diary Alisato's 本買い日誌
1997年 09月 *


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1997年 09月

読了本一覧

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1997.09.01 (月)

 手話サークル(というのに入っているんです)に行き、山本おさむ『どんぐりの家』(小学館ビックコミックススペシャル)1巻、2巻を貸してもらう。「どんぐりの家」は、埼玉県にある、ろう重複障害者のための施設である。読んで泣いた。

昨日(97.08.31)の朝日新聞の読書欄に『幻想文学1500ブックガイド』が載っていたので、国書刊行会に電話をして注文する。応対に出たお姉さんは「その本なら今、書店にたくさん出ていると思いますが…」といっていたが、うちの方じゃ、国書刊行会の本なんて扱っていないってば(苦笑)。郡や大字がつくうちの住所を聞いて、担当のお姉さんも納得した様子(笑)。送料400円で着払いで送ってもらうことにする。それでも、この本があると思われる本屋へ行く電車賃より安い。

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1997.09.02 (火)

 隣に住む夫の実家では稲刈りをするので、うちの夫も労働奉仕をしに行く。猫の手の私は家で留守番。

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1997.09.03 (水)

 免許の書き換えに行く。ペーパードライバーなので、今度からゴールドカードである(笑)。

波津彬子の「井筒」というマンガを読むため、『ネムキ』9月号を買う。川原由美子は、巻頭の「観用少女」を落とした模様。どうも前科もあるらしく、御病気をでっちあげることもしない『ネムキ』編集部であった。(笑)

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1997.09.04 (木)

 「幻想文学」編集部編 石堂藍・東雅夫『幻想文学1500ブックガイド』(国書刊行会)が宅急便で届く。なんて早いっ!季刊『幻想文学』は、ほとんどのバックナンバーを持っているのだが、一冊にまとめられたのはとても嬉しい。

『幻想文学1500ブックガイド』

『幻想文学1500ブックガイド』 (「幻想文学」編集部編 石堂藍・東雅夫著, 国書刊行会)

 国内唯一の幻想文学専門誌『季刊 幻想文学』で特集されていた国別の「幻想文学ブックガイド」をまとめたもの。小説だけでなく、詩も戯曲も網羅してあるのがポイント。ファンタジー好きならぜひとも持っていたい本。とはいえ、かなり文学寄りのラインナップなので、いわゆるライトファンタジーの読者にはちょちハードかも。だいたい、RPGの解説書と同じ棚に並んでいるようです。(編者には不本意なことかもしれませんが…)

ウィリアム・ゴールドマン『プリンセス・ブライド』

ウィリアム・ゴールドマン『プリンセス・ブライド』(ハヤカワ文庫FT)

 『明日に向かって撃て』『マラソン・マン』のウィリアム・ゴールドマンが、子供のころ好きだったフローリン国のS.モーゲンスターンの書いた<真実の愛と冒険の物語>の娯楽抜粋版を紹介する、という体裁の本。
絶世の美少女キンポウゲ、その恋人のウエストリー、父の仇を探す剣士イニーゴ・モントーヤ、心優しい大男フィジックといった魅力的な登場人物が活躍する手に汗握る冒険活劇… なのだが、ところどころで、ゴールドマンが顔を出してはシニカルに注釈を加える。要するに<真実の愛と冒険の物語>のパロディである。読者を引き込む技はさすが。『図書室のドラゴン』などと違い、ゴールドマンの皮肉な注釈の裏に、登場人物と物語への愛情が透けてみえるので、後味は悪くない。

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1997.09.05 (金)

 リンクページのリンクチェック。いくつかURLが変っているところがあるようです。

廣部@長浜市立北中学校さんから、私の素材を使用したとのメールをいただく。実は、そういうキトクな方は、この方が始めてです(笑)。そのホームページ「ふるさと ながはま」は、リンクページに紹介してありますが、廣部さんは、そのページ以外にも長浜市立北中学校のホームページの作成も担当してらっしゃるそうで、 「Hideo Hirobe's Homepage」(URL:http://www.biwa.or.jp/~hirobe/)にあるホームページ開設までの舞台裏の日誌が興味ぶかいです。学校でなにかやろうとすると、予算の壁が立ちふさがるんですね。

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1997.09.06 (土)

