Alisato's 本買い日誌*

2000年 02月 下旬

更新日: 2002/05/23

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Topics

21 (月)
柳瀬尚紀『翻訳はいかにすべきか』: 02/21
今邑彩『ブラディローズ』: 02/21
[図書館本] ジェフ・グッデル『ハッカーを撃て!』(TBSブリタニカ): 02/21
22 (火)
[net] 萩尾望都カルトクイズ: 02/22
[net] GIFの特許問題: 02/22
23 (水)
[購入本]金 蓮花『 月の系譜 凍てゆるむ月の鏡 3』 (コバルト文庫,2000.2,\419+税): 02/23
金蓮花『月の系譜 凍てゆるむ月の鏡 三』: 02/23
小泉喜美子『メインディッシュはミステリー』: 02/23
24 (木)
[diary] ディパックが当たったぞ!: 02/24
[book] 北村薫話ふたたび: 02/24
野溝七生子『眉輪』: 02/24
25 (金)
塔晶夫『虚無への供物』: 02/25
かわいゆみこ『夢色十夜』: 02/25
[book] 北村薫と加納朋子: 02/25
26 (土)
[book] 北村薫問題追記: 02/26
[diary] フレーミングしてみる: 02/26
[book] 「幻想文学」バックナンバー所蔵図書館 つづき: 02/26
28 (月)
ジェフ・グッデル『ハッカーを撃て!』: 02/28
29 (火)
[zakki] 400年に一度: 02/29
[購入本]岡野 玲子『陰陽師 9』 (白泉社 Jets comics,2000.6,\790+税): 02/29
[購入本] 小沼諭『みんな子猫』(オレンジページムック, \600+税): 02/29

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2000.02.21 (月)

■柳瀬尚紀『翻訳はいかにすべきか』

柳瀬尚紀『翻訳はいかにすべきか』(岩波新書, \660+税)読了。

古今の翻訳の実例を取り上げ、翻訳はいかにすべきかを説く。
柳瀬尚紀の訳は癖があるが、アクロバットのフィニッシュが見事に決まるのを見るような痛快さがある。『不思議の国のアリス』でを読んでいて、本気で面白いと思ったのは柳瀬尚紀の訳だった。

古本の鉄人【kashiba】さんがみつけて喜んでいた(2/9の日記参照)井上ひさし編『ブラウン神父ブック』(春秋社)には、この柳瀬尚紀訳のブラウン神父譚が載っているのである。でもってこれが名訳なのだ。読みたい読みたい読みたーい。
というわけで、どこかでダブリをみつけたら連絡してください。>古本系の人

チェスタトンの皮肉な調子に柳瀬尚紀の訳はぴったりだと思う。論理がアクロバッティクなところもね。どうせなら全部訳してくれればいいのに。

購入ガイド
・柳瀬 尚紀『翻訳はいかにすべきか』 (岩波新書 新赤版 652,2000.1,\660+税)
 ISBN4-00-430652-3【amazon】 【bk1(00003094)

■今邑彩『ブラディローズ』

今邑彩『ブラディローズ』(創元推理文庫, \500+税)読了。

薔薇の香りに引かれて迷い込んだ洋館で、亡き父の面影をうつす館の当主・俊春と出会った花梨。彼女は俊春の後添えに迎えられるが、義理の妹や使用人たちが口々に誉めそやす先妻・雪子の影にさいなまれ……。

『レベッカ』を思わせる現代版ゴシックロマンス。これも萩尾望都へのオマージュ満載。なにしろ冒頭で「天使が来た」ですからね。(もちろん『小鳥の巣』の「ジェールヒア」です)

恩田陸ファンにおすすめ。

購入ガイド
・今邑 彩『ブラディ・ローズ』 (創元推理文庫 ,1999.11,\500+税)
 ISBN4-488-42402-3【amazon】 【bk1(01708338)

□[図書館本] ジェフ・グッデル『ハッカーを撃て!』(TBSブリタニカ)

返却は3/6。

リクエスト本の棚に他館から来たものらしい津原泰水『蘆屋家の崩壊』(集英社)を見つけて、リクエスト。書名が難しいので、いままではリクエストしたくてもできなかったのだ。実物を見ながら、リクエスト票に書名を記入する。リクエストが2通以上あったものは購入する方針のようなので、多分買ってくれるでしょう。

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2000.02.22 (火)

◆[net] 萩尾望都カルトクイズ

萩尾望都マニアのあなたのための【トモ山】さんによる「萩尾望都カルトクイズ100問」。 記憶だけでやってみたら、全然解けない。レベル1よりレベル8の方が解ける問題が多いのは、なぜ?

