diary Alisato's 本買い日誌
1998年7月前半 *


1998年
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1998年7月前半

7月前半の話題一覧
7月前半の読了本


1998.07.01

ゲーム日記―『AZEL』

 AZELを最初からやり直す。うーん、こういう話だったのか。 主人公エッジの行動の動機が、イマイチ弱い気がする。 どうもFF7へのアンチテーゼとしてドラマを作っている感じで、割りと淡々としているのだ。 2枚目まで終わらせる。

麻城ゆうの同人誌

 萩尾望都会議室で知り合ったSさんに、麻城ゆうの同人誌を借りる。私のヒイキの真牙が出ていて嬉しい。


1998.07.02

古本屋の情報を調べる

 千代紙つづりの修正。マクロを組んでエディタで一発修正する技を身につける。必要は習得の母なり。

 明日、横浜の実家に帰ることにしたので、途中で寄る古本屋の情報をインターネットで集める。 溝口さんの【クラスターの領地】の情報がありがたい。古本屋っていうのは、地図がないとなかなか辿り着けないものなのだ。 NIFTYの方でも、萩尾望都会議室のMさんが、古本交換のためのパティオを開いた。


1998.07.03

横浜の実家に帰る

 本を取りに、横浜の実家に帰る。今回のもうひとつの目的は、古本行脚である。
一応、高田馬場のBOOK-OFF、新大久保のBOOK-OFF、大久保の新宿古書センターに寄り、 時間があれば、学芸大学のブックマートか、大岡山の日月堂へ寄ることを予定していた。

東大宮の古本屋

 東京方面へ向かう途中の電車の窓から古本屋を発見。次の駅で電車を降りて、戻ってその店に寄る。 馬鹿みたいだが、今回の目的は古本屋めぐりだから、ここで降りないと絶対後悔すると思ったのだ。 さてその古本屋、ビックツリーNo.5(東大宮駅のホームから見える。西口から、大宮方面に徒歩1分)だが、ふつーの古本屋だった。
店の外の2冊100円コーナーで、エドワード・イーガー『魔法半分』(ハヤカワ文庫FT)と『ラブクラフト傑作集1』(創元推理文庫)を救出。 2階のマンガコーナーで、山田ミネコ『最終戦争伝説1』(朝日ソノラマ)を買う。 萩尾望都『海のアリア』3冊セットもあった。
この店は昔ながらの古本屋なので、本が埃だらけで、文庫本なども美本が少ない。 マンガ雑誌が積んであったので、ひょっとしたらあの中に掘り出し物があったのかもしれないが、 あんまり途中下車した価値はなかった。

 駅へ戻る途中で寄った新刊書店で、新潮文庫と角川文庫の夏のブックフェア用ブックレットを拾ってくる。 角川文庫の今年の夏のテーマは、「やさしさと癒し」らしい。『裏庭』の傷を撫であう国の人間たちを思い出してしまって、はっきりいって、気持ち悪い。 一方の新潮文庫のブックレットには、山田詠美の1ページのエッセイが載っていて、これが凄い。 こういう人だから、『風葬の教室』なんて作品が書けたんだね。子供の頃から読書が好きだった人は読むべし。 というわけでこの勝負、金城の表紙の角川より、パンダの表紙の新潮の勝ち。

 赤羽駅は工事中で、恒例だった古本ワゴンセールが見つからず、残念。

ブックオフ高田馬場店

 ブックオフ高田馬場店は、JR山手線高田馬場駅戸山口(新宿寄り出口)の改札を出て、左手の階段を上がると直ぐ目の前。 規模が小さく、あまり見る所がなかった。ついでに寄るならともかく、わざわざ途中下車するまでもなかったようだ。

新大久保・江崎書店

 新大久保駅で下車する。ブックオフに行く前に、駅前の信号を渡った先の果物屋の裏にある新刊書店のBOOKS EZAKI(江崎書店)に寄る。 この店は、入口に比べて、中がものすごく広い。文庫コーナーには、各文庫の目録も揃っているし、サブカル系の妙な本も多い。ブックオフに行く前にチェックするのも良いと思う。
棚で目が合ってしまった 池田伊佐夫『東京古書店グラフティ』(東京書籍)を買う。 (この本には、出版社のURLが出ている。東京書籍 URL http://www.tokyo-shoseki.co.jp/nbook/bindex.htm。 すべての出版社は、ホームページを持つべきだと思う。)
ここでは『中公新書解説目録 1998年』も、もらう。

