1998年 |
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古本屋で、ノヴァリース『青い花』(岩波文庫)購入。ずっと気になっていたので、見つけたから、押さえておこう。
新刊書店では、荒俣宏『図象学入門』(集英社文庫)を購入。
ティシュペーパーの空き箱9杯分の文庫にカバーをかけたり、背に名前を書いたり、種類別に詰め直したりして整理する。 未読が半分以上あるので、辛いところである。本棚の方も整理しないとこれが、入らない。
梨木香歩『西の魔女が死んだ』(小学館, ISBN4-09-289610-7)読了。
最初の50ページで、これは中学生の私のための本だと思った。
100ページ読み進めて、中学や高校の図書室に必ず入れて欲しい本だと思った。
読み終えて、多分今年読んだ本の中で、ベスト10に残る本だと思う。
どうか必要とする人がこの本に「呼ばれ」ますように!
(1999.07.06追記)
学校にいけなくなってしまった少女が、祖母との生活で癒されていく話。
おそらく最初の題名は「マイ・サンクチュアリ」ではなかったかと思う。
これは、疲れてしまった人が、ひととき心を休め、精神を鍛え、再び世界へ出て行くための「聖域/避難所」の物語なのだ。
主人公の祖母は英国人で、家は日本国内にあるのだけれど、生活は英国風。できることなら、作者は舞台を英国にしたかったことだろう。
なにしろこの祖母の家は「異界」であり「聖域」なのだから。
「西の魔女」とは、西洋人の魔女の意味。『オズの魔法使い』に出てくる魔女とは直接関係ないが、「西の善き魔女」の意味も含んでいるのだとは思う。
ストレスと天候不順で自律神経が壊れてるせいで、機嫌が悪い。不機嫌ついでに、書いておこう。
その1 いきなり相互リンクを申し込んでくるサイトの90%はろくでもない
一言も感想を書かずに相互リンクを申し込むなど論外。(でもいるんだ、そういう人も。もちろんリンクしない)
奥床しくURLを書いてくる人のサイトにリンクしたいところは多い。
サイトの質は管理者の繊細さにかかっていると思う。
その2 トップページにリンクミスの多いサイトは100%クズである
公開するならちゃんとテストすべし。
その3 別ウィンドウでCMのでるサイトは100%クズである
利用者にたいしたメリットがないのにうっとぉしい。
その4 ブラウザを限定するサイトにろくな情報はない
有用な情報を提供するサイトの管理者はたいてい勉強家であり、
この世にはさまざまな通信環境があることを知っている。
その5 フレームの意義を知らない素人ほどフレームを使いたがる
フレームの使い方が分からないのなら、そもそもフレームなんか使ってはいけないのである。
その6 JAVAの怖さを知らない素人ほどJAVAを使いたがる
JAVAはブラウザによっては、エラーメッセージを出しまくり、接続を叩き切ることすらある。
その7 いきなりプラグインを要求するサイトにろくなところはない。
そんな無神経なサイトのために貴重な時間と電話代とHDD容量を浪費する必要がどこにある?
もちろん、フレームを使おうがJAVAを使おうがプラグインを使おうが、ページ管理者の自由である。
細部まで神経の行き届いたページならフレームがあった方が使いやすいこともある。
使う限りは細心の注意を払って欲しいと言っているのだ。利用者に迷惑をかけるなっつーの。
こういうこと書くから「難しい人」とか言われちゃうんだよな。いいけどさ、別に。
でもね、こういうのって、雑誌なんかの特集でも言われていることなんですよ。
本も雑誌も「簡単に作れるホームページ」なんて特集だけでなく、ちゃんとマナーも教えておいて欲しいもんです。
上記の法則を面白がっちゃうようなアナタは、見づらいWEBページ大嫌い!!(URL:http://web.kiwi.co.jp/~osamus/hate/index.html)もどうぞ。
そうそう、面白い性格テストをやっているところがあります。 【CUBIC ホームページ】の【CUBICおためし版】です。 私のテスト結果は、こちら。多少猫かぶってますが、確かに当たっているようですね。 目下「不安定な行動」をとってます。
咳が止まらず、じんましんが出て、ディスプレイを長い時間見ていると頭痛がしてくる。
自律神経失調とアレルギーが合体したらしいが、原因は不明。だいたい、いつもこの時期に体調がおかしくなる。
ピーター・S.ビーグル 『風のガリアード』を読了。
実を言うと、私は名作といわれる『最後のユニコーン』(ハヤカワ文庫FT)がさっぱり解らない。
『心地よく秘密めいた場所』(創元推理文庫)は、面白かったのだが。
というわけで、『風のガリアード』にも苦戦した。
音楽家の男が、中世のコスプレをして人々が遊んでいるカリフォルニアの大学町で、力を失いつつある女神と15歳の魔女との闘いに巻き込まれる話...だといっていいのかな?
