diary Alisato's 本買い日誌
1999年1月前半 *


1999年
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▽LAST1998年 1月後半

1月前半

1月前半の話題
1月前半の読了本


1999.01.01(金)

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

Netscape Composer

 今年は、Netscape Composerを使って日記を書いてみようかと思っています。
しかし、この Composer が、ちょっいとばかし難物でして、人がせっかく「正しい」HTMLお作法に合わせて記述したアンカー を勝手にいじくって位置を変えたり、” ”(NN4.0では、空白を表示するんですが)なんて、ブラウザによっては表示できない文字を挿入してくれたりします。やめれよ、そーゆーの。

 とはいえ、WYSWYGな環境だと、誤字が減るだろうと期待できるのも事実。今までですと、ブラウザで確認して、「ありゃ、誤字がある」って、エディタを開くと、その時点でどこが誤字だったか判らなくなったりしましたんで。
でもIE3.0で確認すると、妙な強制改行をされているのが発見できたりして。やっぱりエディタでも確認しなきゃだめか……。

元旦の話

 紅白も見ず、ワインを飲みながらビデオ録画した『攻殻機動隊』を見て、そのままこたつで眠りこけ (このあたり吉田秋生『ハナコ月記』そっくり)、気が付いたら午前0時半だったので、近所の神社にでも行くべと完全防寒態勢で初詣に出かけたところ、
なんてことだ、元旦の午前1時だというのに神社が閉まっている!
というか、今まさに閉店(?)しようとしているところ。この神社には神主がいなくて、町内会で管理している(らしい)。でもって、町内会のおやじたちが、神社の入口に戸が立てようとしているのである。賽銭箱は戸の中だ。 唖然としながら参道に立つ私ら夫婦を尻目に、おやじたちはさっさと戸締まり作業を続行していく。釈然としない(ついでにお参りもしない)まま退却。まったく幸先の悪いことである。
腹が立ったので、あずきの缶詰を開けて即席の汁粉を作り、やけ食いして寝る。

 目を覚ますと午前10時。寝たのが3時だから仕方ないね。
が、午後から横浜の私の実家に出かける予定なので、慌ててオードブル風お節料理をでっち上げ食す。 夫は雑煮が嫌いなので、餅は磯辺巻にする。全然正月っぽくないのである。
ちなみに夫の実家の雑煮は、けんちん汁に餅が入った埼玉風、私の実家の雑煮は、とりのスープにかしわ、三つ葉、鳴門の入った東京風。 でも、どちらの雑煮も結婚してから一度も作っていない。(自分用にはオニオンスープに餅をいれた変り雑煮を作ったりする。)

 予定より一時間遅れで出発しようとしたら、夫がいきなりセーターの毛玉取りを始めた。 何も出発前にやらんでも〜と思うけど、そういうヒトなのである。私自身もそういうヒトなので、あまり文句はいえない。 仕方なくじれじれと待つ。30分後、毛玉をうまく取りきれずに諦めた夫は別のセーターを着用。(だったら、最初からそれにせい。) ようやく出発することになった。

 正月は道が混むので、今回は電車で移動。所要時間は3時間なり。
途中、上野のBOOKガーデンで、本のチェック。
日本ファンタジーノベル大賞の池上永一『パガージマヌバナス』が文庫で出ていることを知る。

実家について、夕食食べて、延々とTVで「筋肉バトル」を見る。


1999.01.02(土)

 横浜の実家に泊まって、デニーズでブランチして、帰宅。

 帰りに寄った本屋で、『WWWイエローページ Vol.6』(エーアイ出版、1480円)を見ました。 ここが紹介されている模様。重そうだったので、買わずに帰ってきました。

 帰ってきてから、夫の実家に寄る。


1999.01.03(日)

