更新日: 2005/12/19
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内田 樹『「おじさん」的思考』(晶文社 ,2002.4,\1900+税, ISBN4-7949-6530-3)読了。
【内田樹】が、Webサイトに掲載したエッセイや日記を抜粋して本にまとめたもの。加筆修正されて、ネット上の文章とは微妙に変わっているものもある。
読者対象に「おじさん」に想定しているせいか、こちらが内田樹の書く物になれてしまったせいか、『疲れすぎて眠れぬ夜のために』ほど面白くなかったが、「押し掛けお泊り中学生」についての一項(p.129)があるのが興味深かった。いわゆる「お泊り厨」「押し掛け厨」についての内田ゼミの学生によるレポートの抜粋とコメントである。(Web上でも元になった2001年3月22日付けの日記を読むことができる。)
家族が密着しすぎていることが、子どもたちの逸脱行動の原因になっているのではないかという内田の指摘(p.132)は、『疲れすぎて眠れぬ夜のために』の「私の拡大家族論」につながるのだろう。なるほど。拡大家族論は、いまひとつピンとこなかったが、そいういうことか。
「教育とエロス」(p.44)は、どこかひっかかる。大学におけるセクシャル・ハラスメントの問題について語った文章である。内田は、
およそ欲求する者は、「自分の手もとにないもの、げんにないもの、自分の持っていないもの、現在の自分とは違ったもの、自分に欠けているもの」を欲求する。
そのような欲求のことをソクラテスは「エロス」と呼んだ。
(p.50)
と定義した上で、師弟関係は「本質的にエロティックなものである」(p.54)と書く。ふーん、なるほどね、と思うが、でも「そのような欲求のこと」を「エロス」と呼ぶのであれば、性別は(社会的なものであろうと生物学的なものであろうと)関係ないだろう。師が男性で弟子が男性であっても、その関係は「エロティック」であるはずだ。
でも、なぜかそういう風には書かれていない。例にあげられている『饗宴』に出てくる師(ソクラテス)とその愛を争う二人の若者は全部男性だと思うが、性別ははっきり書かれていない。「若者」と書かれている。
研究者としての将来を約束する代償に女性の学院院生に性的関係を求めた大学教師が懲戒されるといった事件が相次いで報道されている。(p.44)
これは冒頭に出てくる文章。これ以降、性別をあらわす言葉はほとんど出てこないが(例外として「巫女ディオティマ」(p.50)、「転移」の現象を説明するときの「白髪の老婆」「うら若い娘」(p.52)――なぜか全部女性だ)、そこに私は叙述トリックめいたものを感じる。だって、最初に「女性」って出てきて、それ以後なにも書かれていなかったら、全部「女性」のことだと思うでしょ? うーん、あやしいな。なんか隠してないですか、内田センセイ。
もっともキーワード「エロス」で内田日記を検索したら「お師匠さまたちは、私の「母」である。」という文章が出てきた(2002年2月14日付け日記)。
「教育とエロス」のもとになった文章はその前日の2002年2月13日付けの日記のようなので、何か隠しているのは内田センセイじゃなくて、「お師匠さまたちは、私の「母」である。」という文章という文章を収録せず、「教育とエロス」のもとになった文章のみを収録した編集の人なのかもしれない。
(なお、2002年2月13日付けの日記には「女性の学院院生に性的関係を求めた」云々の文章はない。)
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ISBN4-7949-6530-3 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(02152364)】
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柴田 よしき『桜さがし』(集英社 集英社文庫 ,2003.3,\619+税, ISBN4-08-747554-9)読了。
京都の中学の同級生であった4人の20代の男女を主人公にした連作短編集。柴田よしき版『不揃いの林檎たち』というか。
「片想いの猫」と「金色の花びら」が面白かった。
必ず植物を小道具に使った事件が絡むが、ほとんど殺人事件なので、後味がいまひとつ良くない。
似たようなシチュエーションが何度も出てくるの(しょっちゅう人に道を聞かれるとか、アリバイの鍵を握るのが写真だとか)も、いささか気になる。
登場人物達にはあまり親しみがもてないが、狂言回しで出てくる元高校教師の作家・浅間寺は良かった。「猫探偵正太郎シリーズ」にも登場するらしい。
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ISBN4-08-747554-9 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(02302591)】
内田 樹『寝ながら学べる構造主義』(文芸春秋 文春新書 251 ,2002.6,\690+税, ISBN4-16-660251-9)読了。
ものすごく面白かったので、ぜひとも感想をかきたいのだが、そういう本に限ってなかなか感想が書けないものなのだ。
構造主義の考え方がわずか8行に要約されていたのには、たまげた。すげー。眼鏡をかけたとたんに、朦朧としていた世界が一気にクリアに見えてきたような感動! もっとも、あらゆる眼鏡はフレームの中だけしかクリアにしてくれないし、見えるものも実はゆがんでいるんだけどね。(←こういうのも構造主義的な考え方らしい)
超おすすめ。
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ISBN4-16-660251-9 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(02187985)】
