「有里の本棚」の井辻朱美特集のため、図書館で『夢の仕掛け』を借りる。
解説を書くため、『エルガーノの歌』『風街物語』などを再読する。
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金蓮花『竜の眠る海』(集英社コバルト文庫)を買う。
金蓮花『竜の眠る海』(集英社コバルト文庫) 読了。
緑に覆われ人々が眠りについてしまった王国にたったひとり残された王子とその島にやってきた傭兵が、魔女の呪いを解くため旅に出る。
長い間あたためていたという物語だけあって、細部のイメージが実に美しい。特に「地図」がでてくるいくつかの場面(眠る王女の上に浮かぶ羊皮紙、梢から落ちた朝露で変化する地図etc.)は、実に鮮やか。CGアニメにでもしたらさぞ見栄えがするだろう。ただ、作品を執筆する際に新たに生まれたというキャラクター、傭兵のジェイファン・スーンがからむ場面が、もともとの構想といまひとつしっくりいっていない気がするのが残念。(でも、キャラクターとしては魅力的です。)
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井辻朱美の訳書リストを作るとき、手持ちの解説目録(92年版)では絶版本を検索できないことを発見し、ハヤカワ文庫FTの総目録を作ることを思い付く。
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図書館にいき、『SFマガジン』のバックナンバーを漁って、ハヤカワ文庫FTの情報を探す。
が、なんということだ、バックナンバーは1年分しか保管されず、しかも今年度から購入は取りやめになったのだという。しくしくしく。でも、気を取り直して、作業に励む。
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ハヤカワ文庫FTの最近出た本を確認するため、本屋にいって、ハヤカワ文庫に挟んである新刊案内を片っ端から読むというゲリラ作戦を行う。
そこで、フィリス・アイゼンシュタインの新刊情報を発見。喜ぶが、後にその本は発行されなかったことが分かる。
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車で、本屋へ行く。
ハヤカワ文庫FTは、早く買わないと絶版になることがわかったので、いままで買うのをためらっていた二冊を買う。
なんというか、血の匂いのするハードな2冊で続けて読むのは辛いかも。
本屋をふらふらして、ひょいと横をみたらハヤカワ文庫の目録があった。
本の神様は私に味方してくれているのだと思った。
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図書館でトム・リーミィ『沈黙の声』を借りる。
サンリオ文庫版を持っているのだが、実家にあるのだ。(と思ったら売ってしまったらしい。なんてことだ。)
トム・リーミィ『沈黙の声』(ちくま文庫) 読了。
サンリオ文庫版を読んだときには、大嫌いだと思ったものだが、再読してみたら名作だった。50年代の南部アメリカの空気を肌で感じることができる。確かにトム・リーミィはその早すぎる死が惜しまれる作家だ。私が悪うございました。
最初に読んだときに嫌いだったのは、人がやたらと死ぬからだったらしい。(どうも私はローズに感情移入していたフシがある。)
前半と後半で訳註の表記の仕方が違うのが気になった。
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【『ゲド戦記』のホームページ】を見ていたら、読みたくなって『ゲド戦記』を再読。やっぱり名作だ。
アーシュラ・K.ル・グィン『ゲド戦記 影との戦い』(岩波書店) を読む。
ル・グィンのファンタジーの名作。再読して思ったが、やはりこれはジュブナイルであるし、そうであるのが正しい。
メインの影との戦いよりも、前半の魔術師の学院でのゲドとヒスイとの確執の方が興味深かった。以前と違い、現在の私は、ゲドに感情移入するというよりは、ちょっと離れたところから見ることができる。(魔術師学院の賄いおばさんみたいな気分です。(笑))だから、今はゲドやヒスイの言動の後ろの脅えや不安がよく分かる。
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横浜へ里帰りしたのだが、そのついでに神田の古本街へ寄った。
私は、本の並べ方にポリシーのある三省堂書店が好きなのだが、文庫と小説のフロアに入ったとたん、鼻炎が悪化した。埃のせいだろうか?
