diary Alisato's 本買い日誌
1998年8月前半 *


1998年
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1998年8月前半

8月前半の話題一覧
8月前半の読了本


1998.08.01

車のエンジンがかからないっ!

 またもBOOK・OFF巡りに出かけようとしたところ、トラブル発生。 車のエンジンがかからないっ! ディーラーに電話したところ、バッテリーが干上がったことが判明、 義父(隣に住んでいる)と義弟(近くに住んでいる)を呼び寄せて、車を車庫から引きずり出し(狭いから、車一台じゃ引っ張り出せない)、 充電してもらって、なんとかエンジンがかかるようになる。もう大騒ぎでした。
 原因は、ルームランプの消し忘れ。なんとルームランプを付けっぱなしにすると、一晩でバッテリーが干上がるそうです。
念のため、ディーラーにバッテリーを調べてもらったりしたもので、結局、目的地に出発できたのは3時間後でした。

BOOK・OFF下妻店

 今回の目的地は、BOOK・OFF下妻店(下妻消防署の真向かい)。棚がすかすかしていて、100円コーナーが少ない。 FTの掘り出し物はなかったが、探していた佐藤史生『羅陵王』(白泉社)を発見。 店内を回遊していて、大判コミックスの100円コーナーで、TONOの朝日ソノラマのコミックスを4冊も発見。 『しましまえぶりでぃ』、新刊書店で探してたの。ここで買っちゃうと、朝日ソノラマは嬉しくないんだろうなぁと思いつつ100円の価格に勝てず、全冊ゲット。
その中の一冊『ナバナバパラダイス 博士の人魚たち』の「歌うたいの記」は、ちらっと読んで泣いてしまいました。ブックオフの100円コーナーを立ち読みして泣くとは、なんと恥ずかしい。(^_^;) でもさ、良い話なのよ〜。 ということで収穫は、
TONO『しましまえぶりでぃ』(朝日ソノラマ)
TONO『ナバナバパラダイス 博士の人魚たち』(朝日ソノラマ)
TONO『ナバナバパラダイス 犬童医院繁盛記 1』(朝日ソノラマ)
TONO『ナバナバパラダイス 犬童医院繁盛記 2』(朝日ソノラマ)
佐藤史生『羅陵王』(白泉社)
名香智子『純愛はジゴロの愉しみ』(小学館PFコミックス)
ラフカディオ・ハーン『日本の面影』(角川文庫リバイバルコレクション)……金色の装丁だっ!
サミュエル・R.ディレイニー『ノヴァ』(ハヤカワ文庫SF)

ついうっかり内田春菊『呪いのワンピース』なんてマンガを立ち読みしてしまい、思い出しては恐いです。 恐いものに限って、映像記憶しちゃうんだよなぁ。

■TONO『しましまえぶりでぃ』

TONO『しましまえぶりでぃ』(朝日ソノラマ)は、TONOさんと妹さんの猫自慢マンガ。 猫の生態が赤裸々にかわいいっ!私は犬にはあまり興味はないけど、猫相手だとメロメロになってしまうので、こういうマンガは大好き。


1998.08.02

加須の古本屋

 隣町の古本屋が、3軒ほど分散していた店を統合して、新装開店するというので、ちょっと期待して出かける。
が、新店舗は冷房もない倉庫で、相変わらず分類されていない本が本棚に並んでいるだけ。 前の店舗は、本が棚の前後に並んでいるは、通路に積んであるはで、とても発掘できる状態ではなかったので、見やすくなったといえば、見やすくなったんだけど、 ともかくむっちゃくちゃ暑い。改めてBOOK・OFFの居心地のよさを認識する。冷房入ってるもんね、あっちは。
とりあえず
妹尾ゆふ子『太陽の黄金 雨の銀』(講談社X文庫ホワイトハート)
ジャック・フィニィ『マリオンの壁』(角川文庫)
を拾う。
この店では以前、状態の悪いブレイロック『リヴァイアサン』(ハヤカワ文庫FT)をみたこともあったのだが、みあたらなくなっていた。 捨てられたのか?それとも倉庫の奥に大量につんであるダンボールの中にまだ眠っているのだろうか? やっぱり見つけたときに拾っておくべきだったか。
しかし、こんなんで、やっていけるんでしょうか、古本屋。


