diary Alisato's 本買い日誌
1997年 08月 *


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1997年 08月

読了本一覧

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1997.08.01 (金)

 【数学者の密室】の三島さんからリンクメールをいただく。数学がメインのページだけれど、私と読書傾向が似ているのだという。確かに読書記録のページに掲載された本の半数は私も読んだことがあるか読みたいと思っている本だった。(笑)

FF7を遊ぶ

FFシリーズは、ついに主人公の過去が明かされる。いやぁ、この展開は好きだぞ。伏線ばりばりだ。(忘れている伏線もあったけど。)あの主人公の態度のでかさには、あんな裏があったとは…!
私は、RPGの主人公にはたいてい「アリサト」って付けるんですけど、FFシリーズって、プレイヤーの私の意向を無視して勝手にくっちゃべるのがすごく嫌だったのよね〜。でも、FF7の主人公に限り、この名前をつけて良かったと思える。キャラクターを死なせることで感動を呼ぼうとしていたFFシリーズが初めて到達した新境地といえるかも。

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1997.08.02 (土)

 『通販生活』と綾辻行人『十角館の殺人』(講談社文庫)を買う。『十角館の殺人』は皆誉めているから一応期待。 『通販生活』は読むだけで楽しいので、なるべく買うようにしている。うっかりすると売り切れてしまうのだ。この雑誌だんだん商品テストをしない『暮らしの手帖』みたいになってきた。

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1997.08.05 (火)

FF7を遊ぶ

 FF7は、3枚目のディスクに突入。主人公のレベルは72です。リボンをつけて奮戦中。(笑)

フィリス・アイゼンシュタイン『氷の城の乙女』

フィリス・アイゼンシュタイン『氷の城の乙女』 (ハヤカワ文庫FT) 読了。


 金属と織物をつかさどる魔法使いクレイは、見る者の心の望みを映す鏡に小さな少女の姿を見た。何年か経つうちに少女は、麗しい乙女へと成長し、クレイは乙女の正体を求めて旅にでる。探し当てた乙女アライザは、氷の城に住む、魔法使い見習いだった…。

上手いんだけど、主人公のクレイ・オルモルの独善ぶりが鼻について鼻について、腹が立つ。妖魔たちは魅力的だし、ヒロインも悪くないし、クリスタルの城の描写なんてすばらしいんだけど、主人公がねぇ〜〜。

前作の『妖魔の騎士』は、少年の自分探しの話でもあるから、主人公が馬鹿であっても一向にかまわないんだけど、今度は他人の心にずかずかと踏み込んで自分の価値観を押し付ける話なんだから許せない。言っていることは正論だけど、やっていることはキャッチセールスや新興宗教の勧誘とおんなじ。

 ナンパしにきたのに格好つけるんじゃないっ!とか、偉そうに他人の生活に口出しすんなっ!とか、危ない仕事を他人に押し付けんなっ!とか、自分だけが正しいと思ってんのか馬鹿っ!とか、止めてくれということを勝手にやっておいて女に尻拭いさせるなっ!とか、まだまだ言いたいことはいろいろあるのですが、これくらいで止めておきます。
 
後半でついにヒロインも爆発するが、全然応えてないと思うぞ、この男は。こんな男、振っちゃえよ、アライザ。なんだか、アライザは身勝手な祖父から身勝手な恋人に譲渡されただけのような気がしてなりません

 「箱庭療法」的な見方をすれば、確かに癒しと解放の物語なのですが、このあらすじを現実的に解釈するとストーカーによって保護者と家を失うというホラーになっちゃうんですよねぇ。

あまりにもあまりな主人公なので、ひょっとして作者は意図的にやっているのかもしれないとすら思える。ま、カウンセリングの過程を象徴化した物語だと思えば許せるか。

 主人公以外は、悪役も含めて非常によいです。特にクリスタルの城の描写は一読の価値あり。

 主人公さえこうでなかったらと思う同好の士には、妹尾ゆふ子『魔法の庭1 風人の唄』(大陸ノベルズ)をお薦めしておきます。多分アイゼンシュタインの作品に触発された作品だと思うのですが、キャラクターの魅力はこっちの方が上。残念ながら版元が倒産していますので、非常に手に入れにくい作品ではあるのですが、古本屋で見かけたら即ゲットですよ。どこかで続きが出るといいんですけどねぇ。
 (1999.03.20追記 『魔法の庭1 風人の唄』は、改訂版がプランニングハウスから発売されました。前日譚にあたる『風の名前』も同じ版元から出てます。こちらもおすすめ!)

