更新日: 2005/12/19
2003年 [
01| 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12]
1997年〜1999年・2000年・2001年・2002年
2003年3月 ( 上旬 / 中旬 / 下旬 )[前月] [次月] | ||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
[Top]
3/8〜14まで1週間インフルエンザで寝付いておりました。
どうも3月6日の木曜日に映画を観に行ってインフルエンザ・ウィルスを拾ってきてしまったらしい。ずーっとマスクかけていたんだけど、ファーストフード店での食事のときに手洗いうがいをサボったので、それが敗因かもしれません。
土曜日には、熱があるのにも気がつかず「昨日体操したせいで筋肉痛が〜。身体がだるい〜。」なんて言っていたのですから、おめでたいことこの上ないですな。あまりにだるいので、これは風邪かもと体温測ってみたら39.6度もあってぶったまげましたです。
あとはひたすら眠っていたので、なにがなにやらよくわからない。でも、去年夫が寝付いたときに、めったにないことだからと気合入れて看病しておいて良かったと思いました。
食欲が失せるタイプのインフルエンザらしく、全然物を食べられないのがツライです。今も食欲はありません。体重が1週間で2kgも減ってしまいました。めでたいんだか、めでたくないんだか。
[Top]
冲方 丁(うぶかたとう)『微睡みのセフィロト』と恩田 陸『ロミオとロミオは永遠に』は、非常に面白かった。
十二国記も再読。アニメの脚本がいかに出来が悪いかを再認識した。キャラクターの個別認識でできるようになったのは結構なことだが。
[Top]
ロジャー・ローゼンブラット/春日井 晶子訳『だれもあなたのことなんか考えていない 他人にしばられずに長生きするための58条 』(早川書房 ,2002.7,\1300+税, ISBN4-15-208434-0)読了。
表題は早い話が「自意識過剰になるなよなー」という教えです。飄々と長生きしたい人向けのルール集。もともと退職者用の雑誌に書かれたものなので、あんまり若者向けではありませんね。若者はもう少し尖がって、あちこちで頭叩かれたほうがいいような気がするよ。まあ若いうちからこういう本を読んで、枯れた人生を歩むのも乙なものかもしれませんが。
なんというか某巨大掲示板でスレ立てられている人達に教えてあげたいルールがたくさんあります。たとえば――
「ルール3 悪いことには触れずに置きましょう」
「ルール4 敵は無視すること、さもなくば始末すべし」
「ル―ル14 ウィットを利かせようとか、賢く立ち回ろうなどど考えないこと」
「ル―ル27 ろくでなしの言う批判も当たっていることがあります」
「ルール6 あなたがやったんです」
「ルール7 30歳を過ぎたら、人生を親のせいにはできません」
そして「ルール10 豚ルール」。
最後のは「豚」じゃなくて「牛」にしたほうがいいんじゃないかと、個人的には思います。
もちろん某巨大掲示板なんぞに縁のない善男善女にとっても役に立つルールはいろいろあります。たとえば――
「ルール15 良い行いを心がけましょう、でもそのために無理をしてはいけません」
「ルール29 だれも羨まないこと――絶対に」
「ルール44 名声を追い求めないこと、でも人には認められるようになりましょう」
ルール44に添えられたルイス・トマスの逸話は感動的なのでご一読を。
通勤電車のお供にも悪くなさそうです。文庫だったらもっとよかったのにね。
購入ガイド
ISBN4-15-208434-0 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】【bk1(02203903)】
[Top]
上遠野 浩平『ジンクス・ショップへようこそ ブギーポップ・スタッカート』(メディアワークス 電撃文庫,2003.3,\550+税, ISBN4-8402-2293-2)読了。
「執事さん萌え〜」で終わったらいけないか。
わがままお嬢様が拾った男・オキシジェンは運命の糸を視る男。彼の能力を使った奇妙な店〈ジンクス・ショップ〉は、じわじわと口コミで客を増やしつつあった。その店に吸い寄せられるように集まる能力者たち……。
もはや誰が誰だかわかんない状態です。藤花と末真さんだけは一応識別できるけど。
いままで割と投げやりに「世界の敵」を葬り去ってきた”ブギー・ポップ”ですが、今回”ギミー・シェルター”に対しては、気合入っているなぁといった印象。末真さんが絡むと頑張っちゃうのか?