1998.08.03

ゲーム日記―『AZEL』

 AZELをようやくエンディングまで進む。ドラゴンがえらく強くなってしまったので、緊迫感なかったけど、まあいいか。
賛否両論のあるエンディングも、まあいいんじゃないかと思います。もともとエッジにはあんまり感情移入してなかったし。
感情移入度からいうとFF7の方が上なんですが、作品としては、こっちを誉めたい。 なにしろ、名前のついた人物たちが犬死にするのがリアル。台詞ではなく、小道具を見せることで物語世界を見せようとする演出もいい。 アゼルを後ろに乗せて戦ううちに、なんとなく心が通い合っていく状況っていうのがとっても良かったです。 ムービーも人形アニメみたいで結構好き。
でも、前作、前々作をやっていないせいか話がよくわからないんだな。しくしく。 クレイメンって何者? ラギって誰? ゲオルギウスにも入れないし〜。


1998.08.04

 TVCMをやっているインターネットタウンページ(URL http://townpage.isp.ntt.co.jp/ntt/townpage.html)へアクセスしてみた。 職業・サービス名に「古本」と入れて、エリア指定すると、古本屋がずらっと出てくる。これは便利。 お店・会社名に「ブックオフ」と入れても吉。リンクするには許可が必要とかなので、Eメールしてみる。

 【書物の帝国】の溝口さんが、ついにハヤカワ文庫FTの絶版品切れ分コンプリートを果たしたらしい。 さすがである。ということで、以前からのお約束通り、ハヤカワ文庫FT総目録のページでお祝い。


1998.08.05

炎天下の古本買い

 なんだか掘り出し物がありそうな気がして落ち着かず、炎天下、電車に乗って隣町の古本屋へ。ここには2軒古本屋があって、目的の本屋は大判のマンガに変ったものがある店なのである。 だが、汗だくで辿り着いた私の目の前にあったのは、降りたシャッターと一枚の張り紙。夏休みだったらしい。ああああ……。
仕方なく引き返し、駅の反対側にある別の店へ。

 もう一軒の店は開いていたが、マンガの掘り出し物はでず。エリザベス・A.リン『冬の娘 上』(ハヤカワ文庫FT)をみつけだす。 見つけたときはこれに間違いないと思ったが、だんだん必要だったのが上巻だったか下巻だったかわからなくなる。 家に帰って、正しいことを確認。磨いてやったらそれなりの状態になり、めでたく上下巻揃う。 どうもこの本が下巻と出会うために私を「呼んだ」としか思えない。
どうせ「呼ぶ」なら、もう一軒の古本屋が開いている時に呼んでくれ。(涙)

 ところで、古本屋にいく途中で涼みに入った新刊書店だが、ここはひどかった。新刊書店のくせにカバーの傷んでいる文庫はあるは、本がちゃんと順番に並んでいないは。 愛とやる気のない本屋って嫌い。

 『ミス・マープルと十三の謎』読了。クリスティって、コケティッシュな女性に容赦ないですね。(笑)

 古本パティオの人から鳥図明児『光をみる男』(白泉社)と坂田靖子『怪奇体験談』(双葉社JOURコミックス)を譲ってもらう。 ここんとこ、鳥図明児に凝ってます。
坂田靖子『怪奇体験談』は、ほとんどホラーというより坂田節のコメディですが、一作だけ幼児虐待の話があって怖かった。うーん、こういうのも描いてるんですね。


1998.08.06

とちぎ市蔵の街

 9月に手話サークルで行う遠足の下見のため、とちぎ市蔵の街へ。
観光に力をいれている街らしく、街の人がみんな親切。(笑) 蔵があって、掘があって、風情のあるいい街です。 でも一緒に行ったおばさんたちはあまり気に入らなかったみたい。

■タニス・リー『月と太陽の魔道師』

 タニス・リー『月と太陽の魔道師』(ハヤカワ文庫FT)読了。
主人公もヒロインもあまり魅力がなく、読んでいるときは、タニス・リーとしてはイマイチの作品だと思いましたが、 ラスト1ページで評価逆転。そうか、そういう話だったのかっ! ラストのあのシーンのために、この本はあったのです。 主人公もヒロインも実は狂言回しで、実は真の主人公は「あの人」だったのですねぇ。


1998.08.07

■久美沙織『あけめやみ とじめやみ』

 久美沙織『あけめやみ とじめやみ』(ハヤカワ文庫JA)読了。
表題作は面白かったけど、久美沙織=姫川亜弓であることを実感する。対する北島マヤは、新井素子です。 新井素子は書かないと生きているのが辛いから書くみたいなところがあって、だから彼女の書くものはあまり他の人の作品には似ていない。 久美沙織って人は、お勉強しちゃうんですね。だから型は完璧なんですけどね。でもなぁ……うーん、SFは型で書くものではないのよね。 自分が姫川亜弓であることは、多分久美沙織さんご本人が一番わかっているだろうと思いますが。 (後記:『新人賞の獲り方教えます』を読んで、この本が比較的初期の作品だったことを知る。 すごく気負っていたらしい。)