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1997.08.06 (水)

FF7を遊ぶ

 FF7のラスボスのいるダンジョンが、なかなか手強い。舐めてかかったら、ドラゴンにアルテマ唱えられて全滅。あやつるが効くのでなんとかなるが、いちばんおっかないのは、FFシリーズ最強のモンスター トンベリマスターが出てくること。こいつには何度殺されたかわからない。どうにかならんもんでしょうかね。

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1997.08.07 (木)

FF7を遊ぶ

 しつこくFF7のラスボスのいるダンジョンにいる。主人公のレベルは75になってしまった。こんなところ放っておいて、チョコボを育てた方がいいかしら。いまやダークドラゴンは、ただのカモ。トンベリもフリーズが効くことが判明。
よく考えたら、このページのタイトルって、「本買い日記」なんだよなぁ。ゲーム日記のページは別にあるんだけど、今更、FF7日記を作るのもナンなので、ここに書いてます。ページタイトルを変えた方がいいのかも…。

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1997.08.08 (金)

山田さんのドールハウスのホームページにマンガと映画のページが加わったとメールいただきました。昔のマンガの話や名作ドラマ『つぶやき岩の秘密』『海のトリトン』のページなど同世代の人間には懐かしい話題がいっぱい。

綾辻行人『十角館の殺人』

綾辻行人『十角館の殺人』(講談社文庫) 読了

 半年前、凄惨な四重殺人のおきた孤島の建物「十角館」に大学ミステリ研の7人が訪れる。クリスティの有名な作品を思わせるように、一人、また一人と殺されていく…。

。犯人が名乗ったところで、「えっ!?」と、思わず前のページを繰ってしまいました。確かにお見事な作品といえますが、発表当時はともかく今では『名探偵コナン』の元ネタにしか見えないのが残念。

 ミステリ研の人間は本名ではなく、エラリイ、ヴァン、アガサといったミステリ作家の名前で呼ばれているのがミソ。なんで、チェスタトンがいないのぉとか疑問に思ってはいけないんでしょうね。(多分、チェスタトンは長すぎるから却下されたに違いない。)アガサとオルツィがいて、ドロシーがいないのは、ドロシー・L.セイヤーズの日本での不遇を示すものなんでしょうねぇ…。今ならルースとかいう人がいてもいいかも…。でも、それだとこの人が一番犯人っぽい名前だったりして。

 日本の本格ミステリが下火になっていた10年前に出版されたときには、さぞや新鮮だったろうと思うのですが、今では…うーん。新本格と呼ばれるミステリの魅力は、トリックとキャラクターの二本立てにあると思うのですが、トリックはともかく、キャラクターがあまり好きになれなかったので、次のを読むかどうかわかりません。

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1997.08.09 (土)

 CLAMP『カードキャプターさくら』(なかよしコミックス)の3巻と藤崎竜『封神演義』5部(ジャンプコミックス)を買う。
『封神演義』は売れているらしく、種本の講談社文庫の方もついでに売れているらしい。私は中国物はだめなんですが、田中芳樹やこういうマンガのおかげで中国の伝奇小説が売れるようになったというのは、とってもめでたいことだと思います。願わくば、私が読む気になるまで、このブームが続いてくれますように!