ピーター・S.ビーグル は、井辻朱美訳で新作が出るそうである。タイトルは『ユニコーン・ソナタ』、文庫ではなくハードカバーのハヤカワ・ノヴェルズで出る。 苦手とはいえ、井辻訳だから読まねばなるまい。井辻訳ならもう少し読みやすいだろうか...。
荒俣宏『図象学入門』(集英社文庫)読了。「絵は見るな、読め!」という本です。
C.J.チェリィ『リムランナーズ』(ハヤカワ文庫SF)読了。「リムランナーズ」っていうのは、辺境を走る宇宙船のことね。 失業して食い詰めたあげく、得体のしれない職場(宇宙船)に就職したのはいいけれど、 実はそこはかつての職場のライバル団体の傘下にあって、身元が知れればスパイ扱いされかねないし、 うっかり惚れてしまった男は職場で陰湿なイジメに合ってるは、上司達は権力争いしているは、全く困ったもんだ、という話。 これだけだと、まるでOL奮戦記のようだ。(笑)
大森望さんの日記を読みにいったところ、ヒヤァァァ、ここが載ってる〜。びっくり、びっくり。 あそこのリンクに載るのが秘めたる野望(笑)だったので、とっても嬉しい。そうか、SF度を上げれば良かったのか。 でも、私には1/4しかSFの血が流れていないので(残りは幻想文学とミステリと児童文学)難しいかも。
ということで、もう少しSF度を挙げるべくゼナ・ヘンダーソン『果てしなき旅路』(ハヤカワ文庫SF)を再読。
ゼナ・ヘンダーソンは、私がSFを読みはじめて最初に出会った作家のひとりで、一番最初に読んだのは、
『SFマガジン』1975年11月号 に載った「ヨルダン」。
この号は、「女流作家特集」(←今なら性差別といわれかねないかも)で、この特集が凄かった。載っているのは、
パミラ・サージェント「女性とSF」、ゼナ・ヘンダーソン「ヨルダン」、アーシュラ・K.ル・グィン「アンギャールの宝物」(『ロカノンの世界』の序章)、
マリオン・ジマー・ブラッドリー「風の人々」、キャロル・エムシュウィラー「グリンディ」、鈴木いずみ「魔女見習い」、
山尾悠子「仮面舞踏会」。
それまで、翻訳ミステリを読んでいた私はこれでSFに転んで、SFMのバックナンバーを漁るようになった。
今のSFMも、こういう特集組めば、少しは女性読者を獲得できるのに。
あんまり体調はよろしくないが、ついついHTML文法チェッカを拾ってきて、HTMLをチェックしてしまう。
このページもドコドコとエラーが出ている(<DL>の中で<HR>を使うなと言われる)が、ここがヘンなのは承知の上なので、とりあえず無視。
ねちっこく声高に「正しい」HTMLを書けというページは嫌いだが、文法的に正しいHTMLを書いておいても損はないだろうと思っているので、
上位メニューのページを直す。頭を使わなければ、ストレスは溜まらないらしく、こういう作業をしても頭痛はしなかった。
ちなみに、Windows上で動くチェッカwbpacのページのURLは、http://www.workbit.co.jp/software/wbpac/index.html。
休暇を取った夫とつくば方面へドライブ。 相変わらずアレルギーなのか風邪なのかよくわからない症状に悩まされつつ、栃木県フラワーパークで薔薇を見る。 深紅の薔薇の群れに思わずポーの一族ごっこをしたくなる。(やりませんけど。) クリムゾン・グローリーやエナ・ハークネスといった、漫画で覚えた名前の薔薇を探すが、薔薇にも流行があるらしく、みつからなかった。 深紅の薔薇はパパメイヤンがほとんど。ブルームーンなどの紫の薔薇もあった。(レディ・エックスはみつからなかった) 『ガラスの仮面』で使われている紫の薔薇の品種はなんなんだろう?