 マウスの右クリックが効かなくなり、新しいのを買いに行く。今は1500円でマウス買えてしまうのね。
その店で、ゲーム雑誌をせっせと立ち読むする。「FF7 インターナショナル」というのが出るとのこと。同じゲームにオプションつけて売る気か〜、セコイぞスクウェア、とか思いますが、新しいイベントが増えているそうなので、買っちゃうんだろうなぁ、きっと。

行き付けのレンタルビデオ屋兼本屋の棚おろしがあったらしく、マンガ本の棚の中身が入れ変っていて、ずっと探していた佐藤史生『ワン・ゼロ』の4巻を発見。嬉しい。

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1997.09.07 (日)

ゴードン・R.ディクソン『ドラゴンになった青年』

ゴードン・R.ディクソン『ドラゴンになった青年』(ハヤカワ文庫FT)


 英文学の大学助手のジムは、講師の口がないため、恋人のアンジーとも結婚できない。そんなとき、怪しげな霊体プロジェクション実験のアルバイトをしていたアンジーが、異次元世界へと飛ばされてしまった。アンジーを追って異次元世界へ飛び込んだジムは、中世さながらの世界へ着く。しかも、ジムの身体はドラゴンになっていた!

 というお話。現実世界の部分の、助手の悲哀がなんだかとってもリアル。この後、物言う狼やら、騎士やら、弓の名手の美女やら、弓の名手の男やら、老ドラゴンやら、老魔法使いやらがぞろぞろと御供についてきて、悪いやつをやっつけるお決まりのパターンになります。でも、これが書かれたころは、それが「お決まりのパターン」ではなかったんだけどね。
ザンスシリーズの訳者が訳しているせいか、雰囲気はザンスに近い。ドラゴンの生態がもっともらしくて面白い。

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1997.09.08 (月)

 図書館にいったところ、なんとジョン・クロウリー『リトル、ビッグ I』(国書刊行会)を新規購入刊本の棚で発見。さっそく引っつかんできました。あの図書館の客層に合った本とも思えないから、マニアな係員が自分の好みで仕入れたに違いない。もっともマニアな本好きが3人ぐらいいて、せっせとその手の本を借りていれば、統計上は、幻想文学が売れ筋って出るのかもしれませんが。(笑)

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1997.09.09 (火)

ジャック・フィニィ『夢の10セント銅貨』

ジャック・フィニィ『夢の10セント銅貨』(ハヤカワ文庫FT)を読了。

妻にも仕事にもうんざりしている男が、「あちらの世界」のコインを見つけ、「あちらの世界」とこちらの世界をいったり来たりするシニカルなファンタジー。
もう少しリリカルな作品だと思っていたが、むしろフレドリック・ブラウン的。

読んでいるときは気が付きませんでしたが、『ゲイルズバーグの春を愛す』に収録されている「コイン・コレクター」を長篇化したものでした。基本アイデアは同じで、増えた部分は主人公の性格描写に使われているのですが、この主人公が常に白昼夢にひたり、突飛な思い付きを実行に移すストーカーまがいの奇行の人として設定されているので、「あちらの世界」がこの男の妄想なのかどうかはっきりしません。ラストの逆転ホームランによって、どうやらファンタジーとして落ち着くのですが…うーん、いまひとつスッキリしない読後感。

 「ゲイルズバーグの春を愛す」や「愛の手紙」などで、フィニィはノスタルジーに満ちた叙情的な短編を書く人だと思っていたのですが、どうやら彼が優しくなれるのは過去に対してだけで、現在と現実に対してはひどく毒のある皮肉な見方をしていたようです。

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1997.09.10 (水)

 発作的に千代紙背景を作りはじめる。本当は、ハヤカワ文庫FTのおすすめのコーナーを更新しなきゃいけないんですけど。無節操にコーナーを増やしているので、収拾がつかなくなっております。(苦笑) でも、同じ事ずっとやっていると、飽きるんだもの。

Index to Anthologies(URL:http://www.linkclub.com/~k-nomura/index.html)を覗きにいったところ、 東京真空地帯(URL:http://www.linkclub.com/~k-nomura/tokyo/tokyo.html)という新コーナーができているのを発見。東京のゴーストタウンを紹介するページなんですが、現実なのに幻想的で不思議な気分になれるおすすめページです。

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1997.09.11 (木)

 ひたすらFF7の2回目。ついにディスク3枚めに突入。

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1997.09.12 (金)