泡坂妻夫『亜愛一郎の逃亡』(創元推理文庫)と 金蓮花『月の系譜 響鳴の森』(コバルト文庫)も買う。高野史緒の短編が載っていたので『SFマガジン9月号』も買ってしまう。特集は「新・恐竜王国」だけど、恐竜には興味ない。私は昔、理科の図鑑の恐竜のでてくるページが怖くて開けなかった人間なんである。

これを買った本屋では、在庫整理している店員さんの手元に『新潮文庫解説目録1997年4月版』を発見。おねだりして、手に入れる。
『ハヤカワ文庫 夏のブックパーティ'97』のブックレットも手に入れる。早川のブックレットは、毎回良い出来なんですが、今回はちょっと…。 1992年のブックレットが手元にあるので比べてみましたが、書き下ろしエッセイの格が違う。(笑) 1992年は、草上仁の巻頭ショートショートと、小沢淳、北上次郎、田川律、宮部みゆき、難波弘之、佐々木譲の「ハヤカワ文庫に出会ったころ」。 1997年は、椎名誠の巻頭エッセイと、唐沢俊一、渡辺真理(誰、この人?)、馳星周のエッセイ。でもって、扱っている本のラインナップもイマイチ。紹介文に至っては、こんなに陳腐でいいのか?

『SFマガジン』97年9月号

 今回のお目当ては、高野史緒「未来ニ愛ノ楽園」。『カント・アンジェリコ』などとは雰囲気を異にする、未来社会を舞台にし、ギリシャ神話をモチーフとした短編。この人の感覚の描写は特筆すべきだと思います。まあ、「SFの読者」というのは、「仕掛け」の部分しか評価しないのでしょうけれど。
 雑誌を短編ひとつのために買うというのも、久々のことです。昔は、大原まり子やゼナ・ヘンダーソンの短編読みたさに『SFマガジン』を買ったものですが。

 イアン・マクドナルドの「キャサリン・ホイール(われらがタルシスの貴婦人)」も、良かった。この人の『黎明の王 白昼の女王』も良かったし、8月刊行予定の長篇『火星夜想曲』も買いですね。

 菅浩江「嘘つきな人魚」は、モチーフはいいのだけれど、博物館惑星という仕掛けの部分の書き込み部分が多すぎて、肝心のストーリーの伏線部分がイマイチ。少年が人魚に執着する理由もあまり説得力ありませんしねぇ。期待の人だけに点が辛くなります。

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1997.08.10 (日)

 『ファイブスター物語』の続巻がでるらしいので、前の巻を読み返す。こんなにひとりよがりの展開のマンガも珍しいよね、と、思いつつ、全巻読み直してしまう。こんなに訳わからない話なのに面白いんだから困ったもんだ。私はすえぞうが好きです。

どうやら来客カウンタが2000人を突破した様子。皆様ありがとうございます。 1998人目が異次元を覗くホームページの加藤さんだっていうのはわかったんですが、2000人目の方は?

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1997.08.11 (月)

 異次元を覗くホームページの加藤さんからURL変更のメールをいただく。新URLはhttp://www1.zzz.or.jp/~tkatou/index.htmです。ここのリンクページには、ずいぶんお世話になっていて、私のところのFT関連リンクのほとんどが元をたどるとここだったりします。
今回もリンクページで、森尾の極めて私的な趣味のページ (URL=http://syasin5.hus.osaka-u.ac.jp/members/hmorio/personal.html)というハヤカワ文庫FTの#1〜#156までの書評がのっているページを発見。初期のものの解説もあるので、便利です。

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1997.08.12 (火)

金蓮花『響鳴の森』

金蓮花『響鳴の森』(コバルト文庫) 読了。


 平凡な女子高校生のはずだった山吹泉が、鬼の姫として覚醒する物語の3作目。失われた<力>を取り戻すべく、とあるバンドのメンバーに近付いた泉。彼女の前にまた新たな鬼が…。

このシリーズでは一番の出来。この作者は、ノッたときとそうでないときとの差がとても大きいようだ。ついでに今回、私が好きじゃないといったイラストレーターが大化け。いきなり上手くなってるぞ。いったい何があったんだ!?ともあれ、めでたいことです。続巻に期待。

 作者は、「取材」といいながらバンドの追っかけもしたそうで、趣味と実益が一致して、臨場感あふれる仕上がりになっています。(笑)
 私は、乙姫という岩笛の精が好きで、ラストシーン(泉が宅急便で送られてきた○○に○○するところ)など、ぞくぞくしましたねぇ。(笑)

