1997年〜1999年・2000年
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amazonのアソシエイト・プログラムの対応もかねていろいろ修正中。
あちこちで話題になっているようですが、去年話題にして、今では私の中での興味は薄れてしまっているので、目に付いた関連リンクをあげておくだけにします。
私のページでこの話題に触れているのは、
あたりです。どれもちょうど去年の今ごろの話題です。
【あれれ日記】の2000年6月1日付けの日記に出版流通関連話題LINKがありますが、1年前の話なのでリンクが切れているところが多いかもしれません。
まとめの「「BOOK・OFF問題」から「出版流通問題」へ 」を書いたのが、去年の10月ごろです。
新刊書店とブックオフと専門的古書店には末永く共存していって欲しい、著作権者には中古販売でもそれなりにお金が入るシステムにして欲しいというのが私の考えです。
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以下は戴き本
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ぐうたらな日。いろいろやろうとしているのに、全然結果が出なくて自分でも何やっているんだろうと厭になります。
赤木かん子編著『こころの傷を読み解くための800冊の本 総解説』(自由国民社,\1900+税)読了。
「アダルト・チルドレン(AC)――子ども時代に必要な愛情と安らぎを得られずに育ち、傷ついた心を抱え、癒されぬまま大人になっている人たち」をテーマにしたブックガイド。
「アダルト・チルドレンの理解に役立ち、その理解によって、本人もまわりの人も少し楽になれるように願って」編まれたという。解説は赤木かん子を中心に6人の編集チームによって書かれている。
目次を開くと、アルコール依存、虐待、共依存と、なにやらモノモノしい言葉が並んでいるが、ひるむことなかれ。取り上げられている本の中にはハードでシビアなものや専門書ももちろんあるけれど、モンゴメリ『赤毛のアン』やゼナ・ヘンダーソン『果てしなき旅路』、大友克洋『童夢』、アシモフ『はだかの太陽』、テリー・ホワイト『真夜中の相棒』といった一見「AC」とはあまり関係がなさそうなエンタティメント系の本も多く、解説もくだけた口調で書かれているので読みやすい。
自分が「AC」だという自覚のある人、「AC」かもしれないと思っている人、生きにくさを感じている人にとっては必読書だと思う。「AC」という視点で見ると、一度読んだ漫画やミステリーがまた違った意味を持ち始めて興味深いので、別に自分は「AC」じゃないという人にも一読をお勧めする。
個人的には大友克洋『童夢』の解釈(p.235)と『アラベスク』と『エースをねらえ!』の対比(p.134)が目からウロコが落ちるような気がした。特に後者を読んで、私の持っていた『エースをねらえ!』への違和感の正体がはっきりした。あー、すっきり。(ちなみにこの項目を書いたのは赤木かん子ではなく、小迫倫子)
オタクや専業主婦に対する嫌悪感というか侮蔑がかすかに感じられるのと、たまに赤木かん子の記述にカンチガイ(p.182にある『指輪物語』の中のヒーローのガブリエルって誰?)があるのが、少しだけひっかかるのを別にすれば、記述に抑制もきいている。丁寧に作られたよい本だと思う。
(追記:2001/06/17
「ガブリエル」は「ガラドリエル」の誤植(誤記?)だそうです。編集者の方から連絡がありました。)
ただ、一個所だけどうしても違和感を感じる箇所がある。
小迫倫子による山岸凉子『コスモス』の解説である。
====引用開始====
夫とうまくいかなくなった妻にとって、子どもの病気は実に魅力的な逃げ場なのです。看病をしているかぎり、理想的な母でいられるし、とりあえず、夫のことも自分のことも考えずにすむのですから。となると一番苦しいのは子どもばかり、なのです。
====引用終了====
p.147
これだけだったら別に問題はない。『コスモス』という作品というのはそういう話なのだから。だが、その前にこういう注釈がつくとなると話は別。
====引用開始====
あの山岸凉子のことだから、これもホラー的表現だと思いたい……ですが、実は、これこそ今の日本なのです。喘息やアトピーの子ども、増えているでしょう? 食べ物のせいだけじゃ、私、ないと思います。
====引用終了====
p.147
確かに食べ物のせいだけじゃないとは、私も思うけれど、私自身がアレルギー持ちのせいかこの言い方には何かひっかかる。読みようによっては「子どもがアレルギーになるのは母親のせい」と受け取られかねない書き方は、無神経だと思うんだけど。
小迫倫子は「フェミニズムの人」で現在子育て中だそうなので、なにか思い当たる節とか誰かに対して何かを含むところがあるのだろうかと感じてしまうのだった。(*1)