ジョン・クロウリー『リトル、ビッグ I』

ジョン・クロウリー『リトル、ビッグ I』(国書刊行会) 読了。


 大都会の彼方、とある森のはずれに建つ広大な屋敷「エッジウッド」。そこでは「こちら」と「あちら」の世界が重なりあって存在していた。 19××年のある日、青年スモーキィは、屋敷の主の娘と結婚するため、奇妙なやり方でエッジウッドを訪れた。

 「リトル・ビッグ」だと思っていたら、「リトル、ビッグ」、すなわち「小さい、大きい」という矛盾する二つの形容詞が並んでいる題名だった。この題名からピンとくる人もいるかもしれないが、中身はルイス・キャロル的イメージに満ちている。たとえば登場人物の名前、少女たちの写真、鏡を通り抜ける、森の中のテーブル等。また、[1]エッジ・ウッドのV 「森の中で」では『遠野物語』的展開の上に衣装箪笥(いうまでもなく『ナルニア』の重要アイテム)まで登場する。いったいこれは何だ?

 登場人物たちの名前もDrinkwaterだのUnderhillだのMouseだのBirdだのFlowerだのWoodsだのMeadowsだのと、なにやら「あやしい」。ひょっとしてアレゴリー的に読み解かなくてはいけないものなのかもしれない。ルイス・キャロルと共にC.S.ルイスが関係しているとしたら、彼はアレゴリーについての研究書(Alegory of Love)も残しているからだ。「恋愛詞華集」だの「アート・オブ・メモリー」だのという言葉(宮廷風恋愛に関連した書名に引っかけてあるらしい)がでてくるので、多分そうだと思うのだが、翻訳を通してだと元の単語がわからなくて、もどかしい。こうなると、瀬田貞二氏がフロド・バキンズの変名を「山ノ下氏」と訳したのも一つの手であったという気がしてくる。
(2002/09/25追記:「アート・オブ・メモリー」は「記憶術」でした。イェイツ『記憶術』(水声社)【bk1(00953331)】などに関係ありそう)

 FF7をデフォルトの名前で遊んでいる最中だったので、中に出てくるおばさんの一人が「クラウド」と呼ばれているのには参りました。(苦笑)

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1997.09.13 (土)

『ユリイカ』 97年9月号「特集*児童文学 イノセンスの怪物」

 『ユリイカ』 97年9月号「特集*児童文学 イノセンスの怪物」 を買う。

赤木かん子の「アダルトチルドレンと<児童文学>」というインタビューが目的だが、これが大変面白くて 1200円のモトは取れたと思う。その他には川島誠の「『罠』としての児童文学」が面白かった。『ユリイカ』編集部が現代日本の児童文学を読んでいないという舞台裏までバラした上で、灰谷健次郎が「児童文学」の「罠」に陥っているのではないかと指摘する。

目次からいくつかの記事を拾い出してみる。
 「子供の本とは」A.A.ミルン
 「ウェンディが大人になって」J.M.バリー
 「ばら色の雲を紡いで、透明にして」矢川澄子インタビュー
 「アダルトチルドレンと<児童文学>」赤木かん子
 「いつも詩の時間 J.M.バリーとA.A.ミルンの知られざる姿」安達まみ
 「児童文学という<幸福> 「児童文学」ジャンルの社会的機能」中村哲也
 「キャラクター化する児童文学」森下みさ子
 「『罠』としての児童文学」川島誠

 特集タイトルとこの目次から、編集部の意図はなんとなく透けてみえると思う。川島誠氏が書いているところによると、内容案は「イノセンスの幸福を約束し、抑圧を再生産し続ける悪循環の装置としての<児童><文学>」だったらしい。こどもの本を書いている川島氏はこれに反発しているが、実際ごくごく一部を除いて、日本の<児童文学>ってそういうもんでしょ?<児童文学>は、本として読まれないままキャラクター化されて消費され、「児童文学する人々」は自分に酔い、「子どもに”いい本”を与える」ことに酔う。

 私は常々、安易に「童話」を書こうとする人々や、子どもに「与える」本を等級づける人たちの態度には疑問をもっていたので、この特集は興味深く読みました。私が子どもの本を読むのは、もっぱら自分の問題解決のためでして、「童心」とかいう言葉を聞くと、思わず「ケッ!」っと、思ってしまうのでした。(というわけで、私のホームページの子どもの本に関するリンク集には「子どもに”いい本”を与える」ことを目的としたページは入っていません。)
 大人が「児童文学する」(「読む」ではないので念のため)ことの気持ち悪さを「罠」という言葉で表した『ユリイカ』編集部のセンスはいい線いっているのでは。

