原稿No.199901-05
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以前波津彬子ファンページに感想メールをくださった台湾の波津彬子ファンの方がいて、その後も日本語と英語を交えてメール交換などをしていたのだが、その方が波津さんの新刊と『ネムキ』を送って欲しいのだという。私でお役にたつならと引き受けた。困ってしまったのは、本代と送料をどうするかであったのだが、しばし考え台湾のマンガを代りに送ってもらうというやり方で解決することにした。お金を送ってもらうより、台湾のマンガを送ってもらった方が、価値はありそうだし。 なにより面白そうではないですが、台湾のマンガ。考えてみれば、インターネットが盛んになる前から、マニアな人たちは、切手やカードを交換していたのだ。 次なる問題は、どうやって送ったら最もリーズナブルであるかである。とりあえず郵便局で、国際郵便の手引きを貰ってきて研究中。SALの小型包装物ってのがいいんですかねぇ? というわけで、海外(台湾)に本を送ったことのある方、よろしかったらご教授ください。 経験がないもので、不安なんです〜。
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3月21日付けの日記で書いたとおり、台湾の方と漫画本の交換をすることになったのだが、早速、先方から本と台湾のお菓子が届いた。
お菓子はジャムの入った柔らかい落雁のようなもので、赤・紫・黄・緑の4種類がある。紫色のはどうやらブルーベリー味らしい。なかなかの美味。緑はキウィ味、黄色は柑橘系。赤いのは謎の味。あまり酸っぱくなくて、クコの実を干したものみたいな風味がある。何だろう?
送られてきたコミックスは、游圭秀『無言的清新小品集 GREEN FRUITAGE』と 頼安(RYAN)『純愛手記』。
それからなんとなんと、ガンダムW系やおい同人誌! ヒイロ&デュオONLY本(と、日本語で書いてある)だそうな。ひぇ〜、台湾にも同人誌、それもやおい系パロディ同人誌があったとは。びっくり。中身はもちろん中国語。なのに時々日本語の単語が……。「ヒイロ」「デュオ」「こんにちは」「ごめんね」「神様ありがと〜」なんていうのが漢字の文章の中に現れる。漫画の方にも欄外に「ヒイロのバカー」とか「オレは一体」とか書いてあるのが謎。もしかすると、少女漫画のメタ構造(少女漫画には、フキダシ内の台詞とコマ内のネームの他に手書きのネームのレベルがあるとい話ね)を解く鍵なのかもしれない。
内容の方は日本の同人誌とほぼ同じ。もっとも私はやおい系はC翼の頃のしか知らないけど。パロディ漫画と小説から構成されています。だいたいヒイロとデュオがいちゃつく話だな。一応ベッドシーンもあるけど、それほど過激ではありません。絵の方はパロディ系としてはそこそこ上手い。この手の本の常として、ヒイロもデュオも別人のように美形。ヒイロは天使族だったとか、デュオは二重人格でもうひとつの人格は蔵馬そっくりだとか、いろいろ裏設定があるらしー。ほんと、日本も台湾もやることは同じだ。
これでモトネタが幽遊白書だったらもっとよかったのにと、ちらっと思ったのは内緒。
游圭秀のコミックスは、しげの秀一の下絵を松川祐里子(じゃなくて本橋馨子かも)がペン入れしたみたいな絵柄。絵はすごく上手い。
『無言的清新小品集 GREEN FRUITAGE』には、短篇が8本入っていて、そのうちの7本は台詞無し。片想いしているの女の子が花壇にラブレターを埋める話(「心苗」)、片想いの相手のバスケットシューズを履いてみる話(「灰姑娘的球靴」←「シンデレラのバスケットシューズ」ですかね?)、なぜか会うたびに着ている服がお揃いになってしまう男女の話(「巧」)、吸血鬼漫画を描いている漫画家をなぜか漫画そっくりの美形の吸血鬼が襲いに来る話(「粉色夢魔」これ、話に無理があるぞ(笑))、結婚式の前に女装して街に遊びに出た青年が出会った男装の少女は実は顔も知らない結婚相手でしたという中国コスチュームプレイの話(「幽情」←どういう意味だろう?)などなど。かなり無理のある話が多いけど、絵がきれいだからそれなりに読めてしまうというのは、日本の松下容子なんかと同じね。
最後の作品は「幽藍色的笑顔」といいまして、これだけは台詞があるんですね、中国語の。で、中国語だから全然読めない。学園物らしいんだが、さーっぱり内容がわからなくて、悔しい。
頼安(RYAN)は、井上恵美子とか中川勝海が混ざったような絵柄の人。『焦點少女』(『LaLa』の翻訳漫画が掲載されている雑誌のはず)という雑誌に掲載されたばりばりの学園漫画と、『霊少女』(『ハロウィン』??)という雑誌に掲載されたサスペンスが収録されている。バス停で出会った先輩に片想い〜という話(「純愛手記」)や、ぶりっ子少女の恋物語(「Double Venus」)、眼鏡少女の恋物語(「100%妙佳人」)なんていうのは、もう少女漫画の王道をいくラブストーリー。いやぁ、こういう点でも日本と台湾って変わらないのねぇ。
台湾にもセーラー服はあるらしいが、さすがに詰め襟の学生服はないらしい。チェック柄の学生服っていうのがポピュラーらしく、男の子がチェックのネクタイしていたり。細々みていくと面白いです。
中国語が読めればもっと面白いだろうになぁというわけで、ひょっとしたら中国語を勉強しはじめるかもしれない。読むだけだったら、なんとかなりそうだし。
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台湾から送られてきた小包がEMSを使っていたので、私もEMSを使って送ってみることにする。