 ロッテリアで食事してから、ブックオフへ。それにしても新大久保は、インターナショナルだ。 ハングルの看板は出てるわ、電話かけてるひとは英語以外の言葉で怒鳴ってるわ、隣の席の二人連れは中国語で喋ってるわ。

ブックオフ新大久保店

 さて、ブックオフ新大久保店である。ここは地上3階の大規模店。結構掘り出し物がある。というわけで、収穫は以下の通り。
・ガルシン『あかい花』(岩波文庫)……なんとなく幻想文学っぽいから。
・舟崎克彦『お電話倶楽部』(ちくま文庫)……ちくま文庫のリストを作ったのはこの日の為だ!
・泡坂妻夫『迷蝶の島』(文春文庫)……好きなんです、泡坂妻夫。
・久美沙織『夜にひらく窓』(ハヤカワ文庫JA)
・ロバート・J.ソウヤー『ターミナル・エクスペリメント』(ハヤカワ文庫SF)
・篠田節子『神鳥―イビス―』(集英社文庫)……図書館で読んだが、多分今年のベスト。
・山田ミネコ『河童の出てきた日』(朝日ソノラマ)
・細川智栄子『王家の紋章 1』(秋田文庫)……わはは、ついに買ってしまった!
・細川智栄子『王家の紋章 2』(秋田文庫)……同上
『アリス・ブックII』(新潮社コミックス)……24年組のアンソロジー
『SFマガジン』1996年12月号……秋のファンタジィ特集
有名になってしまったせいか、以前よりSFやFTが少ないような気がする。

 大漁はいいが、重い……。ドトールコーヒーで一息いれてから、大久保駅方面へ歩く。 とっても暑い。東京のこの日の気温は34度。フライパンの上を歩いている気分。 日傘を持ってきたのだが、途中で壊れてしまってオチョコ状態になり、 とてもさして歩けないので、仕方なく炎天下、日陰を選んで歩く。これでは、古本行脚っていうより、苦行じゃ。 そうしてやっと辿り着いた大久保駅だが、なんてことだ、ここは北口、古書センターは南口。 線路に沿って、荷物を引きずってさらに歩く。

新宿古書センター

 こうしてやっと見つけた新宿古書センターは、苦労しただけのことはある大型書店。 来てよかった〜。大きな荷物は、1階のレジで預かってくれる。 2階が文庫とマンガのフロアで、絶版本や新着本の棚がちゃんと区別されているのが便利。
FTは橙背のものならかなりある。『ルーフワールド』もあった。サンリオ文庫は見当たらなかったけど、全部売れてしまったのかな?
神田で500円で買った山田ミネコ『冬の円盤』が300円だったのは、ちょっと悔しい。
1階は新書と単行本、雑誌バックナンバーなどが置いてある。大陸ノベルズの妹尾ゆふ子『風人の唄』や山田ミネコのシリーズも置いてあった。 SFMも揃いで置いてある。ここで、山田ミネコ「幽霊たちの季節」の初出がSFM1985年9月〜11月号であることを確認。
ここで買った本は以下の通り。
・紀田順一郎『古本屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)
・フィリップ・K.ディック『地図にない町』(ハヤカワ文庫NV)
・山田ミネコ『振袖無頼控』(秋田書店プリンセスコミックス)

 時刻は4時である。本屋を5軒周るとさすがにめまいがしてくる。 渋谷から東横線で学芸大学駅へ寄るつもりだったが、体力がない。あきらめて、東京駅経由で横須賀線に乗る。
 実家に着いたときには、汗でべちょべちょで濡れ雑巾のような状態だった。


1998.07.04

横浜古本屋めぐり

 横浜の古本屋を巡るべく、電話帳をチェックし古本屋リストを作る。

先生堂古書店東戸塚店

 先ずは JR横須賀線東戸塚駅の先生堂書店へ。だが、開店は11時からだとかで、仕方なく近くの新刊書店で時間をつぶす。 東西書店で、NHK人間大学のテキストを買う。斉藤学『NHK人間大学 家族の闇をさぐる』(放送 教育テレビ 水曜日 22:45〜23:15)と 野田昌宏『NHK人間大学 宇宙を空想してきた人々』(放送 教育テレビ 木曜日 22:45〜23:15)。 この店は、CD屋とくっついているのだが、店員の態度が非常に悪い。まあ、駅前の本屋なんてこんなものか。

