2002年4月 ( 上旬 / 中旬 / 下旬 )[前月] [次月] | |||||||||||||||||||||||||||||
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『シルマリルの物語』読書中。固有名詞がいっぱい出てきて混乱。
長音記号が嫌いだという訳者の固有名詞の訳しかたのクセのせいか、とても読みにくい。
如月 香『エンジェル&クラウン』(白泉社My文庫,2002.4,\638+税, ISBN4-592-85009-2)読了。
世紀末ロンドン、新聞記者のコプランドはイーストエンドの路地裏で殺人事件に遭遇した。犯人の特徴はペールエール色の一対の瞳。
下町のパブ「エンジェル・アンド・クラウン」に一台の馬車が止まった。乗っていたのは貴族令嬢のセシル・ローズとその執事。彼らは「エール・ストリート」の依頼人だった。依頼を引きうけたのは、ペールエール色の瞳をもつ少年だった。
高田ばんびのイラストにひかれて購入。
なかなか良いです。ただ、視点があちこち飛んで登場人物に感情移入しにくいせいか、「面白い」というより「良く書けてる」という感想になってしまうのが残念。セシル・ローズの上に視点を固定してくれたら、嬉しかったんですけどね。そうすると今度はいろいろ支障が出てしまうのもわかるんだけど。
クリスティからトリックを取り払って、少女小説風にした雰囲気かな。(ガンダムWのヒイロ&リリーナをヴィクトリア朝にぶち込んだといったほうが話は早いかも。)
やおい抜きで美少女が出てくるので、そのへんがワタクシ的にはポイント高いです。
気になったのは、霧の中で人間の眼が光って見えるものかねぇということですね。猫の目だって光るかどうか怪しいもんだ。発光ダイオードでも入っているのか?
いきなり出てくる「ヘンタイ医師」ことG・Gがストーリーに対して違和感あり。次作への伏線か?
やおい苦手でホワイトハートを読むような人に、おすすめ。次作も期待。
(2002/04/26追記)
おすすめしたけど、不安な部分はいろいろあるので、追記。
一番の問題は主人公に成り得るキャラが3人(セシル・ローズ、ペール・ロウ、ラスレット)いて、一つの章の中でも視点があちこちに移動するので、話が散漫になってしまっていること。私は人形のようなセシル・ローズが事件を経て人間になる話だと思って読んだが。その場合、ラスレットの存在は実に邪魔。作者はペール・ロウとラスレットの両方に愛着があるので削れなかったんだろうが、どちらかのキャラを削るべき(普通はラスレットのほうを削るだろうけど)だったと思う。
作者には若桜木虔『プロ作家養成塾』[→感想]を熟読して欲しいっす。
購入ガイド
ISBN4-592-85009-2 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02157119)】
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漫研時代の友人から電話がかかってきた。開口一番「私も指輪の仲間にいれてっ!!」である(笑) 文庫版を七冊目あたりまで読んで映画を見てどうしても語りたくなったらしい。やっぱりLotR症候群ですな。
ファンタジーはほとんど読まない人なのに、文庫版2冊目まで読んだらハマってしまったんだそうな。「でも3冊目(『旅の仲間 下1』)が品薄で手に入らなくて苦労した。遅れてきたファンはみんなそこで苦労したと思う。5冊目(『二つの塔 上1』)も売ってなくて、6冊目以降があったからそれを確保してじっと我慢して……」とのこと。
映画は吹替え版が終わってしまっていたので、字幕版で見たそうで、ラストのアラゴルンの台詞に萎え萎えだったらしい。
「だからそれが字幕版の罠なんだって」というと、「えー、でも戸田奈津子だしー」というお答え。ああ、ここにも戸田ブランドに騙されている人が。
その戸田のなっちがFotRの筋をいかにメチャクチャにしたかを小一時間説明したいところを堪えて、【魅惑のFotR日本字幕版】を紹介しておく。
それからガラドリエルとエルロンドはやっぱりイメージ違うとか、クリストファー・リーのサルマン素敵とか、じじいに萌える映画だよねとかの感想をくっちゃべる。
映画のおかげで『指輪物語』に縁のなさそうな人たちが、私の周囲だけでも2人もハマってくれました。めでたい、めでたい。
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竹宮 惠子『エルメスの道』(中央公論社 ,1997.4,\1,300+税, ISBN4-12-002672-8)を読む。
エルメスの「社史」を竹宮 惠子が漫画化したもの。なかなか面白い。
エルメスが、ブランドイメージを売る会社ではなく、職人の技術と誇りを売る会社なのだということが、よくわかった。もっとも、オフィシャルな「社史」なので、ネガティブな部分はカットされているのだと思うが。
エルメスというブランドについて語りたいなら、とりあえず読むべきだろう。