中山星香『妖精国の騎士』

中山星香『妖精国の騎士』28巻(秋田書店プリンセスコミックス)と双葉文庫版の『はい、どうぞ!』も買う。中山星香の初期短編はは双葉社の「日本漫画家大全」にも入るらしい。私は、『ファンタムーシュ』以来のファンで一時はファンクラブにも入っていた。当時はオトメチックコメディ漫画全盛期で、星香さんがファンクラブ会誌で、 Very Special One Patternな恋愛コメディを描いてアンケートの上位を取らないとファンタジーが描けないと嘆いていたのを思い出す。今やファンタジー漫画ばかりで、隔世の感がありますね。

荒俣宏『新日本妖怪巡礼団 怪奇の国ニッポン』

荒俣宏『新日本妖怪巡礼団 怪奇の国ニッポン』 (集英社文庫)も買う。
集英社文庫では、[荒俣宏コレクションII」と銘打って、これから毎月荒俣さんの本が出るという。すごいですねぇ。

 かつて「妖怪巡礼団」として日本の心霊スポットを荒らしまくった荒俣宏が、「巡礼団」を再結成、江戸時代の妖怪研究家、平田篤胤先生ゆかりの地を訪ね歩いたり、蛇神、犬神のあとおったり、人魚やカッパのミイラを探したりする。日本にはまだまだ不思議な場所が残っているもんなんですねぇ。

 このところ「もののけ」が大流行ですが、基盤を作ったのは水木しげる先生、最初に火をつけたのは荒俣さんの『帝都物語』だったのでしたねぇ。

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1997.09.14 (日)

 『リトル、ビッグII』を図書館に借りにいったところ入っていないそうで、予約を入れてきた。
岩波新書の『短歌パラダイス』とか、柴口育子『アニメーションの色職人』(徳間書店)とか、『ユリイカ』 97年6月号 「特集 古本の博物誌」とか読みたい本はいろいろあるんですけどね。

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1997.09.15 (月)

 Qサクの部屋(URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~kawana/qsaku.HTM)のQサクさんから、リンクのメールを戴きました。「寺山修司に教えを受けた異色の童話作家 森忠明」さんのファンページとのこと。

検索エンジンで遊んでいて、橋本治の著作リストを発見。大和弘明さんのデジタルももんが(URL:http://www.tama.or.jp/~yamato/index.html)の中にあります。

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1997.09.16 (火)

 高橋誠さん&鈴木朝子さんからハヤカワ文庫FT総目録の記述ミスの指摘を戴いて、おお慌てで修正。

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1997.09.17 (水)

 どうも一日中、FF7を遊んでいた気がする。

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1997.09.18 (木)

 Books.or.jp(URL:http://www.books.or.jp/)というサイトが出来たことを知り、早速検索。なんと、花郁悠紀子さんのコミックスがまだ手に入ることを知り、秋田書店に電話で確認。本当に在庫があるのだという。目録にも出ていないから、てっきり絶版だと思っていた。しかし、埼玉の辺境からだと、電話かけるのも大変なのよ。関西の人とかもっと大変よね。早いとこ、出版社もEメールでの確認ができるような体制にしてほしいものです。(『ユリイカ』出してる青土社はEメールで注文できるんですよ。)

書店で、佐藤史生『夢見る惑星』(小学館文庫)全3巻、
イアン・マクドナルド『火星幻想曲』(ハヤカワ文庫SF)、
荒俣宏『ブックス・ビューティフルI』『ブックス・ビューティフルII』(ちくま文庫)を買う。

図書館に寄ったところ、浅田次郎『蒼穹の昴』上下(講談社, ISBN4-06-207497-4/4-06-208039-7)を見つけ引っ掴む。 『アニメーションの色職人』『ユリイカ』97年6月号、京極夏彦『嗤う伊右衛門』もついでに予約。

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1997.09.19 (金)

浅田次郎『蒼穹の昴』

浅田次郎『蒼穹の昴』上下(講談社, ISBN4-06-207497-4/4-06-208039-7)
(講談社, ISBN4-06-207497-4/4-06-208039-7)

 『蒼穹の昴』上下、一日がかりで読破。
大傑作。十二国記の続きが待てない奴はこれを読めっ!(笑)


