diary Alisato's 本買い日誌
1998年10月後半 *


1998年
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1998年10月後半

10月後半の話題一覧
10月後半の読了本


1998.10.15 (木)

ジンマシンと美容院

 ジンマシンがあまりにひどいので、今日こそは医者に行くぞと、思ったら今日は出ません、ジンマシン。なぜっ? 完全に直ったという感じではないのだけれど、ほとんど出ないといっていいくらい。 もしや、根絶させれられると思って病気の方で警戒したのか???
ジンマシンほど「病は気から」ということわざを体現している病気もないので(内分泌の関係らしいのですが、精神的な影響がとっても大きい。)、 本気で直そうと思ったのが良かったのかも。このところ、しっかり早寝もしてますし。(おかげで、テレホーダイ時間にインターネットできない)

 仕方なく病院ではなく美容院へ。初めての店で、美容師のお兄さんがゴマすりまくりなのには閉口したものの(疲れるからやめてくれ〜)、 このお兄さん、カットの腕は良いらしく、なにより指圧が上手い。疲れ目のツボと肩凝りのツボを押してくれて、頭もスッキリ。素晴らしいっ!

『クーロンズ・ゲート』日記

 出世石を求めて、まだ船の中。グエン・グエンを救出。 モルグを通って、大井路へ。妖精さんって、デヴィッド・リンチの映画のキャラクターみたいね。

■森博嗣『有限と微小のパン』

 森博嗣『有限と微小のパン』(講談社ノベルス)読了。
ハウステンボスなテーマパークにやってきた萌絵と反町愛、牧野洋子の3人が遭遇する不可解な殺人事件。
『すべてがFになる』と対をなす話のようですが、執筆順序と出版順序が異なっているために、 M博士が萌絵の記憶の封印を解いたという設定がうまく働いていないのが残念。
これって両親の死で機能不全に陥っていた西之園萌絵が殺人事件を通して解放されていく話だったはずなんだけど、 エピソードの順番が入れ替わったから、すごく変。おかげで反町愛が、一生懸命解説するハメになったような。

このシリーズ、なぜか「内と外」「博士」がからむ話が多いのだけど、なぜでしょう?
私のひいきの浜中深志君の再登場が嬉しい。萌絵や国枝センセイにコキ使われてた浜中君ですが、彼女ができてよかったね。 もっとも役回りは全然変わらないみたいだけど。

====引用開始====
「もう、本当に……、西之園さんといい、牧野さんといい、国枝先生といい、もう……、どうして、こんな女性ばっか僕の周りにいるんだろう。ああ、もう、いやんなっちゃうよう」 (p.505)
====引用終了====

御愁傷様です。(苦笑)
シリーズは、これで最後なのですってね。うーん、物足りないぞ〜。
やっぱり『封印再度』的オチがあって欲しかったと思います。ラブストーリーな番外編が欲しい。
それにしても天才の考えることは、よくわからない。「統合されていない」ってどういうことだろう。 この人たちって、並列処理で動いているの?


1998.10.16 (金)

 田中芳樹『魔天楼』(講談社文庫)、再読完了。
勢いであっという間に読めちゃう。それでも再読、再々読に耐えうるっていうのが、さすがに田中芳樹。

 夕方図書館から電話があり、リクエストした赤木かん子『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 パート2』が届いているとの連絡があった。

ホームページの評価とか

 嬉し恥ずかし、【hosokin's room】のお勧めサイトに入れて頂きました。
評価の高さは、無条件でダメダメ君の基準が細田さんと私とで一致するのと、私がリスト好きで、細田さんもおそらくリスト好きであるからだと思われます。 (うちのリンクページでは、細田さんのサイトへのリンクはデータベース&リストのところに分類されています。)
あそこから見に来て、期待はずれだった方はごめんなさいね、っと。趣味偏ってますから、私のサイト。 (でも、偏ってなかったら、ホームページなんか開く意味ないと思うぞ。) 見に来てくれた人の時間を無駄使いさせないよう、いちおうトップページだけ見れば、 趣味に合うか合わないか判断できるように作っているつもりですので、 トップページが趣味に合わなかったら、帰っちゃっていいですよ、ってここに書いても意味ないけど。

