2000年6月 ( 上旬 / 中旬 / 下旬 )[前月] [次月] | |||||||||||||||||||||||||||||
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以前散歩の途中で見つけた掘っ建て小屋のごとき謎の古本屋だが、潰れたのだとばかり思っていたら、なんと入り口が開いているのを発見。恐る恐る様子をうかがうと、おじいちゃんがひとり椅子に座っていた。中を見ていいかと尋ねると、びっくりしたように(客が来るなんて、おもってもいなかったらしい(笑))肯くので、さっそく棚をチェック。
手作り風の棚にびっちりと文庫本が収まっている。もちろん著者名順で整理されてなんかいないし、背表紙が日焼けしているものもあるが、棚の高さが文庫本の高さに合わせてあって、横に積まれた本がないため、書名のチェックは楽。思った通り、コバルト文庫の掘り出し物(『たんぽぽ娘』『見えない友だち 34人+1』『コイビトの耳はネコのみみ!』)があった。サンリオ文庫も一冊発見。ディック&ゼラズニィ『怒りの神』。
この手の古本屋にしては、かなり状態がいい。本を無造作に積み重ねたりしないため、背焼けはしていても、表紙がすれたりはしていないのだ。
漫画コミックスもあったが、こちらは背表紙の日焼けがひどい。上原きみこ『ロリィの青春』のフラワーコミックス版揃えなんてのもあったけど、あの日焼けではなぁ……。
結局9冊買って、800円。コバルト文庫は3冊100円だったらしい。店番のおじいちゃんには、えらく感謝されてしまいましたが、感謝するのはこちらのほうでございますよ。珍しいものがいろいろ買えて嬉しい。
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加納朋子『いちばんはじめにあった海』(角川文庫,\533+税)読了。
心に傷を負った二人の女性が出会う表題作と「化石の樹」を収録。どちらも良い話だし、構成も見事なのですが、表題作の主人公は諸事情を差し引いてもウザい性格で、読むのがちょっと辛かったです。「化石の樹」のほうが好き。
萩尾望都「かわいそうなママ」「半神」、吉野朔実「ジュリエットの娘」などがアタマのスミでちらちらするオハナシでした。
絵本、樹、花、手鏡、化石といった小物の使い方が巧いですねぇ。ちょっと映画的な感じがします。
あと、これは『ガラスの麒麟』でも気になったのですが、物語の中の死の扱い方を見る限り、この作者は実際には肉親や親しい友人の死に直面したことはないのでは、と思いました。(別にそういう経験がなくたって作者の罪ではないですが。)愛する人を失った人間の喪失感というものが、小説からあんまり感じられないんですよねぇ……。
購入ガイド
加納 朋子『いちばん初めにあった海』 (角川書店 角川文庫,2000.5,\533+税)
ISBN4-04-353901-0【amazon】 【bk1(00022553)】
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【掲示板】を借りましたので、ご利用くださいませ。あんまり積極的に管理しないかもしれませんが(^_^;)。
【bk1】のオープンが7/11になったようです。
ようやく落ち着いて【bk1】のプレサイトを覗いてみることができました。ワタクシ的には、クリッピングサービスと予約購入が出来るというのが一番ポイントが高いかな。手数料の安さも魅力。書評に関しては、どんなに名高い批評家であろうと私と趣味が似ていないと購入の目安にはならないので、あんまり期待はしていません。
『幻想文学』がbk1でも買えるというのは、たいへんにめでたいことだと思います。
【U-kiさんのメモ帳】の6/20には、【eS-Books】の話題あり。確かに一人暮らしで忙しい人には、コンビニで受け取れることのメリットのほうが大きいかも。
まつもとかなめさん@【Kanameの小部屋 −未読でいっぱい−】によると、「次の月の「今月の新刊」が出るまでは、取次・出版社にも在庫はありません。」というのは、「新刊を買うために毎週のようにオンライン書店に発注すると、体感的に理解できます(笑)。」とのこと。
「次回に注文するときに品切れ本も一緒に発注……を繰り返すと、2ヶ月ほどしてから入荷率が上が」るそうです。なるほどー。ネット注文のコツですね。まつもとさんのサイトでは、「ネット書店の使い方」のページを作る予定もあるということなので、期待しましょう。
