードカバーなトンデモ本が100円コーナーに並んでいたのが印象的でした。(笑)
・高瀬美恵『ALUMA』(ぶんか社)
・ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』(新潮文庫)
・岩本隆雄『イーシャの舟』(新潮文庫)
・吉屋信子『花物語』(新学社)
書店と書店員と図書館の話とか、WEB上での作家の露出度の問題(ギャラリーの存在に対して、ちょいと無防備なお人が多いんじゃありませんかねぇ)とか、書きたいことはいろいろありますんですが、
今日は時間がないので、パス。
芝田勝茂『時のむすめ』(教育画劇 スピカの創作文学)読了。小学生向けのファンタジーですね。
一人の少女が森の中で目覚める。自分が何者かもわからない少女は、森を守っているという兄妹と出会い、その森で暮らすことになる。 ある日、三人が暮らす森の家に石の都の王からの使いがやってきて……。
冒頭、少女が目覚めるシーンで「読者の意識を少女の中に降ろす」手際に感嘆いたしました。
ファンタジーは言葉が重要で、それが子供の本ならなおのこと選び抜かれた言葉をつみ上げてせかいを作っていく必要があるわけで……。見事だと思いました。
ただ、物語全体としてはメッセージ性が強いので、大人の私にはちょっとつらいところがありますね。
子供のころだったら、気にせずに物語に没頭したと思うんですが。
大学時代にロイド・アレグザンダーの《プリディン物語》を読んだときにも同じようなことを思った覚えがあります。
「中学時代に読みたかった」って。
野阿梓『月光のイドラ』(中央公論社 C★NEVELS)読了。
恩師の残した謎を追って、とある温泉郷の旅館へとやってきたふたりの美少年が、アラベスク渦巻くイスラム風浴室で官能の波にさらわれちゃったり、
イスラム系の謎の教団一味にかどわかされて、電脳SM空間であんなことやこんなことをされちゃったりする、耽美冒険浪漫小説。
ワタクシの好みとしては美少年より美少女の方が……以下略。
ようやく全部の書評を読み終わり、投票を完了しました。
42編を読むのは大変でした。でも、すーごく面白かったです。結果はダサコン当日まで秘密。
何かについて語るというのは、結局自分自身が何に興味があるのかを語ることなんだと、実感しました。
それから、存在しない本について語ろうとすると、その人がいままで読んできたものがはっきり現れますね。
皆さんの演出があまりにも上手すぎて、本気にした方もいるみたいで(実は、私もニムさんの書評を読んで、検索をかけようとしたクチなんです)、
そのへんは問題ありだったかなと。スタッフの方でも既に問題点として把握しているとは思いますが。
いっそのこと、そういう本ばかりを並べたバーチャル書店を作ってはどうでしょう。
ダサコン本会のオークションと連動させると結構うまくいくのでは?
