diary Alisato's 本買い日誌
1999年4月前半 *


1999年
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4月前半の話題
4月前半の読了本


1999.04.01(木)

 今日から再びお気楽極楽な専業主婦生活である。三ヶ月間ほったらかしていたので、家の中がすんごい状態であるのだが、 ともかく、一番やりたかったことをやる。はい、もちろんホームページの更新作業です。
とりあえず、リンクページの再構成。3月から4月にかけては、ホームページのお引越し等が多いんですよね。ドメイン変更もあるし。
 いままでリンクメールをくださった方々のページも再訪問して、ドメイン変更のお知らせやらこちらからのリンクやらもしたいんですが、 なんせ数があるので、まだそこまで作業が辿り着きません。

 眼鏡も欲しい、歯医者も行きたい、銀行と郵便局にも行かねばならんし、床のワックス掛けもしたいし、 毛布も洗濯せねばならんし、こたつはそろそろ片付けねばならんし、本はあふれてるし、観葉植物の植え替えもやらねばならないのだけれど、 ともかくインターネットだネットだ。


1999.04.02(金)

銀行・郵便局・書店

 通帳の記載が一杯になっているので、銀行窓口で新しい通帳を貰う。フルタイムで働いていると、こういうことも出来ないのよ。 ついでにビンに溜めておいた10円玉400枚をキャッシュコーナーから入金する。一回に100枚しか入金できないとかで、じゃらじゃらと4回ほど入金操作をする。 後ろに並んでいた人たち、ごめんなさいね。

 郵便局で、『季刊 幻想文学』と『通販生活』の定期購読料を払い込む。こういうのも、フルタイムで働いていると出来ない。 ほんと、どうにかしてくれ、といいたい。

 新刊書店で中山星香『花冠の竜の国 2』『花冠の竜の国 3』(秋田文庫)を購入。
ついでに『ネムキ』5月号の予約がでるかを尋ねてみる。大丈夫だというので、2冊頼んで代金を支払う。
代金を払っている横で、店長が取次だかの人と電話を話をしている。どうも客注をかけた本の版元が潰れたらしい。 「え、電話が通じない? 事務所にも机もなにもないって? そりゃぁ……。」ってな話をしている。いやですねぇ。

◆中山星香『花冠の竜の国』

 中山星香『花冠の竜の国 2』『花冠の竜の国 3』(秋田文庫)を読む。  私、このシリーズはリゾレットが馬鹿なので、嫌いなのだが、この巻に収録されている「黒い嵐」は、比較的好きな作品。 自分の恋愛のことしか頭になくて周囲に迷惑かけどおしの馬鹿女(リズのことです)が、この作品では自分の幸せを犠牲にしてまで愛する人と世界を守ろうとするからです。 (星香ワールドでは、そういうヒロインの方がフツー)。
 ところが、大多数の読者には、この作品はあんまり評判よくないらしい。 みなさん、自分で運命を切り開く女の子より、「エスター馬鹿ぁ、でもだいすきっ!」って叫んでるお馬鹿な女の子がお好きなわけね。 あ〜あ〜……。いいけどさ。


1999.04.03(土)

 『小説現代5月増刊号 メフィスト』を買う。『メフィスト』だけは、ちゃんと埼玉の辺境にも搬入されるらしい。

 夫は、3月納期の仕事が終わらず、ずーっとパソコンにかじりついている。会社のマシンより、家のマシンの方が性能がいいので、 プログラムを持ち帰って作業しているのである。


1999.04.04(日)

 懸案の台所の床のワックス掛けを終えてから、ホームページの更新作業。やってもやっても終わらない〜。「底無し沼のようだ」という形容は確かに当たってますね。


1999.04.05(月)

 ホームページをようやくFTP。ぜいぜい。


1999.04.06(火)

 廊下とか階段とかにワックスを掛ける。なんか、ウチの玄関の廊下は無意味に広くて疲れる。 張り切りすぎたのが何やら腰の調子がおかしくなる。椅子に普通に座るのが困難になってきたので、座面によじ登って正座する。 (腰のためには正座の方がよろしいのである。)こりゃ真剣にバランスチェアの購入を考えないと……。

