Alisato's 本買い日誌

冲方 丁『微睡みのセフィロト』（早川書房 ハヤカワ文庫 JA ,2010-03-05,630円, ISBN978-415030990-9）読了。
デュアル文庫で出ていたもの[→感想] の加筆修正版。水鏡子せんせいの解説は涙出そうな名解説。冲方丁ファンは書店に走ってこの解説だけでも読むといいよ。走っていった本屋にJAを置いてあるかどうかは微妙だが。(うちのご近所にはおいてない)

本文もかなり手を入れてあるが、大元は変わってないので、「最小限の加筆修正」というのは嘘じゃない。でも水鏡子せんせいのいう通り「初出からさらに美しく磨きあげられている」のも事実。
言い回し、改行等に微妙な違いがあるほか、死人の数が減ったり、ヘミングウェイの活躍の場が増えたり、ラファエルの口数が増えたりしている。最も大きな違いは、重要なふたつのものの描写が追加されていること。ネタバレになるので、具体的にどこかは指摘しないが。

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途中デパートによって、香典返しのカタログとか父のためのウォーキングステッキを見る。
老人用の介護ステッキじゃなくて、山歩き用のストックみたいなもののほうがしっかりしているようなので、そちらを購入の予定。

横浜の栄松堂で。『迷宮街クロニクル４』がいつもより渋い男性多めの表紙だったので探すのに苦労した。前の巻とのギャップありすぎですよ。

林 亮介『迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ』
（ソフトバンククリエイティブ GA文庫 ,2010-03-16,725円, ISBN978-479735864-3）
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父と一緒にデパートへ行って、香典返しの品を注文し、ウォーキングステッキを試してもらって購入。

朝日新聞では都の条例改正案の規制への反対表明のニュースは一面扱いなんだな。非ネット環境のメディアには掲載位置とサイズによって情報の重み付けがあるのだなと改めて思った。コンテキストがあるんだ。ネット情報は分割されていて、掲載位置はともかく、サイズはほとんど意味をなさない。

新聞だとそのニュースがどう報道されようとしているかは、位置とサイズを見れば一目瞭然なんだけれど、ネットだと一面ニュースも三行ニュースもほとんど同じ扱いだから、そういうのわかんないよねという話。そういうことを忘れて、ニュースはネットで見ればいいやーというのは危険なのかも。

実は新聞を取るのやめようかどうか悩み中なのだ。
新聞読まないのは社会人としていかがなものかとも思うわけですが、リアルタイムで読む暇ないので、必要があったら隣に住んでる義父母のとこから広告や古新聞もらえばいいんじゃね？　とも思うし。なにより古新聞を片付けるのが面倒。

成田 良悟『デュラララ!! ×4』（メディアワークス電撃文庫 ,2008-03-10,641円, ISBN978-484024186-1）読了。

セルティ、バイト代を落とし、賞金首になるの巻。イザヤの妹たちと静雄の弟、殺し屋と殺人鬼登場。セルティが珍しく主役っぽい。セルティが落とした100 万円をめぐる話なので、構造的には無印バッカーノに近いのかな。静雄の弟は好みだ。

購入ガイド
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成田 良悟『デュラララ!! ×6』（アスキーメディアワークス電撃文庫 ,2009-07-10,662円, ISBN978-404867905-3）読了。

『デュラララ!! ×6』読了。家出少女を連れ歩く杏里にせまるロシアの殺し屋、暴走するダラーズに困惑する帝人、立ち尽くす正臣。いつものように裏で糸を引く臨也とそれに乗る青葉。セルティちゃんもいつも通り、その間を黒バイクで駆け抜ける。彼女はバッカーノのバカップルのポジションなのね。そしてやっぱり一番底知れないのは帝人なんだろうなぁと思わせる幕切れ。

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成田 良悟『デュラララ!! ×7』（アスキーメディアワークス電撃文庫 ,2010-01-10,641円, ISBN978-404868276-3）読了。