私は【ダサコン本会】へは出席できないのですが(ニムさん、お誘いくださったのに、ごめんね。)、成功をお祈りしてます。 【参加者の自己紹介BBS】を見ると、あんな方やこんな方が参加される予定だそうで、ほーんと羨ましいです。皆様、レポートよろしくね。
そうそう、アトリエOCTAの本では、井辻朱美『風街物語』もお薦めですよー。
殊能将之『ハサミ男』(講談社ノベルス)読了。
第13回メフィスト賞に決定したのに、行方不明になって連絡がつかず編集部を慌てさせたという、本が出る前に既に伝説を作ってしまった人のデビュー作。
面白いです。今年のベスト候補。
自殺嗜好のあるサイコキラー<ハサミ男>が、次の獲物として狙っていた女子高生の死体の第一発見者になってしまい、 仕方なく自分が探偵役をするハメになるというミステリ。
的確な描写と漂うユーモア感覚、さめた視線と緻密な構成と、「見事な百点満点の『メフィスト賞』」と評されたのがよくわかる。
ちょっと森博嗣作品にも通じるところがあるので、森ファンには特にお薦めしときます。
冒頭は獲物を狙うサイコキラーの日常が描かれているのだけれど、淡々としていて妙に可笑しい。殺人をしようとしてるくせに、毎週自殺を図っているんだよ、このサイコキラー。(笑)
【新大森掲示板】で話題になっていましたが、作者は実はSF系の人らしい。
作中にティプトリーも出てきて、なるほどねぇと。どこに出てくるかは、ないしょ。気になる人は読むべし。
ミステリとSFの両方を読んでいる人だとより楽しめます。
今日は旦那が有給休暇を取って家でノタノタしてたので、私はあんまりパソコンに向かえず、仕方ないのでバザーに出す予定のフェルトのテディベアを作ってました。
芝田勝茂『ふるさとは、夏』(福音館書店)読了。
すごいです〜。いいです〜。
1990年に福音館書店から刊行されて、1996年にパロル舎から加筆訂正版が刊行されたそうですが、なぜか図書館にあったのは福音館書店版でした。 福音館版とパロル舎版の違いは、「児童文学評論」という電子メールマガジンを調べたら載っていました。主に家族との関係が訂正されているみたいです。 私としては、東京に帰りたいと泣き言をいう主人公を父親が一喝する場面とか、ラストの家族団欒の場面に非常な違和感があったので、その場面が改訂されているというパロル舎版を読みたかったなと思ってしまいました。
実を言うと私、『ドーム郡ものがたり』と『虹へのさすらいの旅』がすっごく好きだったくせに、作者名をすーっかり忘れておりまして、
インターネットで『ふるさとは、夏』と『ドーム郡ものがたり』と『虹へのさすらいの旅』がどれも芝田勝茂の著作だというのを改めて知って、のけぞったのでありました。(苦笑)
あの本の作者はどうしちゃったのかな〜、消えちゃったのかな〜なんて思ってた私が馬鹿でした。
芝田勝茂といえば、いまや、(『幻想文学』の書評でも何度も取り上げられている)児童文学ファンタジーの第一人者じゃありませんか。それなのになんで、『ドーム郡ものがたり』の作者と結びつかなかったんですかねぇ。
芝田さん、ごめんなさい、ごめんなさい。
(1999.08.30追記 「児童文学ファンタジーの第一人者」という表現に異論のある方もいらっしゃるようですが(←実は作者ご本人だったり)、
「児童文学」寄りじゃなくて「ファンタジー」寄りの人間にとっては、そうなんです〜)
さて、物語。
夏休み、両親の都合で父のふるさとの伯父の家にあずけられたみち夫は、その村でひとりの少女と出会った。
伝統行事バンモチの夜、どこからともなく打ち込まれた白羽の矢をめぐって、ふたりは村にすむ奇妙な神々と出会い、その謎を解くはめになるのだが……。
主人公のみち夫が田舎の駅に降り立つシーンで、読者も主人公と一緒に真夏の無人駅のホームのむぅっとした空気に取り巻かれる。
『時のむすめ』でも思ったが、この作者は風景描写で読者を物語の中に取り込むのがものすごく上手い。
主人公が親戚の家に来たものの、ともだちもいないし、周囲の雰囲気にもなじめないしで、だらだらと長い夏の一日を過ごしていくというのは、私にも覚えがある気がする。
みち夫の前に姿をあらわす村の神々は、アロハシャツやらジーパンやらスーツやらを着て温泉旅行に行ったり、一見農家のお嫁さん風だったり、浮浪者風だったり、あるいはブタ猫だったり……、
ケルトや北欧の「神々」と比べると、土地の精霊と呼びたいような「彼ら」は、それでも、たしかに日本の風土――自然と人の心――に根ざした「神々」に他ならない。(自ら「神様も妖怪も区別ぁつかんがでないかい。」といっているのが笑える)