■『小説現代5月増刊号 メフィスト』

 『小説現代5月増刊号 メフィスト』読了。
 面白かった順にあげると、京極夏彦「甕長 薔薇十字探偵の鬱憤」、篠田節子「まれびとの季節」、大塚英志「リヴァイアサン 終末を過ぎた獣」、はやみねかおる「虹北みすてり商店街」、恩田陸「麦の海に沈む果実」。 もちろん「まんままんが あびこくんと愉快な仲間たち」は面白かったです。あびこくんって口がかわいい。 千街晶之は今回はまじめにやってますが、季刊ペースで出る本で完結しない評論を連載して、途中で気が変わったらどうすんでしょう。 前の号に書いたことと前提条件が矛盾したりしないのだろうか? 他人事ながら心配……してるわけじゃないけど。
 はやみねかおるは、噂どおり面白かったです。でもこのイラストは……。続編を希望。
 「まれびとの季節」は、閉鎖社会へもたらされた文化/宗教がいかにその社会を変質させていくか(あるいはいかないか)を描いた「寓話」。 描かれた宗教はおそらくイスラム教で島はインドネシアあたりに存在しそうだが、人名以外の固有名詞を一切省いてあるので、多分寓話として読むのが正しい。 ル・グィンの『オルシニア国ものがたり』(←本が手元にないので不正確かも)とか「オメラスから歩み去る人々」とかそういった作品を思い出しました。
 恩田陸「麦の海に沈む果実」は、オルフェウスの窓でランプトンが語ったらジェールヒアみたいな〜。
 あとはええと、御手洗潔シリーズってこういう風になっちゃってるんですね、の島田荘司「鈴蘭事件」も割と面白かった。 新横浜のラーメン博物館の描写が効いている感じ。固有名詞変えて、ラーメン博物館のあたりをちょっと書き換えたら海外ミステリといわれてても気がつかないかも。


1999.04.07(水)

今度は腰痛だ!

 一晩寝ても腰痛が良くならないので、これは医者にいかねばと、隣に住んでいる義母に行き付けの接骨院を教えてもらって行く。 背中側の腰骨を中心に右と左がねじれているような気がする。 歩いていて自分でも右と左の足の長さが違ような感じで、右の膝もおかしい。 ぎくしゃくと歩きながら(車に乗ったり、自転車に乗るより、歩いた方が楽)、 きっちり嵌まっていないプラモデルみたいだと思ったりする。
 接骨院の待合室ではおばあちゃんたちが数人順番を待っている。本棚に女性週刊誌と週間少年ジャンプが置いてある。 じいちゃんばあちゃんが多いから、ジャンプはほとんど新品同様。立ったまま(腰が痛いから座れない)ジャンプを読みふける。

 私の順番がきたので、先生に「座ってばかりいたら腰が痛くなったんです〜。右膝も痛いんです〜。」と訴えたら、 さすがプロ、腰をくいくいと圧して「ああ、これね」と原因がすぐに判ったらしい。 「右膝も腰のせいですから、腰を直せば膝も良くなりますよ」とのこと。やっぱり。 どうもイタイのを我慢して無理に歩いていると膝が変形しちゃうこともあるようで、 何事も早めに治療するのがよろしいようである。
 で、それから15分ぐらいマッサージだか指圧だかをしてもらう。プラモデルみたいに、パチンと嵌めるわけにはいかないらしい。 来たときよりは、だいぶ楽になるが、しばらく通わないといけないようだ。保険が利くからいいけどね。

 

新刊書店に寄る

 ちょっと腰が楽になったので、新刊書店に寄って、店内をふらふらと回遊。
 平積みになっているハルキ文庫の装丁(『宇宙航路』とか)を見て、「やっぱ角川春樹はお商売が上手、早川書房も見習えよ」とか思いつつ新刊をチェック。 ティプトリー・ジュニアが出ているのであわてて書棚から引っこ抜き、表紙を見て前言撤回。(笑) えらいぞ早川書房。まぁ、「『たったひとつの……』のヒットよもう一度」ということだろうけど、方向性はとても正しいと思う。 「SFファン」は装丁がどうであろうと作者の名前で買うんだから、装丁で非「SFファン」を引っかけなくちゃダメだって。