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1997.08.13 (水)

どうやら馬鹿がひくという夏風邪をひいてしまったらしく、くしゃみが止まらず、頭が重い。来週は旅行に行くっていうのに困ったもんだ。

FF7がフリーズ(涙)

 FF7、やっとラスボスのところまで辿り着き、1時間の苦闘の末、羽根付きのやつを倒してウォータースライダー?に乗る。が、セフィロスと出会ったところでプレステがフリーズしてしまった!泣く泣くリセットする。私の2時間を返せ〜。

泡坂妻夫『亜愛一郎の逃亡』

泡坂妻夫『亜愛一郎の逃亡』(創元推理文庫) 読了。

 亜愛一郎シリーズの3作目にして完結編。
 このシリーズは、回文やキャラクターの名前で遊んでいたりしますが、今回はそれがさらにエスカレート。病院で「亜さん、井伊さん、上岡菊けこ…? あら、失礼しました。亜さん、井伊さん、上岡菊彦さん、どうぞ」と名前を呼ばれたり(「歯痛の思い出」)、亜さんと阿佐さんと朝日さんと旭名さんが集まっていたり…。名前は結構重要なので、覚えておかれることをお勧めします。

 まだ前作、前々作を読んでいない人は、そちらから読むこと。既に読んでいる人も、読み返しておくと、お楽しみが増えます。ただし、『亜愛一郎の転倒』の田中芳樹の解説は、ネタバレなので読まないこと。

 私の場合、最後のサプライズは、『亜愛一郎の転倒』の田中芳樹のネタバレ解説によりだいなしにされた。やはりあの解説は糾弾されてしかるべきだろう。

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1997.08.14 (木)

FF7、やっぱりフリーズ(涙)

 FF7、やっぱり前回と同じところでフリーズする。(涙〜)これではエンディングが見られない。スクウェアのサポートセンターに連絡するつもりだが、お盆だから休みかも…。

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1997.08.15 (金)

 スクウェアは夏休みであった。3度目のトライをする勇気がなく、FF7を最初からやり直す。

一発太郎 (URL:http://www3.wink.co.jp/ippatsu.htm)で、特集:花郁悠紀子のページをあちこちに登録。 goo(URL:http://www.goo.ne.jp/)には、いつまでたっても私のホームページが登録されませんが、登録した覚えのないinfoseek(URL:http://japan.infoseek.com/にハヤカワ文庫FTのページが載っていたのには感激。

infoseekで、ハヤカワ文庫FTの書評ページをチェック。以下のページを発見。
hassie's書評のお部屋(URL:http://vega.ess.sci.osaka-u.ac.jp/students/hassie/has_book3.html)には、『ゲイルズバーグの春を愛す』の書評あり。
Terry Brooks に関する情報(URL:http://smlsgi1.u-aizu.ac.jp/~adachi/terrybrooks.html)は、文字どおりテリー・ブルックスのリンク集。
ダービー探偵団 関西支部の「私のお奨め」には、『天界の馬』『最後のユニコーン』の書評。馬好きという観点からの感想が面白い。

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1997.08.16 (土)

 『別冊コミックボックス2 もののけ姫を読み解く』(ふゅーじょんぷろだくと)を買う。細かなところまでフォローされたムック。梅原猛が多く引用されているのが、ちょっと気にかかる。ギルガメッシュ叙事詩について書かれた部分の種本が梅原猛の『ギルガメッシュ』なので、ちょっと眉にツバつけたりして…。こういう場合、岩波書店から『ギルガメッシュ叙事詩』の新訳も出てるのだから、それにも目を通すべきだと思う。

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1997.08.17 (日)

白樺湖へ旅行

 今日から2泊3日で、白樺湖へ旅行。
9時半に出発し、本庄児玉から高速に乗って、4時に宿に到着。さすが高原、さわやか〜。とはいえ、実は出発するときは、埼玉も涼しかった(笑)。
夕食はフランス料理。が、根が貧乏性のせいか、疲れるばかりで、満足という気分になれないのであった。なんせ一番美味しいと思ったのは、スープとパンなんだから(笑)。