なるほど日本の神々はこんな風に存在するのだと思い、こういう神々は子供の視線で描かれた物語でなければあらわせないのだとも思った。
子供たちの前にあらわれた、ユーモラスで奇妙でやさしい神々は、本当はその内にかなしくつらくおそろしい記憶ももちあわせているのだから。
「そんなこと、子どもは考えんでもいいがや。あんたらちゃ心に合わせて、神様ておるがやもん。……そうやね。もし、大人になって、いろんなつらいこと、うらみに思うたとき、そんな神様にであるかもしれんけど」 (p.232)
「まぶたの裏に、神様がみえてくるが。ほやけど、みんないそがしいさかい、会うても知らん顔したり、気がつかんふりしとるがや。神様もいそがしいさかい、そんなときはすぐに消えるがやよ」 (p.232)
うー、これ以上はうまく言えません。宮澤賢治が好きな人とかどうぞ。パロル舎版の方が、より現代だと思います。
ところで、みち夫とヒスイの関係って、ちょっと和田慎二の『ピグマリオ』の番外編「もうひとつのビグマリオ」を思い出させるような……。
(そういえば『ピグマリオ』もねー、埋もれさせてはいけない作品なんだが、今どうなっているんだ? 文庫版出てる? すごいファンタジーなんだが、子供には怖いよねー、きっと。)
【ファンタジーの森】というのは、プランニングハウスという出版社から出ている「ファンタジーの森」というファンタジー専門の新書シリーズの紹介&応援ページです。
そこで本の感想を書いた人の中から抽選で1名に『風の名前』のテレホンカードプレゼントというキャンペーンをやっています。
カウンタが1000廻るごとに抽選なんですが、いまのところ5〜6人ぐらいしか書き込んでいないので、倍率は異様に高いです。(笑)
でもってワタクシも先日テレカねらいで短い感想を書き込んだところ、見事にテレカが当たってしまいました(苦笑)。 うれしい反面、申し訳ない気もするので、ここで勝手に宣伝することにしました。さあ、あなたも感想を書いてテレカをもらおう!
《ファンタジーの森》のラインナップはこんな感じ。書名をクリックすると私の感想にジャンプします。
久美沙織 『ドラゴンファームはいつもにぎやか』
久美沙織 『ドラゴンファームのゆかいな仲間』
妹尾ゆふ子 『風の名前』
妹尾ゆふ子 『魔法の庭1 風人の唄』
妹尾ゆふ子 『魔法の庭2 天上の楽』
飯田雪子 『地下十七階の幽霊』
飯田雪子 『再生のとき』
早見裕司 『世界線の上で一服』
朱鷺田祐介 『火龍面舞』
朱鷺田祐介 『丘の上の貴婦人』 上下
寺田とものり『エンジェルスリンガー』
大野香織子 『翠天回帰』 9月上旬発売予定
飯田雪子 『リアライン』 10月上旬発売予定
妹尾ゆふ子 『魔法の庭3 地上の曲』 10月上旬発売予定
ファンタジーというジャンルをとっても大切にしている編集姿勢には好感をもっているので、なんとか続いていって欲しいです。
そうそう、表紙イラストの黒髪長髪形(←ツボっ!)にひとめぼれした『エンジェルスリンガー』を書店に注文してきました。 キャラ萌えから入るのは、ファンタジーの読み方としては邪道ですが、ま、たまにはそういうこともありますって。
【ヒラノマドカ】さんが、あちこち(?)で「どうして読みたい本があるなら図書館を利用しないのか?」と尋ねていらっしゃるようです。 私の感覚では、欲しい本があったらまず本屋をさがして図書館のことは念頭にないのがふつーなんですが。むしろ図書館メインで書店を利用しない人の方が珍しく感じたり。
図書館というのは調べ物をする場所だと思っているのがふつーの日本人なのでは。リクエスト制度とか相互貸し出し制度の存在なんか、ほとんど知られていないと思いますよ。
だって、司書資格をもっている私でさえ、よく知らなかったもん。
図書館は暗くて、図書館員はいばってて不親切で、小説は難しいものしか置いていなくて、すごく所蔵数も少ないというようなイメージなんじゃないですかね。
(2001/07/30追記 有里が持っているイメージではありません。
私は現在の図書館が明るくてソファが置いてあって、小説や文庫本やマンガもおいてあることを知っています。)
まあ、そーゆーのって、20年前の図書館の姿なんですけどさ。
20年くらい前(というか、バブルの前まで)は、日本では図書館がすべき役割を書店が担っていたんだと思いますね。
図書館がお粗末で、出版点数が少なかったから、書店員がスペシャリストでいられたってことだろうと思うんですが。
だから、今でもふつーの人は、図書館も図書館員なんかもアテにしないで、その分本屋さんをアテにする。
現在、書店や書店員に対する風当たりが強いのはそういうことじゃないかと思います。
(この項づつく……かなぁ?)
