ご町内のバザー用の手芸材料の買い出し。私はサンプル作成係に任命され、ポプリ袋やらフェルトのマスコットやらを作成。こういうの結構好きで、ハマってしまいました。この分では、ホームページの更新がお留守になるかも…。
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9月23日に古書・古洞堂(URL:http://www.tt.rim.or.jp/~sugar/)に注文しておいた 『牧神』第2号 特集:不思議な童話の世界(牧神社, 1975.05)が届く。一緒に注文した『思潮』No.5―恐怖と幻想の夢象学―は品切れでした。代金は、郵便振替です。しかし、メールでの確認もなしに届いちゃいましたけど、いいんですかね? 手違いとか起こらないんだろうか?
新しい企画がスタートしたページをいくつかご紹介。
萩尾望都作品目録では、製作者の永井さんと『プチフラワー』の編集長さんとのお話や、「残酷な神が支配する」の感想メールの載った、特別企画のコーナーが出来てます。
The World of FOX(URL:http://www.pluto.dti.ne.jp/~tk-fox/index.html)では、FOX STUDIOというページがオープンして、HP作成者と対談する Let’s Go HP!のコーナーが面白いんですよ。そのうち私も載ります。
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何気なく、ブラウザのキャッシュを削除して気が付いた、しまった〜、まだローカルホームページに変換してない。私は、MEIさん作成の「Cache to WWW」を使用して、ブラウザのキャッシュにあるホームページをハードディスク上のローカルページに変換してます。
ええと、SFオンラインの9/18号でしょ、大森望さんの日記でしょ、あと、新しく開拓したページのキャッシュもぜーんぶ消えちゃったのね。
しくしくしく…。また読み出さなくちゃいけないのね。
図書館に『ユリイカ 特集:古書の博物誌』97年6月号が届いていたので、取りに行く。
目玉は紀田順一郎と荒俣宏の対談。
だいたい特集タイトル通り古書にまつわる話なのだが、唐突に「失われたタイポグラフィを求めて」という対談があって、この対談の意図がよくわからなかった。どうも古書の「装丁」と「活字」という観点から、古い活字の見本帳を集めているフォントデザイナーを呼んだらしいのだが、最近の『ユリイカ』ってそういう対談やインタビューの編集意図がどこにも載っていないだよね。ふつー、目次とかあおり文句とかに書いておくもんだと思うけど。
この他に詩集収集のためなら手段を選ばない男の話というも載っていて、なかなか面白かったのだけれど、それが評伝なのか小説なのかもよくわからないのであった。書物にまつわるアンケートというのもあって、赤木かん子さんも答えているけれど、これも人物の選定基準がよくわかんないし(肩書き見て、なんとなく想像するしかない)、いまひとつ編集意図が不明の特集でありました。
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K’s room (URL:http://www.tg.rim.or.jp/~dunsany/)で申し込んだ井辻朱美ファンクラブ会報『NIGHT RIDER』が届く。1号はエルリックの特集、2号はアイルの書の特集です。井辻さん御自身のインタビュー、翻訳メモ、短篇等も載っているなかなか内容の濃い冊子。翻訳メモなんて、すごく貴重な資料です。(^_^)
ロバート・アスプリン『進め、見習い魔術師!』(ハヤカワ文庫FT236)と、通販カタログの『はいせんす絵本』Vol.39を買う。主婦って、通販カタログ好きなのよね。(笑) 邪魔だからモノは買いませんけどね。特に、このFELISSIMOという会社は、バラ売りでなく、毎月1個づつ6回セットとかいう売り方をするから買いにくいんですわ。
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中山星香『妖精国の騎士』27巻 (秋田書店プリンセスコミックス)、
藤崎竜『封神演義』6巻(集英社ジャンプコミックス)、
竹宮恵子 増山のりえ『変奏曲 II』(創美社コミックス)、
『別冊宝島288 70年代マンガ大百科』(宝島社)、
篠田真由美『玄い女神』(講談社ノベルス)
を買う。
増山のりえさんって、原作にも関わっていたんですね。