 夫が自分のパソコンでマンガの蔵書目録を作っているので、私も気兼ねなくページの更新作業に取り掛かる。 いつもこうして一人で遊んでいてくれると楽なんですが。

 Netscape Composer を使って、日記を書く。 しかし、エディタで修正したファイルを再読み込みしようとすると落ちる。ほんと困ったもんだ。 IE3.02で確認して、エディタでちゃっちゃと直した方が早い。
いちいちリンクを張り替えるのが面倒なので、とりあえず、99年分の日記ページを先に作ってしまう。

 あちこちのサイトを覗いて見るが、さすがに皆さん正月休みらしく、更新されているページは少ない。

 夕方、夫の実家に義妹夫婦がやってきたので、私たちも呼ばれる。甥っ子たちにお年玉を配る。


1999.01.04(月)

 車で「関東最古の神社のひとつ」という神社に初詣で。
買い物をし、ついでに本屋へ寄る。正月だから新刊はない。
が、ある棚の前で一冊の本と目があってしまった。どうも「呼ばれた」らしい。 五代ゆう『はじまりの骨の物語』(富士見ファンタジア文庫)。五代ゆう氏は、名前だけは知っている。 冒頭を読むと割としっかりした文体。「雪の女王」で「エフェとジリオラ」というような話らしい。 しばらく考えて購入することに決定。新春早々「呼ばれる」のも縁というわけで。

『SFマガジン 2月号』

 『SFマガジン 2月号』を読む。
ベスター、スタージョン、ゼナ・ヘンダースン、ジャック・ヴァンスの短篇を読む。 どうもジャック・ヴァンスは、私好みの作家だったらしい。でも<魔王子>シリーズは一冊で挫折したんだけど。 今は作品全部品切れらしいですね。
森岡浩之「星界の断章――創世」には、ダンセイニの『ペガーナの神々』のことが出てくる。 「これを機に復刊するがよい。」って、ダメ?
野阿梓「ソドムの林檎(前篇)」は、『バベルの薫り』の姉川孤悲が登場。SFと耽美小説と女探偵物が混ざったような感じ。 この人の文体は私と相性がいいらしく、読んでいて気持ちいいです。
高野史緒「エクス・オペレ・オペラート」。あのネタがなければただの歴史小説……でもないか。 今の読者に「歴史小説」を読ませるには、ミステリーにするか、こういう手しかないのかも。発作的に修道士カドフェルを思い出しました。 (読み返したくなった)

電子本

 【大森望さんのSFページ】の掲示板で、電子本の話題が盛り上がって(???)いるようで。
電子本は書評用の献本が難しい……らしい。ふうん。
ハイパーリンクで視点が変えられる小説ってのは、ようするにチュンソフトの『街』ですね。
冬樹蛉さんのジーンズネタは、ひょっとしてもの凄く高度なネットバトルワザなのでは。(笑)
こっそり拍手。溜飲が下がった。

 電子本用のハードは、個人的にはポケットゲームボーイで、電子本が読めるようになるといいなぁと思ってます。 軽さもサイズもちょうどいい。十時キーの左右でページめくり、上下で章の先頭末尾へジャンプ、selectボタンで栞。ほーら、操作性も悪くない。(笑) やっぱりね、ゲームボーイくらいの価格と安っぽさにならないと一般人には手が出ないです。 それから、ビデオ・ウォークマンでしたっけ、専用のゴーグルをかけてビデオを見るやつ、あれが目に負担がかからないというのなら、 場所とらなくていいのではと思います。

 現在の価格は電子本の高いですね。【パピルス】なんかだと、文庫本一冊分が700円ぐらいだもの。 手間暇かかってもブック・オフで探した方が安上がり。
どうせなら、小説より雑誌コラムの連載をまとめて電子本にしてほしいと思います。 時事ネタが多かったりすると、紙の本にするときは内容が古びていることが多いんですが、 電子本にすると検索が簡単なので、資料的価値も上がるし。 『SFマガジン』のバックナンバーを読んで、連載コラムの続きが気になる私としては、ぜひぜひ実現して欲しいです。 大森望さんの原稿閲覧コーナーはその点すごく便利。無料だし(笑)。