 サイト案内を作ろうとしたら、意外にこれが大変。
サイト構成が気に食わなくて、つい直したくなってしまう。

『クーロンズ・ゲート』日記

 マンションの中をうろうろしている。 これが難物で、セーブポイントまでいかないうちに冷蔵庫にされてしまう。 4回ぐらいやり直して、ようやくセーブポイントまで辿り着く。


1998.10.17 (土)

■波多野鷹『あの湖につづく空』

 波多野鷹『あの湖につづく空』(集英社コバルト文庫)を読む。
英国ウィンダミア湖畔の別荘に友人と共にホームステイした高校生の女の子が、男にも女にもモテまくり、最後には日英ハーフの美少年と恋仲になる話。 波多野鷹は(ライトノベルズ作家としては)上手いので、サクサク読めて、臨場感あふれるイギリス旅行記(兼 女の子の夢物語)として楽しめる。
でも、これを読んでなぜ、今、「ヤオイ小説」だの「ボーイズラブ小説」だのがあれだけ受けているのか、判ってしまった。 コバルト文庫がファンタジー風小説一辺倒になってしまった理由も。

 要するに、今ではもう、カッコイイ先輩や日英ハーフの美少年ぐらいじゃ、女の子たちの夢と幻想をつなぎ止めることは出来ないんですね。 夢を見る為には、現実からどんどん遠くへいかなくてはならなくて(それだけ現実への絶望は深いのかもしれない)、異世界行ったり、 男の子になったりしなくちゃならないわけです。

■波多野鷹『Aqua―水のある風景1』

 波多野鷹『Aqua―水のある風景1』(集英社コバルト文庫)も、読了。
クラスで浮いている女の子(でも植物オタクのボーイフレンドはいる)が、アロワナを飼っている従姉妹の恋人である小説家と出会う話。 なんと前後編だったので、まだ出会っただけで事件らしい事件がおこらぬまま、「つづく」になってしまった。(^_^;) 続編、探さにゃ〜。


1998.10.18 (日)

 『ネムキ』98年11月号、 ナンシー・A.コリンズ『ブラック・ローズ』(ハヤカワ文庫FT)、笠井潔『天啓の器』(双葉社)を買う。
笠井潔『天啓の器』(双葉社)は、【大森望さんの日記】に塔晶夫/中井英夫ファン必見とあったので。 「え〜、でも笠井潔じゃん〜(←1オクターブぐらい声を下げて、イヤそうにお読みください)」と思ったけど、立ち読みしたらどうやらお笑いのようだし。 でもこれで、感動しちゃったりしたらやだなぁ……。


1998.10.19 (月)

 図書館で、赤木かん子『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 パート2』(リブリオ出版)と、ウィリアム・バロウズ『内なるネコ』(河出書房新社)。 後者は勢いで借りた。完全な失敗。

■笠井潔『天啓の器』

 笠井潔『天啓の器』(双葉社)読了。ううむ、笠井潔にこんな芸ができたとは。
「ウロボロス」のシリーズは読んでいないけれど、仲居じゃなくて中井英夫関係の話はだいたい頭に入っているので、全然OK。問題無く読み進む。 新本格関係者の「メタノベル」には「内輪受け」というルビをふればいいと思っていたのだが、読み進むうちに、そうも言っていられなくなる。 続いている章の時制がずれていることに気が付いて、変だと思い始めたあたりからが、なかなか。

 『ザ・ヒヌマ・マーダー』のモデル作品にあまり思い入れがなく(1995年の二つの大きな事件を経た後再読して、ようやく主題が飲み込めた。)、 とらんぷを主題にした連作短篇集の方を愛好する私としては、中井某が塔晶夫を殺そうが、剽窃家であろうがあんまり気にしませんのですが、 この仕掛けは凄いと思いました。
愛ですわね。かなり歪んでるけど。
異端の作家と中井英夫の晩年を引き比べ、ついに新たな代表作を書く天啓を得られなかった中井の境遇を嘆いていたのは誰だったかな……。 ファンの想いは皆同じなんだから「後記」の最後であんな捨て台詞を吐かなくったっていいのにね。意外に小心者だぞ、公表者(笑)。 しかし、こういう「あとがき」がついているのに、書下ろしじゃなくて雑誌連載だっていうのは、マヌケかも。