『変奏曲 II』は、愛蔵版と雑誌掲載時に読んだものばかりだったので、ちょっと残念。これだったら、『ウィーン協奏曲』の方を買うべきであったか…。
『別冊宝島288 70年代マンガ大百科』は、読み応えのある特集。こういうオタク本を作るとなると、宝島社は強い。かつて漫画家になりたかった私には、増山のりえさんの「私には見えないカップの裏側は描けないし、想像もできない」という言葉がよく分かる。
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ロバート・アスプリン『進め、見習い魔術師!』(ハヤカワ文庫FT236)
見習い魔術師と異次元からきた魔物のお師匠様の次の事件は、宮廷魔術師としてたったふたりで、隣国の大軍を迎え撃つこと。おお慌てで異次元から連れてきた傭兵たちは、いまいち頼りになりそうもなくて...。
アスプリンのユーモア・ファンタジーの2作目。
さくさくと読めてしまう。駄洒落ばかりの作品なので、訳者は苦労していると思うが。
今回は、戦争物(笑)なので『銀河おさわがせ中隊』に近い雰囲気。とはいえ、アスプリンですから、真面目に戦闘するわけないのは、ご想像の通り。今回も安心してお楽しみください。
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篠田真由美『玄い女神』(講談社ノベルス) 読了。
ううむ、やるな。主要登場人物の名前が「狩野都」ときたもんだ。その上宴Xトに出てくる本があれだもんなぁ…。どうしても私にこのシリーズを読み続けさせたいわけね。(笑)
10年前インドで一人の男が死んだ。その場に居合わせたかつての友人たちの元に、男の恋人から招待状が届く。山中のプティ・ホテルに集められた男女を待っていたものは...。
建築探偵 桜井京介シリーズの2作目にして異色作。でもって、傑作。最大の欠点は、漫画じゃないってことでしょうね。
主要登場人物の名前が「狩野都」で、これは、吉野朔美の『少年は荒野をめざす』(ぶーけコミックス)の主人公の少女の名前です。私の大好きな作品でして、もちろん漫画のキャラクターイメージで小説も読みました。「狩野都」のイメージを知らない人が読んでも、傑作なのかどうかはよく分かんないんですが...。
言霊によって結び合わされた「狩野都」と「玄い女神」。幕切れまで見事な作品でした。桜井京介と蒼がこの「山荘物」のストーリーにどう絡むのかは読んでのお楽しみにしておきますが、蒼の絡み方はとても良かったと思います。
でもって、ラストに出てきたあの本、実は読んでましてね〜、ネタバレになっちゃうんで、書名は伏せますが、感想は[ここ]にあります。
このシリーズは、やはり漫画化すべきでしょう。1作目は森川久美か木原敏江。2作目は、もちろん吉野朔美。
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A.A.ミルン『ユーラリア国騒動記』(ハヤカワ文庫FT)読了。
ストーリー的にはいささか破綻してる感じですが、キュートな登場人物と想像力のジャンプの前にはそんなものは敵じゃない。(笑) なんといっても、ぶっとんだベルベイン伯爵夫人が最高。
朝食時に空飛ぶ靴を履いて城の上を飛び回っていた隣国の王様の髭を矢で打ち抜いたことから、ユーラリア国と隣の国が戦争を始めた。戦争に行く王の代理として城に残された王女にベルベイン伯爵夫人の陰謀がせまる。そこへやってきたのは、遠国の王子、しかし彼は、ベルベイン夫人によってうさぎの化け物に変えられてしまい...。
戦争勃発の原因のばかばかしさでも分かるとおり、能天気でチャーミングなメルヘン。ベルベイン伯爵夫人も悪人というよりは、ちょっと困った人なだけだし、戦争も始まりと同じようにとっても馬鹿馬鹿しい方法で終結します。
かつて『ぶーけ』に三岸せいこさんという漫画家さんがいたのですが、その人のいくつかの作品のキャラクターは、この作品の引用であることがわかりました。この小説の中のいくつかの素敵な文章は、マンガにそのまま引用されています。どうも『ユーラリア国...』の読後感想が暴走した結果が、「ものみな緑の春の姫」や「夢見る星に降る雨は」だったようですね。はっきりいって、漫画の方がオリジナルをしのいでます。
三岸せいこさんは筆を折ちゃった人なんですが、なんとか新たに『ユーラリア国』の表紙を描いてもらって、復刊...っていうことにはなりませんでしょうかね。
