更新日: 2005/12/19
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喬林知『めざせマのつく海の果て!』イラスト:松本テマリ(角川書店 角川ビーンズ文庫 ,2004年4月,460円, ISBN4-04-445211-3)読了。
『エヴァンゲリオン』のカオル君の台詞つきで、小シマロン王登場。カオル君の台詞ってところが胡散臭いですね。
ユーリとコンラッドは、「惹かれあうふたりは互いの真意を伝えることができず、心ならずも敵同士に……」みたいな展開ですよ。いいのか、それじゃほとんどロマンス小説だぞ。
今回はギュンターがかっこいいです。いつも通りの部分もありますが。
誰の前に立ちはだかり誰を庇うべきかは、自分なりに理解しているつもりだ。これで正しい。決して間違ってはいない。(p.176)
こういう決め台詞がポロっとでてくるところがまるマの魅力でありますね。
ところで、箱はどうなったの? 聖砂国と小シマロンの国交回復の話でうやむやになっちゃってる気がするんですけど。
喬林知『これがマのつく第一歩!』イラスト:松本テマリ(角川書店 角川ビーンズ文庫 ,2004年10月,460円, ISBN4-04-445213-X)読了。
なんだか、すごいところで続くなんですが……。
でもって、なぜか真中へんに「あとがき」があって、外伝がくっついています。
本編では渋谷兄とムラケンと地球の魔王ボブがメガネーズを結成。
小シマロン王がメガネ美人だったり、ギュンターも意味もなくメガネかけたりしてるし、どうやら作者はメガネスキーらしい。いいことだ。
本編の既刊はこれで終わり。続きはもうすぐ……かな。
読み始めたときは、饒舌文体が魅力の逆ハーレムのやおいパロディのライトノベルかと思いましたが、意外に奥が深い。結構ストーリーテラーだし、きちんとした成長小説だし、メッセージ性もある。しかも、こっそりロマンス小説でした。
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【IEとGeckoの2つのエンジンを切り替えられるWebブラウザ「Lunascape2.0」】
私はLunascapeを愛用していて、セキュリティ対策でFireFoxも使っているんだけど、「お気に入り」と「ツールバー」使いやすいのでついついLunascapeのにもどってしまう。
2.0でも「ツールバー」のカスタマイズができるといいなぁ。
落ち着いてきたら、使ってみようか。
大森 望/三村 美衣『ライトノベル☆めった斬り!』(太田出版 ,2004年12月,1554円, ISBN4-87233-904-5)読了。
表紙イラストがめっちゃ可愛いんですが、中身は「30代40代のためのライトノベル講座」にして「(SF寄りの)ライトノベル30年史」ですから若人に面白いかどうかは微妙。(イラストにだまされた名なしさんの呪詛の声がスレに溢れるのだろうか……)
索引データ作成を手伝ったので、奥付に私の名前が載ってます。単行本の奥付に名前が載るのは生まれて初めてなので嬉しいです。
巻末のライトノベル作家一覧は、読みにくいけど、いまのところ書籍としては日本で一番詳しいデータベースのはず。(なんせ類書がないから。榎本秋さんの『ライトノベルデーターブック(仮)』が出たら抜かれるかも。)
書評は想像した以上に充実してます。
ライトノベルといえないようなものが含まれているのは、ライトノベル度診断表をくっつけたからというのもあるのかも。ある程度ばらつきがないとライトノベル度を載せても面白くないですし。
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結局、昨日はお絵かきしてたら家事はなんにもできなかった。
去年の日記を見たら、去年のいまごろは着々と掃除が進んでいた。
今年は面倒くさいからテキトーでいいや。
ちゃんと家事してるところを家人にアピールすべく、家の内側の窓を拭く。
カーテンも洗いたいんだけど、今洗ったらだめだろう。
この前カーテンを洗ったのはいつだっけ?
障子の張り替えもしなくては。まあ、これは夫に手伝わせるから。
夫の実家(というのは隣なんですが)の裏庭のミカンの木に実がなっているのを発見!