◆[net] GIFの特許問題

長くなったので、[GIFの特許問題]に切り出しました。

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2000.02.23 (水)

というわけで、調査とか、GIFファイルの再SAVE作業とかやってたので、あまり寝ていないのである。眠い。

近所の本屋にマキンタイアと大原まり子を買いに行ったのですが、見つかりません。入荷してないのか、売れちゃったのか、どっちだ?あの店には私のほかにもうひとりファンタジーな顧客がいるらしいので、その人がさらっていったのかな?

□[購入本]金 蓮花『 月の系譜 凍てゆるむ月の鏡 3』 (コバルト文庫,2000.2,\419+税)

■金蓮花『月の系譜 凍てゆるむ月の鏡 三』

金蓮花『月の系譜 凍てゆるむ月の鏡 三』(集英社コバルト文庫)読了。
シリーズ物の途中なので特にいうことはないですが、ひとつだけ。泉に夢に出てくる松と藤と華夜叉(p.105〜109)の図は、花郁悠紀子の「不死の花」(秋田文庫『白木蓮抄』収録)でしょ。

購入ガイド
・金 蓮花『 月の系譜 凍てゆるむ月の鏡 3』 (集英社 コバルト文庫,2000.2,\419+税)
 ISBN4-08-614688-6【amazon】 【bk1(00004650)

■小泉喜美子『メインディッシュはミステリー』

小泉喜美子『メインディッシュはミステリー』(新潮文庫) 読了。

小泉喜美子って思っていたよりもアグレッシブな人だったんですね。

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2000.02.24 (木)

◆[diary] ディパックが当たったぞ!

去年の12月に出光SSがやっていた「OK!いってらっしゃい、20,000名様プレゼント」キャンペーンに応募した。そうしたら今日、「出光オリジナルウルトラマンゼアス デイパック」が当たったとかで賞品が届いた。
 出光SSでオイル交換してインターネットで応募する形式だったのだが、応募が少ないから当たりやすいという噂はホントウだったのね。(笑) ありがとう出光!

でも真っ赤なの。派手すぎて、普段は使えなーい。

◆[book] 北村薫話ふたたび

【雪樹】さんの【北村薫関連話題LINK(暫定版)】が便利な北村薫話だが、【ヒラマド】さんが バクハツしている。(笑)

「欠席裁判」というので、目からウロコが落ちた。北村薫作品に対して漠然と感じていた不快感の源がちょっとわかったような。『盤上の敵』(まだ全部読んでない)で、「絶対的な悪」なんてのは一人称でしか成立しないんじゃないか(相手には相手の「正義」がある)と思ったのに近いかも。
 ひょっとしたら北村薫は確信犯で「欠席裁判」をやっているんじゃないかという気がしないでもない。本当は「悪」の側の心理も理解しているのだが、あえてそこに踏み込まないというか。

【風野さんの掲示板】では、北村薫夫婦合作説が登場。実は私もそう感じたことがあったので、その旨を書き込んでみる。
いやーんな女性が出てくる部分は奥さんが書いて、文学的なうんちくや推理部分はダンナが書いたというのが私の推理だったんですけどね。

ええとそれから私は『秋の花』は好きじゃないなぁ。実は私は『六の宮』から読んだのだ。これは面白かった。『時の娘』みたいで。ちなみに読んだ順は、『六の宮』『夜の蝉』『空飛ぶ馬』『秋の花』という変則読み。「私」はきらいだけど、円紫さんは好き。

■野溝七生子『眉輪』

野溝七生子『眉輪』(展望社, ,\3200+税, ISBN4-88546-028-X)を読む。
面白いぞーっ!
箱入り布装ハードカバーの本に、自分がこんなにミーハーにハマれるとは思ってもみなかった。(笑)

『古事記』下つ巻の安康伝、雄略伝に題材を取っているのだが、『古事記』に詳しくない私は『眉輪』のタイトルの「輪」に盗まれた宝物「押木之玉蘰[おしきのたまかずら]」を重ねて、『ニーベルンゲンの指輪』のイメージを見てしまった。