篠田節子『ハルモニア』(マガジンハウス)読了。
チェリスト版『奇跡の人』。最後が道行きだけど、これは恋愛小説というより、芸道小説なんじゃないかな。
非常に読みやすいです。するすると読めます。
柴田よしき『RIKO―女神の永遠―』(角川書店)読了。
ううむ……。ヘヴィな一冊でした。【ここ】を読んでいて、柴田よしきセンセイのスタンスはなんとなく判っていたんですが、こんなに凄かったとは。
どうも私を狂暴化させる成分が含まれているようで、「忘れるな〜っ! 許すな〜っ! それ、婚約者に送り付けたれっ!」とか
「そうだ、やれっ! やれっ! もっといたぶれっ! 食いちぎれっ!」とか、「ひるむなっ! 股間をふっとばっせっ!」とか、みょーなエキサイティングの仕方をしたので疲れました。
ミステリっていうより、ジェンダー小説といった方がいいかも。
主人公の緑子(りこ)の前では、V.I.ウォーショースキーも保守的で苦労知らずのお嬢さんに見えますね。
ワタクシの好みとしてはもう少し復讐物っぽく仕上がっていた方がいいです。 RIKOには暗黒のカーリー女神と化して新宿を血の海に変えていただきたかった気が……(←それじゃ伝奇小説だって)。 警察物だから仕方がないのか、それでは何の解決にもならないと作者が思っていたからこうなったのかは知りませんが、ちょっとばっかしフラストレーション。
内容については、DASACON2参加者の【青木みやさん】の【柴田よしきのページ】が面白かったので、そこ見てください。私がくどくど説明するより、よっぽどわかりやすいと思います。
高瀬美恵『ALUMA』(ぶんか社)読了。
新人歌手珠姫の歌う『ALUMA』は、死んだ歌姫・綾乃のつぶやきを歌詞にした曲だった。珠姫が『ALUMA』を歌うとき、少女たちは綾乃の幽霊を見る。 『ALUMA』は呪われた曲なのか?
ジェントルゴーストストーリーというのかなぁ、ほとんど怖くなかったです。
着地地点は、ホラーというよりは果てしなくファンタジーに近い感じで、面白かったです。
(99.08.28追記 上記、「ファンタジー」という感想については、ちょっと誤解する人が出そうなので一部訂正。現代の日本を舞台にした「幽霊」が出てくる話ですので、念のため。)
2章に出てくる、成長したシンジとアスカの会話みたいな、珠姫に捨てられただめだめ男・府川とそのガールフレンド(?)橋本の会話が笑えます。 姉御肌のどすこい女(スモウレスラーっていうより女子プロレスラー風らしい)、橋本の暴走ぶりがすばらしいっ。橋本〜、橋本〜、かっこいいっ、愛してるよっ! ほとんど和製『汚れた守護天使』のノリ。 『RIKO―女神の永遠―』での欲求不満がすっかり解消されてしまいました。
『ALUMA』の歌詞の謎の使い方は、とってももったいなかった気がします。こんな大ネタなのに〜。
あんまり怖くないのは、印象的なシーンを描写するのが得意じゃないから?