1998.08.08

 古本パティオで頼まれた三原順『ルーとソロモン』(白泉社)を、倉庫のような古本屋で買う。 ついでに三原順『ラストショー』『夕暮れの旅』『ロング・アゴー』(白泉社花とゆめコミックス)の3冊セットも発見。購入。

 友野詳『クロス・ザ・スレイヤー』(朝日ソノラマ ソノラマ文庫)を買う。
新谷かおる『砂の薔薇 14』(白泉社)も買う。

■友野詳『クロス・ザ・スレイヤー』

友野詳『クロス・ザ・スレイヤー』は、美青年ににしか見えない銀髪の美少女が吸血鬼退治をする菊地秀行の”D”風の物語。 狙われるのが美少女で、助けにくるのも美少女というのが、とっても私好みです。表紙イラストでポイント稼いだかも。 シリーズになって、キャラがもう少しこなれてくるのを期待。


1998.08.09

コミックジャングル展と狩尾菫の日舞発表会

 友人の漫画家の かのう菫 改め 狩尾菫(ごめん「狩野菫」って書き間違えてたわ)の日舞の発表会があるというので、東京へ出て行く。 ついでに、新宿高島屋で開かれたコミックジャングル展を見る。コミックジャングル展は、手塚治虫から高橋留美子、萩尾望都、吉田秋生まで、大御所19人の原画が展示される小学館主催の漫画原画展。 私の目的は、もちろん萩尾望都。

 日舞発表会の待ち合わせが正午なので、コミックジャングル展をゆっくり見る為には、10時には 新宿高島屋正面玄関に着いていないといけない。というわけで、6時起きして、大騒ぎで出発。 新宿高島屋へは一度も行ったことがないので、迷うんじゃないかと心配だったのだ。 実際、埼京線に乗っていたくせに、新宿高島屋に最も近い「JR新宿駅新南口」(埼京線のホームからしか出られない)に出る事ができず、 新宿駅南口をうろうろ。人の波についていったら、高島屋正面玄関ではなく通用口にいってしまうし。(時間が早すぎたらしい)。

 でもめでたく、10時前には正面玄関に辿り着き、コミックジャングル展にも開店と同時に飛び込んだから、当然、空いていた。
お目当ての萩尾望都ブースの「すきおとった銀の髪」の原画にへばりつく。カラー原画は、「ポーの一族」の単行本の表紙が中心。 あまり点数がないのが残念。
おみやげ品として、2500円の図録(参加作家の複製原画が19枚、ダンボール製のケースに入っている)と、 エドガーの顔ラベルのついたワイン(中身はマンズ・ワイン)、バッチなどを買った。
エドガーとアランの絵のついた特製プリクラを撮って、とっても満足。
(実はその後、この重い荷物を一日持ち歩いていたおかげで、左手がぱんぱんに腫れ上がり、結婚指輪が抜けなくなってしまったのだが、それは別の話。)

 新宿から地下鉄丸の内線経由で萱場町へ出ようとして、見事に迷う。丸の内線へ辿り着けないんである。 ヒステリーおこして、内心で「きぃぃぃぃっ。新宿なんて、新宿なんて、さっさと魔震に飲まれて、魔界都市になってしまえぇぇっ。」という呪詛の声を撒き散らしながら、 新宿駅構内をうろうろし、都営新宿線乗換えでようやく萱場町へ。
なんとか待ち合わせの友人たちとも合流して、めでたく狩野菫狩野菫の踊りを見る事ができた。

 その後、喫茶店をハシゴして友人たちと近況報告などなどをする。なぜか高校時代の友人たちは、美術芸術系の仕事について、年下の男性(3つ下とか5つ下とか6つ下とか)と結婚していることが多いことを知る。 あとはACな人間っていっぱい転がっているねぇという話をする。友人Yは、ACになつかれるタイプ(他人を攻撃したりしないので、周囲は楽だが当人はストレス溜まる(^_^;))のでで、いろいろなエピソードを話してくれる。 30過ぎた娘が自分の意に添わない結婚をしようとしたといので、髪振り乱して「殺してやる〜」と叫ぶアダルト・チルドレン・マザーというのも実在する……らしい。困ったもんだ。

 友人Yに三原順『ムーンライティング』をあげたお礼に、狩尾菫が作品を描いている『Office YOU』8月号をもらう。
今回の作品タイトルは「絶対難問」、"お受験"の話でした。