フラワーパークの後は、つくば市街へ。つくば市へいったら、もちろん恒例の(笑)古本屋めぐりである。
先ずは、よみがえる つくば天保店。さすがにもうハヤカワ文庫FTのめぼしいものはない。
本を手放す人があっての古本屋。最初に行ったときに白背のFT(1988年以前に発行された本)があれだけあったことの方が不思議なのだ。
が、SFの棚をチェックしてたら、大森望さんの日記にウテナのからみで出てきて読んでみたいと思っていたコニー・ウィリス『わが愛しき娘たちよ』(ハヤカワ文庫SF)があった。
まるで、目の前に「読め!」っていう字をどーんと出された気分。(笑) はいはい、読みます、ということで購入。
そのそばには、ロジャー・ゼラズニィ『光の王』(ハヤカワ文庫SF)。これまた、気になっていた本で、やっぱり、
「読め!」という天啓を感じて購入。
海外系の棚でクライヴ・パーカー『ウィーヴワールド』上下(集英社文庫)を発見。上下揃っているのは珍しいので、これまた購入。
しっかし分厚い。1冊2センチ、上下で4センチ。『光の王』と『わが愛しき娘たちよ』もそれぞれ、2センチ近くある本だから、全部で8センチ近い厚みになる。
片手で持つのは結構しんどい。古本屋にはスーパーと同じようにカゴを置いてほしい。
(BOOK・OFFには、カゴが置いてある。)
山田ミネコの花とゆめコミックスをを探したけれど、やっぱりリサイクル系本屋で、古い漫画を探すのは無理のよう。
車で移動して、土浦のBOOK・OFFへ。収穫は以下の通り。
・V.ナボコフ『ナボコフの一ダース』(ちくま文庫)...持ってたような気もするが。
・森岡宏之『星界の紋章III』(ハヤカワ文庫JA)
・H.G.ウェルズ『ウェルズSF傑作集2』(創元推理文庫)...1も欲しい。
・ゴードン・R.ディクソン『ドラゴンの騎士』(ハヤカワ文庫FT)...100円だったので.
・アガサ・クリスティ『牧師館の殺人』(ハヤカワミステリ文庫)
・アガサ・クリスティ『ポケットにライ麦を』(ハヤカワミステリ文庫)
・泡坂妻夫『弓形の月』(双葉文庫)
・マーク・ヘルプリン『ウィンターズ・テイル 下』(ハヤカワ文庫FT)
・中山星香『黒胡椒は天使の夢』(双葉文庫)
この中で、ゲットして一番複雑な気分なのが、マーク・ヘルプリン『ウィンターズ・テイル 下』。
探していた本なのだけれど、下巻だけなんだ。下巻だけ。嬉しいんだか、嬉しくないんだか...。
この本、去年上巻だけ見つけたことがあって、そのときは上巻だけだからとパスしたのだった。まさか今ごろになって、下巻が出てくるなんてぇ...。
まあ、運があれば、上巻もそのうちみつかるでしょう。
それにしても、文庫の分冊化というのも困ったもんです。
ちゃんと全巻揃って出てくればいいのだけれど、今回みたいに上巻だけとか下巻だけというケースが多いんだもの。
まあ、売る方も困っているのでしょうけれど。
ペーパーバックだと6センチぐらいの厚みのある本(京極夏彦の本みたいなの)でもザラですが、
文庫だと製本の関係もあって、あんまり厚い本は作れないもんね。
新刊書店では、『少女たちの戦歴 「リボンの騎士」から「少女革命ウテナ」まで』(青弓社)という本をみつける。荷宮和子さんが執筆していたので買った。
これは「ポップ・カルチャー・クリティーク 2.」というムックシリーズの一冊らしい。
良い評論というのは、読者に新しい価値観あるいは新しい見方をわかりやすく提示するものだと思うが、この評論集は、その点、マル。
だが、期待していた荷宮さんの評論は内容が分裂気味で何をいっているのか良く分からない。
むしろ他の人のウテナ論の方が面白い。村瀬ひろみさんの「性の寓話としての『少女革命ウテナ』」が、一番私の見方に近いと思った。
でも、この本の中で、最高に面白かったのは、近藤恵「それはきっとすてきな呪い 『王家の紋章』私的解釈副読文書」である。
『プリンセス』誌で、20年近くに渡って連載している細川智栄子の大河漫画『王家の紋章』の紹介なのだが、
読み終わってすぐ『王家の紋章』を買いに走ろうかと思ったほど面白かった。(実際、後日、本屋にいって『王家の紋章』をチェックしてしまった。38巻まで出てます。)
今月号の『ぱふ』でも、『王家の紋章』の紹介が出ていたけれど、この文章には、かなわない。
