2000年6月 ( 上旬 / 中旬 / 下旬 )[前月] [次月] | |||||||||||||||||||||||||||||
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雨だしヒマなので、実家の掃除。
なぜか実家には、掃除関係のハウツー本が山のようにある(そのわりに、ちっともきれいじゃ無い)。それを見ながらのお掃除。
クイックル・ワイパーで壁や網戸まで拭いちゃうといいという。なるほど、目うろこ。風呂場の壁はタオルを切ったものをシート代わりに使って拭く。とても楽にきれいになります。
駒崎優『麦の穂を胸に抱き』(講談社X文庫ホワイトハート)読了。
よろずやっかいごと引き受け人で騎士見習いのリチャードとギルフォードのコンビによる中世ミステリーシリーズ。
今回はウェールズの反乱を鎮圧するために出陣したおじさんにくっついての出張編。戦争しないで待機状態の中で事件は起こる。
ちょっと軽いけど、エリス・ピーターズのカドフェルシリーズをほうふつとさせるシリーズ(今回は特に)なので、カドフェルファンのかたにはお勧め。
購入ガイド
駒崎 優『麦の穂を胸に抱き 足のない獅子』 (講談社X文庫 White heart,2000.6,\520+税)
ISBN4-06-255479-8【amazon】 【bk1(00024450)】
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昨日に引き続きお掃除と押し入れの整理。
ドラエモンの四次元ポケットみたいにいろんなものが出てくる出てくる出てくる。なんで洗剤だのタオルだのゴム手袋だののストック品があちこちに分散してるんでしょ。なんでくちゃくちゃの紙袋だのビニール袋だの黴はえたプラスチックの空きケースだのを後生大事にしまっておかなきゃならんのですか。とかなんとかぼやきながら45リットルのゴミ袋2個分のゴミを出して整理完了。
もっとも私も家に帰ったら人のことをいえないかもしれない。
篠田真由美『仮面の島』(講談社ノベルス,\900+税)読了。
今回はベネチア出張篇。ベネチアの迷路に現われる謎の黒マントの怪人(笑)とか、孤島の未亡人とか、「赤き死の仮面」のモチーフとか、幻想風な道具立てはなかなかよろしいです。この作者の場合、ファンタジーを書いているときより、ミステリーやエッセイを書いているときの方が、ずっと幻想っぽい気が……。(本格ホラーを書こうとするとスベる倉阪鬼一郎と似てるかも)
蒼が大学生になってしまった。さっさと可愛い彼女でも作って、シリーズから解放してやってください。
作者は絶対嫌がるでしょうが、このシリーズはTVの2時間枠推理ドラマの原作が似合うと思う。『仮面の島』は、佐藤嗣麻子監督が撮ったらハマると思うなり。
購入ガイド
篠田 真由美『仮面の島』 (講談社ノベルス 建築探偵桜井京介の事件簿,2000.4,\900+税)
ISBN4-06-182125-3【amazon】 【bk1(00015259)】
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病院に見舞い――というのは口実で、インターネットカフェに寄るのが外出の最大の目的。
先生堂書店で、山田ミネコ『星のこわれる音』(朝日ソノラマ サンコミックス)を発見し、購入。
この店、【ホームぺージ】もできたようです。
昔は、サンリオ文庫を比較的安く取り扱っていたのですが、インターネットのおかげで価格情報が行き渡ってしまったのか、高くなりましたなぁ。平均2000円。絶版品切れ本にはグラシン紙を掛けているので分かりやすいです。比較的良心的な価格の店だと思いますね。
先日行ったインターネットカフェで、ネットにアクセス。
雨が降っていたため、某老舗新刊書店では入り口で店員がカサ用のビニール袋を手渡すというサービスをしておりましたが、なんだかなぁ。そんなことよりも、もっとやることがあるんじゃないのか? ブックフェアを開くとか、ポップを立てるとかさ。
この店では、『エンジン・サマー』を検索してもらったが、版元品切れだそうな。まあ10年前の本ですからね。でも「福武書店の「エンジン・サマー」という本はあるか?」という質問に対し、検索機を操作して「版元品切れです」とだけ答えるのはいかがなものか。「ジョン・クロウリーの「エンジン・サマー」でしょうか? あいにく版元品切れで、在庫もございません」と答えるのが「正しい」対応じゃないのか? ちなみにこの店、検索結果をプリントアウトすると40円かかるのである。検索だけして他の書店で買われたら困るというわけか!? (いや印刷費用がタダじゃないのは分かるんだけどね。)
私のほかに別の御婦人が『大人の学校』という本を探していたらしいが、その本もちゃんとみつからなかったらしい。
注文コーナーには人がわちゃわちゃいるんだが、あんまり仕事しているようにも客の注文にちゃんと答えているようにも見えないんだよな。
横浜駅西口の駅ビルシアルの5階にある栄松堂書店は、横浜駅を利用しているオタクなら多分誰でも知っているオタク御用達書店。コミックのたぐいは異様なほど充実している。朝日ソノラマとか徳間書店とかメディアワークスとかマニア好みのA5版マンガもここなら揃う。『法廷士グラウベン』もここでゲット。さすがはオタク御用達の店。天井が高くてオープンな空間なので、換気がいいです。(笑)
ここの店員は無愛想だけど、毎日気難しいオタクな客を相手にしているせいか、対応がてきぱきしている。ついでにいうと栄松堂は、昔から紙カバーをきっちり本のサイズに折り込んでかけてくれるのである。カバーかけてくれる手際は、そりゃぁ見事なもんです。
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雨の中、布団乾燥機を買いに出かける。
びっくりしたことには、以前新刊書店だった店がリサイクル書店になっていた!
