2002年2月 ( 上旬 / 中旬 / 下旬 )[前月] [次月] | |||||||||||||||||||||||||||
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志麻 友紀『ローゼンクロイツ 仮面の貴婦人』読了。
角川ティーンズルビー文庫版と角川ビーンズ文庫版があるのですが(中身は同じ、装丁だけ少し違う)、私の読んだのは角川ティーンズルビー文庫版。巻末に「第1回角川ルビー小説賞受賞作発表」が載っていたりしてちょっとお得?
『活字倶楽部』で誉められていたのを読んで、購入。さいとうちほの表紙が以前から気になってはいたのですが。
大国ファーレンを騒がす怪盗ローゼンクロイツ。彼の正体は現皇帝の愛妾ハノーヴァー侯爵夫人が前夫との間に生んだ息子・セシルだった。皇帝の血を引く異父妹を毒殺され、その身代わりとして性別を隠して隣国アキテーヌの宰相オスカーに輿入れするが……。
『ベルばら』で『アンジェリク』(←S&A・ゴロンの方。”オスカー”がいるので『アンジェリーク』でも間違いではないが。)で『とりかえばや』みたいなグランドロマン。主人公が男じゃなければ、ワタクシ的には完璧なんだけどねぇ……。
隣国の宰相のところへ性別を隠して輿入れするまでの展開がムチャクチャ強引なんですが、テンポが良くてキャラが魅力的(ハノーヴァー侯爵夫人萌え〜)なので、細かいことは「まっ、いいか」という気になりますね。
アキテーヌの宰相のところへ輿入れしてからは、ロマンス小説の定番みたいな展開ですわね。男同士だけど、やおい苦手な私でもそれほど気になりません。
中学時代に読んでいたら、完全にハマったでしょう。
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(角川ティーンズルビー文庫,2001.2,\438+税, ISBN4-04-442801-8)
ISBN4-04-442801-8 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01974187)】
(角川ビーンズ文庫,2001.10,\438+税, ISBN4-04-445101-X)
ISBN4-04-445101-X 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02076485)】
茅田 砂胡『レディ・ガンナーの大追跡 下』 (角川スニーカー文庫,2002.2,\514+税, ISBN4-04-423103-6)読了。
「異人種」や「インシード」の人権を認めない人々に「インシード」と間違えられて捕らえられたキャサリンとニーナ。閉じ込められた牢の中で、不思議な少女と出会うのだが……。
ようやく用心棒さんたち登場。
人種差別という重いテーマでありましたが、最後は例のごとく通り用心棒とお嬢様が大暴れなので、読後感は重くないです。
口絵のキャプションは、しっかりネタバレ対策してありました。
おもいっきり口絵でネタバレしている無神経な本もあるから、こういうのはポイント高し。
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ISBN4-04-423103-6 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02123319)】
深町 真理子『翻訳者の仕事部屋』 (ちくま文庫,2001.12,\840+税)読了。
翻訳家の深町 真理子さんのエッセイいろいろ。訳書目録もあり。
この訳書目録が興味深いです。ゼナ・ヘンダーソンにルース・レンデル、『光の王』『アトランの女王』『ルーンの秘宝杖』も深町訳なのか。
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ISBN4-480-03693-8【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02108331)】
佐藤 亜紀『モンティニーの狼男爵』 (光文社文庫,2001.10,\476+税, ISBN4-334-73222-4)読了。
面白い!! 歴史小説なんて銘打ってありますが、男爵が嫉妬から狼に変身してしまう一種のファンタジーです。晩年の男爵が一人称で語るという体裁を取っていて、どこかR・A・マカヴォイの《ナズュレットの書》(『世界のレンズ』『死者を統べるもの』)を思わせるところがあるので、あの作品が好きだった人には特にオススメ。
田舎育ちで人見知りのラウール・ド・モンティーニー男爵は、修道院育ちの娘ドニーズと見合い結婚で結ばれる。男爵はドニーズと会ったときから彼女を自分の魂のように愛し、二人の間には一女一男も生まれるが、長男が幼くして亡くなったときから夫婦の間に隙間風が吹き始める。男爵夫人は美貌のジゴロ・ルナルダンに心奪われ、妻の浮気を察した男爵は嫉妬から狼に変身して夜毎森をさまよう。
登場人物たちがなんともチャーミング。主人公で語り手のモンティーニー男爵はいうまでもなく、神父でありながら放蕩者の男爵の叔父やルナルダンの愛人であるダニエル・ブリザック夫人の魅力的なことといったら。
地味で垢抜けないカップルに見えた男爵とその妻が、物語が終わることには別の存在に見えてくる不思議さ。物語の冒頭で、男爵が自分の身の上を語り始めると、聞き手が笑うというシーンがあるんですが、読み終えてから冒頭に戻るとここがとても意味深く見えてくるんですね。
====引用開始====
つまりはそれがわたし、男爵ラウール・ド・モンティーニーという訳です。
おや、お笑いになる。おいでになってからはじめてではありませんかな。わたしはまた、あなたは箙を背負った女神の彫像のように、にこりともすまいと決めているのだと思っておりましたよ。(p.9)
====引用終了====
いったい、なぜ聞き手は笑ったんでしょう? この聞き手って、女性ですよね?