もし、他の対象でも同じくらい面白く書けるのだったら、近藤恵さんはそのうち漫画紹介の女王になれると思う。
ゼナ・ヘンダーソン『果てしなき旅路』(ハヤカワ文庫SF)再読完了。
短篇の間にエピソードを挟んで長篇に仕立ててあるのだが、その手法が成功しているかどうかは疑問。
出版社の都合もあるのだろうけど、短篇集のままの方が良かったと思う。
引用されている聖書の語句が日本人にはピンとこない。なぜ宇宙人が妙に聖書に詳しいのかは謎。
オーソン・スコット・カードもそうだけど、アメリカ人って世界には聖書を読まない人種もいるってことを知らないのではないか。
(そんなのは、人間じゃないと思っているのかも。)
というわけで、良い話なんだけど、かすかに漂う選民思想が引っかかる。
コニー・ウィリス『わが愛しき娘たちよ』(ハヤカワ文庫SF)の表題作を読む。
うーん、1989年の時点でこれを読んでショックを受けるって、日本のSFマニアは、ナイーブ(誉め言葉に非らず)すぎるんじゃないか?
現時点では、もちろん私は驚かないし、1989年でもサラ・パレッキーを読んでいたんだから驚かないだろうと思う。
コニー・ウィリスが男性だったっていうなら、仰天しますけどね。
これのどこが『少女革命ウテナ』のラストにつながるのだろうと、ずーっと考えて、確かに「ウテナ」かもしれないと思った。
でも「ウテナ」の方が半歩先に進んでいる。しかも、ウテナのメインスタッフのほとんどは、男性なんだから、それ考えると凄いことかも。
この短篇集で好きなのは「見張り」「埋葬式」「通販クローン」。結局オーソドックスな語り口のものが好きなんだろうなぁ、私は。
森岡宏之『星界の紋章III』(ハヤカワ文庫JA)読了。
噂のスポール様にお目にかかる。創竜伝のなっちゃんといい、ああいうキャラクターって妙に人気があるのね。
ジントとラフィールの初々しいカップルぶりや、駆け引きが好きな割には妙に潔いアーヴの皆さんの性格がかわいい。
SFだって、重要なのはキャラクターとストーリーテリングだよなぁと思う。もちろん、凄いアイデアだけで成り立つSFもあるのだけれど。
キース・ロバーツ『パヴァーヌ』(サンリオSF文庫)を探している方から、問い合わせのメールがあった。 実をいうと私は未読なのだけれど(^_^;)、溝口@書物の帝国氏のサイトでSFセミナー’98のオークションの目玉だというのを読んだので、そのように回答。 【ジグソーハウス】さんを紹介しておきました。
いつごろ出版された本なのか気になって、AMEQさんの【The Gates of Creation】の「SF翻訳作品作家別集成」をチェックしに行く。 こういうきっちりした資料系サイトがあるのは、ほんとにありがたい。 紙媒体の資料だと入手経路に限りがあるし、手元にあっても探すのが大変。 SFファンダム、ミステリファンダムな皆さんは、早いとこ自分の手持ち資料をWWWにのっけるようがんばって欲しいものです。
それはともかく、『パヴァーヌ』は、どうやらサンリオ文庫の最後の本だったらしい。1987年6月発刊。
私はその頃は、SFから離れていたから、知らなくても無理ないか。
その他、早川書房世界SF全集のリストなどをつらつらを眺める。
高校の図書館になぜかこれが置いてあって(これを入れた図書館司書に称えあれ!)、安部公房や『人形つかい』や『夢見る宝石』はこれで読んだ。
一番印象にあるのが第31巻『世界のSF(古典編)』の「歩行者族の反乱」 D・H・ケラー なのだった。
「金剛石のレンズ」 もここに入ってたらしい。この31巻だけは、どこかで手に入らないものかと思っている。
図書館でオースン・スコット・カード『消えた少年たち』(早川書房)を見つける。ロバート・シェクリィ『人間の手がまだ触れない』(ハヤカワ文庫SF)も見つけ、今月はSF度向上月間にすることに決めて借りる。 カードの『消えた少年たち』は、皆、誉めてるので期待。シェクリィは題名だけ知っている短篇集。1985年の初版が380円。今も現役だけど本体価格が505円。じわりじわりと値段が上がってますね。
ゼナ・ヘンダーソン『血は異ならず』(ハヤカワ文庫SF)読了。うーん、昔の私はこれのどのあたりがイヤだったんでしょう?