 それにしても、結局これって、ハンソクだよね。販促。『天啓の宴』はともかく、竹本健治の本は読む気になっちゃいましたもんね。 新本格の方から入って、この本を読んだ人は、『ザ・ヒヌマ・マーダー』のモデル作品を読みたいと思うでしょうし。

 ちなみに、竹本健治と笠井潔の対談が載っている「幻想文学関係のリトルマガジン」は、『別冊幻想文学 中井英夫スペシャル』(幻想文学出版局/現在はアトリエOCTA, 初版1986.06.15 改訂版1993.02.15)、 中井英夫追悼号は『季刊幻想文学 40』(幻想文学出版局, 1994.01.27)、助手氏の手記が載っているのが『季刊幻想文学 49 特集:シネマと文学!』(アトリエOCTA, 1997.03.01)。 書籍扱いの雑誌なので、40号と48号の在庫は、まだあるようです。ジュンク堂や三省堂本店ならバックナンバーも扱ってます。
でもって、『ザ・ヒヌマ・マーダー』のモデル作品ですが、いわずと知れた『虚無への供物』。マニア垂涎の塔晶夫名義の初版は、1964年2月に講談社から出ました。 今一番手に入り易い文庫版は、中井英夫『虚無への供物』(講談社文庫 初版1974.03)、塔晶夫版を収録した文庫が『中井英夫全集1 虚無への供物』(創元ライブラリ 1996.12.10)。 ま、御参考までに。

 ああ、本棚にほうり込んである『中井英夫全集8 彼方より』(創元ライブラリ )読まなきゃ。

友より電話きたる

 横浜で集まっていた、かとうあや、よこやまくみこ、藤木ゆりこから電話あり。
大昔の漫画原稿(10年前のだ!)が出てきたので、同人誌を出そうという話になったらしい。 今は、50部未満の印刷でも引き受けてくれる印刷所があるのだそうな。コミケで売るとかじゃなく、 内輪で楽しむんだったら、20部ぐらい作れればいいんだもんね。


1998.10.20 (火)

■赤木かん子『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 パート2』

 赤木かん子『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 パート2』(リブリオ出版)読了。
これは良いです。パート1では、説明不足な点といささかヒステリックな論調が見られて、読んでてイライラしましたが、 パート2では、腕のいい薬剤師のごとく、「性的虐待」「摂食障害」「離婚」「共依存」等々のテーマごとに、病める子どもと大人の抱えた問題とそれに対する薬=本をテキパキと紹介していて、気持ちいいです。 今回は、定番の萩尾望都と山岸凉子の他になんと波津彬子『雨柳堂夢咄』(朝日ソノラマ)と今市子『百鬼夜行抄』(朝日ソノラマ)も「偉大な癒しの物語」として登場。これはびっくり。 もちろん、西原理恵子も入ってます。(内田春菊が入っていなかったのは、ちょっと残念。)
図書館で借りましたが、ぜひとも手元に置いておきたいと思いました。買いにいかなきゃ。
大人のアナタも、常備薬としてぜひ一冊。(笑)

■ナンシー・A.コリンズ『ブラック・ローズ』

 ナンシー・A.コリンズ『ブラック・ローズ』(ハヤカワ文庫FT)読了。
都市の中にありながら、「地図にない街」として存在するデッド・タウン。二人の吸血鬼の勢力が支配し、対立するこの「死の街」に、 ミラーグラスのよそ者がやって来た。

 巻頭の著者のことばにあるとおり《用心棒》で《荒野の用心棒》で《ゾンビ》で《ウォリアーズ》な物語。 1巻でまとまっているので、『ミッドナイト・ブルー』三部作を読んでいない人でも大丈夫。 むしろこちらから読み始めた方が読みやすいかもしれない。 スプラッタな場面はあるものの、なにしろストーリーは《用心棒》だから、 死ぬのは悪い奴の方が多い。ホラーというよりはやっぱりファンタジー。鬼畜な人、というか鬼畜な話の好きな人には物足りないかも。 私はこういう方が好きです。
ところで、神父がこだわる子供の名前が「クリストファー」っていうのは、なにか意味があるのかな?