10年ぐらい経った木だけど実がなるようになったのは、おととしぐらいかららしい。
味見してみたら、食べるにはすっぱすぎるけど、絞って蜂蜜を加えれば十分ミカンエードとして飲める。一ダースほど収穫。(まだ青いのが少し残っている)
ご近所の本屋にいったら、『ライトノベル完全読本 2』が置いてあった。ネット書店に注文してるのがまだ届いていないのに……。
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……「完全読本」とか「決定版」とか「大全」とかいう単語にはあんまり過剰反応しないで、常に6割ぐらい引いて読んでいればよろしい。あるいはデアゴスティーニ方式の「パートワーク」だと思ってりゃいいのですよ。6冊でれば、かなりの情報量になるはず。
まだ全部読んでいないけど、コバルト編集部のインタビューは興味深いことが書いてあった(投稿の動向のあたり)。あとは野田昌宏インタビューと新城カズマ×賀東招二対談、「わたしを変えたこの一冊」が興味深い。
「少女小説キーワード解説」は、キーワードの立て方は面白いんだけど、コラムを書いているライターの人が90年代以降のコバルトを読んでいないのが分かってしまってイマイチ。(『愛と死のかたみ』のサブタイトルが「処女妻と死刑囚の純愛記録」だってのは知らなかったので興味深かったけど)
(書き手がいないというのは分かるんですけどね。ライトノベル系とBL系両方押さえているのって「ライター」じゃなく「作家」だったりするんで。)
【みのうら】さんと【妹尾ゆふ子】さんのコラムは愛にあふれていて良かったけど、まるで私のネットの巡回コースの延長のような気が……。
台湾イラストレーターの蔡さんって、『グリーンイリュージョン』【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】の表紙の人か。お仕事増えるといいですね。
喬林知『お嬢様とは仮の姿!』イラスト:松本テマリ(角川書店 角川ビーンズ文庫 ,2003年10月,460円, ISBN4-04-445210-5)読了。
1930年代、アメリカの富豪のお嬢様、エイプリル・グレイブスが祖母から受け継いだ裏稼業は、誇り高きトレジャーハンター。相棒と共に依頼をこなすうち、亡き祖母が守り続けた禁忌の箱にたどりつく。だがそこに箱の“鍵”の持ち主と名乗る将校が現れて…?
まるマシリーズのシマロン編に出てくる四つの箱のひとつを巡る外伝ということになるのかな。インディ・ジョーンズ風の活劇ですが、プロットが生煮えでとっちらかっている上に完結していません。続かせたいんでしょうけれど、どうかな。
キャラクターと文体もイマイチ。下手とかそういうんじゃなくて、ヒロインのアクが強すぎて、視点をのせると読むのがキツイ。これはむしろ相棒のDTの目を通したほうがよかったんじゃないかな。こういうキャラクターは、「こいつムチャクチャなんだよなー、でもがんばってんだよなー」と思っている人の視点で書いたほうが、ずっと魅力的でしょう。そういう描き方のほうがじゃじゃ馬と堅物男のロマンスも生きたと思うけどな。
エピローグで出てきたのは、多分次男ですね。魂をかかえて地球にいたころの話だと思う。
眞魔国と地球との時間の流れが一緒ならば、リヒャルト・デューターとコンラッドは同い年ぐらい(コンラッドのが年上か?)なんですが、時間の流れがヘンなので、詳細は不明。
仕事を依頼して、もう一度地球にくる話が、行方不明中のエピソードになるはずなんですが……。書けるのか?
喬林 知 『閣下とマのつくトサ日記!?』イラスト:松本テマリ(角川書店 ビーンズ文庫,2002年6月,440円, ISBN4-04-445205-9)読了。
読むのが最後になってしまいましたが、実際には「あしたマ」と「きっとマ」の間に入る外伝集です。
ギュンターのマル秘日記出版のエピソードを外枠にして、ユーリと三男の冒険譚と長男とアニシナのお話(ホラーなの? いいカップルだと思いますが(笑))、最後が次男が魂を運ぶシリアス話。ギュンター中心のお笑い外伝だと思っていたので、最後の話にはびっくり。こうきたか。
シマロン編の結末を知っている状態で読むと、最後の話や、ギュンターと編集者とのやりとりがなんとも意味深。
『究極の主従関係』なんていかがでしょう。陛下に向けた閣下の秘めた想い。打ち明けたい、でも打ち明けられないなぜならあなたは私の主であり私はあなたの従者であるあら……という、ねっ?