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旦那とつくば市までドライブ。
途中の本屋で『ミステリ・マガジン』97年11月号を買う。500号記念なので、過去の掲載作品総目録が載っているのです。(永田さんのホームページで知りました。永田さん感謝。)
つくば市では、古本屋ならぬブックリサイクルショップを4軒ハシゴ。読み終わった本をきれいにクリーニングして、新刊書店と同じように並べて、新刊書の半額以下の値段で売るという本屋さんが、つくばにはいくつもあるのです。さすが学生の多い学術都市。山と積まれた埃まみれの古本の中から掘り出し物を探すという楽しみはないけど、欲しい本を探すのには、とても効率がいい。
寄った店で良かったのは、学園平塚線沿いのトレモント・ホテルの側にある リサイクルブクセンターよみがえる つくば天久保店(つくば市天久保3丁目10-10)と学園東大通りと国道6号の交差点の側のケンタッキーの隣にあるBOOK-OFF 学園東大通り店。
この2軒で以下の本を購入。大漁!!。ちなみにこれだけ買っても3千円。
ハヤカワ文庫FTが多いのは、売ってしまった本をまた買い戻しているため。こんなことなら売らなきゃ良かった。
カードは、『エンダーのゲーム』と『死者の代弁者』が気に入ったので、これから読んでいこうと思っている。
中山星香『化身の都』のあとがきを読んでやっとわかった、W編集さんは、『アップル・ミステリー』の編集長だったのだな。あれって、宙出版だったのかぁ。ところで、このキャラクターたち『グリフォン・ガーデン』 のキャラに似てますね。
内田善美『草迷宮・草空間』は、目にした瞬間、引っ掴んでました。(実は、雑誌掲載時のきりぬきも持ってるんですが。) 1985年の初版で、1995年12月15日に16刷。うーむ、凄い。でも、この作品と『星の時計のLiddell』って、50年経っても古びないんじゃないかという気がします。
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ピアス・アンソニー『王子と二人の婚約者』(ハヤカワ文庫FT)読了。まあ、相変わらずの展開ですが、きちんと終わらずに次に続いています。この調子で9巻続くそうで…まったくあざといよなぁ、この作者は。
行方不明になったよき魔法使いハンフリーの一家を見つけだそうと、9歳のドルフ王子がたよりになる骸骨男を御供に旅に出た。手がかりは<ヘブン・セントのスケルトン・キー>という言葉だ。
今度の主人公は9歳のドルフ君。日々、姉アイビィの横暴さに泣かされているドルフ君は、女の子なんかうんざりだと思っているのに、なぜか女の子達に縁のある旅になりました。ザンスの第二期シリーズは、一話完結方式でないので、問題は次号へと繰り延べ。
相変わらず男の側に都合のいい理屈ばっかりでてきますなぁ。まあ、ドルフ君の言い分にも一理あるけどね(笑)。
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森博嗣『幻惑の死と使途』(講談社ノベルズ)
エスケープ・マジックを得意とする天才奇術師・有里匠幻が、衆人環視の状況の中で殺害された。しかも、死体となった後も、その最大にして最後のマジックを行うという!
裏表紙の文章いわく「自信に満ちたせりふと共にあらゆる状況からの脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が、衆人環視の状況の中で殺害された。」
「有里」!! 森博嗣作品の登場人物が「有里」!! おもわず口がムフムフするのを止められませんでした。(笑)
「有里」という名前が嬉しくて、冷静に読めませんでした。そういえば、京極夏彦の『狂骨の夢』も私の本名と同じ朱美さんがでてきて、冷静に読めなかったっけ。
なんとねぇ、「有里」が4人も出てくるんですわ。「有里」の大盤振る舞い。う、嬉しい。死体役だって嬉しい。(笑)嬉しさのあまり舞い上がってしまい、ホームページのトップに「有里匠幻の四番目の弟子、有里ノエルでーす」とか書いちゃおうかと本気で思いました。(笑)ちなみに、私が「有里」になったのは6年半前です。
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ジェイン・ヨーレン『三つの魔法』(ハヤカワ文庫FT)読了。
海の魔女の持ち物であった三つのボタンを巡る連作短篇集。魔法には代償がつきものだという話。