1998.10.21 (水)

『クーロンズ・ゲート』日記

 まだ、マンションの中をうろうろしている。大井路に戻されては、またマンションの中へ。


1998.10.22 (木)

本屋に行く

 近所に本屋に竹本健治の本を探しにいったのだが、カケラも見つからなかった。
森博嗣とか京極夏彦とかならあるんですけどねぇ。
仕方なく、樹なつみ『八雲立つ 10』(白泉社花とゆめコミックス)だけ買う。

 小野不由美『屍鬼』上下(新潮社)が、3冊づつ入っていた。『東亰異聞』もまた入っていて、今度のは17刷。 やはりまだまだ文庫にはなりませんね。恩田陸『六番目の小夜子』(新潮社)も1冊だけ入っていて、ベストセラーのコーナーに置いてあった。 あ、何刷になっているのか確認するの忘れた。
ナンシー・A.コリンズ『ブラック・ローズ』(ハヤカワ文庫FT)もあったけど、他の店で買ちゃったし〜。 どうやら、ハヤカワ文庫は1週間遅れ、ハードカバーは1ヶ月遅れで配本されるみたいですね。

『クーロンズ・ゲート』日記

 コニー楊と会う。絶句……。
玄機にも会う。声が千葉繁。なんかヘン(笑)。 このゲームって、声優さんをチェックすると結構笑える。 えび剥き屋の男の子がアンシーだったりするし。
エッシャーな館に迷い込む。なんか良い感じ。


1998.10.23 (金)

『クーロンズ・ゲート』日記

 ついにエンディング。カタストロフィーというのですかね、とっても凄かったです。
ラスボスを倒すのにどのアイテムを使えばいいのか分からず、ムービーを4回も観ちゃいました。
でも、このラストの意味がよく分かりません。続きがあるってことなのかな?

イベントのキーとなる人物の出し方や、ムービーの始まり方が唐突なのには最後まで馴染めませんでしたが (ラスト直前のアレは、凄かったですけど。)、全体的には、面白いゲームでした。

ともかく、九龍城の中を歩き回るというコンセプトが素晴らしい。ダンジョンの中もかつてのウィザードリィを思わせて、雰囲気満点。 風水バトルも慣れれば面白いし、RPGではなくてフラグ外しのアドベンチャーゲームなので、モンスターが出過ぎでうんざりということもないし。
ただ、九龍フロントでのフラグはずしは、結構面倒かもしれません。

ムービーで見せるイベントよりも、人々の会話の中から立ちのぼるエピソードや、メールから推測するエピソードの方が印象深かったです。 特にベロニカのエピソードやクーロネットでしか会えなかった人々。
異形の人々も良かったなぁ。ナビの人たち(ハニーレディにもう一度会いたい!)や、ふわふわ浮いてる紅頭君たち、妖精さん。 妄人のインパクトはイマイチかな。
モンスター造型は良かったです。相手の属性を知らないと戦えないんで、「お風呂女」とか「裸コマ男」とか「亀ゴキブリ」とか勝手に名前をつけて、対策メモを作りました。 一番笑ったのは、「デブ潜」。

友人に「『クーロンズ・ゲート』やってるの〜」って言ったら、「なんで今ごろ?」なんて言われてしまいましたが (確かに香港が中国に返還されてしまって、ちょっと時機を外した感もあります)、面白いものは面白いんだから、未プレイの方で、 デビット・リンチとかが好きな方はぜひ。


1998.10.24 (土)

Lynx

 町内会の運動会(私は道具係)の予定だったが、雨で明日に順延。
暇になったので、【Lynx のページ by patakuti】というページを参考にテキストベースのブラウザ Lynxをダウンロードすることにする。 ずーっと欲しかったのだ、Lynx。画像があって美しいページというのも良いけれど、画像なしで見てもそれなりに見えて、内容のあるページっていうのが私の理想とするところだから。