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1997.08.18 (月)

白樺湖 2日目

 白樺湖周辺をドライブ。白樺湖ファミリーランドは、はっきりいって安っぽいレジャー施設だが、藤城清治影絵美術館だけは、一見の価値のある本物だった。駐車料金1000円、入場料800円も高くはない。
昔から、あの影絵がどういう風に出来ているのか不思議でたまらなかった。木枠に張ったトレッシングペーパーを台にして、切り抜いたトレペをさらに貼っていくらしいのだが、その細工の細かさたるや凄まじいものがある。ここには、何メートルにも及ぶ大作もあって、それがまた見事!こういう人に勲章をあげるのは正しいことです。

その後、ビーナスラインで車山へ行き、夏山リフトで頂上へ。「自然はいいねぇ」なーんて、いっておりましたが、排気ガス撒き散らしていて、自然鑑賞もなにもないもんだ。(苦笑) 確かにわれわれは神殺しのエボシ御前の子孫です。

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1997.08.19 (火)

白樺湖 3日目

 宿を発って、蓼科湖へドライブ。バラクラ・イングリッシュ・ガーデンへ。最近のガーデニングブームで、すっかり園芸に目覚めたらしい夫は熱心に庭を見てまわっておりました。 (でも、花の名前は私の方が詳しい。)ここは、お茶やマフィン、ケーキなどが食べられるので、チョコレートケーキとチーズケーキを賞味。美味でした。トライフルも扱っているらしいけど、残念ならが売り切れ。ここのケーキはフランス人シェフが作っているそうで、なぜに英国庭園でフランス人シェフなのかは謎。イギリス人はお菓子作りだけは上手いのだから、イギリス人にやらせてもいいのにねぇ。

マリー・ローランサン美術館と彫刻公園にも寄る。ローランサンは別にどうでも良かったけれど、彫刻公園は良かった。北村西望の作品は、躍動感にあふれていて素晴らしかったです。森の中にも彫刻が点在していて、「こだま」という作品が『もののけ姫』のコダマちゃんに似ているのには笑ってしまいました。

午後に蓼科湖を発って、渋滞もなく、午後7時半には無事帰宅。が、下界の埼玉は蒸し暑い〜。夏中、避暑できる身分になりたいものです。

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1997.08.20 (水)

 古本屋で、
パトリシア・A.マキリップ『星を帯びし者』(ハヤカワ文庫FT)、ゴードン・R.ディクソン『ドラゴンになった青年』(ハヤカワ文庫FT)を見つける。美本だったので、購入。
ヴァン・ヴォークト『イシャーの武器店』(創元推理文庫)も発見、購入。読んだことないのよね〜。
タニス・リー『パラディスの秘録 幻獣の書』(角川ホラー文庫)も発見、ハードカバーも持っているけど、これを逃すと二度と会えないと思い、保護。
毎日、絶版目録を睨んでいると、見つけたら即、「保護」って気分になりますね。
マンガでは、鳥図明児(ととあける)『銀の爪はさみしく』(白泉社)も発見、保護。これはなかなか出ないレア物だと思うな。(笑) マニアは握ってはなさないもの。

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1997.08.21 (木)

 溜まっていたメールの返信を書いて、NTT Directory(URL:http://navi.ntt.co.jp/)のホームページ登録を確認。でも、InfoBeeでは検索できるのに、新着情報に入ってないです。(;_;) 少女漫画のジャンルにも入っていないし、いったい私のページはどこに登録されたの〜!?

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1997.08.22 (金)

ヴァン・ヴォークト『イシャーの武器店』

ヴァン・ヴォークト『イシャーの武器店』(創元推理文庫) 読了。

 「イシャーの武器店」というのは、イシャー帝国というのに対抗するために作られた組織で、人々に完全に防衛のためにだけ使用できる協力な武器を提供している。「武器を買う権利は自由になる権利」というのが、そのスローガンで、この武器があることによって、帝国は武力によって抑圧することができなくなったというわけ。
 1951年の新聞記者マカリスターは、いきなり出現したこの武器店にまぎれこみ、7千年の未来にとばされ、数兆年の過去と未来を時間振り子となって往復することになる。