 以下の本を買う。
大塚英志『多重人格探偵サイコ 1』(角川書店 スニーカー文庫)
大塚英志『多重人格探偵サイコ 2』(角川書店 スニーカー文庫)
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『星ぼしの荒野から』(ハヤカワ文庫SF)

 腰がまだ痛いので、椅子に座れず、従ってパソコンも触れないので、仕方がなく寝ころんで本を読む。

■大塚英志『多重人格探偵サイコ 1』『多重人格探偵サイコ 2』

 大塚英志『多重人格探偵サイコ 1』『多重人格探偵サイコ 2』読了。
 『メフィスト』に掲載されていた「リヴァイアサン」が面白かったので、多分これもイケるだろうと思って買った。大当たり。 コミックス版『多重人格探偵サイコ』とは補完関係にあるらしい。
 恋人の復讐で犯人を射殺した警視庁刑事小林洋介の中に生れた多重人格探偵・雨宮一彦にまつわるこの物語は、 凄惨という他はなく、あまりにも凄惨なのが却って爽快だったりするのであった。 オトナとしては、この本を読んで眉をひそめたり(←だったら買うなよ〜)、面白がった後即ブック・オフに叩き売るのが、「正しい」行動のような気もするのだが、 私は年くっただけの青少年だから、後生大事にこの本を本棚に仕舞い込むのであった。 (ほとぼりがさめたら、ブック・オフに流しちゃる)

 ひょっとしたら、上遠野浩平の《ブギーポップ》シリーズとセットになる話なのでは、という気もする。 で、大塚英志と上遠野浩平との年齢差は14歳ではないか(加持リョウジとシンジ君の年齢差だね)という仮説を立てたのだが、 残念ながら10歳違いであるらしい。(大塚英二・1958年生れ、上遠野浩平・1968年生れ)ああ〜、仮説ががらがらと崩れて行く〜。


1999.04.08(木)

 古本パティオの方から名香智子『パートナー 8』が届く。


1999.04.09(金)

 注文しておいた『幻想文学大辞典』が届く。


1999.04.10(土)

新刊書店で本を買う

 大型ドラッグストアに行って、腰痛用のベルトを買う。中山式なんたらというやつですね。 その店の隣のパソコンショップで、以下の本を買う。
『新・作ろう!魅せるホームページ 実践テクニックガイド』(インプレス)

 別の書店で以下の本を買う。
『毎日ムック 書店の大活用術』
・金蓮花『竜の眠る海 虚飾の檻 完結編』(集英社 コバルト文庫)
・篠田真由美『桜闇 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社ノベルズ)

 この本屋には、『多重人格探偵サイコ』の漫画版もあったのだけれど、絵が怖かったので買うのをためらってしまった。 文章だったら平気なんだけど(私に読解能力と映像化能力がないせいか?)、視覚に訴える表現は辛いわ。効きすぎ。

『新・作ろう!魅せるホームページ 実践テクニックガイド』

 私はこれの前の版を読んでホームページを開きました。 良い本だと思います。HTMLのテクニックだけじゃなく、何のためにホームページを作るのかを教えてくれる点が特に。
 最終的にはエディタを使えっていうのも、ポイント高し。
 欲をいうと、
TITLEタグには、ページのタイトルを入れよう。
看板画像にはALT属性を付けよう。
FONTサイズの1や2は極力指定しない。(ブラウザ環境よっては、ものすごく読みにくくなる)
BODYタグで背景色、文字色、リンクの色を必ず指定しよう。
等々の初心者がやってしまいがちな注意点をまとめておくてくれるとよかったんですが。


1999.04.11(日)

 ようやく腰痛が収まってきたので、日記の更新作業。リンクページもなんとかせねば、いかんのよね。

森川久美&坂田靖子 オフィシャルページ開設

 リンクといえば、漫画家の森川久美さん御自身のホームページ【ドルチェでいこう】と 坂田靖子さん御自身のホームページ【サカタBOX】が開設されました。 いやぁ、良い時代ですねぇ。