 さて、先生堂古書店東戸塚店である。 この店は、あまり大きくない古本屋だが、時々拾い物がある。SFやFTも若干あり、非常に良心的な値段で売っている。 FTはここで随分拾った。(昔売った分を取りかえしただけという気もするが) 最近では数冊しか置いていないが、サンリオ文庫も2千円以下で扱っている。 入口付近には、日本の推理小説の棚があり、乱歩や横溝、夢野久作の文庫や全集が並んでいる。
2冊100円コーナーで、J.G.バラード『奇跡の大河』(新潮文庫)、星新一『きまぐれ遊歩道』(新潮文庫)を拾う。 『奇跡の大河』は、新潮文庫からSFがガンガン出てたころの一冊。ひょっとしたら珍品か? SFの棚では迷った末にロジャー・ゼラズニィ『ドリームマスター』(ハヤカワ文庫SF)を買う。 絶版だけど350円。ね、良心的でしょ。
ハードカバーの棚をひょいっと見上げたら、橋本治『「広告批評」の橋本治』(マドラ社)と目が合ってしまった。 3.5センチある分厚い本である。やばいっと思ったけど、目が離せない。よせばいいのに中までめくって見てしまった。マンガが載っている。 ああ、もうこれは「呼ばれた」と思って、覚悟を決めて買った。あ〜あ、これからまだまだ古本や巡りをするってのに、こんなかさ張る重い本買っちゃって……。

有隣堂東戸塚店

 電車の時間まで有隣堂東戸塚店(新刊書店)で時間をつぶす。 東戸塚は、日立系ソフト会社のお膝もとなので、この店はパソコン関係とCD−ROMが充実している。 岩波文庫、ちくま文庫もなかなか揃っている。イタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』(ちくま文庫)を見つけたが、迷って結局やめた。

横浜駅西口の新刊書店

 横浜駅に着いたら、まず西口シァル5階の栄松堂横浜シァル店(新刊書店)へ直行する。 横浜駅にはいくつも本屋がある(西口に有隣堂と栄松堂、東口に有隣堂と丸善)のだが、ここは、マンガと外国雑誌が一番充実している。 (ダイヤモンド地下街にも有隣堂の漫画専門売り場があるのだが、あっちは換気が悪いので、夏場は行きたくない(苦笑)) 特に朝日ソノラマ系が強い。細川智栄子『王家の紋章 3』(秋田文庫)を買う。

 続いて栄松堂横浜相鉄ジョイナス4F店(新刊書店)へ。この店はハヤカワ文庫と創元文庫の在庫が揃っている。 アスプリンのマジカルランドなんて、前の巻も平積みになっている。新刊をチェックするなら、ここである。

 栄松堂横浜相鉄ジョイナス1F店(新刊書店)は、新刊と雑誌だけの通勤客用の店。 ちなみに隣にある山田花店は、山田ミネコさんのご親戚だそうです。

横浜駅西口の古本屋

 ダイエーを右に東急ハンズを左手に見てちょっと歩くとぽんぽん船西口店(横浜市西区南幸2-17)がある。 ここは、リサイクル系の古本屋なのだけれど、文庫や漫画がかなり適当に並べてあって、本を探すのに苦労する。 あんまり掘り出し物はなかった。

 東急ハンズの前と通って、鶴見歯科専門学校の方へ歩いていくと、「藤のある部屋」という藤手芸材料店の看板のあるビルの1階に 尚古堂(横浜市西区南幸2-6-11)という古本屋がある。小さい店だが、きれいに整理されていて、チェックしやすい。 ハヤカワ文庫SFとFTが若干、サンリオ文庫が2冊ほど。漫画はあまりない。 マキリップ『ムーンドリーム』(ハヤカワ文庫FT)をみつけ、ラッキー!と思ったが、 『ムーンフラッシュ』の続編なんだから、さきに『ムーンフラッシュ』を探さないとね。 ハードカバーは、割に面白い本が揃っている。晶文社とか国書刊行会とか。ハンズに行ったら寄って損はないと思う。