■ラーゲルレーフ『幻の馬車』

 電車の中で、ラーゲルレーフ『幻の馬車』(角川文庫リバイバルコレクション)を読み終えたのを思い出したので、追加しておきます。
大晦日の晩死んだ人間は、死者を連れ去る幻の馬車の御者になるという。その幻の馬車をめぐる人間の救済の物語。 幻想と怪奇と愛と救済が渾然一体となった名作。金色の装丁のリバイバルコレクションは比較的手に入れ易いので、見つけたらゲットせよ。


1998.08.10

■トマス・トライオン『悪魔の収穫祭』

 トマス・トライオン『悪魔の収穫祭』上下(角川ホラー文庫)読了。
普通のホラー映画だと頭の軽い女の子がやる、よせばいいのにイケナイ方向へいってしまう役を与えられているのが中年男性だというのが面白い。
このタイトルは、内容から考えると正確ではないのだが、キリスト教から見れば、同じようなものか。一応スプラッタな場面もなくはないけど、あまり怖くもなかった。 というより、これは女性にはあまり怖くない作品なんじゃないかなぁ。泡坂妻夫の『怖い話』と同じような意味で、怖いと思う人には凄く怖い話なんだろうけれど。 閉じた共同体は怖いという話でもあるわけですが、舞台がアメリカの田舎だから、日本人にはリアリティないし。
フェミニズムな観点からの評価はどうなのかな〜と思ってしまいました。
タニス・リー『月と太陽の魔道師』(ハヤカワ文庫FT)と比べてみるのも面白いかも。


1998.08.11

 『ネムキ』を買う。
麻城ゆう『天界樹夢語り5 心臓に鎖』(新書館 ウィングスノベル)を買う。
『天界樹夢語り5 心臓に鎖』は、同人誌のリライト版。大筋は変っていないものの、エピソードの細部にだいぶ変更あり。

 『ネムキ』を読むうち、今市子『百鬼夜行抄』(朝日ソノラマ)が読みたくて仕方なくなる。 本屋に既刊4冊が揃っていたのを思い出し、焦れ焦れと夜が明けるのを待つ。


1998.08.12

◆今市子『百鬼夜行抄』

 今市子『百鬼夜行抄』(朝日ソノラマ)が読みたくて読みたくて読みたくて仕方がないので、雨が降りそうな天気を押して買いに出かける。 こんなに読みたくなるなんて、昨日背表紙を見たときに誰かに呪いを掛けられたに違いない。絶対そうだ!
このシリーズでは、尾白と尾黒のチビ鴉天狗コンビと司ちゃんが好き。


1998.08.13

 夏バテである。夜はエアコンを止めると暑く、エアコンを付けっぱなしにすると寒いので良く眠れない。 ネットサーフィンしてから、うだうだと昼寝してしまう。

■ライマン・フランク・ボーム『魔法がいっぱい!』

 ライマン・フランク・ボーム『魔法がいっぱい!』(ハヤカワ文庫FT)読了。
オズシリーズが有名な作者の童話集だが、首をすげ替えたり、手足ばらばらにしたり、何人もの人間をすりつぶして捏ね上げて焼いて一人にしたりと、 マザーグースにも通じるノンセンスな残虐性が発揮されているので、私にはオズシリーズよりもこちらの方が好み。 暑くてぼーっとしてる頭にはちょうどよいほのぼのさとノンセンスさです。


1998.08.14

◆川原由美子『観用少女』

 夏バテである。川原由美子『観用少女』(朝日ソノラマ)を読みながら、また、うだうだ昼寝してしまう。
それにしても観用少女(プランツ・ドール)っていいなぁ。高くってもいいから1体欲しい。いいなぁ、いいなぁ……。
動かなくってもいいから、人形作ろうかなぁ……。ジェニーちゃんじゃ小さすぎるんだよね、私の好みからいうと。 アンティック・ドールは怖いし。

(1999.07.08追記)
 ご存知ない方に説明申し上げると、「観用少女(プランツドール)」っていうのは、人間サイズの超美しい生きているお人形です。 一種の植物らしいんですが、ホットミルクと買手の愛情を糧に生きていて、それがないと枯れてしまったり変に「育って」しまったりする。 単体のお値段もエサ代も目の玉が飛び出るほど高くて、しかも人形本人が買手を気に入らないと売ってもらえない。

そんな美少女人形だと、ロリコン野郎にあんなことこんなことされたりしないだろうかと心配する方もあるでしょうが、 そういう奴には人形がなつかない。無理になんかしようとすると枯れちゃうんでしょうな、きっと。




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