 マカリスターは、重要な役でありながら、実はほとんどアイテム扱い。 物語の主人公は、地球唯一の不死の人、ロバート・ヘドリックということになっていますが、一番目立っているのはケイル・クラークとルーシー・ラルというカップルだったりする。

 古典的SF作品ですが、こういう話だったんですねぇ。仕掛けは壮大だけど、中身の雰囲気はスパイミステリのような感じ。続編は『武器製造者』(創元推理文庫)。復刊されているようなので、手に入れられたら読んでみたいと思います。

主人公ということになっているロバート・ヘドリックは、花郁悠紀子の『フェネラ』に出てくるコンラート・ヘイルのモデルのようです。

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1997.08.23 (土)

 NiftyserveのFCOMICOの70年代会議室で花郁悠紀子さんの話題が出ているというので、ダウンロードしにいく。マンガやアニメのフォーラムは、コミュニケーション不全なマニアが多そうで敬遠してたのだが、さすがに70年代会議室ともなると、メンバーは大人で、私の心配は杞憂だったようだ。花郁作品についていくつかの面白い指摘がなされていたので、そのうちにホームページに反映する予定。

怒涛の古本買い

 20日に行ったのとは別の古本屋で、

を購入。

『墜ちたる者の書』は、図書館からハードカバーを借りて読んだ。ヨーレンは読んだけど売ってしまったので買い直し。 『ロカノンの世界』は、サンリオ版をもっているけど、萩尾望都の表紙につられて買ってしまった。100円だったし。こんなに買っても合計千円。(どうも100円まけてくれたらしい)古本っていいなぁ。
ブレイロックの『リヴァイアサン』(ハヤカワ文庫FT)と、タニス・リー『影に歌えば』(ハヤカワ文庫FT)もあったのだけれど、なんか面白くなさそうだったので、今回は見送り。(あとで後悔するかもしれない)

マンガ専門の古本屋では、
鳥図明児(ととあける)『虹神殿』(新書館 ペーパームーンコミックス)、
新井理恵『×―ペケ―』5巻(小学館)、
川原泉『中国の壷』(白泉社文庫)を購入。
坂田靖子や佐藤史生を探しましたが、ありませんなぁ。やはりマニア向けのものなのか(^_^;)

新刊書店では、ナンシー・A.コリンズ『フォーリング・エンジェル』(ハヤカワ文庫FT)を買う。ついでに『新潮社 1997年出版目録』も、もらってくる。

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1997.08.24 (日)

FF7、クリアだぜぃっ!

 Niftyの某パティオで、FF7のエンディング直前で止まる現象についての対処法を教えてもらう。
なんとコンフィグで魔法の並びを6番にしていると、戦闘シーン直前で止まることがあるというバグだったらしい。
魔法の並びを1番に戻してやったら、無事エンディングを見ることができた。まったくなぁ…。

オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』

オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』(ハヤカワ文庫SF) を読みはじめたら面白くて、そのまま夜中の2時までイッキ読みする。エヴァンゲリオンのルーツは、コードウェイナー・スミスじゃなくて、こっちだよね。


 産児制限で子供が2人しか持てない世界で、遺伝子の優秀さから例外的に出産を赦された<サード>(3人目の意味)のエンダー。昆虫型異星人バガーの襲撃にそなえて設立されたバトル・スクールに6歳で入学した彼は、あらゆる訓練で最優秀の成績を修める。
 一方、彼の兄ピーターと姉ヴァレンタインは、子供であることを隠してネットに論文を発表し、やがて世界を動かすほどの影響力をもつことになる。

 大森望さんと水玉蛍之丞さんが『The BASIC』誌に連載していたイラスト付き対談「辺境の電脳たち」を読んで、読みたくなった本。
 主人公のエンダー君は天才少年で、司令官としての才能を開花させるために教官たちは彼をわざと孤立させ苛められるように仕向けたりする。エンダー君は小学生の身で悩んで悩んで戦わなくてはならないわけです。エヴァンゲリオンの元ネタみたいな話ですわな。
 最後の章では、話はただの戦争物で終わらず妙な方向へと続きます。ハインラインの『宇宙の戦士』のアンチテーゼといえるかもしれません。