事件が一段落したので、つなぎの連作短編集といったところ。

臨也が刺されたというので「ざまあみろ」と思ったけれど、アレがおとなしく死ぬようなタマのわけもなく。
浪江と美香と誠二の三角関係は割とどうでもいい。
粟楠会の幹部・赤林のおじさんのパートは割と好き。
そしてついに静雄ちゃんに恋愛フラグが……。
セルティと新羅はいつも通り。

購入ガイド
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「ほうれい線には口笛が効くらしい」とつぶやいて、一週間。思いついたときに時々口笛を吹いていた。
今日鏡をみたら、ほうれい線が薄くなっている……ような気がする！
顔の筋肉って薄いから、一週間でも効果あるそうなんだけど本当らしい。
侮れないな、フェイスエクササイズ。
特に口笛は腹式呼吸だし、ストレス解消にもなるし、なかなかよろしい。

【世界チャンピオンに習う口笛で小顔になる！ - ［スクール・おけいこ］All About】

林 亮介『迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ』（ソフトバンククリエイティブ GA文庫 ,2010-03-16,725円, ISBN978-479735864-3）読了。
和風Wizadry純情派」としてWEB連載していたウィザードリィ小説の商業版。大幅に加筆修正されて同人誌版とはかなり変わってます。面白いです。

同人誌版では瞬殺されていた「あの人」の存在感が増したり、新キャラの活躍シーンがあったり、作業員さんたちが凄かったり。
桐原さんに感情移入しちゃうので、マドンナに対しては複雑な感情を抱きます。マドンナみたいな人はたまに実在するけれど、まあ女性からは好意的にはみられないキャラ。確かにあの割り切りっぷりがちょっと羨ましくもあるな。女性作家だとあまり書けないタイプのキャラかも。

敵との遭遇シーンが『謎の円盤UFO』のラストみたいだなとちらりと思った。……これ、怪物から善良な市民を守る話じゃないんですよねー。鉱山で捕鯨やってるような産業小説。そのうち怪物保護団体が乗り出してくるかもしれない。

ところで、鈴木兄が地下で会った群青のツナギの男って帆村？　同人誌版では短編で帆村の正体が判明しますが、商業版では外伝はないのかな？

ともあれ、最後まで読めて良かった。堪能しました。
さて、最強トーナメントを描いた同人誌版『和風Wizardry純情派　祭』でも読もうか。

【迷宮街クロニクル相関図 | 林亮介 | 迷宮街クロニクル | ネタバレ | pipeo】
【迷宮街クロニクル4巻終了時点 登場人物リスト - F’s Box】

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冲方 丁『スプライトシュピーゲルIV テンペスト』（富士見書房 ,2008-04-19,798円, ISBN978-482913281-4）読了。

とある戦犯法廷に立つ被告と七人の証人を保護する任についたMSSのメンバーたち。嵐の中、厳戒態勢の国連ビルは武装テロリストに襲われ、証人たちが次々と殺されていく……。

噂通り、途中ででてくるTRPGによる国連世界統一ゲームのパートが興味深い。善いと信じて行った政策が他国に壊滅的な打撃を与え紛争を引き起こす。ミニチュア化された世界情勢に、複雑な現実世界が投影されている。そこには悪はあっても、絶対的な善はない。

「証人たち」はそれぞれに人間的な魅力に溢れているが、彼らとて善行ばかりで過ごしてきた人たちではない。「証人たち」からMSSの少女たちへと託される「証」が象徴するように、これは若い世代へ希望を「託す」話でもあるのだろうなぁ。大人は自分たちの責任を果たして去っていく。残された子供たちは、託された希望を握りしめて大人になる。

『オイレン4』を先に読んでいたので、リンク部分のそれぞれの視点からの描写が楽しい。2冊でワンセット。涼月と乙、鳳と陽炎は属性が同じなので、すんなり同調するのは当然というか。そしてまた男をあげた水無月君。私はこの子のひねくれた献身っぷりがとても気に入っている。

購入ガイド
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