執事さんの件がどのようにお嬢様に伝えられたかが大変気になるのであります。強盗の線で片付けられてしまったのだろうか。
購入ガイド
ISBN4-8402-2293-2 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(02295701)】
[Top]
冲方 丁『微睡みのセフィロト』(徳間書店 徳間デュアル文庫,2002.4,\505+税, ISBN4-19-905104-X)読了。
感応者《フォース》(超能力者)と 感覚者《サード》(一般人)との戦いによって地球はいちど滅びかけ、現在は感応者と感覚者との共存の方法を探っているという世界で、花の香りをふりまく感応者の少女・ラファエルとダイハードなサイボーグ捜査官パットが超次元的能力者によって引き起こされた事件を追うSFハードボイルド。
パットは感応者側の兵器によって妻子を殺され、その憎しみを押さえるため電子的トランスで脳内にロックをかけているという設定。
あの石堂藍が『SFが読みたい! 2003年版』でベスト5に挙げていたので、読んでみました。石堂さんは徳間デュアル文庫には時々妙に甘いことがあるけれど、確かにこれは面白い。なんとなく雰囲気が《アダルト・ウルフガイ》シリーズを書いていた頃の平井和正を思わせます。
文章力描写力は圧倒的で、超次元的能力によって三百億個の微細な立方体に” 混断《シュレディング》”された被害者(まだ生きている)の体に手が潜り込んでいくシーンなど、文章視覚化能力に欠けた私の脳裏にすらくっきりはっきり再現される生々しさ。すげー。
超おすすめでございます。もう少し評判になってもいいと思うんだけど。
冲方丁は、前作『ばいばい、アース』を誰かががネットで絶賛しているのを読んで、ちょっと気になっていた作家。「うぶかたとう」と読みます。サンズイじゃなくてニスイ。でもbk1じゃ『 ピルグリム・イェーガー』【bk1(02267810)】の原作者名が「沖方」になってたりするけど。
この人は、読みにくく記述しにくいペンネームやタイトルのつけ方で損してるんじゃないでしょうか。『ばいばい、アース』なんてセンスないと思うし、「冲方」って普通の変換じゃ出てこないし。
読み方をもう1度書いておこう。「うぶかたとう」の「まどろみのせふぃろと」です。
購入ガイド
ISBN4-19-905104-X 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(02161168)】
恩田 陸『ロミオとロミオは永遠に』
(早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション,2002.10,\1800+税, ISBN4-15-208437-5)読了。
日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。それを指導するエリートへの近道は、「大東京学園」の卒業総代になることだった。しかし、過酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ちうけていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。
『SFマガジン』連載時には何やってんのかさっぱりわからなかったので、期待せずに読み始めましたが、意外にも面白かったです。
キャラクターが書き分けられないという欠点も、「主人公」「美少年」「ハカセ」「敵役」というパターンに加えて、ネーミングによって実在/架空の有名人のイメージを刷りこむという反則すれすれの荒業でクリア。
「タダノ」と「フクミツ」が出てきた時点で勝ったも同然かもしれません。
キョウコは厭な女ですな。作者の人、そんなにコイズミキョウコが嫌(以下略)
サブカルチャーの解釈の歪みっぷりや変なゲームルールに大笑いしつつ、教育制度のありかたについて少しだけ思いめぐらすのが正しい読み方かと。
冒頭の暗視スコープ故障の真相がちょっと納得できない。もう一ひねりぐらいあってもよさそうなものなんだけど。
購入ガイド
ISBN4-15-208437-5 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(01570575)】
ヘレン・ブッシュ/沢登 君恵訳『海辺のたから』(ぬぷん児童図書出版 心の児童文学館シリーズ 1,1977)読了。
首長竜・プレシオサウルスや魚竜・イクチオサウルスを発見した化石収集者メアリー・アニング(Mary Anning)の少女時代の物語。
十一歳のメアリー・アニングは、家計を助けるために化石を集めては「石の動物」として、お土産として売っていたのですね。で、化石を集めているうちにプレシオサウルスやイクチオサウルスの化石を発見して学者たちにも認められ、世界的に有名になったと。
メアリーは化石集めが本当に好きだったのだと思うけど、それがお金にならなければそんな「仕事」を続けさせてもらえず、お母さんのお裁縫の手伝いとかさせらてたかもしれないわけで、趣味と経済との両立って大事ね、とかミもフタもないことを考えたりする。
それにしても昔の金持ちってのは、お金の使い方を心得ていたのですな。
子供のころ化石集めをやったことがある人なら、わくわくして読めるはず。化石収集の描写がすんばらしいんですよ。こういうの読むと、児童文学ってのは細かい描写の積み重ねが魅力なんだよねと思います。
心臓が悪いのに文字通り命がけで子供達に化石採りの極意を教えるお父さんのエピソードなんて感動的だし。【恐竜パンテオン。】の【金子隆一取材アルバム:メアリー・アニング生誕200年祭】などを見ますと、メアリー愛用のハンマーはお父さんのお手製だったらしい。
おすすめです。もう新刊書店では買えないけど。
書誌情報
【bk1(00238981)】
[Top]
[Home] [日記目次] [当ページ雛形(nDiary用)・ 原稿]
有里 (Alisato Akemi)