店の半分が古本で残りの半分が新刊のマンガと雑誌と中古CDを売っているコーナー。大型新刊書店が進出してきて新刊が売れないため、苦肉の策だとは思うのだけれど……いいのかな?
もともとやる気無さそうな店で、新刊書店でやっていかれなかったのも無理からぬことではあるのですが、やる気のなさはリサイクル書店になってもあまり変わらず。ブックオフに比べると、ほんと活気がないです。並んでいる本のなかにはかつて新刊書店だった頃に倉庫に残っていたとおぼしき本まであります。あれではリサイクル書店でも生き残るのは無理かも。
それはともかく、この店ができたおかげで先生堂東戸塚店が、これまたやる気をなくしてしまったようなのが気になります。良さげな本がごっそり無くなっていました。売れたんじゃなくて、どこか(多分イセザキ町店)へ移動させたのだと思われます。売る方はイセザキ町店をメインにして、こちらは買い取り専門にする方針なのかもしれません。
図子彗『緋色の館』(小学館キャンパス文庫)読了。
6年前、土地開発が進む山林の地主の主婦が殺された。女子高生の真歩は被害者の息子と一緒に事件の謎を探るのだが……。
どーこーが「館」じゃ? というのが第一の感想。最初の事件が起こったのは「館」じゃなくってふつーの住宅です。少女小説のお約束どおりに書こうとしたせいなのか(でも変だけど)、つまんないっす。
この人はもっと煩悩力ばりばりの作品のほうが、おもしろいですね。
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彩穂ひかる『法廷士グラウベン』(講談社X文庫ホワイトハート)読了。
中世ファンタジー風法廷バトル小説。作者本人が言う通り、他に類をみないジャンルですな。
神聖ローマ帝国の<法廷都市>エッラという、都市全体が裁判所の関係者で成り立っているという架空の都市を舞台に、美貌の法廷士グラウベンが辣腕女検事ベラ・フランチェスカを相手取り、市長の息子を殺した青年の弁護を行う……というオハナシ。裁判そのものが娯楽ショー化していて、前座で歌手まで登場するという荒唐無稽さが「ファンタジー」(笑)。でも展開は、ほとんど裁判ミステリーで、でも中世を舞台にしているので、エリス・ピーターズ『死体が多すぎる』みたいな雰囲気もあって……妙な作品です。
ホワイトハート大賞の期待賞を受賞した稿では主人公グラウベンが女性だったですが、ホワイトハートの読者向けに美青年を主人公に改稿したようです。いやー、男装の麗人が美少年の助手つれている話だったら、もっとワタクシ的にツボだったんですけどねぇ。
文章やストーリー展開には文句ないんですが、まだそれぞれのキャラクターを生かしきれていない気がします。魅力的なキャラなんだから、もうちょっとなんとかならんかなぁ。イラストに丹野忍をもってきた編集者は偉い。
ホワイトハートじゃなくて、講談社ノベルスのほうが合っていたと思いますけど。
ともあれ、次回作に期待。
購入ガイド
・彩穂 ひかる『法廷士グラウベン』 (講談社X文庫 White heart,2000.1,\630+税)
ISBN4-06-255450-X【amazon】 【bk1(00000073)】
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父が入院していたため、5日から実家に帰っておりました。無事に退院したので、私もネットに復帰できまする。
メールのお返事等は少々お待ちください。
『法廷士グラウベン』の件でメールくださったかた、どうもありがとうございました。横浜のオタク御用達書店でゲットいたしました。「かまっていただいて」嬉しかったです(笑)。(のちほどメールいたしますね)
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メールの返信とガスレンジ周りの掃除で一日が終わる。
更新案件。
・波津彬子ページに新刊情報追加。(済)
・井辻朱美ページに「かばん」へのリンク情報追加。
・ハヤカワ文庫FTページに新刊情報追加。
・角川ホラー文庫ページに新刊情報追加。
・コバルト文庫リストを完成させる。
篠田節子『第4の神話』(角川書店)読了。
次々とベストセラーを出し、華やかな噂につつまれながら、突然に病に倒れ42歳の若さでこの世を去った美貌の女流作家・夏木柚香。だが、わずか4年後には彼女の名は人々の記憶の中から消えつつあった。