人間は描けるのに、描写ができない人なのですね。ホラーやファンタジーより広義のミステリーの方が向いているかも。
私としてはピアニストと橋本がとっても気に入ったので、この二人を主人公にして、お笑いハードボイルドを書いていただきたいです。
今日はダサコン2だけど私は出席しないのだ。今ごろみなさん、盛り上がっていることでしょう。
リクエストした芝田勝茂『星の砦』が貸し出し可能だというので、図書館にいくつもりだったけれど、すっかり忘れてしまった。
となり町のK古書店へ行く。もともと倉庫のような古本屋でしたが、さらに倉庫度があがって、本棚の前に段ボールに入った本が地層をなしている状態に。 目的の本があったとしても掘り出せない。こんなんでやっていけるのか?
で、結局何も買わずに新刊書店へ。この間注文したばかりの『エンジェルスリンガー』を見つけてしまって悔しいのである。
『集英社文庫 '99解説目録』『ハヤカワ文庫夏のブックパーティ '99』をもらう。
購入本は以下の通り。
・『SFマガジン 1999年10月号』
・岬兄悟・大原まり子編『SFばか本 ペンギン篇』(廣済堂文庫)
・ひかわ玲子『ひかわ玲子のファンタジー私論』(東京書籍)
・今市子『百鬼夜行抄 6』(朝日ソノラマ)
『SFマガジン 1999年10月号』の特集は、「アルジャーノンに捧げる物語」。
泣けるSF特集ということらしい。めざせ女性読者獲得ってことでしょうか。すくなくとも私は特集名で手を出したので、手に取る女性も増えたかも。
『ハヤカワ文庫夏のブックパーティ '99』は、つまんないです。どこか別の出版社(角川とか集英社とか新潮社とか)のブックフェアの小冊子を手にしてしまったのかと思いました。
早川書房のブックフェアの小冊子はマニアでお洒落な雰囲気がすてきだったのに〜。
お探しの項目は、ここです。8月後半の日記ページへ移動しました。
【ヒラノマドカ】さんの【8月27日の日記】をうけて、横浜市の図書館の話などしようかと思いましたが、時間がないのであった。
図書館ネタに言及している方は、ヒラノさんの【ざぼんの葉】で申告されるとよいのではでは。と、他人の掲示板にふる私。
(だって、うちには掲示板ないし。)
(1999.08.30 追記)
と、振ったら、ヒラノマドカさんに【ヒキョウなり〜】といわれてしまった。いや、たしかに……(^_^;)。すみません。
(ヒラノさんは当分DASACCON2の対談のテープ起こしでお忙しいのであった)
あちらの方がネームバリューがあるからみんな見るだろうし〜と思ったもので。
別に私のところへメールしてくださっても構いませんです。
なお、そもそもの【ネタフリはここから】始まっているのです。
流れとしてはこんな感じ。
・1999/08/25 ヒラノマドカ 嗚呼、すみません……
・1999/08/26 有里 書店と図書館
・1999/08/26 ヒラノマドカ 痛いところを(笑)
・1999/08/27 ヒラノマドカ あな懐かし
・1999/08/29 hosokin's room 【1999年8月29日の言葉】
・1999/08/29 有里 特にこんにちは。hosokin's roomの「本日の言葉」からいらした方
・1999/08/29 ヒラノマドカ 図書館の話題
でもって、なぜ私の日記に図書館ネタに書店の話が出てくるかというと、このへんの話題をひきずっているからです。
書店と図書館と本の保存については、リンク集を作りたい気がしてきました。
図書館で本を借りようとしたら、月末の特別休館日だった。ううう。
(リクエストにお答えして……(笑))
注:以下の書き込みは何人かの作家/作家予備軍の方を念頭に置いて書かれたものですが、それが私に直接お声をかけてくださった方々でないことは明記しておきたいと思います。
(お声をかけてくださっていない方は……ちょいとばかし脅えてください(笑)。)