横浜駅東口の新刊書店

 東西通路を通って、横浜駅東口へ出て、横浜ルミネ5階の有隣堂ルミネ店へいく。 有隣堂は、横浜伊勢崎町に本店がある老舗の新刊書店書店なのだが、どの店も店員の態度が悪い。 客は待たせる、待たせた客を放っておいて後から来た客に先に接客する、そのくせ客がお金を出すのが遅れると舌打ちするといった最低最悪の店員が揃っている。 (20年以上横浜に住んでいた私は何度も屈辱を味わったのだ。)
それで、本の品揃えが良いかというと、そうでもない。品揃えが悪いわけではないが、何考えて棚を作っているのかよく分からないところがある。 このルミネ店も売り場は広いが文芸書関係の棚はスカスカである。専門書の棚の方が変ったものが揃っているのかもしれない。 というわけで、私は最近では、有隣堂ではなるべく本を買わないようにしている
しかし、この有隣堂にも取り柄があって、文庫版のブックカバーがきれいなんである。 色違いが10種類ぐらいある。でも、もう書皮ごときじゃ懐柔されないもんねーっ!

 さて、次にいった店は、横浜駅東口ポルタ地下街にある丸善である。 老舗書店の支店としては、ちょっとショボイ感じなのだが、ここの店員の接客態度はよい。 なぜかTRPG関係の文献が充実していて、その余波か、戦記物とSF、ファンタジー関係の文庫が変に充実している。 岩波文庫、ちくま文庫もちゃんと揃っている。漫画は、妙な出版社の本が平積みになっていることが多い。 オタクなら、ここに寄るべきだろう。(笑)

横浜駅東口の古本屋

 電話帳で調べた住所を頼りにぽんぽん船横浜東口店を探す。が、しかし、ポルタ地下街から外へ出た所で迷う。 炎天下である。見渡せどそれらしい店はなく、アスファルトは焼け付くようで、既に8冊の本の入った袋は重い。 泣きたい気分で、あたりをうろつく。アニメイトを見つけたが、これじゃないだろう。アニメイトの客らしい子に道を尋ねようか迷い、思いとどまる。 (だって、恥ずかしいじゃない……)と、ようやく遠くに「本」の看板を発見!あったー!
電話帳にちゃんと地図載せとけよ、ぽんぽん船!

 ようやくみつけたぽんぽん船横浜東口店(横浜市西区高島2-11-2)は、SKYなんちゃら(スカイビルにあらず)というビルの1階にある中規模のお店。 漫画と文庫が半々ぐらい。レジでは、アルバイトの店員が本を磨いていた。古い漫画はないが、セット物は多し。竹宮恵子『風と木の詩』のセットとかがあった。 文庫は、新しめのものが多く、SFは少ない。FTの白背はなし。岩波文庫、ちくま文庫がそこそこ。
が、掘り出し物を発見。
チャールズ・キングズレィ『ギリシャ神話 英雄物語』(舟木裕訳、ちくま文庫)とマーヴィン・ピーク『タイタス・グローン』(創元推理文庫)。 『ギリシャ神話 英雄物語』は、ちくま文庫の目録を作っていて存在を発見した本。リスト作りはそういうメリットもある。今度は、岩波もやろう。(笑) 訳者の舟木裕さんが好きで訳した本だそうで、まだ読んでいないが、名品の匂いがする。ギリシャ神話は子供の頃から好きだった。 私は小学校一年での愛読書が『星座とギリシャ神話』とかいう星座図鑑だったという変な子だったんである。結局、三つ子の魂百までってことか。 『タイタス・グローン』は、かのゴーメン・ガースト三部作の一冊目。目下品切れ中(と思ったら、目録には載っていた。でも、どうせそのうちなくなる。)。読めるかどうかわからないが、ともかく確保。

天王町の古本屋

 ずっしりと重くなったカバンを手に、駅へと戻る。これからの予定は、天王町の古本屋を巡り、そのあと体力があればイゼザキ町の先生堂行くことである。 しかし、あまりに荷物が重いので、ロッカーに預けようと思い立つ。バーゲン中ゆえロッカーがほとんど空いていないため、ロッカー番のおばさんが駅構内のロッカーに案内してくれる。 「駅員さんと話はつけてあるから、ロッカーのキーを見せて改札を通ってくださいね」とのこと。

 というわけで、身軽になって、相鉄線天王町駅へ。ここは、先生堂古書店天王町店ぽんぽん船天王町店があるらしい。 先生堂は各支店の地図が袋に印刷されているので、それを見ようして、さっき荷物を全部ロッカーに入れたことに気付く。ばかぁ!