 水玉蛍之丞さんが好きだという、エンダーの兄ピーターは、実に特異なキャラクター。『羊たちの沈黙』のレクター博士の少年版というか、なんというか…。

私はこういう学校物?が好きみたいです。アン・マキャフリィの《パーンの竜騎士》シリーズでも、竪琴師の学校の出てくる外伝の方が好きだし、ゲド戦記も1巻目の魔法使いの学校のシーンが好き。もちろんハインラインの『宇宙の戦士』も好きだし、氷室冴子の『クララ白書』(コバルト文庫)も『あしながおじさん』も大好き。(笑)
こういうのって、物語の中でイジメがあってもちゃんと解決つくから好き。

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1997.08.25 (月)

 『エンダーのゲーム』が面白かったので、図書館に続編の『死者の代弁者』上下(塚本順二訳, ハヤカワ文庫SF)を借りにいく。大森望サンによれば、なんかヘンな話らしいですが。
ついでに、トマス・オーウェン『黒い玉』(加藤尚宏訳, 東京創元社)も借りる。

本屋にいったら、『文春文庫解説目録 1997年5月版』があったので、もらう。文春文庫の海外ものはなかな面白いのです。クーンツとかあるし。

この本屋は、文庫を著者名順に並べている。文庫ごとに背文字の高さがばらばらで見難く、好きではない。でも、辛抱強く見ていくといろいろ発見がある。今まで、点数の少なさをカバーするための手段だとしか思えなかったが、日本の作家は複数の出版社で本を出すことが多いから、この方式の方が検索はしやすいのかもしれない。
荒俣宏『稀書自慢 紙の極楽』(中公文庫)をみつけて買う。

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1997.08.26 (火)

 ぶん ひとりごとのぶんさんから、相互リンクのお誘いのメールをいただく。ここはスノーボードと素材のページです。素材関係でリンクのメールをもらったのは初めてです。最近は画像ソフトに向かう根気がなく、リンクバナーを作ろうと思ったけど、結局断念。

Niftyから入会6周年記念メールが来ていた。パソ通始めて、もう6年半ですか…。6年半前は、ワープロと1200bpsのモデムでパソ通してたんだよなぁ。ログ用の2DDのフロッピーがすぐいっぱいになるのに嫌気がさして、パソコンを買ったんだっけ…。今じゃ28800bpsのモデムに1.6GのHDDだもんなぁ…。しみじみ…。

なぜか、世界SF大会(ワールドコン)の案内メールも来ていた。どこから来たのかと思ったら、OKKO'S HOMEPAGEからのリンクで来たらしい。関連ホームページのことも書いてある。C.J.チェリィのホームページとかもある。日本のSF大会にも参加したことがないので、もちろん行きはしないけれど、なんとなく嬉しい。

トマス・オーウェン『黒い玉』

トマス・オーウェン『黒い玉』(加藤尚宏訳, 東京創元社)読了。

 副題に「十四の不気味な物語」とあるようにベルギーの幻想派作家による幻想短編集。表紙のルドンの版画は怖いが、中身は欧米の幻想恐怖小説や日本の怪談と比べるとそれほど怖くはない。でも、私は怖がりなので、あえて夜一人で読んだりはしませんが…(苦笑)。
 表題作は部屋の隅にころがっていった得体のしれない黒い玉をみつけてしまった男の物語。城館の車椅子の女主人の元へひとりの旅の男がやってくる物語(「旅の男」)、通ってはいけないといわれた公園へナイフを持って出かけていく少女の物語(「公園」)などが面白かった。日常の何気ない風景から不気味で悪意のこもったものがにじみ出すというのが、ポイント。サキの短編に似ていなくもないと思います。

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1997.08.27 (水)

NiftyからFF7のてきの技リストなどをダウンロードして、空欄埋めにいそしむ。いいのか、こんなことばかりしてて…。

「ハヤカワ文庫FT総目録」の目次ページなどを修正。短編集の内容など作成するデータはいろいろあるんだけど…。「おすすめFT」もどうにかしたいんですが、読み直しが進まず、なかなか更新出来ません。