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竹内志麻子『人魚たちの子守り歌』(集英社文庫 コバルトシリーズ)読了。
ファンタジックな作品を要求されて、「水晶市」とか「人魚」とか「妖精」とか「宇宙人」とか、それっぽい言葉をちりばめてみたものの、結局いつもの恋愛物になってしまったと思しき作品。
でも文章に透明感があって、ストーリーもそれなりにサプライズがあるので、いままで読んだ竹内志麻子名義の作品の中では一番面白かった。
どこかで見かけたら拾うとよいと思います。
谷山浩子『コイビトの耳はネコのみみ!』(集英社文庫 コバルトシリーズ)読了。
アイドルの付き人をしていた女の子が、恋人をアイドルに奪われてヤケになり、「猫になりたい」と願ったところ猫と身体が入れ替わってしまって……というファンタジー。ありがちなオハナシですが、川原由美子の挿し絵がキュート。
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6/10〜6/17の日誌をアップしました。
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翻訳者・辞書編集者のトム・ガリーさんが作っている、外国人のためのフリー和英辞書。素材の関係でメールをいただいて存在を知ったのですが、とても面白かったのでご紹介します。
「誉め殺し」「地下足袋」「厚底」などの項目を見ていくと、なまじなエッセイよりもずっと的確に今の日本という国を表現してるんじゃないかという気が……。
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投票にいって、図書館で本を借りて、お散歩して、本を買った。
会社の保養所を予約し忘れたので、今年はペンションに泊まろうということになった。
Yahoo!で【エムイネの特選お宿情報−全国の宿検索】というサイトを見つけ、そこから目的地周辺のペンションを検索。リストアップされた宿の中から「第一直観」でいくつか選んで、設備や予約状況や料金をチェック。一番よさそうなところ(一番最初に選んだところだった)のページを表示して、旦那を呼んで了解とって(こーゆーことにはあまり文句を言わない人です)、行く日を決めてオンライン予約。30分弱で作業終了。返信メールもすばやく届きました。インターネットは便利だな。
うちのご近所の本屋では、発行部数の多い文庫は発行月に1冊だけ入荷する。ただしハヤカワ文庫などは2週間ぐらい遅れる。発行部数の少ない文庫は発行月の翌月に入荷する。ネットに話題になったころ入荷するんで、便利といえば便利。
新書の場合、京極夏彦のように異常に発行部数の多い本は、1冊だけ入荷するらしい。すぐ売り切れるけど。ほどほどに部数のある本は一ヶ月遅れで入荷する。それ以外の本は3ヶ月遅れ。先日、『美濃牛』がやっと入った。
そーゆー店なのに、なぜか森博嗣『女王の百年密室』が置いてあった。なぜだ? 森博嗣だからか? 思わず購入しちゃったであるよ。
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乙一『夏と花火と私の死体』(集英社文庫)読了。
夏休み、木から突き落とされて死んだわたしの死体を犯人の少女とその兄とが、村人の目から必死で隠してまわる……。
小野不由美絶賛の奇妙なホラー。【HEY BULLDOG】でも「岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』(角川書店)が面白かった人は必読」と絶賛されています。確かにそれだけのことはあります。
これを書き上げたときに、作者は16歳だったんですと。ひぇぇぇ……。
「あまり大騒ぎしないほうがいい」(p.220 文庫解説)という小野不由美の態度はとても正しかったと思うし、デビューから4年、岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』が山本周五郎賞を取った年にこの作品を文庫化した集英社も正しいんじゃないかと思います。作者は今は21歳かな?
もう一編入っている「優子」は、小林泰三「吸血鬼」(『人獣細工』角川ホラー文庫収録)みたいに、何通りかの解釈が成り立つ話だと思うのですが、違うのかなぁ?
というわけで、おすすめなのだ。みんな買うのだ!