第一部は、ボタンの持ち主となった少女シアンナと海の魔女の話。第二部は成長したシアンナが冷酷な王と結婚と結婚しなければならなくなる話。第三部と第四部は、シアンナの息子ランの冒険物語。海の魔女というのは、魔法使いのおばあさんではなく、人魚のことでした。
めるへんめーかーの挿絵が似合った美しい話なのですが、タニス・リーのようなアクロバティックな展開ではなく、それでいてほのぼのではなく辛口の結末なので、なんとなく物足りなさを感じます。 もう少し、どんでん返しがあると面白いんですが。
ヨーレンって、アメリカに住んでたのね。名前から北欧の人だとばかり思ってました。
オースン・スコット・カード『ソングマスター』(ハヤカワ文庫SF) 読了。
これは良かった。人物設定が『エンダーのゲーム』と似たような感じですが、結局作家は一つのメロディを変奏するだけなのかもしれない。発想はアンデルセンの『皇帝と鶯』だろうと思うんですが、カードの手にかかるとこういう話になっちゃうんだねぇ。
人々の心を奥底からゆさぶる"魂の歌い手"ソングバードを求めて、若き恐怖皇帝ミカルはソングハウスを訪れた。ミカルが老境に達したとき、ようやく彼のためのソングバードが見つかる。全銀河をその歌声で魅了するといわれたソングバード アンセットの生涯を描く。
前半は、歌手養成学校であるソングハウスでのアンセットの生活、中盤はミカルの元でのアンセットの生活、後半はその後の生涯を描いています。どうもカードという人は、寄宿学校を描くのが好きみたいで、ソングハウスでの生活は『エンダーのゲーム』につながるものがあります。アンセットもエンダーと同様に一種の天才だし。
能力のある人間が疎外されるというのを描くのも上手いですね、カードは。
カードはSFというより小説です。もちろんSF的アイデアは詰め込まれているんだけれども、基本は『モンテ・クリスト伯』とか『レ・ミゼラブル』を面白がるような小説読みの人が面白がる「小説」としての面白さだと思います。というわけで、そういう小説読みなら、読んで損はない傑作。
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森博嗣さんのホームページの日記を一気に読む。
ブラウザのキャッシュから吸い上げたホームページデータの整理。SFオンラインとか大森望さんやジブリの日記とか、好きな素材ページなんかはHDDに取っておいていつでも眺められるようになっている。
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新・源氏物語経由(URL:http://kbic.ardour.co.jp/~newgenji/oldbook/index.html)で、 ミステリ専門ジグソーハウス(URL:http://kbic.ardour.co.jp/~newgenji/oldbook/jigsaw/jigsaw1.html)を発見。ハヤカワ文庫のSFやFTも置いてあります。もったいないので、ここを読んでいる人にだけご紹介します。(笑) FTを3冊ほど注文しましたが、どうなるかな?
インターネット本屋というのは、文庫本を買うにはいささか高いです。絶版本の調査など、しっかりしてあるから。本当は、古本屋の100円均一の山の中から掘り出し物を探すのが一番楽しいんですが、ほとんど出ないものもありますからね。しかし、この後、本屋のゾッキ本コーナーでで注文した本が見つかったらやだなぁ。(そのときは、1冊売ればよいのか…)
図書館に予約した柴口育子『アニメーションの色職人』(徳間書店)が届いたというで、取りに行く。
図書館にいくついでに森博嗣『まどろみ消去』(講談社ノベルス)も購入。
柴口育子『アニメーションの色職人』(徳間書店)読了。
ジブリの色彩設計を担当している保田道世さんの35年の職人人生を綴った本。柴口育子さんは、宝島社の『この文庫がすごい!』などにも書いているライターですが、文体があまり上品じゃない(←かなりの婉曲表現)ので好きになれませんでした。でも、この本は素材の良さも手伝って、かなり「いい仕事」をしてると思います。
保田道世さんの職人人生はといえば、これが凄いの一言。あの高畑勲監督が「同志」と呼び、宮崎駿監督が「戦友」と呼ぶ人なんだから、そりゃ並みの人じゃないのは判っていたけど、会社に寝泊まりして色彩設計の仕事をしていたのが、39歳のときですからね。なんてタフ...。
私は、色彩設計というのは、髪や目や服の色を決めればいいものだと思っていましたが、そんな生易しいものではなかったんですね。