 「汝は必ずや西太后の財宝をことごとく手中におさめるであろう…」 中国清朝末期、貧しい農民の少年・春児は、占い師にこう予言され、宦官になろうと決心する…。一方、春児と同郷の進士 梁文秀は、科挙の壮絶な試験をくぐりぬけ、ついに官吏となる。だが、落日の清朝には、領土を分割せんと狙う列強の牙が迫っていた。

 読み出したら止まらない、小説を読む悦びを感じさせてくれる大傑作。春児、梁文秀をはじめ、ぶっ飛んだ性格の西太后(どのようにぶっとんでいるかは、読んでのお楽しみ)やら宦官たちやらの人物像も魅力的。歴史小説かと思えばファンタジー、ファンタジーかと思えばやっぱり歴史小説。いわゆる歴史小説よりは、キャサリン・ネヴィルの『8 エイト』(文藝春秋社)などに近いんじゃないかという気もする。

 春児、梁文秀は架空の人物だが、それぞれモデルがいるようだ。彼らが歴史の表舞台に出てこない前半の方が、想像力を自由にふくらませられたせいか面白い。特に凄まじいまでの科挙の試験の様子や、春児が西太后の側近になるまでのピカレスク小説のような展開は、読んでいて本当にわくわくする。
 後半は、史実の枷をはめられてしまうせいか、トーンダウン。大森望さんが指摘しているように、群像劇になっちゃったのが問題か。

 浅田次郎の作品の根底には、必ず母と子のモチーフがあって、だから科挙に合格した進士たちは大声で「お母さん」と泣き、西太后は鬼になる。
 後半の新聞記者たちの出てくるくだりなどを読むと、浅田次郎という人は、まだペンの力を信じている(あるいは、「信じたい」)のかなと思う。
 続編もあるそうなので、楽しみである。

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1997.09.20 (土)

『どんぐりの家』と春日部図書館

 春日部市民文化会館で『どんぐりの家』の映画上映を見る。終わり近くでは会場内に感動のすすり泣きが充満しておりました。よい映画でした。この映画のあおり文句の「感動」とか「善意」とか「共に生きる喜び」とか文字で表してしまうと、とーっても胡散臭くなるのでイヤなんですけど、その胡散臭さに目をつぶってともかく一度ご覧になってみてください。
運命のサイコロのせいで、たまたま聴覚障害と知能障害というハンデを負ってしまった子供とその親だけが、精神的経済的その他もろもろの負担を強いられるのって、絶対ヘンだよね〜と思う。

映画の帰りに春日部市民図書館に寄る。図書検索用のコンピュータ端末が5台も設置されている。文庫本の棚には、ハヤカワ文庫FTを始めとするファンタジーもざくざく。私は春日部市民ではないので、直接借り出すことはできませんが、地元の図書館(というか、「図書室」です、うちの御近所のは。)を通じて借り出すことはできるので、これからいろいろ借りるつもり。棚の間を浮遊しているうち、デ・ラ・メアの『恋のお守り』(旺文社文庫)を発見。そうか、デ・ラ・メアは、今は亡き旺文社文庫で出ていたのかっ!買っとけば良かった、失敗したっ!

『妖精国の騎士』のあとがきにでていた、小林恭二 『短歌パラダイス ―歌合二十四番勝負―』(岩波新書新赤版 498)を買う。井辻朱美さんも参加した「歌合」の様子をつづったスリリングな一冊。

小林恭二 『短歌パラダイス ―歌合二十四番勝負―』

小林恭二 『短歌パラダイス ―歌合二十四番勝負―』(岩波新書新赤版 498)

 現代短歌を代表する20人の歌人を集めて行われた「歌合」の実況中継。参加した歌人は、岡井隆、奥村晃作、高橋睦郎、三枝昴之、河野裕子、小池光、永田和宏、道浦母都子、井辻朱美、大滝和子、加藤治朗、水原紫苑、田中槐、荻原弘幸、俵万智、穂村弘、東直子、紀野恵、杉山美紀、吉川宏志、梅内美華子。

 「歌合」というのは、いくつかの組に別れて歌を作り、その歌をそれぞれ一首づつ出して対抗するという遊び。さらに、それぞれの組の人間は、自分の組の出した歌を批評し、褒め称えるわけです。相手の組の方がいい出来だと思っても、自分の組の歌の良いところを見つけて無理矢理誉めなくちゃいけない。源氏物語でも「○○合せ」というのが出てきますけど、要するにアレです。
 で、この批評というのが、ミソでして、誉める方の読み方が上手くないとだめで、一つの歌の解釈が割れたりするとそれもだめだったりして、非常にスリリングです。