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4号石橋店、宇都宮西川田店、宇都宮西店、宇都宮滝谷店、宇都宮宿郷店の5件をはしご。
宇都宮西川田店は、元はカンセキというホームセンターの研修センターだったところ。ブックオフだけでなくオフハウスとハードオフも併設されている、やたらと広い店。ただ、新装オープンしたばかりらしく、棚はイマイチ。売れている本の全巻揃えを見つけるにはいいけれど、珍しいものは無し。
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1年ぶりに [おすすめ本] のページを更新。サイドバーに掲載されていた本を移動して、新しい本を入れました。
冲方丁『マルドゥック・スクランブル The First Compression―圧縮』も入れて、冲方丁フェアを開催する予定。
『マルドゥック・スクランブル』は、映画『レオン』にインスパイアされた作品だそうですが、なぜか初期の平井和正を思い出してしまう。
そういえば、『微睡みのセフィロト』って『エスパーお蘭』のシチュエーションだったようです。うーん、読み返したいけど平井和正の初期短編集ってどこにやっちゃったかな。
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髪の毛がうっとおしいので、カットしてもらいました。見本用にとカタログ雑誌から写真を切り抜いて持っていったので、ほぼイメージ通りの仕上りになりました。満足。
美容師のおにいさんは腕はいいけど話術が下手で、受け答えしていると肩凝っちゃうのが難。いろいろ話し掛けるのもサービスのうちだと思って頑張っているらしいんだけど、私の場合、ほっといてくれるのが一番ありがたいんだけどなぁ。
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冲方 丁『マルドゥック・スクランブル The First Compression―圧縮』(早川書房 ハヤカワ文庫JA ,2003.5,\660+税, ISBN4-15-030721-0)読了。
パトロンである賭博師シェルによって車に閉じ込められ爆死させられようとした15歳の少女娼婦バロットは、マルドゥク・スクランブル− 09《オーナイン》の発令により命を取り留める。焼け爛れた皮膚を人工皮膚に変え、” 電子攪拌《スナーク》”能力を得たバロットは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックを相棒に、自らの事件の解決のために戦うことになる……。
面白かったー! いいところで「To be continued――」。早く続きが読みたい。原稿自体は書きあがっているはずなので、続きが出ないということはないと思いますが、絶対出してよね。
『レオン』にインスパイアされた作品だそうです。『ニキータ』で『マトリックス』で『スチュワート・リトル』で『不思議の国のアリス』です。でもどうしても初期の平井和正を思い出してしまう。やっぱりこの作家はお笑いライトノベルよりシリアスなアクション物が合っていると思います。視覚イメージを刺激する描写力は健在。言葉遊びも健在。
15歳の美少女が主人公で、その相棒が変身自由自在の黄金のネズミという点で、もうワタクシのツボに大ハマリ。かっこいいタイトル、かっこいい装丁、早川書房の編集さん、ありがとう、ありがとう。ハヤカワ文庫JAで出て良かった! やっぱり作品にふさわしいレーベルというのはありますね。
バロットが原告として立った法廷での男どもの論理には反吐が出るけど、現実にはもっと酷いはず。まだまだ描き方がヌルいという気もしますが、エンターティメントですから仕方がない。
2002年は飛浩隆と小川一水の年でした。2003年は冲方丁の年ですね。
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ISBN4-15-030721-0 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(02326005)】
牧野 修『呪禁局特別捜査官ルーキー』(祥伝社 ノン・ノベル ,2003.5,\838+税, ISBN4-396-20766-2)読了。
呪禁局特別捜査官となったギアが、相棒となった美少女人形(中身はマッチョなお姉さん)とともに頑張る話……だったはずなんですが、結局前作と同じく落ちこぼれが世界を救う話になってしまい、もはや落ちこぼれでないギアは影が薄くなってしまいました。
でも面白かったからいいや。
恐怖に腰を抜かしそうになりながらも、女房子供のためにデベデベと走り回るソーメーが大変よかったです。実質的に「よーし、パパがんばっちゃうぞー。霊的発電所暴走の巻」でした。
ところで、リルルたんは復活しませんか、しませんか、猫耳メイド服の人形ではどうですか、倉阪鬼一郎作品とネタかぶちゃうからだめですか、そうですか。
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ISBN4-396-20766-2 【bk1/amazon/boople/Yahoo!】【blogmap】 【bk1(02322903)】
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お古のパソコンを実家に置くことにした。(パソコンないと実家に帰ってもつまんないんだもの)
で、そのための環境設定をしようとしたら、ダイアルアップでネットに繋がりやがらないんでございますよ。
ADSLを使っていたパソコンなので、デバイスの設定がどこかヘンなんだと思うけど復旧できない。
いっそのこと全リカバリでしょうか。
というわけで、えいやーと初期化してWindows95に戻してしまったんですが、やっぱり繋がらない。
逆上してオンラインサインアップで@niftyに新IDをとって、@nifty接続アシスタントというソフトを使ってアクセスしてみたんですが、隣の市外局番のアクセスポイントには繋がるのに、市内局番のところには繋がらない。なんでだー!?