 ダウンロードとインストールは、とても簡単。早速ローカルにあるHTMLをLynxで見てみる。 以前Lynxで自分のページがどう見えるかをチェックしてショックをうけ、ページを大改造したので、それほどボロボロには見えない。 でも、画像のALT指定など、気になるところがあったので、修正する。


1998.10.25 (日)

運動会と本屋

 昨日と打って変わった晴天。町内会の運動会で道具係としてこき使われる。 でも、パン食い競争で余ったアンパンを貰ったから善しとしよう。

 2時には、運動会が終了したので、買い物に出る。
川向うの文教堂で、 竹本健治『ウロボロスの偽書』(講談社ノベルズ)、竹本健治『ウロボロスの基礎理論』(講談社ノベルズ)、 TONO『カルバニア物語 4』(徳間書店 CHARA COMICS)を買う。
ここは、郊外大型書店なので、在庫がたくさんあるのである。それも妙な本の。 創元ライブラリの『中井英夫全集』が平積みになっていたりする。 レジの前には、新本格系のハードカバーのコーナーがあって、その後のコーナーにはちょっと怪しい本が並んでいる。
同じ文教堂でも、埼玉県側にある本屋は、もっとミーハーな本が並んでいるので、やっぱりチェーン店といえども店によって品揃えが違うということなのだろう。 この店のは、いったい誰の趣味だろう?


1998.10.26 (月)

 もうすぐ閉鎖されるNIFTYの山田ミネコ会議室の為に、以前作った作品リストを修正。 ホームページで公開してもいんですけど、これ以上コンテンツを増やすと管理しきれなくなるしなぁ。

 名香智子『パール・パーティ』を全巻読みたい!と、某パティオで叫んだら、SIMAさんが残りの巻を貸してくれた。 5巻を読んで泣く。

□竹本健治『ウロボロスの偽書』

 竹本健治『ウロボロスの偽書』(講談社ノベルズ)を読む。
殺人犯の手記の章と、竹本健治の手記の章と、「トリック芸者」という妙な芸者たちがでてくる連作小説の章が、並んでいる。 「トリック芸者」の章は、お馬鹿さが最高。


1998.10.27 (火)

 【SFオンライン】を読む。久美沙織さんのロングインタビューがさすが。『新人賞の獲り方おしえます』シリーズに3冊目があることを知る。 恩田陸の短篇の有料ダウンロードの為に、So-net情報会員の手続きをせねば。やはりソニー系列の会社は、商売が上手い。

妹尾ゆふ子さんの新刊

 【うさぎ屋本舗】では、妹尾ゆふ子さんの新刊発売日までのカウントダウンが始まっている。 あの『魔法の庭』の前日譚で、12月10日刊行予定。タイトルは『風の名前』で、出版社はプランニングハウス(注:ジャパンミックスから変更)で、 [ファンタジーの森]という新シリーズのノベルスなのだそうな。 一緒に、久美沙織さんの新刊もでるらしい。問題は、うちの方の本屋に配本されるかどうかですねぇ。 いざとなったら、クロネコヤマトの書籍宅急便だ!
 あと習作小説のページで、「未来の鏡」のエキスパンド・ブック版をダウンロードできます。Winな人は、*.hqxを解凍できないので、*.ebkをダウンロードすべし。 HTML版とエキスパンドブック版を比べると、小説ってのは、縦書きと横書きでは雰囲気が全然違うってのがよく分かります。

■竹本健治『ウロボロスの偽書』

 竹本健治『ウロボロスの偽書』(講談社ノベルズ)読了。
ううむ……。(^_^;)
「トリック芸者」の章の決め台詞「そこはそれ」は、すっごく良かったけどねぇ。
怪作には違いない。定価で買っても損したという気分はしないですが。


1998.10.28 (水)