荒俣宏『稀書自慢 紙の極楽』

荒俣宏『稀書自慢 紙の極楽』(中公文庫) 読了。

 「平成の怪人」、おそらく後の世の人は荒俣宏氏をこう呼ぶであろう。(笑)
 英米幻想小説から風水、博物学まで幅広くカバーする書物コレクター荒俣宏氏が、その書狂の経歴と集めた美本の数々を披露する一冊。前半の古本屋めぐりや、ロード・ダンセイニの『時と神々』をゼロックス・コピーと手書きで複写し、挿絵を自分で描いて装丁した話など、本好きには、涙なくしては読めない感動的な書狂遍歴が綴られている。(誇張でなく、マジ)

 今では博物学と風水研究家のような扱いをうけていますが、荒俣宏氏は、1970年代から英米のファンタジー文学を日本に紹介していた人なのです。でも、荒俣さんが平井呈一(アーサー・マッケンとかラヴクラフトを最初に訳した人)のお弟子さんだとは知らなかった。

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1997.08.29 (金)

 萩尾望都作品リストの方からリンクで花郁悠紀子さんのページへやってきたという、萩尾望都ファンで波津彬子ファンの方からメールをいただく。波津彬子さんが花郁悠紀子さんの妹さんであることを知らなかったそうで、びっくりしたとか。このメールに元気付けられて、波津彬子作品リストの作成にとりかかる。

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1997.08.30 (土)

 『暮らしの手帖別冊 101のアイデア』『プチフラワー』9月号を買う。 『プチフラワー』は買うつもりはなかったのだが、1985年〜1987年の総目録が載っていたので勢いで買う。名香智子の「約束は守らなくていい」に美女姫が再登場したのには驚いた。まあ、小学館文庫で『花の美女姫』が出てますしね。西閨炯子の「くも」後編は、いじめを題材にしたホラーファンタジーだが面白かった。新人のみうたゆーいの「ラグランジュ・ポイント」は、絵柄は地味だが話は佐藤史生風。今後に期待。

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1997.08.31 (日)

 岡野玲子『陰陽師6 貴人』(スコラ)と紫堂恭子『決定版 辺境警備3 逢魔の山』(角川あすかコミックスDX)を買う。『辺境警備』は全巻持っているんだけど、巻末に11ページ書き下ろしがあるからなぁ…。
ウィリアム・ゴールドマン『プリンセス・ブライド』(ハヤカワ文庫FT)を買う。既に目録落ちした作品だが、なぜか新刊書店にあった。(笑) あなどり難し本屋の店頭在庫。

オースン・スコット・カード『死者の代弁者』

オースン・スコット・カード『死者の代弁者』上下(ハヤカワ文庫SF) 読了。ほんとに変態の話でした。


 『エンダーのゲーム』の時代から三千年が過ぎ、銀河各地に植民を始めた人類は、新たな異星人ピギーを発見する。だが、ピギーと慎重に交渉していた人類の専門家が、ピギーに惨殺されてしまった。いまや「死者の代弁者」として知られるエンダーは、殺された専門家を代弁すべく、ピギーの住む星へと向かうが…。

 『エンダーのゲーム』で少年だったエンダーは、恒星間旅行を繰り返したおかげで、三千年たってもまだ30代。「死者の代弁者」というのは、死者になりきって、その死者(対象は、人間とは限らない)が生前に行った善行も悪行もすべてを人々の前で明らかにする人のこと。推理力ではなく共感能力を使って謎を解く探偵みたいな役割ですわね。そういう人物が中心に据えられているので、展開はミステリみたいな感じです。SFとしてのメインはピギーという異星人の生態にあるわけですが。

 カードはモルモン教徒なので、彼の描く宇宙にはキリスト教徒しかいないようなのがちょっと気になりますが、まあいいや。『エンダーのゲーム』の続編なので、あちらを先に読んでからのほうがよいでしょう

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有里 alisato@geocities.co.jp
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最終更新日:2001/09/14