前回気になっていた選民思想は、作者も気にしていたらしく、ちゃんと対応されてました。
今読むと、そんなに宗教臭いという感じではないですね。説教臭いのは事実だけど。
1960年代の作品だし、仕方ないのかも。今でもちゃんと読めること自体凄いことなのかもしれない。
謎だったのは、未来の事を知る能力が《透視》で、金属探知能力が《予見力》と訳されていたこと。逆じゃないか、ふつー?
恩田陸の『光の帝国 常野物語』は、後半が<ピープル>シリーズかな。
「常野」に「遠野」を響かせて、泣かせとホラーを融合した恩田陸の勝ち。
(でも、「光の帝国」というタイトルはイマイチだと思います。)
【SFオンライン】を読みに行く。
SFセミナーレポートは、去年より面白い。書誌系のネタが多いせいかもしれない。野田昌宏氏の講演録が、とても嬉しかった。
オールタイムベストも面白そうだったので、【SFセミナーのサイト】も読みに行く。
投票参考リストを見たら、1/3しか既読本がなかった。85年以降に出た男流作家はほとんど読んでいないから仕方ないか。
(でも、このリストもちょっと偏ってて妙な感じ。連作は長篇扱いなの? FTで出たイアン・マクドナルドも無理矢理突っ込むし。「火星夜想曲」が期間外だから仕方ないのか(笑)
『リトル、ビッグ』はSFか? そういや、トム・リーミィも入ってないですね)
それでも、試しに選んでみました。こちらが、私の選択結果。
H.G.ウェルズ『ウェルズSF傑作集2』(創元推理文庫)読了。生物パニック物がほとんどだった。 結構面白い。そうか、H.G.ウェルズって、そういういのも書いていたのね。
クリスティ『牧師館の殺人』(ハヤカワミステリ文庫)読了。 ミス・マープルってば、ほんと意地の悪いおばあちゃんだわ。(笑)
ロバート・シェクリィ『人間の手がまだ触れない』(ハヤカワ文庫SF)読了。
コニー・ウィリスの「わが愛しき娘たちよ」を読んだ直後のせいか、
冒頭の「怪物」が、おそらくは作者が意図したのとは違う、フェミニズムの文脈で読めてしまう。(笑)
UNTOUCHED BY HUMAN HANDS というのは、果物とか食料品とかに付けられている注意書き(新鮮とか清潔とかそんなような意味)のパロディだというのを
昔読んだ覚えがあるのだけれど、辞書ひっくり返しても、どこにもそいういうことが書いていない。どこで読んだんだったかなぁ...。
オースン・スコット・カード『消えた少年たち』(早川書房)半分で挫折。途中をすっとばしラストだけは読む。
冒頭を読んだとき、S.キングかクーンツを読まされるような、なんとなくいやーんな予感がしたのだ。(いえ、クーンツは割りと好きですけど。)
結果がこれだ。直感は信じた方がいい。
これを読んで感動する人は、家族を亡くしたことのないしあわせな人なんだろうと思う。
勝手に感動してればぁ、と思う。
こういう題材を扱っている割には、救いがあって後味はそれほど悪くはないのだが、
それでも実際の「消えた少年」の親たちの慰めになるようなものではないだろう。
身内の死というのは、ひとの魂になんらかのしるしを残していくものなのだが、
それは、シミュレーションできるものではない。
身内の死に出会ったことのある人の作品というのは、すぐわかる。
他のところはどうあれ、死に関するところだけは、本物だからだ。
カードは本物の痛みと喪失感を知らない。
彼がこの作品を書いたことで、リヤカー三杯分の馬糞と罵倒を浴びせ掛けられたとしても不思議はないと思う。
私は罵倒はしないけど、この本については、さっさと忘れたい。
(99.05.24追記)
ある作品が自分の期待に反しているからといって、文句をいうのは間違っているとは思うのだが、しかし……。
私がこれだけ逆上しているのは、この作品が私の「トラウマ」の触れたからであることは言うまでもない。
それにしてもこの作品に描かれた「家族」は、どうしてこんなに「気持ちが悪い」のだろう?