 ゲーム日記のページを修正。シレン日記のファイルをまとめ、攻略日記の続きを書くため、『Dの食卓』をまた始める。

□竹本健治『ウロボロスの基礎理論』

 竹本健治『ウロボロスの基礎理論』(講談社ノベルズ)を読み始める。
しかし、このメインの事件は、なんというかとっても……。
『ウロボロスの偽書』のノベルズ版のあとがきの意味に気付かなかった豚な読者としては、なんも言えませんけど〜。


1998.10.29 (木)

 体調不良。医者へ行くべきか、行くのやめようか迷う。
(つまりその程度の体調不良なわけです。すっごく調子悪かったら医者に飛んでいきますって。病は気からか?)
結局行かなかった。

 『Dの食卓』のエンディングを見る。玉虫4つでなにかいいこと、あるんでしょうか?

■トマス・トライオン『悪を呼ぶ少年』

 トマス・トライオン『悪を呼ぶ少年』(角川文庫)を読む。
恐るべき双子たちの話。映画も傑作だったが、小説も傑作。映画の脚本もトライオンなので、それほど差はない。 映画を知ってる人は、映像を思い浮かべながら読むとさらにgood。
伏線の張り方が絶妙。予感によって恐怖を盛り上げていくわけですねぇ。
恩田陸作品のお手本であろうと思われます。読み比べるのも一興。 萩尾望都の某作品のルーツという話もあります。


1998.10.30 (金)

■竹本健治『ウロボロスの基礎理論』

 竹本健治『ウロボロスの基礎理論』(講談社ノベルズ)読了。
新本格派の内部事情のお勉強には役に立つと思った。小野不由美の漫画が一番の拾い物かも(笑)。
法月綸太郎が書いたとされる部分で引用される田中幸一という人が書いたことになっている文章(p.438-456) がこの本の中で一番スジが通っているような気がした。
黒死館風の作中作の仕掛け(語り手は館の中では一度も会話していない)には途中で気が付き、どうケリをつけてくれるのかと期待していたら、アレだもんなぁ。 「アンチ・ミステリー」は、謎を中途半端なまま残す小説のことじゃないと思うぞ。
「ウロボロス」シリーズを読んだら、相対的に『天啓の器』の評価がぐんと上がってしまった。困ったね。(^_^;)

『天啓の器』は、正しく「アンチ・ミステリー」であろうと思う。
私の定義では狭義の「ミステリー」は、謎が出て来てそれが探偵役によって合理的に説明される小説をいう。 謎が中途半端に放り出されるものは、私の定義では「幻想小説」である。 (そうなると『笑わない数学者』はどうなるのかって話はあるけど。)
わたくし的には犯罪が出てきてそれが解決される小説は、ぜーんぶ広義の「ミステリー」である。 犯罪小説も一応ミステリー。でも犯人がバケモノだった場合は「ホラー」ですねぇ。
でもってわたくし的な「アンチ・ミステリー」とは、謎が全部合理的に解決された結果、犯罪がなくなっちゃったり、犯人がいなくなっちゃったり(失踪という意味ではないよ)、 世間ぜーんぶが犯人になってしまったりする小説のこと。
でも私は、ラベルはあんまり気にしないので、「ミステリー」だろうが「ミステロイド」だろうが「アンチ・ミステリー」だろうが、 自分が面白ければどうでもいいのであった。

■昔の『このミス』を読む

 昔の『このミス』を読み返している。
国内ミステリにはほとんど興味がなかったので、いままで真面目にランキングを見ていなかったけど、 『ウロボロスの偽書』って、92年の10位なのね。でもって、わたしが貶した有栖川有栖『双頭の悪魔』って93年の6位なのね。 まあ『翼ある闇』が92年の12位だしなぁ。『ウロボロスの基礎論』は、96年の18位なのね。
ふうん。
1994年12月の段階で浅田次郎のエッセイが載ってたり、小野不由美、篠田節子、恩田陸、坂東眞佐子を押さえてあったり、 やっぱりとっても凄いのね、『このミス』って。


1998.10.31 (土)