 電子本の単価が安くなって、普及したとしても、紙の本はなくならないと思います。読み捨てる本は電子本で読んでも、 どうしてもとっておきたい本は紙で所有したい。そういう人のための印刷・製本業というのが出てくるといいと思ってしまいます。 プリント・オン・デマンドとかいうやつ。昔は、パンフレット状の「本の中身」を買った人が、自分で装丁をして(というか専門職人に装丁させて)「本」に仕立てたそうですが、そんな感じで。 別に革装とか布装といった豪華な装丁じゃなくていいから、文庫サイズの本が自分の好みの装丁で作れればいいなぁと……。

SFオンライン

 【SFオンライン Vol.22】だが、【コンタクト・ジャパン3のレポート】がむちゃくちゃ面白かった。 それこそ、詳細なレポートを地球人側とアネカワン側の両方の視点から読めるようにして、リンク張りまくればいいのに。 アネカワンの国民性というか星人性は笑いました。さすがは、<ホーカ>シリーズのポール・アンダースン。

 大原まり子の短篇はダウンロードしたいのだけれど、テレホ時間に暇がなくて……。


1999.01.05(火)

 終日パソコンにはりついて「千代紙つづり」の新柄とメイキングのページの作成。 しんどいである。

 NTTのタイムプラスサービスを申し込む。開始は11日から。12月は、インターネット接続時間が30時間を越えてしまいました。 いったい何やってたんでしょう? あ、バトル観戦か。
巡回ソフトの導入を真面目に考えねばならない時期なんですが、ソフトの選択とインストールがめんどうくさくて……。


1999.01.06(水)

笑えるサイト

最近気に入っている【狂言まわし】の日記からのリンクで笑えるページを訪問。

あなたの値段を鑑定します】は、一部で有名なページかも。タイトル通り、質問に答えると、値段を鑑定してくれます。 私の値段は、2933万4110円(階級は「松坂牛級」)でした。人徳(というよりコネというか人脈というか)が一番高くて、1306万2690円。才能が安くて45万6749円。 なんか妙に説得力のある(?)結果でした。

伝 説 --生涯の伝説の全部(の一部(^^;)--】は、名前をいれると「伝説」をねつ造してくれるページ。
「有里」「女」と入力したところ、「17歳のとき戦闘中にマロールを唱えてしまい、石の中に突っ込む。それなりに楽しかったらしい。(中略)石の中にテレポートしロストする。」って出て、 もうウケたウケた。 だって、「有里/ありさと/ゆうり」ってもともとDQ3とWizardry用のキャラクター(しかも魔法使いでティルトウェイト使いまくりな奴)の名前なんですもの。 ほんとに、なんて「有里」にふさわしい伝説なんだ〜っ!! (笑)

■五代ゆう『はじまりの骨の物語』

五代ゆう『はじまりの骨の物語』(富士見ファンタジア文庫)読了。
女戦士ゲルダは育ての親であり恋人である魔術師アルムリックと共に、雪の女王率いる<冬>の軍勢に対する討伐軍に加わっていた。 だが、アルムリックの裏切りによって討伐軍は壊滅し、ゲルダは復讐の旅に出る。
北欧神話を下敷きにしたしっかりしたファンタジー。 ファンタジア大賞を取ったというだけのことはあります。和製ファンタジーとしては、かなりポイント高し。 ライトノベルというよりはヤングアダルトに近いですね。
ただ、こういう展開になるには登場人物が「人間」でありすぎたかなぁ……と。 こういうファンタジーネタと女性の自立の問題を両立させるのは、なかなかに難しいと思います。 妖精や神様の心情があまりにわかりやすいとファンタジー性が成立しなくなる気がするので。
「雪の女王」なのはヒロインの名前だけでした。でも<エフェ&ジリオラ>だったけど。かすかに中山星香の匂いがします。
押さえておくべき作家として認識しておきます>五代ゆう。