 画像いっぱいで、ファンには嬉しい。どちらのページもご本人がHTMLを作成していらっしゃいます。 森川久美さんは、CGIのためにPerlを勉強中とか。CGIを使う時に他人のスクリプトを訳もも分からず利用する人(私もその一人……)が多い中、なんて凝り性なんだっ。 坂田靖子さんはフラクタル画像にハマっている様子だし、やっぱ漫画家さんってすごいわ。 やりたい事のためなら労を厭わない人たちだからこそ、長年マンガを描いていられるのだろうなぁと思いましたです。

 森川さんのところも坂田さんのところも作品紹介ページは最近のものが多いです。
『LaLa』『プチフラワー』時代のものだと森川さんのページに本郷さんのアップがありました。 黄子満やヴァレンチーナさんのページは、まだのようです。私はメールで、ヴァレンチーナさんを出してくださるようリクエストしてしまいました。 さあ、黄子満ファンのアナタもメールを出そう!(笑)

■金蓮花『竜の眠る海 虚飾の檻 完結編』

 ようやく出た完結編。リューイ&ジェイ、ノーイねえさま、ダーシャ&タノミナ、アサノ&カズサの話をどうにかこうにかまとめあげて、着地。 今回はノーイねえさまが頑張っていました。ダーシャとカズサが入れ替わっていた件については、説明不足でしたね。 結局黒幕は、悪霊に取付かれたカズサだったってことでしょう? いささか歯切れが悪かったなぁと思います。 ハッピーエンドに持ち込まなくてはという強迫観念に負けたか? 品質的にはそれほど悪くはないんですけどね。


1999.04.12(月)

 久々にボランティアサークルに出席。 そのサークルで、むりやり役員をやらせていて、その関係でお役所関係の人へのご挨拶やら公民館の部屋の確保や体育館の確保なんてのをやらねばならんのだが、 私はそういう外渉ごとが大嫌いなのだ。ま、オトナなのでやれば出来るから仕方なくやるんだが、 そーゆー仕事をするととたんに自律神経がおかしくなるのだった。 で、今日もそーゆー仕事で、すっかり自律神経失調。頭痛がする。

■『毎日ムック 書店の大活用術』

 『毎日ムック 書店の大活用術』をじっくり読む。
 『アミューズ』に載った各種書店の紹介特集の増補改訂版である。知っている書店がほとんどなのだが、 本棚の写真が出ている本って、見ているだけでなんとなく嬉しい。
 各書店のホームページのURLが載っているのが、さすがに現代である。


1999.04.13(火)

■ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「たおやかな狂える手に」

 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの『星ぼしの荒野から』(ハヤカワ文庫SF) を読みつつ、 SFマガジンのティプトリー特集を漁る。なんかしらんが、うちには、ティプトリー特集だけはいろいろあるんである。

 で、1993年12月号のSFマガジンに掲載された「たおやかな狂える手に」と『星ぼしの荒野から』に収録されている同作品では、訳が微妙に異なっているのを発見する。 訳者はどちらも伊藤典夫氏。とりわけ大きな違いは、ラスト5行だろう。
『星ぼしの荒野から』では、以下のようになっている箇所(ネタバレのため、あぶりだし。カット&ペーストで見てね。

===引用開始===

  キャヴァナ + キャロル
  愛と酸素から生

 ミル=ミルの決意はゆるがなかった。時がたったころ、どこかで誰か、強烈なあこがれを
こめ、星々を見上げる人間なりエイリアンがいた。すると聞こえたような気がしたのだ、
なにか……

===引用終了===

が、SFマガジン1993年12月号では、以下のようになっている(ネタバレのため、あぶりだし)。

===引用開始===

  キャヴァナ + キャロル
  愛と酸素に誓

 ミル=ミルの決意はゆるがなかった。時がたったころ、どこかで
誰か、強烈なあこがれをこめ、星々を見上げる人間なりエイリアン
がいた。すると聞こえたような気がしたのだ、なにか<声>が……

===引用終了===

 石のメッセージに関しては、私は『SFマガジン』の方がいいような気がする。 原文はどういうものなのだろう?