このところインターネットを流していて思うのは、WWWに出没する作家や作家予備軍の中にはネットの怖さをいまひとつ理解していない人がいるんじゃないかということです。
掲示板でのギャラリーに対する無防備さを見ていると、特に。
ペンネームまたはハンドルの露出度(ユーザーの目に止まる回数)を上げるというのは、宣伝方法としては基本的かつ効果的な方法ですが、 やりかたによっては逆効果にもなりかねないということを分かっているのでしょうか? いや、WWWに出没する作家や作家予備軍の人たちがどういうおつもりでご自分の名前を書き込んでいるのかは知りませんが。
作家であれ、一般人であれ、ご自分のホームページに書いている分には、それほど問題はないんです。(問題ある場合も、たまにはありますが。) 基本的にページを見たいひと=ファンしか見ていないわけですし、書いている方でもある程度内容を推敲して出している場合が多いですから。
問題は掲示板(BBS)です。筆が滑るというのか、指が滑るというのかは知りませんが、「こんな誰でも見られるところに裏話を暴露していいわけ〜?」 「あ〜あ、んなこと書いたら絶対(ギャラリーに)反感もたれるのに」と思うようなことを書き込む方も、ままいらっしゃるようです。 相手がいるのでつい勢いがついちゃったってこともあるのかもしれませんが、なんて無防備なんだろうと思ってしまいます。書き込んでいる人数が少ないからと安心しちゃうんでしょうか。
掲示板はね、怖いです。掲示板に書き込んでいる人だけでなく、黙って覗き込んでいる姿の見えないギャラリーをも相手にしなくてはいけないからです。 インターネットの掲示板のギャラリーはパソコン通信の会議室/掲示板以上に無責任で流動的ですから、ちょっと噂がたっただけで日に何百人もの人間が覗いていくことだってあります。
反感をもたれていることに気づかずにいい気になって書き込んでいると、どこからともなく現れた(ように見える)見知らぬ誰かから横っ面を張り倒されるような書き込みやメールを食らうこともあります。 どこかのサイトに書き込みが引用されて、批判されることだってあります。 そのときに「初心者だから」とか「酔っていた」とか「若さゆえ」だとか「ビョーキだから」とか「宇宙人に脅されたからだ」とか言い訳しても手おくれなんです。 というか言い訳するのは、みっともないです。いやしくも作家/作家予備軍だというのなら、自分の書いたことに責任を持ってください。(もちろん作家じゃなくたって、自分の書いたことには責任を持つべきなんですが。) 書き込みを削除してもだめです。ギャラリーの記憶やブラウザのキャッシュ、場合によってはHDDに書き込みは残ってしまうのです。
でも表立って反発をくらうというのは、まだいいのですよ。反論だって反省だってできますから。一番コワイのは知らぬうちに反感を買っている場合です。
一般人の場合は、密かに反感を買っていようとも知らぬが仏ですみますが、うっかりペンネームで書き込んでしまった作家/作家予備軍の場合はそうはいきません。
ギャラリーは表立った反発はしなくても、読者として反発することができるのです。
あいつの作品なんて金輪際読まないとか、作品は面白そうだけど、あいつに印税が入るなんて許せないから新刊書店では買わないとか、たとえ面白くっても絶対にWWWで作品紹介なんかしてやらないなんて反応のしかたもあるわけです。
作家の方はインターネットをやっている読者なんてたいした数じゃないだろうなんてタカをくくっているのかもしれませんが、それは作品を口コミで広めてくれる最初の一人であるかもしれないんですよ。
何がギャラリーの好感あるいは反感を買うのかは、わかりません。 説教節が受けて読者をふやす作家もいれば、華麗なる闘牛技と人の悪さでファンを増やす作家だっています。