ファンページがありました。
【乙一FAN!】
新作が雑誌掲載されるようです。
購入ガイド
乙一『夏と花火と私の死体』 (集英社文庫,2000.5,\419+税)
ISBN4-08-747198-5【amazon】 【bk1(00022266)】
恩田陸『月の裏側』(幻冬舎)読了。
九州の水郷都市で何件も起こる老女失踪事件。彼女たちは失踪中の記憶を喪失したまま、じきにひょっこり戻ってきた。事件に興味を持った元大学教授と教え子たちは、調査を続けるうちに奇妙な事実に気づく……。
連載の初めの部分だけを読んだことがあって、どういう風にオチがつくのかと期待していたんですけれど、このオチは……。うーん。もう少しあっと驚く展開になるかと思っていたのに意外にフツーというかまんまというか。
水郷の町を覆う雰囲気、恐怖を盛り上げる描写はすばらしいんですけど。
購入ガイド
恩田 陸『月の裏側』 (幻冬舎 ,2000.3,\1,800+税)
ISBN4-87728-398-6【amazon】 【bk1(00013013)】
図子慧『地下世界のダンディ』上下(集英社文庫コバルトシリーズ)読了。
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気合いれて掃除と洗濯をしたら、疲れちゃいました……。拭き掃除は、嫌いな人間のことを考えならがやると力が入ってぴかぴかになります。ネガティヴな感情は有意義なエネルギーに変換させるが吉。
従来型古本屋の「雑本」という呼び方に抵抗があるに対して、古本屋関係者(ですよね?)の【ふぢー】さんから、 古本屋的には,ほかに名付けようがないからそう言ってるだけのことで,べつに雑本だからどーでもいいと思ってるわけではない とのご意見。うーん、そうなんでしょうか。
別に整理しろとはいわないけど、傷んだ本がさらに傷むような置き方はやめれ、とか思うですね。
掲示板にいらっしゃった【秀】さんの横浜近辺の古本屋探訪記「2月27日:故ある苦行」。個人的に有用なのでリンク。
この話題は別ファイルの〔「BOOK・OFF問題」から「出版流通問題」へ〕に移動しました。
書店員に「世間で話題になっている本」以外の本のことを聞いて、ちゃんと答えられた経験ですが、先日、東戸塚のリブロの注文コーナーで「いとうゆういちの『ニャッキ!』という絵本ありますか?」と聞いたところ、そこにいた店員のおねーさんは思い当たるフシがあったらしく「あっ!」と叫んで「少々お待ちください」と言い残して児童書コーナーへすっ飛んでいき、しばらくごそごそやってから「済みません、ちょっと傷んでいるんですが」といいながらイトウ ユーイチ『ニャッキ!』(文渓堂,\1000+税)を差し出してくれた、ということがありました。
この対応にちょっと感動したので、表紙がヨレていたけど購入しました。(作者が知り合いだったからという理由も少しはあります。私が買えば返本されずに済むもんね) ほんとは並べてあるところに案内してくれるともっとよかったんだけどね。
『ニャッキ!』は発売後一ヶ月で重版されているので、ひょっとしたら売れているのかもしれませんが、「世間で話題になっている本」ではないような。あの店員さんが、たまたま『ニャッキ!』のことを知っていただけのような気がしないでもないんですが、それでも、こういうことがあるとその書店のイメージはぐーんとアップしますね。
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今日も気合を入れてお掃除。毎日ひと部屋づつ気合をいれて掃除していけば、年末の大掃除は不要なはずだ。多分。
アンケートに答えたところ、【絶望書店】の御主人から、メールでお返事をいただきました。(薔薇の刻印はなかったです)
〔『出版社と書店はいかにして消えていくか』書評関連リンク集〕(「いか消えリンク集」と略すと海産物か生物リンク集のようなので、「書消えリンク集」と呼ぶがよろし)へのご意見などなどをいただきました。追加すべきサイトの情報もいただきましたので、確認後リンク集へ追加の予定です。
「無用に混乱するだけ」なので、『出版社と書店はいかにして消えていくか』(小田 光雄, ぱる出版)と『超激辛爆笑鼎談・「出版」に未来はあるか?』(井家上 隆幸, 星雲社)のの3,4章を「読まずに本の流通について発言することはかなり強く禁止していただきたい。」とのお言葉も頂戴しました。あううう、耳が痛ひ。