学習漫画とか伝記漫画というと子供だましの仕事というイメージがあったのだが(すみません)、実力のある人が描くとなかなか凄いものが出来るのだなと思った。
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・竹宮 惠子『エルメスの道』
(中央公論新社 中公文庫 コミック版,2000.1,\495+税, ISBN4-12-203564-3)
ISBN4-12-203564-3 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01859938)】
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津原 泰水『蘆屋家の崩壊』(集英社文庫,2002.3,\533+税, ISBN4-08-747425-9)再読完了。[→以前書いた感想]
やっぱりこの人、小説の才能はありますわな。おすすめ。
津原泰水を読んだことがない人は、『蘆屋家の崩壊』→『妖都』→『少年トレチア』と読み進むのがよろしいのでは。次に『少年トレチア』にいってもいいんだけど、いきなりハードカバー長編はつらいかもしれないので、雰囲気になれるためにも『妖都』を読んでおくとよいのではと。
せっかく良いもの書けるんだから、ネットで変な露出のしかたをしなけりゃいいのにと思う。
購入ガイド
ISBN4-08-747425-9 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02146569)】
橋本 治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(新潮社 ,2002.1,\1,800+税, ISBN4-10-406104-2)読了。
とりあえず読んだという状態。三島由紀夫は『仮面の告白』と『禁色』しか読んでいない(しかも内容忘れてる)ので、今はなんともいえません。
やっぱり教科書の巻末の日本文学史年表に載っているような作家は、若いうちに読んでおくべきだったと思う。
購入ガイド
ISBN4-10-406104-2 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02125150)】
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急に気温が下がると頭痛肩こりがひどくなりますな。自立神経壊れかけ。
『知の探偵術 情報はいかに作られるか』(Parco出版 別冊アクロス時代を読むシリーズ 3,1994.10,, ISBN4-89194-389-0)読了。
ブックオフ100円コーナーにあった拾い物。刺激的でとても面白い。
まえがきに「情報収集のレシピ」のような調査レポートとあるように、情報を収集し加工している現場に訪ねていって、レポートをしている。
目次
第1部 知識の倉庫を探索する
第1章 図書館を探偵する
第2章 データベースを探偵する
第2部 一人に聞くか、一万人に聞くか
第3章 インタビューを探偵する
第4章 アンケート調査を探偵する
第3部 「見る」と「聞く」との再検討
第5章 考現学を探偵する
第6章 うわさを探偵する
第4部 情報化と身体拡張の論理
第7章 本を探偵する
第8章 パソコン通信を探偵する
まとめ 情報がわれらを自由にする
付録 情報の探偵術
インタビューとアンケートを扱った章が面白かった。収集と加工の過程で、情報の一部が落ちてしまったり変質してしまったりすることに対して、常に問題意識をもってレポートしている点が興味深い。
1993年の時点で本の再販制度について問題にしているのは、鋭いというべきなのだろうか。この部分は今読んでも全然違和感がない。
一方、ネットに関する部分はパソコン通信が中心で、情報が古くて使い物にならない。もっともこの当時インターネットはMosaic(WWWブラウザの原型)が出てきたばかりだから仕方ないのだが。
著者は,最近では『若者はなぜ「繋がり」たがるのか ケータイ世代の行方』(PHP研究所 ,2002.1,\1,300+税)【bk1/amazon/Yahoo!】 などを出している人。他の本も読んでみようと、とりあえず『デジタル社会論』(共同通信社 ,1999.11,\1,700+税)【bk1/amazon/Yahoo!】を注文してみた。
ちなみに「武田徹」という同姓同名の人物が何人かいるそうなので、検索かけるときには要注意。(この件についてのくわしいことは、著者の公式ページに載っている)
★書誌情報
ISBN4-89194-389-0 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01078700)】
ミックス,2002.04,\900+税)
・紺野 キタ『ひみつの階段 1』
(ポプラ社 POPLARコミックス,2002.04,\900+税, ISBN4-591-07206-1)