物にはすべて色があります。でもって、水の中や夜や光があたっているところは色が変ります。同じ白でも素材によって、色が違います。逆に言えば、色によって素材を表すことができます。肌の色で、その人の性格や生活が現れることだってあります。服の色にその人の思想が表れることだってあります。そういうのを全部ひっくるめて、色を決めることが色彩設計のお仕事なんですね。溜め息...。
セル画のどこをどの色で塗ればいいか指定するのが、色指定。これも大変。何千枚、何万枚も色番号を指定しなくちゃいけない。しかも物理的な問題として、絵の具をどうするかという問題もあって、そういうのも保田さんがひとりで捌いていたらしい。
そういう大変な仕事だから、なかなか若手が育たなくって、ようやく『もののけ姫』で3人の女性にお仕事を引き継いでいけるような体制ができたらしい。アニメ雑誌の『もののけ姫』特集で、色彩設計についての記事が多かったのはそういう背景もあったんですね。
ジブリの日記を見ていると、クロマカラー(これは外国の会社。かなり品質管理がずさんだったらしい。)から届いた色が違うという話(96.10.25)が出てきますが、これは実はその後の作業の工程にも響く、もの凄く大変なことだったのですね。
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森博嗣『まどろみ消去』(講談社ノベルス)読了。やられました。熱心な読者ほどひっかかるかも(笑)。
えーと、好きなのは「真夜中の悲鳴」「やさしい恋人へ僕から」「悩める刑事」。楽しく騙されました。
森博嗣は、クリスティが好きなのですね。
ジェイン・ヨーレン『夢織り女』(ハヤカワ文庫FT)読了
表題作は、1ペンスもらって、夢を織る老女が語る7つの物語。
ジェイン・ヨーレンは、「現代のアンデルセン」と呼ばれるだけあって、その短篇はアンデルセン並みにシビア。一度手放した本をまた買い込んでの再読なんですが、この本が私の本棚に残っていなかったのは、このシビアさのせいのようです。
解説のN.H氏は、編集の引田直巳氏。現在の風間賢二さんです。
ヴィクター・ケラハー『魔道士の杖』(社会思想社教養文庫のA&Fシリーズ)読了。
1989年に出た社会思想社の教養文庫のA&Fシリーズですが、訳者が風間賢二氏。風間賢二氏は、ハヤカワ文庫FTの初期の担当者だった人。しかも表紙は、萩尾望都!って、ことは本来ハヤカワ文庫FTで紹介されてもおかしくない作品だったってことですね。つまり、面白いにちがいない…と思って読みはじめた勘は正しかった!
森の中で目覚めた少年は、記憶を失っていた。少年デリンは、乳母だという老婆マーナと出会い、兵士たちに連れ去られた父の後を追う。十芒星の印、肩に舞い下りる大烏、謎が謎を呼ぶミステリ仕立てのファンタジー。
ミステリ仕立てなので、最後までぐいぐい読まされてしまいます。でも最後に謎がすべて解けるわけじゃないのがちょっと残念。オーストラリアの作品ですが、ウィラン・サーガ並みに面白いです。
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篠田真由美『翡翠の城』(講談社ノベルス)と『灰色の砦』(講談社ノベルス)を購入。
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友人より、坂田靖子さんが描いていた同人誌『ラヴリ』のバックナンバー1号〜22号が届く。花郁悠紀子さん、波津彬子さんも描いていた金沢の実力派同人誌です。発行は、20年近くも前になります。しばし読みふけり、感慨にふける。
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ミステリ専門ジグソーハウスから注文しておいた、文庫が届く。
新品同様の美本で大満足。これだったら、送料にプレミア価格を払っても惜しくないです。
篠田真由美『翡翠の城』(講談社ノベルス) 読了。
翡翠色の沼のほとりに建つ奇怪な建物 碧翠閣。列柱を並べたイタリア風洋館の上に宇治の鳳凰堂を思わせる和風の屋根をいただいて―。その隠された紅蓮の部屋で何が起こったのか? 悲運の建築家 下田菊太郎の人生を絡ませつつ、建築探偵 桜井京介が謎を解く。
タイプとしては、1冊目の『未明の家』に近い。ある建築物とそれにまつわる一族の悲劇の謎を桜井京介が解いていく。建築家 下田菊太郎の評伝がからむのは面白いが、1冊目と同じような趣向なのがいまいち。