 ティプトリーについて、書きたいことはいろいろあるのだけれど、とりあえず今、気になっているのは、 どうして「彼女」が2回も”ブス”について書かなきゃならなかったのかということだ。 「接続された女」そして「たおやかな狂える手に」。 一番ありそうなのは、「彼女」が自分を”ブス”だと思っていたって話だけど。
 ”ブス”というのは、男性中心社会の階級制度においては最下層民なんだよね。二重に疎外されたほとんど人間扱いされない存在で、 実際「接続された女」でも「たおやかな狂える手に」でも”ブス”な少女はそういう扱いをされ、そしてSFの展開の中でようやく「救われる」。 そういうSFおとぎ話を書いた、書かずにいられなかったティプトリー/アリス・シェルドンという人間もまた、ものすごく疎外された存在だったように私には思える。 (この項つづく……と思います。)


1999.04.14(水)

 接骨院にいき、マッサージをしてもらってから、書店へ。

新刊書店で本を買う

 『ネムキ』2冊(一冊は台湾の人に送る)と、恩田陸『不安な童話』(祥伝社文庫)とリンダ・ナガタ『極微機械ボーア・メイカー』(ハヤカワ文庫SF)を買う。
 恩田陸『不安な童話』は、一冊だけ配本されていたのを買ってきた。 だけど、私がこれ買ったために恩田陸の本はこの本屋から消えてしまい、 このイナカ町のヒトが恩田陸を知る機会が失われるわけですね。 うーっ、なんという不条理! 恩田陸をもっと配本してちょ。
(後記:その後なんと4冊も配本された。初日にすぐに売れたのが効いたようである。)

 佐藤史生『心臓のない巨人』(小学館 プチフラワーコミックス)が入っていた。埼玉近辺の他の本屋にもあった。 たしかこの本は1月発売なので、東京方面に配本されて返本された分が、こっちにまわってきたものと思われる。 ふーん、そういう仕組みになっているわけですか。 ということは、発売から3ヶ月以内は東京の書店、それ以降は郊外の書店の方が在庫がある可能性が高いってことかな。

私はそれを区別できない

 この本屋は、ほとんどの文庫本(ライトノベルとハヤカワ文庫だけは別)を出版社を区別せずに著者名順で並べている。 はっきりいって背表紙の色がごちゃごちゃして美しくない。 日本の作家は版元が変ったり複数の版元から本を出していることが多いので、それはそれで便利ではあるのだが、海外文学はやめてほしいもんだと思う。

 さて、そんな著者名順の棚を回遊していて、気が付いたことがある。 それは、私が、『ソリトンの悪魔』の作者と『隠された十字架』の作者と元国立民族博物館館長を区別できていなかったという事実である。 いやぁ、いくら私でも国立民族博物館の元館長が『ソリトンの悪魔』を書いたとは思わんが、『隠された十字架』の作者と元国立民族博物館館長(『知的生産の技術』もこの人か?)が同じ人だっけ?と思ったことがある。 でもって、『ソリトンの悪魔』が出たとき、『隠された十字架』の作者がSFを書いたのかと思ったこともある。

 著者名別に配架された本の著者名を見てようやく、梅原克文と梅原猛と梅棹忠夫は別人だというのが納得できたである。 しかし私の脳は、「梅」の字しか認識しないんでしょうかね。

 そういや、皆川博子と篠田節子と坂東真砂子と 笙野頼子もいまいち区別つかんかったし(いまだに篠田節子と笙野頼子を取り間違えることがある)、 天藤真と天童荒太も同一人物だと思ってたもんなぁ(「天」の字しか一致しないじゃん)。 ほんと困ったもんだ。


1999.04.15(木)

 『ネムキ』のテレカ全員サービスの申込書を送付。

台湾の少女漫画が届く

 3月21日付けの日記で書いたとおり、台湾の方と漫画本の交換をすることになったのだが、早速、先方から本と台湾のお菓子が届いた。
お菓子はジャムの入った柔らかい落雁のようなもので、赤・紫・黄・緑の4種類がある。紫色のはどうやらブルーベリー味らしい。なかなかの美味。緑はキウィ味、黄色は柑橘系。 赤いのは謎の味。あまり酸っぱくなくて、クコの実を干したものみたいな風味がある。何だろう?