ISBN4-591-07206-1 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02147929)】
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ハードオフめぐりのついでにブックオフにも寄る。
夫はβビデオデッキと安売りを始めたLDを探してハードオフめぐりをしているのである。βデッキは見つからなさそうだけど。ハードオフにはオフハウスも併設されていることが多いので、ハンカチを漁る。
未使用品が市価の半額だし。ハンカチは何枚あってもいいものだ。
乙一『暗いところで待ち合わせ』 (幻冬舎文庫,2002.4,\495+税, ISBN4-344-40214-6)読了。
目の不自由なひとり暮らしの女性の家に殺人犯として追われる青年が忍び込む。存在に気づかれぬしようとする青年と、彼の存在に気づきながらも知らぬふりをしようとする女性。奇妙な同居生活はやがて……。
いまのところ乙一作品にハズレなしですね。ホラーじゃなくて優しいサスペンスとでもいうべきか……。
傷つき易いがゆえに他者から距離をおこうとする似たもの同士の「彼」と「彼女」が、事件のおかげでテリトリー内にお互いの存在を受け入れざるおえなくなったというのが、ミソですわね。おそらく普通の出会い方をしていたら、お互い近づくことができなかったんでしょうけれど。
『しあわせは子猫のかたち』や『暗黒童話』も、いきなり他者が自分のテリトリー内に入ってくる話で、それが「異物」ではなく「自分に近い物」であったので、「ホラー」じゃなくて「しあわせ」の話になるというわけですな。
購入ガイド
ISBN4-344-40214-6 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02157992)】
中島 らも『アマニタ・パンセリナ』 (集英社 ,1995.12,\1,262+税, ISBN4-08-774174-5)読了。
装丁に惹かれて立ち読みを始めたら、面白くてやめられなくなったので、購入。
ガマガエル、睡眠薬、シャブ、阿片、幻覚サボテン、咳止めシロップ、毒キノコ、LSDetc. 中島らもによる文献と体験を駆使したドラッグの博物館。
中島らもに関しては、朝日新聞で「明るい悩み相談室」を連載していた愉快なおじさんという認識だった。まさかアル中でラリ中でブロン中毒で、「明るい悩み相談室」連載中に鬱病になって自殺念慮が出るような壮絶な生活をしている人だとは思わなかった。でもそんな壮絶な人生を送っている割には、書いたものが妙にドライで明るい感じがするのはなぜなんだろう。他人にすがることをしない人だからだろうか。
というわけで別の本も読んでみることに決定。
購入ガイド
・中島 らも『アマニタ・パンセリナ』
(集英社 集英社文庫,1999.3,\457+税, ISBN4-08-747025-3)
ISBN4-08-747025-3 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01671281)】
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詳しい感想は気が向いたら書く。
香西 秀信『議論術速成法 新しいトピカ』 (ちくま新書,2000.12,\680+税, ISBN4-480-05875-3)読了。
興味深かった。上野千鶴子とか「自称・ギロンのプロ」の方法を分析してみると面白いと思う。
購入ガイド
ISBN4-480-05875-3 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01966991)】
中島 らも『今夜、すべてのバーで』 (講談社文庫,1994.3,\533+税, ISBN4-06-185627-8)読了。
面白かった。
登場人物にはモデルがいるのだろうが、赤河医師だけは中島らもの分身という気がしてならない。
中島 らもは、他の作品も読むことに決定。
購入ガイド
ISBN4-06-185627-8 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01671281)】
武田 徹『デジタル社会論』 (共同通信社 ,1999.11,\1,700+税, ISBN4-7641-0435-0)読了。
どこかで見たことのあるようなことしか書いてなくて、期待したほどでは……。初出をきちんと書いてない(あとがきの中に出てくるが)というのは、減点対象。現在進行形の事柄をルポタージュしているから、結論めいたものは出せないとかいうのなら、なおさら各記事の初出ぐらい明記しておくべきだろうに。
購入ガイド
ISBN4-7641-0435-0 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01705290)】
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有里 (Alisato Akemi)