というわけで、この本を切実に必要としていて実用書として使う人は、書いている人間たちもまた「完全」ではないということを念頭におきつつ読むのがよろしいかと。
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★書誌情報:【amazon】【bk1(02029569)】
★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-426-73201-8
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ポール・ギャリコ『七つの人形の恋物語』(王国社)読了。
時は春、ところは現代のパリで、仕事を失い行き場をなくしたひとりの娘がセーヌ川に実を投げようとしていた。彼女を救ったのは、人形芝居小屋の七つの人形たち。娘は人形芝居の小屋で働くことになるが、人形たちを操る座長の男は愛を知らぬ冷酷な男だった……。
愛することも愛されることも知らぬ男が、たまたまであった無垢な魂を持つ娘ムーシュとの人形を通したやりとりによって癒されていく物語。人形使いキャプテン・コック/ミッシェル・ペエロの人格は本人と7つの人形の8つに分裂していて、多重人格物でもあるわけです。
原作は1954年に書かれたものだそうです。人形に自分の本音をいわせる/分裂した人格を託すという、最近アニメやマンガ、小説などでよく見掛けるキャラクター(*2)のルーツはこの作品なのかもしれません。
人形使いキャプテン・コックの分裂した人格である7つの人形たちは実に魅力的。ムーシュが参ってしまうのも無理はないでしょう。私が一番気に入っているのは、小悪党の赤狐のレイナルド氏です。この人形が一番キャプテン・コック本人に近くて、ムーシュもこの人形を一番気に入っているんじゃないかと思うんですけど、皆さんはどう思われます?
表紙は建石修志。新装版より前の表紙の方が良かったんですけどねー。
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★書誌情報:【amazon】【bk1(01463885)】
★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-900456-52-7
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【not】さんも「パスワードを生成するための url が最初のメイルにはかかれていないようだった」らしい。
私の状況は notさんと全く同じ。多分【ヒラマド】さんや【Stella】さんも同じ。でも【青木みや】さんは問題なかったそうで、なにがあったのか全く謎。
セキュリティありでサインアップして、パスワード記載時に警告(*1)が出たのが敗因かしら?
武部武雄『ラムラム王』(銀貨社, \1500+税)読了。
空の西の方に不思議な星があらわれたとき、エッペ国の貧しい珊瑚削りの家にひとりの赤ん坊が生まれた。その子につけられた名前はフンヌエスト・ガーマネスト・エコエコ・ズダラー・ラムラム王。ただし、王とついていても王様ではない。
ある日ラムラム王は夢を見て、黒曜石の小さな釣り針を求めて、奇想天外な旅に出ることになるが……。
作者の武井武雄自身のカバー絵、挿し絵も美しい、ナンセンス童話。
音読するとくっきりとイメージが立ち上がる物語は、先の展開の読めないきてれつさである。ラムラム王は空を飛び、珊瑚削りに変身し、お姫様を救い、パクイクイに攫われ、お星様と語り合うのである。『ほらふき男爵の冒険』やA・A・ミルンの『ユーラリア国騒動記』のようなお話が好きな人にはお勧め。
【bk1プチ特集 ■武井武雄を読んでみる】
【銀貨社ホームページ】
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★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-7952-8762-7
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スタイルシートを使って[仮想書店エレホン堂]を全面書き直し。
過去の本の感想をサルベージして、ピックアップしてみたりとか。そのうちブックリストコーナーも作ります。
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『中高生のための文化祭企画・アイディア事典』(彩図社、\1600+税)を読む。
その名の通り、中高生の文化祭のためのハウツー本。
頂戴本。なぜか p.77に 和風の装飾アイデアに役立つサイトとして、[千代紙つづり]が紹介されているのです。
もう文化祭をやるのは縁のない年齢だけど、アイデア満載の実際文化祭の企画の写真を見るのは楽しかったです。
私の高校生の頃にもこういう本あったのかなぁ?