 中井英夫(短歌雑誌の名編集長でもあった)のファンで、寺山修司(デビューは短歌です。中井英夫に見出された。)が好きで、井辻朱美さんのファンという割には、短歌の読み方を知らない私には、非常に面白く勉強になる本でありました。紀野恵さんの歌が気になるので、探してみようかと思っています。

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1997.09.21 (日)

イーガー『魔法半分』

イーガー『魔法半分』(ハヤカワ文庫FT)を読了。


 トレドというアメリカの町に住む四人の姉弟が願いを半分だけかなえる魔法のコインを拾ったことから起きる大騒動。

クレイグ・ライスの『スイート・ホーム殺人事件』(ハヤカワ文庫HM)のエヴリディ・マジック版。語り口もジェーン、キャサリン、マーク、マーサという子供たちのキャラクターも『スイート・ホーム殺人事件』を思わせます。いささか、説教臭いところはあるものの、子供たちのワルガキぶりもなかなか魅力的で、児童文学ファンタジーとしてはそれなりによくできてます。絶版になってしまったのは、ちょっと惜しいかも。でも、ハヤカワ文庫FTでの復刊は無理でしょうし、岩波少年文庫が拾うほどの名作ではないのよね…(苦笑) ネズビットがお好きな方は、古本屋でみかけたら、ゲットすべし。

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1997.09.22 (月)

 K’s room (URL:http://www.tg.rim.or.jp/~dunsany/)の ELWESTRAND(URL:http://www.tg.rim.or.jp/~dunsany/elwestrand.html)というコーナーは、なんと井辻朱美さんのファンクラブのページでした。今は、以前に出した同人誌の紹介のみですが、作者の方が、井辻さん御本人をご存知の方なので(うらやましい!)これから、いろいろ発展していくのではと思います。会報のバックナンバーを申し込みました。

ストーカーの定義

朝日新聞の夕刊の5面「テーブル・トーク」という欄にストーカーを題材にした小説『パラダイス・フラッツ』(新潮社)を出した笙野頼子氏による、ストーカーについての定義が載っていたので、引用しておきます。
『やめて』と必死にいった時に、『どうして』と怒るのがストーカー」
「愛情や好意を表面に立てられると、いやとはいえない。つきまとわれる側の苦痛を考えずに、相手との適度な距離感を持てないのは、自分の中にかかえた相手の幻想とつきあっているだけ」
私は、『氷の城の乙女』『夢の10セント銅貨』の評で、何度も「ストーカー」という単語を出していますが、私の定義もこの笙野氏の定義とほぼ同じだと考えてください。
好意や善意を盾にしての「残忍なまでの鈍感さ」と身勝手さを持っているのが、ストーカーだと思います。

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1997.09.23 (火)

 『通販生活』秋号を買う。なんだかんだいっても、この雑誌好き。(笑) 高いから、品物はなかなか買えませんが。

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1997.09.24 (水)

 あんまりめでたくないけど誕生日。いくつになったかは、ヒ・ミ・ツ。

ナンシー・A.コリンズ『フォーリング・エンジェル』

ナンシー・A.コリンズ『フォーリング・エンジェル』(ハヤカワ文庫FT) 読了。

 冒頭にいきなり萩原朔太郎が引用されているのであった。ちょっとびっくりした。それはともかく、パーマーとソーニャ、赤ん坊レーテの擬似家族ができあがった前作のラストだったが、赤ん坊のレーテは3年の間に輝くばかりの美少女に成長し、一方ソーニャとパーマーの関係はある事件をきっかけに壊れはじめる。モーガン卿は、ソーニャを憎みつつ恋焦がれ、やがて…。

 あのヒトはいきなりいいヒトになっちゃうし、レーテはレーテでああなっちゃうしという、とんでもない展開。
 でも私が一番気になったのは、この箇所でした。ロンドンの某高級デパートの掃除のおばちゃんの証言。「わざわざ水を長そうとしない人間がどんなに多いか知ったら、誰でも驚くだろう」 うーん、そうなんですか。

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1997.09.25 (木)

 軽いトップページを作るべく奮闘してましたが、だんだん泥沼にはまり、結局ほぼ元のままに。自分では、結構気に入っているもので…。重かったら、読みたいページに直接ブックマークしてください。(涙)
Netscape 3.0で見ると、文字間隔が間延びしてて、気持ち悪い…。(涙)

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1997.09.26 (金)