 送られてきたコミックスは、游圭秀『無言的清新小品集 GREEN FRUITAGE』と 頼安(RYAN)『純愛手記』

 それからなんとなんと、ガンダムW系やおい同人誌! ヒイロ&デュオONLY本(と、日本語で書いてある)だそうな。ひぇ〜、台湾にも同人誌、それもやおい系パロディ同人誌があったとは。びっくり。 中身はもちろん中国語。なのに時々日本語の単語が……。「ヒイロ」「デュオ」「こんにちは」「ごめんね」「神様ありがと〜」なんていうのが漢字の文章の中に現れる。 漫画の方にも欄外に「ヒイロのバカー」とか「オレは一体」とか書いてあるのが謎。もしかすると、少女漫画のメタ構造(少女漫画には、フキダシ内の台詞とコマ内のネームの他に手書きのネームのレベルがあるとい話ね)を解く鍵なのかもしれない。

 内容の方は日本の同人誌とほぼ同じ。もっとも私はやおい系はC翼の頃のしか知らないけど。パロディ漫画と小説から構成されています。 だいたいヒイロとデュオがいちゃつく話だな。一応ベッドシーンもあるけど、それほど過激ではありません。 絵の方はパロディ系としてはそこそこ上手い。この手の本の常として、ヒイロもデュオも別人のように美形。 ヒイロは天使族だったとか、デュオは二重人格でもうひとつの人格は蔵馬そっくりだとか、いろいろ裏設定があるらしー。 ほんと、日本も台湾もやることは同じだ。
 これでモトネタが幽遊白書だったらもっとよかったのにと、ちらっと思ったのは内緒。

 游圭秀のコミックスは、しげの秀一の下絵を松川祐里子(じゃなくて本橋馨子かも)がペン入れしたみたいな絵柄。絵はすごく上手い。
 『無言的清新小品集 GREEN FRUITAGE』には、短篇が8本入っていて、そのうちの7本は台詞無し。片想いしているの女の子が花壇にラブレターを埋める話(「心苗」)、 片想いの相手のバスケットシューズを履いてみる話(「灰姑娘的球靴」←「シンデレラのバスケットシューズ」ですかね?)、 なぜか会うたびに着ている服がお揃いになってしまう男女の話(「巧」)、 吸血鬼漫画を描いている漫画家をなぜか漫画そっくりの美形の吸血鬼が襲いに来る話(「粉色夢魔」これ、話に無理があるぞ(笑))、 結婚式の前に女装して街に遊びに出た青年が出会った男装の少女は実は顔も知らない結婚相手でしたという中国コスチュームプレイの話(「幽情」←どういう意味だろう?) などなど。かなり無理のある話が多いけど、絵がきれいだからそれなりに読めてしまうというのは、日本の松下容子なんかと同じね。
 最後の作品は「幽藍色的笑顔」といいまして、これだけは台詞があるんですね、中国語の。で、中国語だから全然読めない。学園物らしいんだが、さーっぱり内容がわからなくて、悔しい。

 頼安(RYAN)は、井上恵美子とか中川勝海が混ざったような絵柄の人。 『焦點少女』(『LaLa』の翻訳漫画が掲載されている雑誌のはず)という雑誌に掲載されたばりばりの学園漫画と、 『霊少女』(『ハロウィン』??)という雑誌に掲載されたサスペンスが収録されている。 バス停で出会った先輩に片想い〜という話(「純愛手記」)や、ぶりっ子少女の恋物語(「Double Venus」)、眼鏡少女の恋物語(「100%妙佳人」)なんていうのは、 もう少女漫画の王道をいくラブストーリー。いやぁ、こういう点でも日本と台湾って変わらないのねぇ。

 台湾にもセーラー服はあるらしいが、さすがに詰め襟の学生服はないらしい。チェック柄の学生服っていうのがポピュラーらしく、 男の子がチェックのネクタイしていたり。 細々みていくと面白いです。

 中国語が読めればもっと面白いだろうになぁというわけで、ひょっとしたら中国語を勉強しはじめるかもしれない。 読むだけだったら、なんとかなりそうだし。



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