 仕方なく、住所から見当をつけて、改札から出て左の方へ向かう。と、すぐ目の前に本を積んだワゴンが。先生堂古書店天王町店は、ほんとに駅からすぐのところでした。 が、しかし、この店は期待はずれ。たいして文庫も漫画も置いていない小さい町の古本屋さん。こんな店のために電車に乗ってきたのか――とがっくりする。 それでもラフカディオ・ハーン『完訳 怪談』(舟木裕訳、ちくま文庫)をみつけ購入。訳者の名前で買った。

 さて、次はどこにあるかわからないぽんぽん船天王町店(横浜市西区浅間町5-389)である。町名で見当をつけて、歩いてみる。ずいぶんと大回りをしてしまったが、5分後に発見! この店は、大きい。電車に乗ってやってきた甲斐があったと安堵する。 外にでている100円均一の棚に山田ミネコ『最終戦争伝説』1〜5(朝日ソノラマ)をみつけ、もっていない2〜4巻を確保する。 文庫も漫画もそこそこ揃っている。創元SF文庫の棚で、イアン・ワトスン『川の書』を見つける。買おうかどうしようか迷う。 イサク・ディーネセン『バベットの晩餐会』(ちくま文庫)をみつけ確保。新刊書店で買わなくてよかった。 この店は、レジのところにサンリオSF文庫が並んでいた。多分ハヤカワで復刊された分だと思うが、呆れるほどに安い。
漫画コーナーで探していた山田ミネコ『草原の狼 4』(東京三世社)をみつけ舞い上がる。 舞い上がりすぎて、イアン・ワトスンのことをすっかり忘れる。 大満足で店を出る。

 天王町駅に向かって歩いていると、さらに別の古本屋が。アップルブックス(横浜市保土ヶ谷区天王町1-7-2)。 ビデオ買いますという看板が大きく出ているところから、どうやらソッチで生計をたてているらしいが、一応普通の本もある古本屋さん。 ワゴンに平井呈一編訳『恐怖の愉しみ』上下(創元推理文庫)があるのを発見。なんと上下で200円。恐いのは苦手だけど掘り出し物だからゲット! P.カミ『エッフェル塔の潜水夫』(ちくま文庫)を発見。ゲット! 岩波文庫も何冊かあったが、どれが品切れ本なのかわからないので、とりあえずはパス。 やっぱり、岩波文庫の赤のリストを作らねば。
この店の主人は、古本屋にあるまじき愛想のいいおじさんであった。(笑)

 あまりに暑いので、ソフトクリームの看板に惹かれて、ふらふらと喫茶店へ。 抹茶フロートなぞを飲み、しばし休んで(足の裏がジンジンする)、電車で横浜駅に戻る。
時間は、午後4時。イゼザキ町へ出ようと思えば行かれる時間だが、ロッカーから出した荷物と天王町での買い物を引きずっての移動は無理だと判断し、 家へ帰ることにする。もう気力の萎えちゃって、アタマはぐるぐる、何を買うつもりだったかも覚えてないし。

 実家についたのは5時である。やっぱり今日も汗でべちょべちょだった。
 こうして横浜での過酷な古本行脚は終わった。ポケット・ピカチュウを持ってこなかったのが惜しまれる。 凄まじい歩数がカウントできたであろうに。


1998.07.05

 夜中に横浜から帰ってきました。そのままアニメ『頭文字D』の放送を見たりなんかしたもので、ぐったり。


1998.07.06

赤木かん子の講演会記録

 【子どもの本専門店 赤とんぼ】のあかばさんから、赤木かん子さんの講演会記録などなどが届く。面白くって一気に読む。 なるほど、講演会だと時間があるせいか、ちゃんと細かいことまでフォローするんだな。 かん子さんの場合、喋るときはいいんだけど、文章を書くとなんか説明不足の部分があるんですね。いいたいことは解るんだが、もう少しちゃんと誰にでもわかる表現を磨いてくれないと。 (造語が多いんですよ。「タッキー系」とか「この指とまれ方式」とか、雰囲気はわかるけど一般的な言葉じゃないんだから、最初に説明があってしかるべきでしょう。)