ただこれだけは言えます。作家または作家予備軍の方、ネットで書き込みなさるときはギャラリーの存在を念頭に置いてください。そして、どうかあなたの現在/過去/未来の作品とペンネームを貶めるような真似だけはなさいませぬように……。
もちろん、おやりになりたければおやりになっても構いません。他人が堕ちていくのを見るのもひとつの楽しみではありますし。
2004/06/05追記:
日記の日付を見ていただければわかりますが、1999年8月30日に書いたものです。
でも5年経ってもあんまり状況は変わっていないようですけどね。
【野田令子さんの近況報告 99/08/30】 を発見。
あとヒラノさんのところからたどれる【白炭屋 今月の脳溢血 AUG.25.1999】とか、
【夏希☆ねっと - ダイジェスト Aug27,1999 図書館】とか。
ヒラノマドカさんの【本屋と私】 も、このネタの関連。
もっとちゃんと探してまとめます。
【hoskin's room】の威力はすばらしく、来客数が倍増。
【ReadMe!】で一挙に順位が200位近く上がった。どうせまた下がるのだが。(涙)
岬兄悟・大原まり子編『SFばか本 ペンギン篇』(廣済堂文庫)読了。 ペンギン篇以前のものは、あまり評判が芳しくなかったので、読むのを躊躇していましたが、これはあちこちでお薦めされているので読みました。結構面白かったです。 私の評価は、岡崎弘明「われはロケット」、中井紀夫「宇宙人もいるぼくの街」、岬兄悟「遭難者」> 安達瑶「老年期の終わり」、友成純一「バーチャルカメラ」、高瀬美恵「エステバカ一代」> その他の作品というところ。 牧野修の作品は元ネタがわかんないので……(^_^;)。
(1999.09.01 追記)
安達瑶「老年期の終わり」は、モデル問題を抜きにしても面白かった。というより、下手にモデルを知らない方が楽しめるだろうと思いました。
ひかわ玲子『ひかわ玲子のファンタジー私論』(東京書籍)読了。
ファンタジーの実作者の立場からのファンタジー論。半分納得半分疑問というか。言及された作家、作品についての詳細な注釈がついているので、ワタクシ的にはポイント高いです。
豊田有恒、金蓮花、前田珠子、小沢淳との対談もあり。金蓮花との対談が面白かった。
(1999.09.01追記)
私自身の「ファンタジー私論」を考える上でも非常に興味深い本だったので、できればゆっくりと感想を書いてみたいと思っています。
なお、この本でも取り上げられている”リアリティ”のあるファンタジーを書くということに関しては、
【うさぎ屋】こと妹尾ゆふ子さんが
【ここ】とか
【ここ】で話題にしているので、メモしておきます。
書いたとたんに、また……。いいですけど。どうせここなんか読んでいないだろうし。
なんか、今日はムシの居所が悪いらしく、WWW流していても不愉快なことが多いなり。
作品を読む前に作者のキャラクター(こちらが勝手に書き込みから受けるイメージも含めて)にうんざりした場合どうしたらいいんだろう。私はキョクタンな性格なので、嫌いだと思うともう名前見るのも嫌なのよ。
そうなると、作品に罪はなくても、もう手を出す気にはなれない。インターネットでの妙な露出の仕方さえなければ、好きな作家になっていたかもしれないと思うと、なんだか悔しい。
『SFマガジン 1999年10月号』の「今月の執筆者紹介」の唐沢俊一氏のコメントに大きく頷いてしまう今日このごろなのだった。
マスメディアであれば、編集者なりコーディネイトする人なりが気を利かせてくれることもあるけれど、ネットでは自分だけが頼りだからね。
諌めてくれるような立場の人がいる場所ならいいけど、うっかり「プロ」がシロトの群れの中に突っ込んで暴走した日にゃ……。
う〜。周囲にも迷惑だぜよ。
作家と読者との距離が近いってのも考えものだよな〜と思ってみたり。
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