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★書誌情報:【amazon】【bk1:ISBN4-88392-165-4】
★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-88392-165-4
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【彩図社ホームページ】
バルバラ・ベルクハン『嫌なものは嫌ときっぱり伝える対話術』(草思社, \1400+税)読了。
いかにも草思社っぽい、キワモノめいたタイトルですが、人間関係を壊さずに自分の意見と要望を相手に伝える方法を説いた結構まじめな本。「嫌なものは嫌ときっぱり伝える対話術」というタイトルは間違ってはいないけれど、「相手の言うことには耳を傾ける、けれどそれを受け入れるかどうかは自分で決めること」が前提条件になっている。ただやみくもに他人を自分に従わせる方法を解説した本ではない。
アメリカ人の書いた本だと思ったら、ドイツ人の書いた本だった。「(女性も)控え目主義はやめよう」なんて書いてあるところをみると、ドイツ人女性のメンタリティは日本人と似ているのだろうか。
相手をどうこうする前に、先ず「〜ねばならない」とか「〜べきでない」という自分の気持ちから自由になることを説く。AC(アダルト・チルドレン)という言葉こそ使っていないものの、”「心の中の子供」はどのように傷つけられていくか”(p.42)なんていう章もあって、『こころの傷を読み解くための800冊の本 総解説』[→感想]とセットで読むと面白いんじゃないかと。
しかしこの本に書かれた究極の自己主張方法というのが「相手のいうことに耳を傾けつつ相手が根負けするまでひたすら自分の主張をくりかえす」というのは……うーん。
確かに相手が一人の場合はもっとも成功率の高い方法だろうけど。入門を断る師匠のもとに何十日も通い詰めてついに入門を勝ち取ったなんて話はよく聞くし。『101回目のプロポーズ』とかね。でも、粘着気質の人にコレやられたら、なんかイヤーン。
でもまあ、それなりに役にたつ本だと思います。
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★書誌情報: 【amazon】 【bk1:ISBN4-7942-1047-7】
★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-7942-1047-7
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『宇宙空間での暮らし方』(同文新書, \840) 読了。
タイトル通りの本。なんでこんな本を買ってしまったのか、自分でもよく分からない。魔が差したか?
「第五章 宇宙船での暮らし方」が一番おもしろかった。
でも私が知りたかったのは、宇宙服の構造だったんですけど……。どういう素材を使っていて、どことどこがくっついているのか、そうやって着るのかとかそういうこと。そういうのを初心者にも分かりやすく図解した本ってのはないんでしょうか。あんまり知識がないからどこから探していいのかもわかんないのよ。
親本が1996年の出版なので情報が少々古いようだ。参考文献リストに出版年もいれておいてくれたらよかったのに。
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★書誌情報:【amazon】 【bk1(01778994)】
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bk1のサイトマップ作成中。http://www.bk1.co.jp/s/sf/みたいなショートカット用URLの一覧、どっかにないですか?
といっていたら、早速【青木みや】さんから回答が。ありがとー!
私が見つけた分を追加しときます。
メディア・ジャーナリズム:http://www.bk1.co.jp/s/mics/
民俗学・民族学・人類学:http://www.bk1.co.jp/s/anthropology/
宗教:http://www.bk1.co.jp/s/religion/
ゲーム:http://www.bk1.co.jp/s/game/
スポーツ:http://www.bk1.co.jp/s/sports/
音楽:http://www.bk1.co.jp/s/music/
アート・エンタテインメントサイトのこれは便利。
・アート・エンタテインメントインタビュー一覧
・アート・エンタテインメント記者会見一覧
・アート・エンタテインメントコラム一覧
どう便利かっていうと、サイトトップと一覧をチェックしていれば、面白いコラムを見落とすことがなくなるから。
bk1は表示が重いから、あちこちのページを見なくちゃいけないのは苦痛でしかないのよ。こうやってまとめておいてくれれば楽。
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[本の詳細情報抽出]
【bk1】の本の詳細画面のデータから情報を抽出するフォーム。