「美女と野獣」のヴァリエーションのひとつかもしれません。女達は美貌の男よりも従順な狼を愛するという話だったりして。
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ISBN4-334-73222-4 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02081782)】
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新刊書店の寄ってからブックオフ4軒をはしご。
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宮本 隆司『九竜城砦』の感想(2001/11/27)、板橋 雅弘文/岩切 等写真『廃墟霊の記憶』の感想(2002/01/24)にも関連の話題あり。
高瀬 美恵『薔薇の王 ロサ・アルティーザ』 (エンターブレイン A‐novels,2001.10,\840+税, ISBN4-7577-0579-4)読了。
ヨーロッパの田舎町・フローガスの郊外に建つ、全寮制の男子校ローゼンランツェ学園。その庭園に真っ赤な絨毯のごとく咲き誇る薔薇、ロサ・アルティーザ。それは、天使のような美貌を持つ少年、ミューゼルの薔薇だった。彼と仲間たちは、とある家に飾られた肖像画に同じ薔薇が描かれているのを見つける――。
絵が物語る伝説とミューゼルの薔薇との関係は……!?
表紙だけ見るとお耽美ボーイズラブみたいですが、コメディすれすれのホモ抜き学園物。薔薇の持ち主ミューゼル少年は思いやりのある委員長ですけど、その他のキャラが、「人間のクズ」とまでいわれる花オタクで女好きの金髪美少年とかネットバトラーな日系少年とかで、性格の悪いキャラクターばかりで構成された『トーマの心臓』のようです。実は伝説の「薔薇の王」が復活しちゃうというファンタジー。完結してません。
「ミューゼル」という名前がいただけないよなと思います。「ミューゼル」といわれると、私はどうしても『銀河英雄伝説』の「ラインハルト・フォン・ミューゼル」を思い浮かべてしまって……。しかもその名前が、金髪碧眼の少年じゃなくて、黒髪の品行方正委員長の名前だから、キャラクターイメージが混乱するのですわ。頭の中でフリード(金髪碧眼少年)とミューゼル(黒髪の委員長)が入れ替わってしまうのです。読みにくいったらありゃしない。
こちらが名前で混乱しているせいもあるのでしょうが、キャラクターの性格設定が安定していないような気がします。人間の多面性を描いたというより、とっ散らかった性格に見えてしまうんですよね。特にフリード。
いろいろ欠点があるにもかかわらず、続きを読むためにアンケートはがきを出してあげようかという気になるぐらいには面白いんですが。
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ISBN4-7577-0579-4 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02076554)】
恩田 陸/小林泰三/新津きよみ/乙一『殺人鬼の放課後 ミステリ・アンソロジー 2』(角川スニーカー文庫,2002.2,\476+税, ISBN4-04-426902-5)読了。
この面子を見たら即買いでしょう、フツー。
綾辻行人『殺人鬼』の「放課後」バージョンでしかもパズラーな要素を入れて……というかなり難しい課題のアンソロジーですが、収録作はどれも課題をクリアしてしかもレベルが高い。超お買い得。
ただテーマがテーマだけに、スプラッタな描写が苦手な人には辛いかも。
●恩田 陸「水晶の夜、翡翠の朝」
『麦の海に沈む果実』【bk1(01913287)】 の続編でヨハンが主人公。『三月は深き紅の淵を』の四章に出てきた部分の別バージョンのようですね。
恩田陸お得意の「学校の噂」に「見立て」を組み合わせて、独特の雰囲気でまとめた短編。お見事!
●小林泰三「攫われて」
「わたしたち、誘拐されたの。小学校から帰る途中、公園で道草していたときに」唐突に恵美はそんなことを言い出した。
攫われた少女たちと犯人との息詰まるような闘い。そして……。
生理的に痛い描写が……。
●新津きよみ「還ってきた少女」
中学生の少女とそっくりの幽霊が……という話。それなりの出来なんですが、このメンバーの中では平凡に見えます。
●乙一「SEVEN ROOMS」
姉と共に攫われ、四角いコンクリートの部屋に閉じ込められた10歳の少年。汚水溝に潜り部屋からの脱出を試みるが……。
小林泰三作品と少々ネタがかぶりますが、奇才ヤスミンの作品に勝るとも劣らない出来映え。血と汚物にまみれたダークな作品で、ラストは切なく辛い。乙一はやっぱり凄い。
『ザ・スニーカー』連載中だという『GOTH』も読みたくなりました。
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ISBN4-04-426902-5 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02123321)】
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[堀泉下作品リスト(暫定版)]というのを作りました。漫画家の堀泉下さんの作品リストです。1980年代にコミックスを4冊出して、その後商業雑誌ではお見かけしないんですが。
1987年ごろ廣済堂出版のホラー漫画雑誌『ソリティア』に描いていたらしいんですが、そんなマイナーな雑誌の情報をどこで仕入れたらよいのだ?