なにしろ冒頭から「私の友よ、わが竪琴に聴くか、これは千古の伝説に残る私達の遠い祖先の物語。」とあるのだから、作者が吟遊詩人のうたう叙事詩を意識していたのは明白なのだ。「”美しい命”(ベエル・ヴイイ)」(p.7)、「ベオウルフ」(p.181) なんて単語も出てくることだし。
固有名詞が大長谷王子とか若草香王女とかじゃなくてカタカナ名前だったらもっと読みやすかったのに。(笑)

ニムさんのリクエストにお答えして、[『眉輪』登場人物一覧と関連図]を作りました。

購入ガイド
・野溝 七生子『眉輪』 (展望社 ,2000.2,\3,200+税)
 ISBN4-88546-028-X【amazon】 【bk1(00006081)

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2000.02.25 (金)

■塔晶夫『虚無への供物』

東京創元社から刊行された塔晶夫版の『虚無への供物』。6万5千円の100部限定豪華版というのもありますが、さすがにそっちは手が出ないので、4千円の普及版。普及版といえども涙が出るほど美しい本なんですよ。普及版でこれなら、豪華版は芸術品ですね、きっと。
ページをめくるにも手袋が必要です。

初版の奥付けは、2000年2月29日。初版は2千部だか4千部だかという噂だったので、手に入れられるか心配で新聞に広告が出た翌日の23日に【東京創元社ホームページ】で通販を申し込みました。そしたら、今日(25日)の朝9時10分前に届きました。は、早い。

限定豪華版のお知らせは【東京創元社ホームページ】の「図書室 当館司書のお勧めの棚」にあります。なんでこんな奥深いところにあるんだか。あちこち探し回ってしまいましたよ。

■かわいゆみこ『夢色十夜』

かわいゆみこ『夢色十夜』(小学館 パレット文庫)読了。
大正末期を舞台に青年弁護士・倉橋とその友人で公爵家の末子・鷹司が不思議を体験する連作集。

うーん……。がんばっていますね。がんばっているのは分かるけど、がんばっているのが分かってしまうのは、プロの作品としては失敗ってことなんですよねぇ……。小説の時代物でシリアスに幻想譚をやるのは難しいです。雰囲気を醸し出すことができなかった時点で負け。その点タイムスリップ物のほうが楽だろうなぁ。漫画は絵でごまかしがきくけどね。
「夢の迷い道」での倉橋と鷹司の会話が『陰陽師』みたいだと思ったり……。

購入ガイド
・かわい ゆみこ『夢色十夜(とおや)』 (小学館 パレット文庫,2000.3,\467+税)
 ISBN4-09-421231-0【amazon】 【bk1(00004455)

◆[book] 北村薫と加納朋子

ヒラマド】さんのページに転載された 美月さんのメールが面白い。マドカさんが問題提起してくれるまで、北村薫を誉める評に違和感を覚えて肩身の狭い思いをしていた私には痛快でしたが、ファンの人には辛いかも。

【ちはら】さんの日記 (2000/2/24)にでてくる「たかはしさんの「私」評」に納得。それだ。そこが私が「私」を嫌いな理由だわ。
「私」や白のクィーンは、他人の「心の闇」を分かろうとしない。もしかしたら自分の中にもあるかもしれない「闇」を見ようとしない。彼女たちの中に本当に「闇」がないのか、「闇」を認めようとしないのかは分からないが、どちらにせよ「人として何かが欠落している」と思う。

円紫師匠をはじめとする北村薫作品の探偵たちには、他人の「心の闇」が見える。おそらくは彼らの中にも同等の「闇」があるのだ。だが自分の中の闇には言及せずに、彼らは他者を断罪する。 ……って書くと厭なやつらだなぁ。でも他者の闇を断罪した結果、自分にとって大事なものすら切り捨ててしまう人もいるわけだから(『冬のオペラ』)、こっちはまだ我慢できるのだ。

さて、加納朋子である。明らかに北村薫フォロワーな作風の加納朋子だが、『ななつの子』『魔法飛行』を読んだときには北村薫作品に感じるような違和感は感じなかった。文字どおりハートウォーミングな良い話だと思った。
その差がどこにあるのか不思議だったのだが、ようやくわかった。登場人物(と作者)が、「犯人」の側に感情移入するか否かがポイントだったのだ。

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2000.02.26 (土)