里帰りという名の本買いツアー

 横浜の実家に帰りました。高校時代の友人に会うのが最大の目的だったのですが、なんだか本買いツアーになってしまいましたです。

乗換えの赤羽駅構内で、古本市をやっているのに遭遇。
文庫が1冊100円だったので、以下の本を掘り出しました。

なぜか、フィーストの『シルバーソーン』上下(ハヤカワ文庫FT)が3セットもあった。意味するところは、『魔術師の帝国』は面白かったけど、これはつまんなかったってことでしょうね。

池袋で、どしゃぶりの雨の中、前々から行きたかったBOOKSファントムへ。詳しい場所は、SFオンライン 97年7月18日号のSF銀座名店街に出ていますが、雨の中濡れ鼠になっただけの甲斐のあるすごいお店でした。
なんせ、ハヤカワ文庫、創元SF文庫&創元推理文庫の既刊、SFマガジンのバックナンバー、ミステリマガジンのバックナンバーは揃っているは、スタトレグッズやらエヴァグッスやらが、ぎっしり並び、国書刊行会のSF物も社会思想社の現代教養文庫A&Fシリーズも並んでるというオタクの天国みたいなとこでした。

ここで購入したのは、

池袋駅へ戻る途中、公園通りにある古本屋 光芳書店をチェック。BOOKSファントムへの通り道のせいか、SFのめぼしいものはなし。
でも、ナンシー・スプリンガー『白い鹿』(ハヤカワ文庫FT68)が100円だったので、購入。

はっきりいって、荷物が重い。が、めげずに、東武デバートの旭屋書店へ。購入したのは、
・ルイス・キャロル『シルヴィーとブルーノー』(柳瀬尚紀訳,ちくま文庫)
・波津彬子『九つの夜の扉』(朝日ソノラマ)

ぜいぜい言いながら、横浜へ。家の近所の古本屋にて、以下の本を購入。

購入した本は、全部で17冊。あまりにも重いので、実家から宅急便で送ることに。

ヴァン・ヴォークト『武器製造業者』

ヴァン・ヴォークト『武器製造業者』(創元SF文庫) 読了。

 『イシャーの武器店』の前に書かれた後日譚。


 不死者ヘドロックは、イシャー宮廷にスパイとして潜り込むが、女帝と武器店の両方から死刑を宣告され、巨大な恒星宇宙船に立てこもる。だが、ケンタウルス座めがけて飛ぶヘドロックは、別の宇宙から来た蜘蛛型宇宙人にとらえられ…。

 正直に言います。前半はともかく、後半は何が起こったのかさっぱりわかりませんでした。(^_^;) 前半は、スパイ物ぽくって面白かったんですけど…。
 1947年の作ですからね、50年たっても、しっかりSFとして読むに耐えるというのは、凄いことだと思いますが、カードの『死者の代弁者』とか読んだ後だと、なんだかあらすじだけ読まされているような気分になってしまうのでした。
 ヘドロックとイシャー女帝とのロマンスとか、もっと長ければよいのに…と思っている人間のために大原まり子の『アルカイック・ステーツ』があるんでしょうね。読まなきゃ。

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1997.09.27 (土)

かのう菫 出版お祝い会

 本日は、高校時代の友人のマンガ本が出版されるのを記念して、漫研仲間と横浜中華街 萬珍楼で飲茶でお祝い。
ちなみに出版された本は、

かのう 菫
トリプル・ビター・チョコレート
 集英社 ユー・コミックス, \530, ISBN4-08-86283-5
.
【収録作品】
  トリプル・ビター・チョコレート
  花降る宵に抱かれて
  ガールXX

ユー・コミックスというのでわかるように、レディス・コミックです。現代女性の心理を追求した話ばかりなので、不倫だの拒食症だの扱っていて結構ハード。ちなみに作者は、くらもちふさこさんや槙村さとるさんのアシストやってた人間です。本屋で見かけたらよろしく〜。
私は本を買いそびれて、サインをもらえませんでした。

そうそう、中華街に行く前に、私は古本屋で以下の本を購入。

新刊書店でも以下の本を購入。

結局10冊も買ったのね。

中華街での食事の後、カラオケボックスへ。友人の一人のつれてきた幼稚園児がポケモンの歌を熱唱するのを聞きました。ポケモンってホント人気あるのね。(いえ、私もハマったんですけど。赤と緑両方もってるし…)