1998.07.07

■橋本治『「広告批評」の橋本治』

 橋本治『「広告批評」の橋本治』(マドラ社)読了。ウテナのスタッフは絶対橋本治を読んでいることを確信する。
そういえば、ウテナのページを作るべく、カットも描いたのに、全然更新できないや。


1998.07.08

 ニフティの古本交換パティオが盛り上がっている。7/4の古本行脚の日記を書いているのだが、なかなか終わらない。


1998.07.09

 「千代紙つづり」のページの更新作業を続ける。このままだと近いうちに容量はともかく、ファイル数がプロバイダの許容量をオーバーしそうな感じ。 ページの一部をニフティのメンバーズホームページあたりに移動する必要があるかもしれない。

 ソウヤー『ターミナル・エクスペリメント』(ハヤカワ文庫SF)を読みはじめる。

指輪物語のカードゲーム

 やのまんから、『指輪物語CCGプレイヤーズガイド』とカードセットが送られてきた。 アンケートに答えたら、カードセットをくれるというので、住所を教えたのだが、アンケートの答える前に品物が来てしまった。 いいのだろうか?
カードゲームの中身は、MTG似たようなもの。ただ、イラストにお馴染みのキャラクターたちや地名が出てくる。 絵柄はちょっとアメリカンだけれど、バクシのアニメよりずっと良い感じ。(エオウィンのカードはあったけど、アラゴルンのカードがなかったのが淋しい。) ゲームはしないけど、ちょっとカードのコレクションはやってみたい気がする。 (やりませんけど、お金がないから)

ポスペパーク

 友人のよこやまくみこからメールがあって、ポスペパーク内の「オオカミ研究所」で行われた「新ペット大予想 (新ペットのシルエットにデタラメなキャラをあてはめるという企画)」に応募したら、最優秀賞に選ばれたとのこと。
仕事を中断して描いた(彼女は元漫画家でイラストレーターなんである。)かいがあったそうである。 「無キズの人」というキャラがとっても受けたらしい。
私はポスペパークに入れないのだが、どこかに絵が展示してあるはずなので、パークに入れる人は見てやってください。


1998.07.10

ファイル数オーバー

 更新したホームページをFTPしたところ、ファイル数が多すぎて、出来ないファイルがあった。 慌てて不要なファイルを削除し、FTPし直す。
やはりもうひとつぐらい別のサイトが必要だという結論に達し、ニフティのメンバーズホームページを申し込む。 正式オープンしたら、お知らせします。

■<ソウヤー『ターミナル・エクスペリメント』

 ソウヤー『ターミナル・エクスペリメント』(ハヤカワ文庫SF)読了。扱っているネタはSFだけれと、語り口はミステリー風。 解説の瀬名秀明(いつも思うけど、この人は文章がハンサム(笑)。オタクでもエセインテリでもなくて、頭良さげな好青年という感じの文体ですよね。)のいうように、 京極夏彦や森博嗣が好きな人(私だ、私)なら、かなり気に入る作品でしょう。 わかり難い題名だと思ったけど、「端末実験」と「終末実験」を掛けてあるので、下手な訳しかたができなかったのね。

古本屋でニアミス

 【ファンタジア領】のかつきさんの日記を読んでいたら、7月3日の行動が思いっきりニアミスしていることを発見。 メール(なぜかあそこの掲示板は、うちのブラウザからだと書き込めないのである)で確認したところ、同日同時刻にかつきさんも新宿古書センターにいたとのこと。 多分、2階に上がるときにすれ違った大きなバッグを持った人か、ガラスケースの前に立っていた人がかつきさんだったんでしょう。
実は、Niftyの漫画フォーラムで知り合った大阪の人も、やっぱり翌日新宿古書センターに寄っていたそうで、 古本マニアの行動範囲は、案外狭いぞ〜(笑)という話。

 ニフティの古本交換パティオは、相変わらず盛況。他の人の探求書リストを眺めて、気になる本のタイトルを頭に叩き込む。 自分がチェックしている作家の本だと分かりやすいのだが、あまり興味のない作家の本だと希少度がわからないのだな。