◆[book] 北村薫問題追記

「キャラメルボックスと北村薫のファン層は重なっている」といったのは、恩田陸です。>ヒラノさん
出典は大森望さんの日記……かな? ともかく大森さんが関係してるテキスト。
だいすけさんの日記(2/25)を読んで、北村薫の「私」シリーズは要するに『9マイルは遠すぎる』(←これでよかったけ、タイトル)なのだなと思った。

と書いたら、【風野ドクターからツッコミ】が。す、すみませーん、いままでほとんど意識してなかったです、私。(^_^;)
しかも『9マイル』を連想した経由というのが、円紫さんの推理は一方的という意見を読んで、誰かが『9マイル』の推理は一方的(他にいくらでも解答は考えられる)というのを書いていたのを思い出したからだという……。
いわれてみれば確かに大前提なのだがー。なんで思い付かなかったのかなぁ。一番最初に読んだのが『六の宮』だったからかしら。『時の娘』は連想したくせにねぇ。

====引用開始====
「私」シリーズは論理のアクロバットを楽しむもの
====引用終了====

はーい、納得でございまする。そうか、そうやって読めば良かったのか。『9マイル』に感情移入を期待するほうが間違っているよなぁ。

◆[diary] フレーミングしてみる

(フレーミング:framing じゃなくて flameing。 WEBページにフレームタグをつける……わけではなくて、激高することでございます。ゴジラの火吹き状態になることね。)

某ボランティアサークルの全体会議で、なんにもしないくせにガタガタと文句ばっかりつけやがる連中がいるのでフレーミングしてみる。だいぶ怒鳴ったが、まだ怒鳴り足りないであるよ。
結局、私の不満というのは「なんであたしだけがこんな苦労しなくちゃいけないんだよっ! 別に好きで役員やってるんじゃないんだぜっ!」ということにつきるようです。

高邁なお考えをお持ちでご立派なご意見をお吐きになられる方々にかぎって、役員も引き受けず、ほとんど出席もなさらず、何にもなさらないってのが、ほんっと不思議でございますわねぇ。

何もしないくせに文句ばっかゆうなっ! 文句があるんならテメーラでやれっ!
(って、同じようなことを『無限のリヴァイアス』で誰かが怒鳴ってなかったか? あれは全くイタいアニメだわ。)

疲れた。

◆[book] 「幻想文学」バックナンバー所蔵図書館 つづき

大久保@a Memory Hole】さんから、県立図書館に所蔵されていることを教えていただいたので、図書館で『幻想文学』創刊号をリクエストしてみた。古い雑誌を他館貸出してくれるかどうかは分からないので、問い合わせてくれるとのことだった。

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2000.02.28 (月)

某ボランティアサークルの集まりのある日なのだが、体調不良を理由に欠席する。行きたくないと思うと頭痛と肩凝りが激しくなるのよ。登校拒否の子供のようだ……。別の役員の人に欠席の旨の電話を掛けたら「アレルギーよ。私も経験した」といわれた。

というわけで澱んでます。
「千代紙つづり」の画像をGIF形式からJPEG形式に変える作業をしたりとか、本読んだり、『眉輪』を再読してみたり。

■ジェフ・グッデル『ハッカーを撃て!』

ジェフ・グッデル『ハッカーを撃て!』(TBSブリタニカ)読了。

「ハッカー(というよりはクラッカー)」ケビン・ミトニックが下村努らによって追いつめられ、逮捕されるまでのドキュメント。第三者的な立場から書いているとはいえ、ケビン・ミトニックの生い立ちから描いているあたり、多少ミトニック側に同情的か。
ケビン・ミトニックも下村努も同じくらいヘンなやつだ、というのが、私の感想。下村努については、もう少し素敵に描いてほしかったが、これではただの気難しい変人。取材に手間を取らせられたのがよっぽど悔しかったか、ジェフ・グッデル。

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2000.02.29 (火)

◆[zakki] 400年に一度

400年に一度のうるう日。こういう日は塔晶夫『虚無への供物』を読むのが正しい……のだが、銀行に行ったりバタバタしているうちに日が暮れてしまった。

ところで、Win95用IE4.02のJavaScriptは400年に一度のうるう日に対応していないようです。日付関係のメソッドが変なのね、きっと。このページの上部の更新日が 0/3/1と表示されております。 NC4.5も同様。

□[購入本]岡野 玲子『陰陽師 9』 (白泉社 Jets comics,2000.6,\790+税)

□[購入本] 小沼諭『みんな子猫』(オレンジページムック, \600+税)

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