たとえば、『ほぼ日刊イトイ新聞の本』の以下のようなデータを「詳細画面データ」欄にそのままコピー&ペースト。
ほぼ日刊イトイ新聞の本
著者: 糸井 重里著
出版:講談社
サイズ:四六判 / 303p
ISBN:4-06-210347-8
発行年月:2001.4
本体価格: \1,700
利用対象: 一般
以下のようなURL部分をコピーして「詳細画面URL」欄にペースト
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/396b3556a356601046d3?aid=&bibid=02021978
「データ作成」ボタンを押すと、書誌情報が抽出されて「data」欄に以下のようなデータが表示される。
糸井 重里『ほぼ日刊イトイ新聞の本』
(講談社,2001.4,\1,700+税)
ISBN4-06-210347-8 (bibid=02021978)
Windows95上のInternet Explorer 5.0 と Netscape Navigator 4.75 で動作確認。
「著者:」「出版:」の部分を見てデータを抽出しているので、万が一「著者:」の部分が抜けていると正常にデータ抽出ができません。
森博嗣『恋恋蓮歩の演習』(講談社ノベルス, \882) 読了。
なんというか座りの悪いタイトルなんですけど、何か意味があるのでしょうか。
オープニングは一人の女性の恋物語。それが豪華客船ヒミコ号での男性客消失事件へと繋がる。小鳥遊練無たちも(もちろん)事件に絡むことになるのだが……。
飛行機の出てきた『魔剣天翔』と、船の出てくる『恋恋蓮歩の演習』でワンセットだったのですね。登場人物が一緒だぁ。でも私の手元には既に『魔剣天翔』が存在しないので、誰が誰やら……。各務亜樹良って、どういう人だっけ、うーん、うーん。
今回は紫子さんの番だと思ったのですが、違いました。
落ちは予測された範囲というか、期待を裏切らないというか……。名前は違ってもペルソナは同じでしたから。
『今はもうない』『そして二人だけになった』と同じぐらい気に入りました。
ええ、結局私は切ないラブストーリーってのが好きなんですよ。
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★書誌情報: 【amazon】 【bk1(02024616)】
★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-06-182183-0
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笠原毅彦『ネット・ユーザーの危ない現実』(青春出版社 プレイブックス, \871)読了。
著作権侵害、ネット売買サギ、プライバシー流出などなどの話が、システムと法律の面から解説されています。法律の整備もシステムの整備もユーザーの認識も日本はまだまだ遅れているようです。
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★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-413-01832-X
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買う買わないは別にして、Webをまわっているうちに私のアンテナに引っ掛かった本たち。
中身は[エレホン堂]へ移動しました。
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【フレッシュアイ】の【本の達人コーナー】の『だれが本を殺すのか』関連コラムに[「BOOK・OFF問題」から「出版流通問題」へ] がリンクされてます。
ありがたいけど、「他にこの問題を取り上げてる人はおらんのか?」という気も……。まあシロートだから動けることというのもあるんでしょう。
【だれが「本」を殺すのか』(前編)/本の達人】
【だれが「本」を殺すのか』(後編)/本の達人】
佐野眞一『誰が本を殺すのか』は、【読売ADリポートojo 2001_5 特集/本をめぐる危機1】を読んで買う気が失せました。(ブックオフで買うか、図書館で読むかするかも)犯人探しをしたがる人間は、自分が犯罪の共犯者かもしれないなんてことは微塵も思わずに、反論をしない存在に罪をおっかぶせるものなのですね。(*1)
ついでに言えば、本が売れないのは本を読む人が減ったからだけど、本を読まない人はもはや「読者」じゃねーだろと思う。「読者」というのは本を読んでいる人なのに、なんでそれが犯人なんだよ。
私が読んだ『誰が本を〜』感想の中で一番感動的だったのは【石堂藍】さんのもの。「商売」と考えなければ、「読者」は存在するし、そういう「読者」に宛てた本は殺されたりしないと思うんですけどね。
【『NONFIX』 本について】も見ましたが、元気に前向きなこと言っているのはブックオフの社長だけだったなぁという気が。ドキュメンタリーは人を感動させてナンボだからああいう作りになるのかな。
職場が市ヶ谷だったので、ブックマート市ヶ谷には、ずいぶん通った。あの女の人が店長さんだったのか。パソコン通信で在庫情報をチェックしたりとかして、小規模ながらも棚作りは頑張っている店だったけどねぇ……。でも大型書店の物量作戦には負けるわな……。