1999.01.07(木)

hosokin's room】を覗いたら、 「1999年1月7日の言葉」に私が書いたのと同じようなことを書いている人がいる。――と思って良く見たら、自分の文章でした。きゃーっ! 嬉しいのか恐いのかよくわかりません。ドキドキ。(更新が遅いなと思ったら……。お大事に>細田様)
ちなみに本屋さんになぜ欲しい本がないのか? どうして誰も出版流通のしくみをわかりやすく教えてくれないのか?という文章。 私が、新刊書店に並んだ本は3ヶ月で返品されてしまうってことを知ったのは、つい最近のことです。赤木かん子の講演集を読んで知りました。 5年前は、本が絶版/品切れになるってことすら知らなかったし。今は知ってます。 まだ発行されていない本を予約しようとすると「その本は品切れです」って答える不届きな本屋がいるから。

 ところで、読者が出版社に直接注文するっていうのは、出版社としては、どういうものなんでしょうね。 面倒な仕事を増やすなっていうのか、売れりゃ嬉しいのか。(前者のような気がする) 実は、『季刊 幻想文学』の定期購読期間が終わったので、継続しようかと思ったのだが、定価改訂後の定期購読の方法がどこにも載っていないのだ。 版下まで発行人が作っているらしい超零細出版社だから、あんまりそーゆー事務はしたくないのかなぁ……と。
フルタイムで働くと、郵便振替のために郵便局にいくのもままならないので、やはり最寄りの本屋に注文した方がいいのだろうか。 「地方小出版流通センター扱い」の本なんですけど。だいたい新刊が出ているかどうかも不明だしなぁ……。 ホームページを開いて、新刊とバックナンバーの案内だけでもやっていただけると嬉しいんですけどねぇ。アトリエOCTA様。

□綾辻行人『霧越邸殺人事件』

 綾辻行人『霧越邸殺人事件』(新潮文庫)を読み始める。初期の館シリーズと比べると段違いに文章上手いから、霧越邸の描写がとっても良い感じ。 「甲斐倖比古(かいゆきひこ)」という名前がちょっと気になります。
著者あとがきを読んで思ったんですが、綾辻行人ってほんとに(作家としての)自分の奥さんのファンなんですね。作家同士では、珍しい気が……。 監督と女優とかならよくありそうですけど。


1999.01.08(金)

 千代紙つづりメイキングのページ作成完了。あとは新柄の追加のみ。

 平日ぐーたらできるのも今日までです。
11日からは、3ヶ月のフルタイムのアルバイトが待ってます。多分更新回数が減ります。

2000年問題

 日記ファイル名のの2000年問題に対応し、1999年分のファイル名を変更しました。
でも1年ごとにファイル名の形式が違うからあんまり意味ないかもしれない。(笑)
更新日付は相変わらず6桁でやってますし。
マスコミが騒ぐほど神経質にならんでもいいとも思うんですが、利息計算や予約システムは危ないかも。 銀行や証券会社は、ちゃんと対応してるんでしょうかね? 騒いでいる割には、プログラマーの需要が少ない気がするんですが。 (需要あっても私はCOBOLは新入社員時の研修でやったっきりだからバイトできないなぁ。) 今の若い人は構造化されていないCOBOLやPL/1は読めないでしょうから、おじさんたちが一生懸命直しているのかもしれません。

ココロのツボ

 URLの変った【Das Wunderreich der Nacht】の「活字の海を渡ろう」によれば、OKKOさんはブギーポップシリーズにイマイチ乗り切れなかったらしい。 「エヴァンゲリオンに共鳴するものがあった人はこの作品の世界に素直に入れるのかもしれません」とのことで、 うーん、本の感想っていうのはやっぱり個人のツボに左右されるものなんだねぇと思いましたです。 梨木香歩『西の魔女が死んだ』(小学館)に対する【ニムさん】の感想を読んだときにも思いましたが。