1998.07.11

イズミ書房板倉店

 館林にドライブに行く途中、古本屋を発見。思わず寄ってしまう。(笑)
イズミ書房板倉店というのだが、新規に開店したらしく、まだ店内が整理されている。
ニフティの古本交換パティオの探求書リストに載っていた、坂田靖子『誇り高き戦場』(朝日ソノラマデュオセレクション)を発見。 いままで見たこともない本だったのに、なぜっ? SFやFTはあまりなかったが、岩波文庫が結構あった。なぜか、角川文庫のSFマークの本を発見。 なんと1966年発行のヴェルヌ『地底旅行』(石川湧訳、角川文庫、1967年5版)。あまりにも珍しかったので200円で購入。カバーに記載してある定価は170円。昔は本も安かった! 巻末の目録が面白い。『砂の妖精』が120円なり。面白いからリストにしちゃおうかしら。 その他に購入した本は、以下の通り。
・マスパン『灰色の谷の秘密』(福武文庫)
・ジャン・コクトー『阿片』(角川文庫リバイバルコレクション)……私はこの金色の表紙のシリーズが好き。
・坂田靖子『坂田靖子傑作集 探偵ゲーム』(白泉社)……花郁悠紀子さんが書いたコマがありました
・新井理恵『子供達をせめないで 1』(ソニー・マガジンズ・コミックス)

羽生駅前古本市場

 館林からの帰り道、さらに古本屋に寄りたくなり(笑)、羽生駅前の古本市場へ。
ここでも、ニフティの古本交換パティオの探求書リストに載っていた、名香智子『レディギネヴィア 1』(新書館)をみつける。 ついでに探している人がいるかもしれないと、三原順『ロング・アゴー』(花とゆめコミックス)を購入。
文庫の棚を漁っていると、おお、なんとサンリオSF文庫だ、珍しい。それもフリッツ・ライバー『ビッグ・タイム』(サンリオSF文庫)。おおっ!しかも美本で、価格は200円!? おいっ(^_^;)
もう一冊は、ゴードン・ウィリアムズ『マイクロノーツ』(サンリオSF文庫)。これは、350円。うーん、いいのか、こんな値段で?
ほくほくしながら、麻城ゆう『妖魔の里』(新書館 ウィングス・ノヴェル)を買い、3冊100円の井辻朱美『幽霊屋敷のコトン』(講談社X文庫ホワイトハート)『ヘルメ・ハイネの魔法の塔』(講談社X文庫ホワイトハート)を救出。
店員は、別にサンリオ文庫の価値を知らなかったわけじゃなさそうなのだが(その証拠に2冊レジにだすと、「サンリオかぁ……」とつぶやいていた)、2冊しかないし、 客のほとんどが塾帰りのお子様の店なのでプレミアつけても無駄だと思ったんだと思う。(この店で漫画にはプレミアがついている)

◆新井理恵『子供達をせめないで 1』

 新井理恵『子供達をせめないで 1』(ソニー・マガジンズ・コミックス)は、『きみとぼく』に連載された作品だそうで、 こんな凄い作品が載ってたなんて知らなかった。
「ハミダシ者の男子高校生・睦月が出会った美少女・菜摘は、純真無垢な小学4年生。大人はわかってくれないけれど、ふたりのビミョーでキケンな関係の行方は?」 なんて馬鹿な説明(本気で書いたのか、編集担当者? それとも売ろうと思ってか?)がついていますが、これ正真正銘のアダルト・チルドレンのことを描いた漫画です。 睦月の方は、淋しさのあまり何人もの女の子と妊娠騒ぎを起こしている、16歳だけど中身幼稚園の男の子。 一方の菜摘は、父親がアダルト・チルドレンなもので、異常に大人になってしまった10歳の女の子。 だから、これはラブストーリーというよりアダルト・チルドレンの相互扶助の物語なんだけどね、本当は。 もちろん、作者の新井理恵はちゃんと分かって描いている。実は凄い漫画家なのかもしれない、新井理恵。 (そいうえば、『脳髄ジャングル 2』(小学館フラワーコミックス)も、よく考えたらACの話だったんだね。)
問題は、これの続きがでているかどうか。
Books.or.jp】は、1997年6月までしかフォローしていないので、以降は、どこか別のところで探さなくちゃいけない。 TRCには、漫画の情報はほとんどないので、毎月の新刊案内の出ているサイトを探して、検索かけるしかないのかも。
(後日【R.田中二郎のホームページ】でコミックス検索ができることを発見。でも、続刊はないようです。)