初登場の神代教授は面白い。なんといいましょうか、このシリーズ、素材も味付けもいいのに、煮込みの足りないシチューのような感じがするんですよね。キャラクターと建築物の面白さ、ミステリとしてのプロット、モチーフそれぞれがうまく溶け合っていない感じ。
いっそ、映像化か漫画化しちゃった方が、うまくまとまるんじゃないかと思います。
篠田真由美『灰色の砦』(講談社ノベルス) 読了。
1988年冬、大学に失望し、自分の居場所を見出せなかった19歳の栗山深春は、その下宿屋で彼らと出会った。天才建築家フランク・ロイド・ライトを巡る謎を背景に、栗山深春が語る「建築探偵・青春編」。
タイトルには、東大安田講堂の陥落というモチーフが隠されているのだけれど、時代設定が1988年なので、あまり効果をあげていない。そのとき生まれてさえいない登場人物に「砦の崩壊」の意味を語らせるのは、ちょっと無理だったんじゃないかと思う。 1953年生まれの作者にとっては、東大安田講堂の陥落は、一つの象徴なのだろうけれど。
下宿屋の生活、栗山深春と桜井京介の友情のはじまりや、フランク・ロイド・ライトの評伝部分はとても面白い。やっぱり最大の失敗は、これを1988年の物語として設定しちゃったことでしょう。桜井京介物の時間軸が1995年を現在としているから仕方ないことなんだけどね。
漫画化するとしたら、萩尾望都か西炯子なんてどうでしょう。
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『ネムキ』11月号と山岸凉子『甕のぞきの色』(秋田書店プリンセスコミックス)を買う。
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イアン・マクドナルド『火星夜想曲』(ハヤカワ文庫SF)読了。いやぁ、凄かった。傑作です。
ある惑星の赤い砂漠の中のオアシスに忽然と出現した町 デソレイション・ロード。その町が拡大し、半世紀後には跡形もなく消え去るまでの年代記。
ひとつの町の年代記であり、主要登場人物だけでも20人以上いて、それぞれの運命が網の目のように(あるいは織物のように?)繋がっているので、あらすじを紹介するのはあまり意味がない。人々が集まり、定着し、町が承認され、拡大し管理され、あるものは去りそして戻り、混乱と暴力と殺戮と破壊が起こり、町は衰退し荒廃し、やがて消えるのである。
ブラッドベリの『火星年代記』を乾かして埃っぽくして、各種SFのスパイスを振り入れ、ガルシア=マルケスのお皿に盛ったような凄い作品。読まなきゃわかんないです、この凄さは。
目下『エレンディラ』も読んでいて、これも面白いので、やっぱり『百年の孤独』も読まなくちゃね、という気分になってます。
G.ガルシア=マルケス『エレンディラ』(ちくま文庫)読了。
「マジックリアリズム」と呼ばれるガルシア=マルケスの短篇集。凄いといわれていたガルシア=マルケスは、確かに凄い。日常生活を描いていた話が当然のごとくに幻想的な物語に突入してしまう(奇妙な事態がおこっても、だあれも慌てふためかない)のが、「マジック・リアリズム」というものらしい。
貧しい家の庭先に"天使"がやってきてしまう「大きな翼のある、ひどく年取った男」や、ひとりの水死人が流れ着いたことでひとつの村が美しく変っていってしまう「この世でいちばん美しい水死人」、オチが気に入った「奇跡の行商人、善人のブラカマン」が好きです。
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図書館より京極夏彦『嗤う伊右衛門』(中央公論社)が届いたとの連絡があり、取りに行く。
ふるほん文庫やさんが、新・源氏物語の中に移ったらしい。サーチエンジン「スーパー・源氏」で検索ができるようになった。
キーワードを「ハヤカワ文庫FT」とするとハヤカワ文庫FTを検索できる。ちなみに「FT」と入れると、ミステリ専門ジグソーバズルのものが検索できる。FTのほとんどの絶版本はふるほん文庫やさんにあるようだ。ただし、あそこは絶版本は一律\1280なので、ちょっと割高感あり。
ルイス・キャロル『シルヴィーとブルーノー』(ちくま文庫)読了。面白いけど物語としては破綻している。これは、実は『リトル、ビッグ』のための参考図書。
主人公は、妖精シルヴィーとブルーノーと一緒に奇妙な人物がいっぱいのフェアリーランドにいたはずなのだが、ふと気が付くと現実世界で、目の前にはミュリエル嬢がいる。