【bk1の安藤店長】がなぜリアル書店において「カリスマ書店員」と呼ばれているかは理解できました。確かにあの棚作りの方法論は凄いし、リアル書店においては有効だと思います。でもオブジェとしての本の魅力に訴えることができないネット書店ではあのやり方だけでは通じないと思うけど。【糸井重里との対談】などを見ていても思うんだけど、この人はネットで重要なのは情報と時間だというのを理解しているのだろうか。
ともあれ、7月開店だという「安藤書店」でお手並み拝見。
目に付いたとこだけ
を追加。
橋本治『さらに、ああでもなくこうでもなく』(マドラ出版, \1785)読了。
橋本治が世情をああだこうだと読み解く本。『ああでもなくこうでもなく』【amazon】【bk1(00010471)】の続編で1999年10月〜2001年1月分までを収録。
読むと「ああそうだったのか!」と思い「でもそうなのか?」と自分でも「ああでもなくこうでもなく」考え始めてしまう本。橋本治を読むと考えがまとまらなくなるのは私だけじゃないのだと、帯の大岡玲の言葉を読んで安心した。
とりあえずピンときた箇所だけ抜出しておく。
====引用開始====
日本人に零細は合っているのである。
(p.35「それじゃどうすればいいんでしょう」)
だったら「家事担当士」を職業にしてしまえばいいのに、である。
(p.67 「専業主婦」を問うてみるか……)
日本人は、自分と違う考え方の人間に出会うと、すぐ「えー?」だもん。違うものは「異文化だ」ってことにしちゃえばいいのに。(p.75 「なんかへんだ」)
特性があると生きにくいのが日本社会で、だからみんな、自分の特性を消そうとする。
(p.99「男の不在」)
一九八三年に生まれた子供たち
(p.144 「十七歳の二○○○年」)
一見関係のない「出版社の話」
(p.188 「プチ'89」)
====引用終了====
====引用開始====
妬みというのは大きい。大きいがしかし、こんなものはどうにもならない。人を妬んで、そこから自身の幸福なんかが訪れるはずはない。妬みというのは心のジレンマで、この解決方法は、ただの自助努力――「妬まざるをえない自分の哀れな境遇を自分でなんとかする」だけである。どれが無理なら、後は「あきらめる」である。あきらめられないのだったら、やっぱりまた「自分で自分を改造する努力をする」である。話はいたって単純で、これを呑み込めない人間は、ただの「バカ」である。
(p.222 「十九九○年代に探るべきこと」)
====引用終了====
「家事担当士」というのは、そういう風に考えれば精神的な面の問題はすっきりするのだなと思った。
ちなみにこの橋本治の話は、「主婦」という言葉の語源は「女あるじ」であるという(橋本治の別の著書に書いてある)前提に基いて書かれている――はず。
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★書誌情報:【amazon】 【bk1(01985936)】
★ISBNでネット書店を検索:ISBN4-944079-24-9
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乙一『きみにしか聞こえない Calling you』 (角川書店 スニーカー文庫,2001.6,\476+税)読了。
おすすめ!!
「華歌」にはヤラレタ!
「Calling You」と「傷 ―KIZ/KIDS―」が割と予測された地点に着陸したので、気を抜いていたら……。
文体を見て福永武彦でも読んだんだろうかとか思ってしまたのが敗因か。(←勝負なのか?)
乙一が泡坂妻夫を読んでいることに1000ガバス賭けます。
しかし帯の「せつなさの達人」というコピーは恥ずかしいからやめれ。
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水島広子『「やせ願望」の精神病理 摂食障害からのメッセージ』(PHP研究所 PHP新書, 2001.4, \660+税)読了。
拒食症・過食症(=摂食障害)についてと身近な他者との関係に注目してストレスを軽減する対人関係療法を紹介する本。
摂食障害が現在の身近な他者(多くは親)との関係が原因で(別にものすごい虐待とかがなくても)起こるとか、摂食障害になりやすい「性格」があるというのは誰もが知っていることだと思っていたんですけど……意外に知られていないのかにゃ。まあフツーの人はあんまり摂食障害になんて興味ないのかも。
私はなんだか他人事とは思えなくて(*2)、摂食障害関連の本はよく手にとってしまうんですけどね。
この問題も「周囲の人との豊かなコミュニケーションと通して、体型の違いも含めた多様な価値観を受け入れよう」に繋がっていってしまうのですな。今の日本の問題の根本はすべて「社会的に他者と関係をもつことができない」「多様性を認められない」ことにあるのか?
水島広子はこの本を読むかぎり、マットウな人らしい。議員生活でこのマットウさが侵されませんように。
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