1時間ねばったが、しまいに涙と鼻水でまともに本の題名が読めなくなったので、仕方なく退散(涙)。
1階の雑誌フロアで、『幻想文学』誌バックナンバーを見つけ、買いあさる。
『SFマガジン』と『ミステリマガジン』のバックナンバーを扱っている店を探したのだが、見つからなかった。
岩波ブックセンターで、急に思い付いて『思い出のマーニー』を買う。児童書の目録もあったので貰ってくる。最近、目録の重要性に目覚めたのだ。(笑)
実家の近くの古本屋にも寄る。ここは、絶版文庫にはハトロン紙でカバーを掛けている。(勉強してる本屋さんなんですね。)100円コーナーで何冊か買う。
柳瀬尚紀『翻訳は実践である』(河出文庫) 読了。
柳瀬氏のエッセイであるが 「★はたまにチェス形で書く」などは元ネタを知らないせいなのか、難しすぎて全然わからなかった。
巻末の「辞書はジョイスフル」というエッセイで、なんと柳瀬氏が新潮社で単独の英語辞書を作成中とのこと。出来上がるのは21世紀だそうだが、橋本治の「桃尻語訳古語辞典」と並べておいたらさぞ壮観だろう。今から楽しみである。
エリス・ピーターズ『背教者カドフェル』(現代教養文庫)読了。
修道師カドフェルシリーズの20巻目にして最終巻。
カドフェルシリーズは大好きで、1巻目から19巻目まで発行されたら直ぐに買っていたのだが、95年の末に会社勤めをやめ、したがって現代教養文庫を置いてあるような本屋に寄ることも少なくなっていたので、この20巻目が出たのもぜーんぜん知らなかったのだ。
行方不明のオリヴィエ・ド・ブルターニュを救うため、破門覚悟で旅に出るカドフェル。歴史上の実在の人物(それも大物!)が出てくるためか、いつもなら作品を彩る若者たちのロマンスが影を潜め、かなりハードでスリリングな展開。シリーズの幕切れにふさわしい大団円だが、もう、これでカドフェルのお話が読めないのは悲しい。
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横浜の実家から、Nifty Serveのパティオのオフ会に向かう。
場所は秋葉原なのだが、横浜でいろいろ買い物をする。
さらにちょっと足を伸ばしてまた神田の古本街へ寄る。
ふらりと入った古本市で、ホフマン作品集を定価の三分の一で購入。実はこの本、書棚からタッチの差で抜き取ったのだ。隣に立っていた人も、この本が欲しかったらしく、私が書棚に返すのを辛抱強く待っていたようなのだが、ふふん、早いもの勝ちさ!
特集は、「時代ミステリで過去に遊ぶ」。修道師カドフェルについての記事とエリス・ピータズのエディス・パージェター名義の短編「公爵夫人と人形」が載っていたので、思わず買ってしまった。でも一番面白かったのは、坂田靖子のミステリコミック「エルシノア城殺人事件」だった。
初めて『ミステリマガジン』を買ったのは中学生の時だったと思う。バイプ煙草の匂いのするような"大人"の雑誌という感じで、ほとんど理解できなかった。(苦笑)
久々に読んだ『ミステリマガジン』は、あの頃の雰囲気に戻っているようだ。でも昔と違って、執筆者の1/3は女性なんだな〜。
小泉吉弘『ブッタとシッタカブッタ』(メディアファクトリー)
小泉吉弘『そのまんまでいいよ』(メディアファクトリー)
副題に「心の運転のマニュアル本」とあるように、ウジウジウダウダあるいはイライラキリキリしてる人は、これを読んで、気楽に心の動かしかたを知りましょうという4コマ漫画本。
「迷えるブタたち」の章を自分のことは棚にあげて、大笑いして読みました。 "理想的な自我が大きすぎるブタ"とか"他人に理解されないと気が済まないブタ"とか"相手を理解できないブタ"とか思い当たるところがあって、実に面白かったです。自分のことだけでなく他人のことも笑い飛ばしてすっきり!
金蓮花『剣の末裔』(集英社コバルト文庫) 読了。
『竜の眠る海』の続編。
故郷に戻ったまま帰らない暁の傭兵の足跡を求めて、リューイ王子はカディア皇国を訪問するが……。
今回は、前作と違って、キャラクター重視のお話。肌や髪の色による差別という問題を扱っているものの展開は甘い。まあ、王子の教育係りである超美形のゾーイ・ギース教授や、一国の統治者のくせして気さくでいい男のダーシャ皇帝などなどの言動を楽しむのがいいんだろうなぁ、今回は。(←贔屓の暁の傭兵があんまりでてこなかったので、すねてる(笑))
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最終更新日:2001/09/14