彼女の五回忌に合わせて組んだ特集記事のため取材を始めたフリーライターの小山田万智子の前に現われたのは、従来の「神話」を覆す夏木柚香の姿だった。
亡くなった女流作家をめぐる話としては、恩田陸『木曜組曲』や若竹七海『遺品』がありますが、私が読みたかったのは、こいういう作品です。残された者たちの回想によって、亡くなった女流作家の実像が二転三転して立ち上ってくる話。
芸大声楽科出身で家族美貌と名声に恵まれた女流作家と、夫も子も無く仕事の口さえ失いつつある無名のライターの人生を対比させながら、どこか芸道小説の趣があるのがやっぱり篠田節子。
夏木柚香の闘病写真集を撮った女流写真家とか、ほとんどヒモのような売れない小説家とか、一流出版社をリストラされて三流出版社のエロ本を編集している編集者(この人に対しては、作者の筆はかなり好意的)とか、言動が妙ーにリアルなのは、モデルがいるせいでしょうか。
おすすめでございます。女性には特に。
ところで、この装丁はキング『ミザリー』のハードカバーのあれを狙ったんでしょうか? (図書館本はフィルムをかぶせちゃうので、はっきりと確認はできないんですが。)
購入ガイド
篠田 節子『第4の神話』 (角川書店 ,1999.12,\1,600+税)
ISBN4-04-873196-3【amazon】 【bk1(01710710)】
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視界の隅に光がちらつくようになった。真っ暗な中で左側を向くと光る。目をつぶっていても光る。「目の中に花火が上がったので変だと思ったら網膜剥離だった」という父の知人の話を聞いたばかりなので、不安になって眼科に走る。私は強度の近視なので、網膜剥離しやすいらしいのだ。
瞳孔が開く目薬を挿されて、眼底写真撮られて、目に輪っかを嵌められてぐりぐりと検査された結果、網膜には別に異常なし、水晶体がダレてきているので、その刺激で光ったように見えるんでしょうという診断が出た。ああ、よかった。
それはいいんだが、今日は晴天でお日様いっぱいで、瞳孔が開いたままの状態で帰ってくるのはとても辛かった。一応日傘とサングラスは用意していったのだけれど、それでも眩しい。(でもサングラスを外したら、目を開けていられないくらい眩しかったので、もっていて正解だったのだ。)というわけで、眼科検診は曇りの日を選ぶのがよろしい。
加納朋子『ガラスの麒麟』(講談社文庫)読了。
通り魔に殺された17歳の女子高校生・安藤麻衣子。彼女は『ガラスの麒麟』という童話を書いていた。その童話に挿絵を書く予定だったイラストレーターの娘で麻衣子の同級生の直子は、まるで麻衣子の霊が乗り移ったかのような言動をしだすが……。
麻衣子の周囲の人々の間で起こる小さな事件から、やがてひとつの真相が浮かび上がる連作短編集。
連作の構成の巧さでは定評のある加納朋子ですが、今回もお見事。北村薫と違って決して「登場人物を断罪しない」姿勢も、この作者らしくて、好感が持てます。
購入ガイド
加納 朋子『ガラスの麒麟』 (講談社 講談社文庫,2000.6,\590+税)
ISBN4-06-264886-5【amazon】 【bk1(01776858)】
柴田よしき『炎都』(徳間書店 TOKUMA NOVELS)読了。
本来なら伝奇パニック小説になるはずだったんだろうけど、うーん、なんといいますか妙に可笑しい。池上永一の『風車祭』とか『レキオス』に通じる可笑しさですね。マンガチックというか、東映怪獣映画的というか。
一生懸命、伝奇ファンタジーっぽい題材を拾って、お約束通りの展開にしているのだけれど、エピソードがシリアスにならないのは何故?
だいたいヒロインの香流と真行寺君之の出会いからしてヘンだ。千年の邪恋を阻止する運命の出会いなら、もうちょっと芸があったっていいと思うのだ。香流が真行寺君之に一目惚れするのは理解できるけど、4WDを乗り回し、京都の地質調査に明け暮れる「ガテンな」女の香流は一目惚れされるようなタイプじゃないでしょ。困っている君之を助けたとかいうエピソードならともかく。
ヘンだけど、決してつまらないわけではない。伝奇ファンタジーじゃなくて、伝奇アクションにしてキャラクターを暴走させた方がよろしかろうと思います。
多分続編はそういう風に展開してるんじゃないかな。
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