気を取り直して、NIFTYのFCOMICALの山田ミネコ会議室にアップする予定の作品リストにとりかかる。 1984年までは、資料があるのだけれど、それ以降はコミックスにも初出が書いてないので、苦戦している。 山田ミネコに関しては、意外に資料がないのである。(なんとNIFTYでさえコミックスリストがなかった) 『ぱふ』などの年度決算号で探すという手もあるけど、昔の『ぱふ』を手に入れるのも大変だし。
佐々木倫子『動物のお医者さん』(白泉社花とゆめコミックス)を再読している。ああ、心が和む〜。
6月分の小遣いが入ったので、勢いで大量に本を買う。
・『プチフラワー』...波津彬子さんが巻頭では買わねばなるまい。
・岡野玲子 『陰陽師 7天后』 (スコラ)
・橋本治 『貧乏は正しい! ぼくらの最終戦争』 (小学館文庫)
・橋本治 『桃尻語訳 枕草子 上』 (河出文庫)
・橋本治 『桃尻語訳 枕草子 中』 (河出文庫)
・橋本治 『桃尻語訳 枕草子 下』 (河出文庫)
・柳瀬尚紀 『英語遊び』(河出文庫)
別の本屋で、J.グレゴリィ・キイズ 『神住む森の勇者』上下(ハヤカワ文庫FT)を買う。 解説がなんと「ファンタジィ評論家」石堂藍氏である。辛口批評家(と、書くと、御本人は傷つくかもしれないけど。)である彼の人がわざわざ解説に出張ってきたということは、 前作がそれなりの出来だったということでもありますね。次回の『幻想文学』(石堂氏はこの雑誌のメイン書評者です。やっているのは、書評だけじゃないらしいけど)が楽しみ。(笑)
橋本治の本には、昔ゾンビになりかけた時救ってもらったことがあって、以来愛読している。
落ち込んだときには、非常に良く効く薬である。但し、そういうのは、劇薬と一緒で、扱いは難しい。
『貧乏は正しい! ぼくらの最終戦争』(小学館文庫)は、『ヤングサンデー』誌上に連載された文章で、
筆者が想定している読者は、”まだ中身は17歳のまま足踏みしている19歳”(の男)なのだが、
30過ぎた女の私にも十分に効く。多分19歳の男に効くのとは別の効きかただと思うけど。
=====引用開始====
忘れてならないことはただ一つ、「その不幸は、誰に対しても突然ふりかかってくる不幸」なのだ。 ”痛みを共有する”ということは、その悲劇を”特殊な悲劇”だと思わないことだ。(p.55)
=====引用終了====
「 第一章/阪神大震災篇 (5)忘れないということ」でこう書いた橋本治は、
「第六章/いじめは、時代の転換を示す指標である (2)男はどうして”いじめ”で自殺するのか?」で
女が女であるというだけで受ける理不尽な仕打ちを「男にも解るように」きちんと書く。
こういう人間がいればこそ、ちゃんと生きていこうという気にもなれるってもんです。
アニメ版『ウテナ』を見ていて考えたのは、スタッフが橋本治を読んでいるかどうかということだった。 私は読んでいる方に賭ける。『ウテナ』というのは、宝塚しちゃった『桃尻娘』シリーズではないかという気がするのだ。 醒ヶ井凉子がアンシーである。でもウテナは榊原玲奈じゃなくて、むしろ一皮むけちゃった木川田君かも (なお、講談社文庫で出ていた『桃尻娘』シリーズは、現在は、河出書房新社から単行本が再刊されている。)
これ読んで、橋本治の本を知りたくなった人は、Digital Momonga(URL:http://www.tama.or.jp/~yamato/index.html)をどうぞ。 橋本治の著作リストがあります。
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