 「ツボ」ってのは、それぞれのカラダとココロの弱ったところに反応して現れるものなので、 ある人にとっては押されると極楽な場所でも、他の人にとってはぜーんぜん何にも感じなかったりするのですね。 ヘタに押すと痛いだけだったりして。
私の場合、エヴァもウテナも梨木香歩もブキーポップもツボはまりまくりでしたが、あれだけ多くの人が絶賛するピーター・S.ビーグルが、 さーっぱりわからないんですね。物語にもノれないし。やっぱりツボが違うんでしょう。 宮部みゆきやオースン・スコット・カードは、なまじ上手い分「針」みたいなもので、ツボを外すと激痛がはしる――んでしょう。

HTML作成

秀丸でマクロ書いて使った方がずっと速いことがわかって、結局この日記もエディタで書いているのだった。


1999.01.09(土)

「大きい新刊書店にいきたい!」とリクエストして、ご近所で一番大きい新刊書店に連れていってもらった。
目的は、ひつじ書房からでているというT-Time(HTMLファイルも問答無用で縦書き表示してくれるらしいソフト)の本を探しに行ったのだが、 やっぱり置いていなかった。(埼玉方面より、群馬の方へいった方がいいのかもしれない)

 もうひとつの目的は、偕成社版『封神演義』を購入することで、これは児童書コーナーで上巻をゲット。 その他、『使えるオンラインソフト1000本』(宝島社)、『WWWイエローページ Vol.6』(エーアイ出版)を買う。

 月曜日からお弁当を作らねばならないので、夫と私の弁当箱を買う。迷った末、結局二人とも同じ物(女性用)を買った。 夫は私と食べる量がほとんど同じなんであるよ。たまに多く盛り付けすぎると怒られるのである。(なんでや〜)
その後中華系ファミレスで夕食を食べて(もう既にそういう時間だった)、BOOK・OFF館林店へと向かう。

BOOK・OFF館林店

毎度お馴染みなので、やっぱり何もない。ここは短期間で配置替えをするらしく、大型マンガの位置が替わっていた。

・伸たまき『青また青』(新書館)
・田村由美『BASARA』15〜18巻 (小学館FCコミックス)
・田村由美『BASARA』23〜24巻 (小学館FCコミックス)
・マリオン・ジマー・ブラッドリー『希望と栄光の王国』(ハヤカワ文庫FT)

 店内を巡るのに飽きてしまっても、夫がまだ動こうとしないので、待っている間に『寄生獣』を全巻読んでしまう。 買いたい気にはならないんだけど、ちょっと読んで見たかったので。

□偕成社版『封神演義』

予想通りのきれいな本だけど、表紙のツルツルコーティングがちょっと……。個人的にはもっと紙の手触りのあるカバーの方が好きなんだけど、児童書の宿命かなぁ? 佐竹美保さんの表紙もちょっとマンガチック。これも子供向けを意識したか? 全ページイラスト入り、総ルビってのは、ちょっと凄い。ライトノベル系中国ファンタジーだと人名が最初に登場するところしかルビがふってないので、 途中で読み方がわかんなくなって、勝手に自己流の読み方をしたりするのだが、これなら安心。(笑) 見た目もきれいですね、総ルビ。でもあんまりやる人がいないのは、やっぱり校正が大変だからなんでしょうね。 『星界の紋章』も、校正が大変だったらしいし。まあ、あれは作者以外チェックできないんでしょうけど。 中身はこれから読む。

■ロバート・アスプリン『大魔術師も楽じゃない!』

 書くのを忘れていたが、ロバート・アスプリン『大魔術師も楽じゃない!』(ハヤカワ文庫FT)読了。
読了したのを忘れるような内容(苦笑)。水玉蛍之丞せんせ描くところのヴィクはステキなんですけどね。 なお、今回の解説は、小谷真理サン。本編のイメージに合わせてか、妙にテンションが高い。 こういうモードだと久美沙織サンと区別つかないですね。


1999.01.10(日)