一応前半は、フェアリーランドの王女と王子であるシルヴィーとブルーノーが大臣夫婦の陰謀に巻き込まれる話だったのが、第14章あたりからあやしくなりはじめ、シルヴィーとブルーノーは、現実の世界に人間の子供として現れ、最後は、現実世界のアーサー青年のミュリエル嬢への失恋話で幕を閉じる。
なんだか3本の物語の断章をつなぎあわせたみたいに思えます。どうやら、ルイス・キャロルの物語のあらすじを語ることほど無駄なことはないようで...。
今の作家だったら、ちゃんとシルヴィーとブルーノーが大臣夫婦の陰謀を打ち負かすところまで描くんでしょうけどね。
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京極夏彦『嗤う伊右衛門』(中央公論社) 読了。
四谷怪談の元になった「四谷雑記」を京極夏彦が語り直す。最も恐ろしいのは人の心の闇だと...。
この作品の最大のポイントは、民谷岩を「正しすぎる女」「自立しすぎる女」として設定したことでしょう。京極夏彦は女を恐がらない人なので、決してフェミニズムを揶揄したりはしないんですね。だから、民谷岩を愚かでも哀れでもなく、ただ「綺麗な」人間として描くのに、それでも悲劇は起る。
伊右衛門はお岩を愛し、お岩も伊右衛門を愛する。だけど、言葉はすれ違い、気持ちはすれ違う。伊右衛門とお岩の夫婦は、まさに現代の夫婦像だと思います。
伊右衛門の純愛物語といっていいのだろうけれど、ラストが「笑い」でなく「嗤い」なのが哀しい。
あともうひとつのポイントは、作中何度も現れる「きれい」と「醜い」の定義。「美男作家」と言われる京極夏彦の逆襲...かもしれませんね。
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『活字倶楽部 '97年秋号』と荒俣宏『ブック・ライフ自由自在』(集英社文庫)を買う。後者は集英社のホームページでは『ブラック・ライフ自由自在』になっていた。(笑) おもわず「黒魔術か〜!?」とか思いましたけど、実際、ブック・ライフは楽しくも苦しいブラックライフであるらしい。
『五つの壷』(ハヤカワ文庫FT)を読了し、M.R.ジェイムズの表題作が面白かったので、勢いで風間賢二編『ヴィクトリア朝妖精物語』(ちくま文庫)。でも、これにはM.R.ジェイムズは入っていなかったです。G.マクドナルドの「お目当てちがい」の改訳版が入っていて、改訳版の方が読みやすかった。
岡田淳『ふしぎな木の実の料理法』も借りてくる。
M.R.ジェイムズ他『五つの壷』(ハヤカワ文庫FT) 読了。
表題作は、魔法の薬の入った五つの壷を見つけた男の話。壷を奪おうとするあやしい影たちの存在が不気味。
G.マクドナルドの「お目当てちがい」は、妖精に連れ去れた男女の話。でも、風間賢二編『ヴィクトリア朝妖精物語』(ちくま文庫)に入っている改訳版の方が読みやすいです。
おなじくG.マクドナルド「城 −ひとつの寓話−」は、巨大な城に住む兄弟たちの寓話。どうやらキリスト教的に読み解く話のようですが、そんなことを考えなくても、幻想の建築物としての「城」が魅力的。
『ぱふ』別冊ということで、『ぱふ』とおなじく、読者のイラスト満載で異様な雰囲気を醸し出す一冊(笑)ですが、プロの手になる書評や特集ページは、情報量、質ともになかなかのもの。基本的に気に入った本を紹介する雑誌なので、とってもパワフル。
自称「評論家」たちの評論と呼ぶにはあまりに幼稚すぎるこきおろし書評よりも、「好きなものは好きっ!」という素人たちの熱意あふれるこの雑誌の投稿の方が、私にはずっと好ましく思えます。何かに対して否定的な評をする場合、評価する対象よりも評価する人物の歪みの方が表に出ることが多いんですよね。どうせ歪んでるなら、楽しく歪みたいものです。
荒俣宏『ブック・ライフ自由自在』(集英社文庫)
本に魅入られた男 荒俣宏の1986年から1991年にかけての苦しくも楽しい本に捧げた日々の記録。衣食住に掛ける金は削っても、高額な古書には金を出す、壮絶な書狂のロマン。でも、それで結局、身体を壊したわけで、うらやましいというかなんというか...。
こういうの読むと、アラマタさんの本だけは古本屋でなく新刊で買わなくちゃって、気分になるんですよね。荒俣基金とか荒俣文庫とかできたら、寄付するぞ、私は。
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※スタイルシートを使用してます。スタイルシートが有効なブラウザで見ると少し雰囲気が変わります。
最終更新日:2001/09/14