古本屋で、若木未生の「ハイスクールオーラバスター」シリーズを何冊かと
今野諸雪の「夢の宮」シリーズを何冊か買う。
どちらも気にはなっていたけれど、なかなか読めなかった作者。
少年少女ノベルズ(「ヤングアダルト」と呼ぶ向きもあるが、欧米の「ヤングアダルト」と比べるとレベルが低すぎるので、私はそう呼ぶ気にならない。)は、当たりはずれが激しいので、新しい作者には手を出しにくいのだ。
若木未生『迷える羊に愛の手を』(集英社コバルト文庫)読了。
若木未生は、多分コバルトで最も売れてる作家の一人で、「ハイスクールオーラバスター」シリーズは、確かに人気があっておかしくない作品だとは思うのですが、キャラクターのひとりである愛衣の挿絵が明らかにミスキャスト(本文中の形容詞と絵が全然合っていない!)のと、シリーズ後半の何が起こったのかよく分からない展開と描写のおかげで、読後感は今ひとつ。
まあ、挿絵の押し付けの弊害とキャラクターだけが先走って文章がついていかないっていうのは、このシリーズだけでなく、少年少女ノベルズ全体にいえることだと思いますが。
でも、この本に入っている「黄金時間が見えるまで」は、女子中学生の日常を描いた佳作。日本の作家でヤングアダルト向けアンソロジーを編むときには、ぜひ入れて欲しいもんです。
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中井英夫『蒼白者の行進』(創元ライブラリ)を買う。
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図書館で宮部みゆきの短編集『とり残されて』(文春文庫)を借りる。
宮部みゆき『とり残されて』(文春文庫) 読了。
表題作は一種のドッペルゲンガー譚。ヒロインの願いが成就する日が早くくればいいと思ってしまいました。でも、実は私自身が知らずに憎まれている方だったりして。
巻末の「たった一人」は、一種のパラレルワールド物。最後に出てくるヒロインの決意がもの凄い。この決意は、巻頭の「とり残されて」のヒロインの決意と呼応しているんでしょうね。
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本屋で、千代紙の本を見つける。欲しかったが、ちょっと高くて手が出なかった。
くやしいので、自分で千代紙風の素材を作ることにする。
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「有里の本棚」の赤木かん子特集のため、図書館で、 『かん子のミニミニマンガ入門』『女性のためのミステリ・トーク』『YA(ヤングアダルト)読書案内』などを借りる。
『YA(ヤングアダルト)読書案内』(晶文社) 読了。
いろんな人がヤングアダルト(13歳〜19歳)向けの本の紹介をしている中で、最も印象に残り、私の体験に近いと思ったのが、吉川佳代子さんの「ほんとうの私を見てほしい」でした。人間との付き合いが苦手で、本ばかり読んでいたという古川さんは、それでもこう書いています。
====引用開始====
逃避だろうがなんだろうが、もう一日頑張ろうって思える力をたくわえられる方が、自滅してしまうよりもずっとマシなはずだから。
====引用終了====
私も本に逃避していたクチでしたから、よくわかります。『ナルニア国物語』のC.S.ルイスなども、物語に逃げていたらしいですけれど。今もそういう子供はいるんだろうなと思います。本読んで、力付けて、生き延びてよね、って思います。世界はそれほど悪くないときもあるんだから、と。
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最終更新日:2001/09/14