 EDベータのビデオデッキをサービスセンターにもっていく。ついでに大宮のブック・オフに寄ろうとしたら渋滞に巻き込まれる。 ようやく辿り着いたBOOK・OFF大宮中川店だが、大宮は都会だ、駐車場が狭い。が、そこは根性で切り抜ける。

BOOK・OFF大宮中川店

 店の広さは普通だが、なにしろ人口密度の高い場所だから、売りにくる人も多いらしく、在庫がすさまじい。ということで、マンガ、文庫ともに100円コーナーが充実。 半額コーナーも、かなり最近の巻が並んでいたりする。

・田村由美『BASARA』19〜22巻 (小学館FCコミックス)……あっと言う間に15巻〜24巻まで揃った。
・明智抄『砂漠に吹く風』(白泉社 花とゆめコミックス)
・ジェニファー・ロバースン『樹下の調べ』(ハヤカワ文庫FT)
・トマス・バーネット・スワン『薔薇の荘園』(ハヤカワ文庫SF)……布教用
・竹本健治『匣の中の失楽』(講談社ノベルス)
・恩田陸『六番目の小夜子』(新潮社文庫)……ついに発見。改訂版と比べるのだ。


1999.01.11(月)

冷える職場

 アルバイト出勤第一日目。お仕事は役場の書類整理である。
ほとんど電算化なんかされていなくて、手書き文書が大部分を占める。 ダンボール箱いっぱいの書類とワープロを与えられ、一覧表を作らされる。

 私のいる部署は、ドアを開けっ放しにしておかねばいけない場所なので、 すんげ〜寒い。一応暖房は入っているのだが、女性職員は、皆、毛布みたいなひざ掛けをして寒がっている。 でもって、エライさんは、北風の吹き込む窓を背に座っている。
ううむ、公務員に風当たりの強い昨今であるが、こんなひどい労働条件の中でがんばっているのね、って他人事じゃないぞ、 このクソ寒い中で私も3ヶ月仕事するんかぃ?
ええい、もうOLファッションなんかヤメだ。明日からは完全防寒スタイルで仕事に臨む!


1999.01.12(火)

お仕事日記―キー項目はちゃんと書け!

 昨日に引き続き、アルバイト先でワープロのお仕事。 結局のところリスト作りなので、家でホームページ作ってるのと作業的には変わりがないのであった。
 私が作っているのはワープロ文書だが、この職場には手書き文書も多く、某台帳なんて全部手書き。 で、私が作っているのは、その台帳の変更部分一覧らしい。台帳のコピーが各部署に配布されているので、変更部分一覧を配布して、各部で直せ――というようなことをやるらしい。

 こういう作業で何が時間がかかるって、書類の不備の部分を調べるのが、一番時間がかかるのである。 変更届けなのにキーとなる元文書の受付番号が記入していないものが多いので、紙の台帳を繰っていちいち調べなきゃならないのが大変なのである。 あんまり受付番号不備の書類が続くと、「てめ〜ら舐めとるんか? もう処理してやんねぇぞ」ってな気分になりますね。実際後回しにされちゃうこともある。 だから、ちゃんと処理してもらいたい書類はキーとなる項目をちゃんと書かなきゃだめね、ってことがよく判った。通販の顧客番号とかさ、ソフトのユーザーIDとかさ。
小説の応募要綱もちゃーんと満たして送るのが吉ね。


1999.01.13(水)

身体が記憶する

 仕事場ワープロに慣れてきたのはいいが、漢字変換確定キーが家で使っているパソコンで違うものだから、 家でこの日記を打つときに、手が妙な位置(右のCTRLキーのところ)に飛んでしまうようになって不便である。 でもって、家のパソコンの配列に慣れてると、仕事場のワープロを使うときに妙な位置に手が動くしねぇ。困ったもんだ。
 以前会社でパソコン(というかUNIXワークステーションだったけど)使っていたときは、会社のワープロの配列に合わせて、家で使っているエディタ(VZ)のキー配列を変えたものです。 でもなぁ、いくら秀丸といえども変換確定キーをCTRLキーにするのは無理であろう。