(p.176)
実際にこういう風に作者もそそのかされたのかしら。
コンラッドとスザナ・ジュリアとユーリとの関係については、ちょっと複雑な気分。ジュリアの魂が入っていれば、どういう人間であってもよかったのか? それはちょっとユーリを慈しんで育て上げた渋谷家のみなさんに失礼だと思うぞ。ユーリ本人に対しても。
その点「君は渋谷有利で僕は村田健」と言い切っちゃうムラケンはえらいなぁ。だてに長年○○様をやってるわけじゃないんだね。
転生した人間に記憶がないので、これは転生というよりクローンSFのテーマだね。ただでさえ面倒な関係にそんなややこしい問題までもち込んじゃって、きちんとケリをつけられるのか、ちょっと心配。
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【書評Wiki】に『ライトノベル完全読本2』と『ライトノベル☆めった斬り!』の項目を立てました。
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『ライトノベル完全読本 Vol.2』(日経BP社 ,2004/12/04, \780 , ISBN4-8222-1708-6)を一応全部読んだ。
ざっと読んだ感想に書いたとおり、コバルト編集部のインタビューが興味深い。
特に、読者の反応がまず投稿作に出てくるという話とか、「応募作から社会の変遷が見えて」くるというあたり。
田村 時代によって応募作から社会の変遷が見えてきます。この時期は「学校が荒れているな」とか。ある時期感じたのは、「家族は一回完全に崩壊したな」という感覚でした。
(中略)
最近は結婚してからのロマンス小説とかも実は増えてきてて、面白い現象だとおもっています。
――読者の年齢が上がってきているということでしょうか?
川野 「結婚」に対する女の子のベーシックな憧れを、素直に受け止める若い子が増えてきてる気はします。(p.76-77)
この発言を引き出せただけでも、雑誌一冊分の価値はあったと思ったり。
若い人たちに「この人誰?」といわれている野田昌宏大元帥は、「ひらけポンキッキ」のガチャピンとムックの生みの親で、おもしろいSFをよりおもしろく、つまらないSFもおもしろそうに紹介してくれたSFのえらい人。この人の名紹介によってSFの楽しさを知ったオタク第一世代(1960年代生まれ)は多いはず。
「俺の愛しのシャンブロウを盗りやがって」といきなり泣き言をかましてみせた『大宇宙の魔女』[→紹介]の解説が、野田せんせいと私の出会いでありました。あれは衝撃的だったな。(でも野田さんの訳はあんまりお耽美じゃないのでC.L.ムーアには合わなかったと思うの……。仁賀克雄訳で多分正解)
ライトノベルの「ライト」は軽いというよりも何かわくわくするもののことだと思います。大きな括りで、続きが読みたいものということなのではないか。(p.148)
という発言は、さすがだと思いました。
『リスカ』と『マルドゥック』を一気読みしてアニメ脚本化したいといっていた72歳の【辻真先】さんも凄いと思ったけど、71歳の野田大元帥も負けてはいません。この世代の人って大人であることと精神が若いことがちゃんと両立するんだな。
どうぞいつまでもお変わりなく。
「私を変えたこの一冊」は、回答者の年齢と回答を突き合わせてみるのが面白いような気がする。
大亜門×おかゆまさき×成田良悟は、作家の素顔が覗けるという点で面白かった。こういう対談は読者のためというより、作家に刺激を与えるためにあるのかも。
考えてみたら、前の『ライトノベル完全読本』の感想を読了本の項目として記録していなかったので、まとめておく。
[2004/07/12 『ライトノベル完全読本』(日経BP社)]
[2004/07/14 『ライトノベル完全読本』の「冲方丁×古橋秀之対談」]
[2004/07/29 ライトノベル書評宣言]
[2004/07/30 『ライトノベル完全読本』と私]
購入ガイド
『ライトノベル完全読本』