夜中の3時までかかっても上手くいかないので、とりあえず寝る。
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@niftyのサポートセンターが開くのを待って電話。どうやらモデムの相性の問題らしい。通信速度を落としてみてくださいといわれたんだけど、それでもだめ。さて、どうしたものか。
きのうの夜更かしがたたって眠くなったので、とりあえず昼寝する。
頭がすっきりしたところで、ネットで対応策を検索する。キーワードは、「LT モデム 繋がらない」とか。案外、有用なページがヒットする。
どうやら、モデムのドライバを入れ替えると、なんとかなる可能性があるようだ。パソコンメーカーのサポートページに新しいドライバがあったので、ダウンロードしてくる。ダウンロードは、今使っている新しいパソコンでやって、それをフロッピー経由で古いパソコンに入れてやるのだ。面倒くさい。が、それで見事に繋がった。バンザーイ!
良い天気なのに、この設定で丸一日つぶしてしまった。
しかし、我が家はちゃんとネットに接続できるパソコンが2台もあるからいいようなものの、パソコンが一台しかなかったらお手上げだよねぇ。
でも、こうやって一生懸命設定しても、土曜日に大雨が降ったらパソコンの積み下ろしができないかも……。どうしよう。
勢いで@niftyで新IDを取得してしまったのだが、わりとゴロがいいIDだったので(なにしろ数字部分が43401―ヨミヨイ―だ)、今後はそちらをメインに使おうかと思っている。今のIDでつかっているメールアドレスはSPAMの標的になっているので、気持ち悪いし。(昔はSPAMもほとんどなかったからプロバイダメールをそのままWebページに載せていたのだけれど、そのせいでずーっとSPAM業者の名簿にアドレスが掲載されつづけているらしいのだな。)
それでも我慢して使いつづけていたのは、メールアドレス変更のお知らせをするのが面倒だったのと、プロバイダ領域に「ホームページ」を持っていたせいなんだけど、CoolONLINEにスペースも借りたし、素材ページもいいかげんリニューアルを考えないといけない時期なので、@niftyのページは移転しようかと思う。ID変えたらどのみち引っ越さなくちゃいけないんだし。
と、宣言しないと、面倒でなかなか実行に移れないから、宣言しておく。
なんとか2ヶ月以内に移転したい。
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友人の個展を見るため神保町へ。書泉グランデで待ち合わせた友人その2に「楽俊が好きなら絶対楽しめるわよ」と『マルドゥック・スクランブル』を買わせる。
昼食はスリランカカレー共栄堂の牛タンカレー。ネットで検索して、かなり期待していたのですが……本格的過ぎて私の舌には合いませんでした。ルーが真っ黒で漢方薬みたいな味がするんです。一緒にいった友人は大丈夫だったみたいなのが救いです。
東京に来たついでに実家に泊まることにしたので、友人その2と横浜でビール飲んで盛り上がりました。最近はめったに外で飲めないので楽しかった。
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実家に泊まった翌日は台風の影響で大雨。出かけられないので、実家の食器棚の整理をすることにしました。食器がぐちゃぐちゃに詰込まれていて、使っている両親ですら中身を把握しきれず、来客用のカップがでてこなかったり、コースターが出てこなかったりするので、どうにかしたいと思っていたのです。
奥のほうにあって全然使われていない食器はホコリで茶色くなっていたりしたので、全部洗って拭いてきれいに詰め直しました。使わないんなら処分すればいいのにと思うんですが、「何かあったときに使うかもしれないじゃない」とのお答えなので。
来客用品はすぐ出せるようにして、普段使いの食器も取り出しやすいように並べなおし。半日がかりでした。
お風呂場(←両親はもともとアバウトな性格の上に老眼だから、いろいろ汚れている)も掃除したし、ガタがきていた洗面台も修理したし、自分の家にいるときより働いてしまいましたわ。
ああ、疲れた。でも汚れたものをきれいにしたり、乱雑になったものを整理するのは好きなので、それなりに楽しかったともいえます。
で、夕方に夫が車でお古のパソコンを運んでくる予定だったのですが、大雨のため中止。私はもう一晩実家に泊まって、電車で帰ることになったのでした。
あーあ、せっかく実家で使えるようにパソコンの設定をしたのに……。
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有里 (Alisato Akemi)