宛先のメモと小包をもって郵便局へ行き、EMSの伝票を探す。国際小包用の伝票は置いてあるが、EMSの伝票は見つからず、窓口の人に請求すると、奥の方の戸棚からがさごそと引っ張り出してきてくれた。あとは、教えてもらった宛先どおりに伝票に記入する。なんせ台湾だから、漢字で書けばよくて簡単。(ただ、「様」をつけようかどうしようか悩んで、名前のうんとうしろの方に書いた)内容物の重量を書く欄があるのだが、ちゃんと計っていったので楽勝。(本2冊で750gでした)
あとは、小包と伝票を窓口で出して、料金を払っておしまい。800gで料金1520円(米国で2040円、ヨーロッパで2400円、アフリカで3120円)。日本のどこかに本を送るのとほとんど変わらない。拍子抜けするほど簡単。
私は狭いご町内から一歩も出ずに、台湾の人とメールを交換し、手紙を交換し、品物を交換しちゃったわけです。ひょっとしてこれって凄いことなんじゃないか? ネットワークの底ぢからを見たというか……。世界は確実に狭くなっていると思う。
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台湾の漫画について情報をいただいたのでご紹介します。
先ずは制服について。台湾にもセーラー服はあるそうです。大体は専門学校の制服らしいですが。高校の制服は、ブレザーやいわゆる学生服のものが多いらしいです。
4月15日付けの日記を読んだ方から、「高永」という漫画家さんをお薦めされました。【MangaArt.com】というサイトも教えてもらいました。英語のページです。白泉社系のマンガを翻訳出版している会社らしいのですが、その中に何人かいる台湾の漫画家さんの一人が「高永」らしいです。
ところで、このMangaArt.comですが、私の環境だと、一部が文字化けして読めません。やっぱり中国語フォントを使っているからなのかな? 英語部分は大丈夫なんですけど。
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台湾の方から送っていただきました。純台湾産の少女漫画雑誌。でも内容的にはほとんど日本の少女漫画と変りありません。学園漫画の背景の街路樹や構内の樹木にヤシの木が出てくるのが、台湾。高校生がプールバーにいるという描写もあった。日本じゃもうビリヤードやる高校生はいないでしょう。絵柄は強いていればマーガレット系かな。アクション系漫画や中華ファンタジーも載っているので、雰囲気としては『プリンセス』みたいな感じ。
広告も面白い。日本の漫画がこんなに翻訳されて出版されているとは思いませんでした。12冊も予告が出てるんですよ。河原和音、伊東千恵、相原実貴、内田一奈、秋里和国、尾崎裕二、初田しうこ、さかたのり子、波津彬子、春野まみなんて名前がでています。波津彬子さんのは『九つの夜の扉』が『九道黒夜門』って名前で出るようです。
巻頭の咎井淳「PEGGY」という作品が面白かったです。送ってくれた方がわざわざ日本語に訳してくれたので、内容もばっちり解りました。前後編の後編だけでしたけど、だいたい話はわかる。
お話は――。陳宗文という高校生がパソコン通信で、女の子と知り合うのですね。彼女の名はPEGGY。チャットをするうちに彼はPEGGYに恋するようになるのですが、ある日宗文はPEGGYが、彼の一番嫌いなクラスメイトの美少年・沛騏(※)と「人にいえない関係」であることを知ってしまいます。その関係とは、なんと……。(ここまでが前編)。
実は、PEGGYと少年とは同一人物だったのです。以前不良にからまれたところを陳宗文に助けられた少年は、なんとか宗文と知り合いたかったのです。(友情以上の感情があったかどうかは不明(笑))でも陳宗文は、女の子にモテる沛騏を毛嫌いしていたので、仕方なく「PEGGY」という名前でメールを送ったというわけ。
陳宗文からの「会いたい」というメールを受け取って、PEGGY=沛騏は悩みます。「いつまで隠すのか。最初から本当のことをいっていたら……」チャットで宗文から、「まだ僕のことを好きか?」と尋ねられた沛騏は、本当のことを打ち明ける決心をして、日曜日に公園の噴水の前で会う約束をします。
しかし翌日、美少年は宗文に屋上に呼び出されます。「まさかばれたんじゃ」と不安に思う美少年。だが、現れた宗文の台詞は……。
宗文「今日は珍しく親衛隊と一緒じゃないんだな。」
沛騏「何か僕に用事があるんですか?」
宗文「何か? とぼけんなよ。PEGGYのことで、おまえにいっておくことがある」
沛騏「え?」
宗文「俺はな、おまえと違って、彼女に本気なんだ! あんな純情な娘を……」
沛騏「誤解だよ。実はそんなことじゃないんだ」
宗文「うるせえ!」
沛騏に掴みかかる宗文。そのとき、沛騏のポケットから落ちたのは、宗文がPEGGYに送ったはずのペンダント。
「てめぇ、手ぇ出したのか!」「ち、違う」
沛騏を何度も殴りつける宗文。殴られながら沛騏はつぶやく。「これは、罰……。神様からの罰……。宗文を騙したことへの、そして……僕の弱さへの……」
日曜日、公園の噴水の前で、何も知らない宗文はPEGGYを待つ。彼女への告白の言葉を考えながら。
そしてENDマーク。
早い話がネカマの話なんですが、そこはかとなく漂うBOY'S LOVEな雰囲気がとっても良いです。 絵は、日本のボーイズラブ系の漫画家より全然上手いし。翻訳がでるといいのになぁ。
99.06.12追記:「沛」という字が出せなくて難儀していたら、加藤@異次元を覗くホームページさんに変換の仕方を教えていただきました。「ハイ」と読むそうです。
1999年の段階で少女マンガにネカマが出てくる台湾のIT度は日本より進んでいると思いましたです。日本の少女マンガにパソコン通信が最初に登場したのはいつ頃かな?
(2003/01/15)
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