(日経BP社 日経BPムック ,2004/07/24,1000円 (税込), ISBN4-8222-1704-3)
ISBN4-8222-1704-3 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】
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【otukinoki】さんが、ライトノベル完全読本のVol.1で取ったアンケートをもとにしたライトノベル作家の一覧をリストアップしていたので、そのリストと『ライトノベル☆めった斬り!』の作家一覧とを比較してみた。
[http://d.hatena.ne.jp/alisato/20041208]
あとで『このライトノベルがすごい!2005』のほうもリストアップするつもり。
作家の出自を調べていて思ったけど、電撃が凄いのは最終選考まで残らなかった作家を拾って人気作家に育て上げちゃうところ。まあ、正確には「育て上げる」というのとは違うのかもしれないけど、『ドクロちゃん』みたいなヘンなものを拾って雑誌に掲載して読者の反応を見るということをするんだよね。ダイレクトに読者の反応をみることができるのは、雑誌媒体をもっているところの強みかも。
(コバルトでも審査員の評価はイマイチだった沖原朋美が読者には圧倒的に支持されたというのがありましたけど。)
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『ライトノベル☆めった斬り!』のチェッカーをやったご縁で「『ライトノベル☆めった斬り!』刊行記念打ち上げ&堺三保迎撃宴会」に出かける。
時間があったので、【MOVIXさいたま】で『ハウルの動く城』を見る。家を出るときにネットでチケットを予約して、メールされてきた番号をひかえて館内のチケット発券機に番号とパスワードを入力してチケットゲット。いや、便利、便利。劇場もきれいで、これでもう東京までわざわざ出かける必要がなくなった。
「『ライトノベル☆めった斬り!』刊行記念打ち上げ&堺三保迎撃宴会」は、商業原稿を書いたことがない人間は(多分)私を含めて3人しかいない(しかもそのうちの二人は幼児。要するに一般人のおとなは私ひとり)という出版業界関連人率が異様に高い会でした。
映画は前評判どおりヘンでした。
終わった瞬間「全然わっかんねー」「どうしてこうなるの?」という複数の声が劇場に響き渡りました。
ぜんぜんDWJじゃない。
千とハクの恋愛ものをDWJの舞台を借りてやってみました、
ついでに戦争と飛行機も描きたいから入れちゃおう、
建物がこわれるところが描きたいから入れちゃおう
みたいな同人誌的アニメ。
なんであんなにとっちらかっているのやら。
でもまあ、ハウルはカッコこよかったら、許す。キムタクの声も悪くなかった。
同人サイトのお嬢さん方が次々とハウルに転んでいく理由がわかった。(笑)
美形で有能でヘタレ。掃除はダメでも料理は上手。すばらしい。(笑)
ソフィーも案外かわいかった。覚悟してたので、18歳のおばさん声も許容範囲。
しかし、女性はひきこもり男の尻をひっぱたきつつ、子供と犬とばあちゃんの世話をしてろと……。ひっでぇ映画!
よくわかんないのは、私の隣の席のカップルの女の子が見終わった後で泣いていたことです。
「なんでこんな映画で泣けるわけ? いや、たんに風邪引いて鼻水がでてただけなのかも……」と思って反対側をみたら、3人分離れた席のおばちゃんも泣いてました。
なんでだよーっ!
セカチューで泣ける人はあんなんでも泣けるのかーー!?
ともかくハウルはカッコいいので、同人のお嬢さん方が二次創作でもうちっとましなロマンスに仕立て上げてくれるのを期待したほうがいいかも。(しかし、なんでも「やおい」に変換しちゃうお嬢さん方はどうするのだろう、あのちっこい男の子とハウルをくっつけるのか? それとも王様と? ……王様×ハウルのが好みだな)
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有里 (Alisato Akemi)