最近ハマってるサイト

 諸星さんの【ワープ日記】を順番にダウンロード中。
WEB日記を巡回する趣味はなかったので、こういう有名ドコロもアクセスしていなかったのですが、読み始めると面白いですね。 (もともと日記はまとめ読みするのが好き。)
【981007a】あたりにでてくる【佐藤文香「『新しい』メディア空間は公共空間か?」】の話や 【981120a】の「ネットの議論は『不吉』である。 」などなどが興味深かったです。

 ネット上のケンカや困ったちゃんの行動って、どうしてこうも似てくるんでしょうねぇ。全然別の人たちなのに、反応が同じっていう……。 というわけで、【佐藤文香「『新しい』メディア空間は公共空間か?」】に出てくる 「単純反射コメント症」「身辺雑事報告症」「発表衝動依存症」「平然罵倒症」「仲良しこよし症」「ケチつけ症」には大笑い。 笑っている場合じゃないかもしれないけど。 モトネタは、早川玄『サイバー大魔王の襲撃』(中央公論社,1993)らしいです。


1999.01.14(木)

■綾辻行人『霧越邸殺人事件』(新潮文庫)

 綾辻行人『霧越邸殺人事件』(新潮文庫)読了。
 吹雪で閉ざされた館で起る連続殺人という古典的シチュエーションの本格ミステリだと思うと……。 私はこういうの大好きですが、トリック命の本格ミステリファンには納得いかないかも。

 「表の代表作」と言われるだけのことはある傑作。館の描写がすばらしい。(真の主人公は「霧越邸」そのものだよーん。)この作品で綾辻行人は、ワタクシの中では日本ミステリ作家として都筑道夫、泡坂妻夫に継ぐ位置を獲得しました。 こういう方向性で書いてくれたら、文庫で新刊買うかも。(実は、いままでずっとブック・オフで買ってました。) なお、中井英夫、京極夏彦、森博嗣は、ワタクシの中ではミステリじゃないので、別格。

 新本格ミステリの人の作品らしく、他の作家へのオマージュも随所に見られますが、私が特にひっかかったのが、 主人公が霧越邸を去る時に見た人影と 「甲斐倖比古(かいゆきひこ)」。前者は多分『虚無への供物』の幻影でしょう。 でもって、「甲斐倖比古(かいゆきひこ)」ですが、これ、「花郁悠紀子(かいゆきこ)」に関連してるんじゃないかなぁ。 (花郁悠紀子って誰? と思った方は、こちらをどうぞ。紹介ページがあります。) もちろん「甲斐倖比古」が「甲斐倖比古」でなければいけない必然性というのはあるのだけれど、 でも「花郁悠紀子」と似た姓名にする必然性はないわけで、絶対これはアヤシイなぁと……。 中庭の三美神の噴水というのも、「踊って死神さん」に出てくる三人の女神像に通じるものがあるような気がするわけで。
(1999.07.06付記: 綾辻行人が「ゆきひこ」にこだわるのは自分が「行人」だからだっていうのもある。ということに気が付きました。)

 『ダ・ヴィンチ』3月号には綾辻行人が萩尾望都ファンであることが出ているらしいので、花郁悠紀子ファンであったとしてもおかしくないと思う。 (もしや花郁悠紀子ファンってのも出てました?)

□偕成社版『封神演義』

 『封神演義』を読み始める。文章のリズムが良い感じ。「太公望」がちっとも出てこないので戸惑ったが、 訳者あとがきを読んだら、中国では『封神演義』の主人公は「姜子牙」と呼ばれるのが一般的とのこと。なるほど。 そもそもの事件の発端が、紂王が女神さまの像に欲情したあげく、神殿にセクハラな詩を落書きしたからだというのが、情けないというか笑えるというか。(笑) ギリシャ神話にもそういうのありましたね。



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