というわけで、【ブックサービス】に注文した2冊が届くまで、出版流通について意見をいうのは差し控えまする。
それから【絶望書店】へおいでの方は、「せめて青い薔薇の刻印のページだけでも辿り着いていただきたいもの」とのお言葉もございました。
あそこは薔薇の迷宮ですからねぇ。巡り歩くには勇気がいるですよ。見ているうちに目眩がしてくるです。私も青薔薇は見ていないような。白と紫は見た覚えがあるんですけど。(後記:紫だと思っていたのが青薔薇であったことが判明。なるほど、あれが青薔薇の刻印のページでしたか。店主自慢の品のページね。)
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日が射すかと思えば、にわか雨が降ったりで、洗濯物を3回も出したり入れたりしてしまった。
布団も干してたのだが、雲行きが怪しくなった時点で取込んだので、セーフ。ご近所では、にわか雨の被害を受けた家もあった模様。
昨日の宿題をやろうと、【ひつじ書房】の【房主の日誌】などを読んでいたら、郵便屋さんがポストに見慣れた包みを押し込んでいくのを目撃。待望の『幻想文学 58』の到着であります。宿題を放り投げて読みふける。
そういえば、本多正一『プラネタリウムにて―中井英夫に―』の版元の葉文館出版が倒産したらしい(詳しくは【幻想的掲示板】参照)です。うーっ……。私は購入してありますけどね、もしあのとき購入をためらっていたら……。
『幻想文学 58 特集:女性ファンタジスト2000』(アトリエOCTA,\1500+税)が、発行されました。多分、今日か明日には都内の書店にも並んでいるのではないでしょうか。
『山尾悠子作品集成』(国書刊行会, ,\8800+税)の刊行に連動して、『幻想文学』も久々のファンタジー特集。ファンタジー系の特集は売れないんだそうだが、今回は売れて欲しいなり〜!
表紙は東逸子。いつもより甘い感じになるのかなと思いましたが、黒っぽい絵なので、全然違和感ないです。(あの女性は「螺旋ちゃん」というらしい)でも特集のロゴの背景色がピンクと緑だ。背表紙もピンク。うひゃぁ。まさか『幻想文学』の背がピンク色。うひゃぁうひゃあ。でもこれだったら絵本系の棚にあっても浮かない……かも。(内容はともかく)
うひゃあな話は、まだ続く。今回の特集では、山尾悠子/寮美千子/長野まゆみ/水原紫苑/上橋菜穂子がメインなのだが、山尾悠子に奉げられた牧野修のエッセイ(っていうかファンレターっていうか)の中には、なんと『ダサコン』の文字が踊っている(p.29)のですよ。うひゃあ。まさか『幻想文学』誌上で、DASACONでの出来事が語られようとは……。ネットやっていない正統派幻想文学ファンのみなさまは、一体どんなイベントだとお思いになったことでしょう。ちなみに内容ですが、ついに山尾さんに話し掛けることができなかった悲しみがやや電波な文体で綴られています。まあ、なんてお気の毒な……。牧野さんにサインをねだって、逢瀬(笑)を邪魔した人はマスト・バイ。
石堂藍による作家作品案内は団塊の世代より若い作家でハードカバーを出したことがある作家(「ジュヴナイル文庫にしか発表の場をもたない作家を割愛」というよりは、こういう風に言ったほうが分かりやすいと思う)のみを取り上げているので、純文学と児童文学に偏っている感じがありますが、そのあたりがいかにも『幻想文学』というか。
例によっての石堂節ですが、井辻朱美・長野まゆみ・山尾悠子は石堂さんのお気に入りの作家らしいので、まあ通常の書評よりはずっと穏やかです。(笑)
山尾悠子ファンは当然買うべし。寮美千子ファンはもちろん買うべし。(←済みません、この文章、さきほどまで「ファン」が抜けておりましたよ。なんて失礼なことを……。)
あまり日本のファンタジーを読まないという人もこれを機会にぜひ日本のファンタジー作家について知ってくださいませ。特に上橋菜穂子はハヤカワ文庫FTのファンの方にもおすすめです。
リブロとかブック・ファーストとかジュンク堂とか三省堂本店といった大きな書店にしか置いてありませんが、 7/11オープンの【bk1】でも注文できるそうであります。
2000/08/02追記:
【アトリエOCTAホームページ】がオープンしました。取り扱い書店一覧や直販のページがあります。
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