シュウマイをお土産に、電車の中で 『平将門魔法陣』を読みつつ、帰宅。疲れました〜。

ウォルター・デ・ラ・メア 『詩集 孔雀のパイ』

ウォルター・デ・ラ・メア 『詩集 孔雀のパイ』 (瑞雲舎)

 ウォルター・デ・ラ・メアの詩にエドワード・アディゾーニが挿絵をつけた、すばらしく美しい詩集。本体価格\1800ですが、その価値は十分にあります。実を言うと、ペーパーバック版の原書(Peacock,Pie; Farber Fnanfares, ISBN0-571-18014-0)を持っているのですが、この日本版の方がずっと綺麗。発行は、1997年9月10日になっていまして、「まるで私の誕生日のために発行されたようだわっ!」などとつぶやきつつ、リボンを掛けてもらいました。自分のための誕生日プレゼントです。

 中身は、栗色のインクで印刷された、挿絵入りの、うつくしくてちょっぴり不気味な詩。マザーグースの童謡の響きもあって…。わたしが一番好きなのは、「やどりぎ」という詩です。大事なドロップを舐めるように、ちょっとづつ読んでいきましょう。

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1997.09.28 (日)

どんぐりのバザー

 バザーで、宮部みゆき『スナーク狩り』(光文社文庫)を30円で購入。
バザー会場の近くの古本屋で、新田理恵『×−ペケ− 4』(小学館)を購入。ついでに、『ぱふ』坂田靖子特集号(雑草社, 1982.02)も見つけて購入。それから、『プチフラワー』11月号も購入。波津彬子さんが巻頭です。

加門七海 『平将門魔法陣』 『大江戸魔法陣』

加門七海 『平将門魔法陣』(河出文庫) と 『大江戸魔法陣』(河出文庫) 読了。

 この2冊はセットですね。あと一冊『東京魔法陣』というのがあるそうです。これもそのうち河出文庫で出るでしょう。(10月刊行だそうです。)
 加門七海さんが、将門関係の神社仏閣めぐりをしながら、地図とにらめっこして、将門について調査をしたレポートが『平将門魔法陣』
 江戸四神相応図(東に青竜、西に白虎、南に朱雀、北に玄武というやつですね)に疑問を抱いた加門さんが、二万五千分の一地図を張り合わせた馬鹿でかい東京地図をふんづけながら、神社仏閣がつながる魔法陣ラインを探し当てたのが『大江戸魔法陣』
 どちらも、ノンフィクションなのにミステリさながらのスリリングな展開。『大江戸魔法陣』には、うちの隣町の神社がでてきて、びっくりしました。

若竹七海 『ぼくのミステリな日常』

若竹七海 『ぼくのミステリな日常』(創元推理文庫)


 建設コンサルタント会社の社内報の編集長になってしまった若竹七海。彼女が社内報に載せたのは、大学時代の先輩から紹介された匿名作家のミステリ。四季折々の風物を織り込んだ短篇の連載が終わったとき、浮かび上がったのは…。

 超絶技巧派ミステリ。読み終わったときに、作中人物の名前がそのまま作者の名前であることが効いてくる。
 短篇の中で好きなのは、「内気なクリスマスケーキ」と「バレンタイン・バレンタイン」。こーゆートリックとこういう展開が好きなんですよ。

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1997.09.29 (月)

宮部みゆき『スナーク狩り』

宮部みゆき『スナーク狩り』(光文社文庫)読了。ハードな展開のサスペンス小説。


 関沼慶子は、元恋人の結婚式に散弾銃を持って現れた。一方、彼女の知り合いの織口邦男は、ある計画のため、彼女の銃を盗もうとしていた。

 散弾銃を巡って、何人もの人間の運命がからみあうサスペンス。解説の池上冬樹が「力強い小説」と評しているように、読みはじめたら引きずり込まれる作品なのだけれど、それだけに登場人物たちの弱さや感情がそのまま伝わってきて「痛かった」。
 宮部みゆきは、上手すぎて、読むのしんどいんですわ。ぜいぜい…。

 宮部みゆきがなんで、ルイスLャロルなんだろうと思いましたが、
ウィリアム・L.デアンドリア『スナーク狩り』(ハヤカワ文庫, 絶版)からの孫引きで
あんまり内容には関係ありませんでした。(いや、ないこともないんだけど…。)
デアンドリアは『ホッグ殺人事件』というのが有名ですね。(読んでないけど)

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有里 alisato@geocities.co.jp
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最終更新日:2001/09/14