 久々のブックオフめぐり。なんとまぁ、3軒もまわってしまいましたよ。

BOOK・OFF下妻市役所前店

ここは、前(1998.08.01)にも行った事があります。 前回は、ただの「下妻店」だったのが「下妻市役所前店」になっているということは、下妻市内に別のブックオフができたということかしら?
・レイモンド・E.フィースト『セサノンの暗黒』上下(ハヤカワ文庫FT)
・吉田秋生『吉祥天女 2』(小学館文庫)
・綾辻行人『人形館の殺人』(講談社文庫)
・堀泉下『花嫁に赤いケープを』(廣済堂出版ソリティアコミックス)
・G.マクドナルド『ファンタステス』(国書刊行会)……850円になっていたので購入

 堀泉下は、デビュー当時から好きだった漫画家。『花とゆめ』でデビューして、『プチフラワー』にもちょっとだけ描いてました。 独創的な絵と独創的なストーリーの漫画を描く人なんですが、どうも話の組み立てが下手で一人よがりになりがちなのが難。 もうちょっと頑張れば凄い魅力的な作品になるのに、どうしてそういう方向に話をもっていくんだぁぁぁと何度思ったかしれない。(^_^;) 残念ながら、『花嫁に赤いケープを』にもやっぱりそういう欠点があります。 『ソリティア』ってのは昔出ていたホラー雑誌でしょうね。

 吉田秋生『吉祥天女 2』(小学館文庫)は、恩田陸『六番目の小夜子』を読み解く為の参考書。 これのヒロインも「小夜子」なんです。

新刊書店で、久美沙織『これがトドメの新人賞の獲り方おしえます』(徳間書店)を購入。

BOOK・OFF玉戸モール店

玉戸モールっていうのは、スーパーや電気店などが入っているショッピングモールでした。本来なら新刊書店があるべきところになぜかブックオフがあるのですね。 そういう場所柄か、値段は強気(笑)。文庫の半額コーナーに他の店なら100円コーナー行きの汚い本が並んでいたりする。

・麻城ゆう『天界樹夢語り2 真逆の剣』(新書館ウィングスノベルズ)
・麻城ゆう『天界樹夢語り3 裏切りの海』(新書館ウィングスノベルズ)
・今市子『大人の問題』(芳文社 花音コミックス)
・TEAM猫十字社『幻獣の国物語 14』(宙出版 ミッシィコミックス)
・西村しのぶ『VOICE』(SUDIO SHIP)
・ピエール・クリパリ『ピポ王子』(ハヤカワ文庫FT)

 今市子『大人の問題』(芳文社 花音コミックス)は、ゲイを理由に離婚した父親が、26歳の美青年と「結婚」(養子縁組み)したために ややこしい家族の問題に巻き込まれる大学生の男の子の話。すんごく笑えます。

BOOK・OFF50号小山店

HARD・OFFが併設されている店。なぜか、小野不由美の『屍鬼』上下(新潮社)が並んでいた。厚すぎたのか、怖すぎたのか? 漫画文庫多し。
・山田ミネコ『最終戦争伝説 6』(朝日ソノラマ サンコミックス・ストロベリー)
・吉田秋生『吉祥天女 1』(小学館文庫)
・綾辻行人『水車館の殺人』(講談社文庫)

 気が付くと綾辻行人が2冊も紛れ込んでました。まあいいや、10月後半から11月にかけては、新本格強化週間ということで……。

■久美沙織『これがトドメの新人賞の獲り方おしえます』

 久美沙織『これがトドメの新人賞の獲り方おしえます』(徳間書店)読了。
RPG仕立てなので、ちょっと内容が解かりにくい。前の2冊読んでいないと、何をいっているのか解らないかも。 前の2冊を読んでから、読むべきでしょうね。前の2冊で指摘された文章を書くときのチェックポイントを頭にいれて、 この本に出てくる小説家予備軍がどういう間違いをしているのかチェックしつつ読むのが正しい使い方であろうと思われます。
でもそれだと、攻略本じゃなくて、テスト直前のチェック用問題集だな。
「宝箱」のコーナーには、小説家予備軍のためのお勧め本が並んでいる。基本的かつ考え抜かれたセレクトだと思う。



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