ホラー漫画に強い人って誰かいたっけなぁ。
2CHの「マコと純也とプラス1?!★by ほりせんか★」スレッドによると、堀泉下から堀仙果に改名したという話なんですが、検索しても情報が出てこないんですよね。
というわけで堀泉下さんに関する情報をお持ちの方はよろしくー。
【bk1】でもようやく「指輪物語フェア」開始。記事を書いているのは【石堂藍】さんなので、安心して読むことができます。
【指輪物語フェア】
【トールキン作品】
【指輪物語全関連図書】
皆川博子ファンなら次のコラムも要チェック!
【レビュー&ミニフェア ファン必携! 『皆川博子作品精華』】
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古川 日出男『砂の王 1 ウィザードリィ外伝II』(アスペクト ログアウト冒険文庫,1994.3,, ISBN4-89366-161-2)読了。
『アラビアの夜の種族』が評判の古川 日出男によるウィザードリィ小説。絶版だけど、ブックオフを回れば結構見つかると思う。
『アラビアの夜の種族』を購入するかどうかを決めるために試しに読んでみた。『13』も買ってあるのだが、読みやすそうなゲーム小説から先ず手にとってしまうのだった。
封印をとかれた古代皇帝ハルギスの墓所迷宮の呪いは、アルマールの都に災いをもたらす。
エルフに育てられた美貌の魔術師ヴァルと、商人貴族の養子となった戦士アシェルはそれぞれの思惑を胸に地下迷宮へと赴くが……。
格調高い文章で綴られた冒険ファンタジー小説。ゲーム小説だが呪文名もモンスター名も出てこないので、ちょっと読んだだけではこれがRPGゲームのシナリオを元にしているなんて気がつかないだろう。戦闘シーンやアイテム集めの部分、あるいは「ギルガメッシュの酒場」という名称にウィザードリィの片鱗は認められるのだが。
読みながらウィザードリィの呪文を思い出そうとしたら、「ティルトウエイト」「マロール」「マハリト」(←ファミコン版から始めたので、カタカナ)しか思い出せなかったのには、がっくり。記憶力落ちた。年取るって、イヤね。
面白かったので『アラビアの夜の種族』の購入を決定。
★書誌情報
ISBN4-89366-161-2 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01051010)】
谷 瑞恵『夜想』(集英社スーパーファンタジー文庫,1998.5,\495+税, ISBN4-08-613305-9)読了。
悪魔払いを生業とする少女が、自分を魔物だと信じている弟子の少年を連れて、「魔城」と呼ばれる城の城主に呼ばれ、その領地に赴くが……。
ヨーロッパ中世をモデルにした世界が舞台だが、世界観が一貫していないので、読んでいて疲れる(てゆーか、脱力ものです)。ヨーロッパにジャガイモがもたらされたのはコロンブス以後だという基礎的な知識も持たずに歴史物風のものを書くのは無謀だと思う。
自分を魔物だと信じている少年の設定は悪くない。
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ISBN4-08-613305-9 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(01564592)】
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古川 日出男『13』(角川書店 角川文庫,2002.1,\800+税, ISBN4-04-363601-6)読了。
うひゃ-凄かったっ!! 超おすすめ。読み終わってからしばらく妙にハイテンションになってました。
『砂の王』とは雰囲気が違うので、多分『アラビアの夜の種族』とも雰囲気が違う作品なのではないかと推測します。
三原順と伸たまき改め獣木野生の作品にキャラ萌えでなく反応する人は、とりあえず p.423〜437の「響一と犬の少年」を読め。(2002/02/13追記:長編の一部ですが、この章だけを単独で読むことも可能。)
【おおた】さんは、こっちを先に読むべきだったんじゃないかと思う。
第一部後半のザイールの目くるめくような色彩に溢れたジャングルの描写もすばらしいけれど、それは日本での生活を前半で丁寧に描いているからこそのリアリティだよな、と思ったり。美術教師がいい味出してると思ったら……。
第二部ではなかなか主人公が出てこないので、どうなっちゃったんだろうと思いましたが見事に第一部につながりましたね。ココがかっこいいっす。萌えー。
購入ガイド
ISBN4-04-363601-6 【bk1/amazon/Yahoo!】 【bk1(02122487)】
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去年の11月にも行った。広くて新しくて興味深い博物館なのです。今回の目的は、石の市民コレクション企画展示。要するに石ころが並べてあるだけですが、実はワタクシ、石が好きなのです。自分で拾ったりはしませんが。
今回は館内でお昼を食べて(民間企業が入っているので、それなりに美味)、前回見られなかった売店などを覗く。恐竜グッズがいろいろあるので、マニアな人には堪らないかも。私は恐竜には興味ないので、石の標本などを漁ってました。
企画展示には、小学生の「宝物」が作文と一緒に展示してあったりして面白かったです。(中には山登りした時つまづいた石を後生大事に持ち帰った子もいたり。)どの作文にも学芸員さんのコメントがついているのが印象的でした。『瀬名秀明 奇石博物館物語』[→感想]を思い出したりして。
楽しゅうございました。
大人になってからいく博物館ってのもオツなもんですよ。
【茨城県自然博物館】
探しているものはあるんですけど、見つかりませんねぇ。
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有里 (Alisato Akemi)