1998.07.12

さらに古本屋

 夫が昨日古本屋で買ったセット物の本が実は完結していなかったことが判明し(笑)、続きを探してさらに古本屋を巡る。
結局目的の本はみつからず、私は以下の本をなんとなく購入。
・森脇真末味『夢喰いドガ』(朝日ソノラマ サンコミックス・ストロベリー・シリーズ)……珍しいので。
・三岸せいこ『夢みる星にふる雨は…』(ぶーけコミックス)……持ってるけど、救出!
・波津彬子『牡丹灯篭』(朝日ソノラマ ハロウィン・コミックス)……資料として探していた。
同じ店の支店を3軒ほどまわったのだが、本が積み重ねてあって、あまりちゃんと探せる状態にない。 7月末に広い店舗に移って、3軒が統合されるということなので、新装開店を待つことにする。
しかし、やっぱり本棚の本はときどき動かしてやらないとダメだと思った。(^_^;)

■麻城ゆう『妖魔の里』

 麻城ゆう『妖魔の里』(新書館 ウィングス・ノヴェル)読了。 いま借りている麻城ゆうの同人誌時代の作品の前日譚にあたるのだが、やはり10年経つと作家も変わるのだというのがよく分かる。 同人誌の方はやっぱり文章が若いわ(笑)。面白かったから、続きも探そう。


1998.07.13

人間大学

 人間大学の斉藤学氏の講座と野田昌宏氏の講座の初回を見逃していた事に夕方気付く。古本日記で頭いっぱいだったもんなぁ。(涙) 早いとこ録画予約しておけばよかった。

■マスパン『灰色の谷の秘密』

 マスパン『灰色の谷の秘密』(福武文庫)読了。両親の留守中、バスク地方の祖父の家に預けられる事になった兄妹が灰色の谷で見つけたものは? 大人が子どもに何かを教える事ができ、子どもが友達と未来を信じて遊ぶことができた時代の、冒険譚。 今の子どもも面白がるのかな?


1998.07.14

■泡坂妻夫『迷蝶の島』

 泡坂妻夫『迷蝶の島』(文春文庫)読了。
解説に泡坂風フランス・ミステリィとあるけど、フランス・ミステリって、やっぱりポワロ&ナルスジャックとかそういうのでしょうか。 クルーザーが出てきて、殺したはずの人間が生き返るとなると確かにフランス・ミステリかも。 でも、フランス・ミステリというには、ちょっと泥臭いかな。泡坂妻夫ですから、伏線の張り方が見事です。 巧い伏線っていうのは、目立ちすぎず、かといって見落とされない程度に印象的で、読者の記憶にかすかに引っかかるように書かれているものです。 そいういうところは、巧いですねぇ、泡坂妻夫。

■ラフカディオ・ハーン『完訳 怪談』

 ラフカディオ・ハーン『完訳 怪談』(舟木裕訳、ちくま文庫)読了。
訳者が面白がって訳す本に駄作はない。というわけで、すごく面白かった。「向日葵」や「蓬莱」の美しい描写にびっくり。 『怪談』ってこういう本だったんですね。 舟木裕氏の新訳は、かすかにイギリスの民話の匂いがします。 ただ、「むじな」は、「です、ます」体より、京極夏彦の作品に出てきたような文体の方が最後の一文が生きるような気がします。 《蟲の研究》、「蟻」なんてほとんどSFだし、「蚊」は訳者の言うとおり絶品でした。
こうなると舟木氏のもう一冊の訳本も期待大です。

■山崎浩一『危険な文章講座』

 そういえば、いつの間にか、山崎浩一『危険な文章講座』(ちくま新書)を読み終えてました。
文章の《バランス》を考えるな、《ゆがみ》を大切にしろといった「ラディカル」な主張は、 加藤典洋『言語表現法講義』(岩波書店)に似ていて、語り口がやさしい分『言語表現法講義』の方が分かりやすかったと思う。 私には、後半の「肉筆とワープロの棲みわけ」や、《漢字・カナ混じり》構造の方が面白かった。 アイデアを練る段階では、手書きで書きなぐった方が新たな発想があるという説には私も賛成。

補助サイトの開設

 ニフティのサーバーに補助サイトを開設し、とりあえず「千代紙つづり」のファイルをアップする。
こっちのサイトのファイルも手直しが必要だし、ああ、面倒くさい。なんだって、ファイル数が1000個なんて制約があるんだろう、BIGLOBE。 小さいファイルをつくったら、あっという間にオーバーしちゃうじゃないかっ!




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