原稿No.200203-02
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@niftyのログをちょっとだけ掘り返しました。【SF&ファンタジーフォーラムのWebページ】には【ライトノベルとは?】というページがあって、「比較的若い読者、具体的には小学校高学年から20代くらいの人向けの文庫やノベルズから出ている小説の総称として、FSFで考えたもの」と定義してあります。
(2003/10/13追記:フォーラムが終了したため、現在はWebページは存在しません。Ineternet Archiveによるキャッシュ参照)
フォーラムにライトノベルの会議室が出来たのは、1990年12月です。(圧縮ログがFSF1 MES2 #97にあります)最初は「ライト・ノベル」とナガグロのある表現でした。ナカグロなしの「ライトノベル」になったのは、1992年ごろのことのようです。会議室が出来る前のどの時点からこの名称が使われるようになったのかは、まだ不明です。時間があるときに調査は続行しますが、溯れるのはニフティができた1987年までですね。
フォーラムでは明言していませんが、会議室利用者の間では「ライトノベル」は明らかに「かるいSFとファンタジー」の意味で使用されていたようです。
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「ライトノベル」という名称の来歴については、@niftyのFSFのシスオペの方からメールをいただきました。要約しますと以下のようなことらしいです。
メールには晶文社系「ヤング・アダルト」についての引用もあったのですが、孫引きになるので引用は控えます。元になったのは、『児童文学事典』(1988年,東京書籍)と、ヤングアダルト出版会の『英独仏ヤングアダルト図書視察レポート』(1993.9)だそうです。
晶文社〈ダウンタウンブックス〉、岩波書店〈あたらしい文学〉、理論社の〈10代の本セレクション〉などが晶文社系「ヤング・アダルト」らしいんですが、具体的な作品名は宿題ということで。
ティーンエイジャーの問題意識を前面に押し出した作品ということですが、日本の若者は問題意識なんて持たないんだから、そんな本売れっこない/売れなかったと思います。問題意識を持たないんじゃなくて、問題の質が違うというべきなのかもしれないけど。
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呼び名はともかく、コバルト文庫やスニーカー文庫に代表されるあの手の小説の私なりの定義がまとまりました。
「ティーンエイジャーを主たる読者と想定する、ソフトカバーの、挿絵付きエンタティメント小説」です。ハードカバーは除外。挿絵なしの小説も除外。
やっぱりこれは「ライトノベル」と呼びたい気がしますね。ただし問題は形態であって、中身じゃない。
文庫もノベルズもOK。ハヤカワ文庫SFの白背は入るけど、青背は入らない。
こういう風に定義すると、「ライトノベル」と普通の小説との中間地点にいる人が、はっきり判別できます。挿絵入りで出た小説が挿絵無し文庫に入った小野不由美、菅浩江がとても特異なポジションにいるってのも判りますでしょ。
自分が何をやりたいのかもわかった。
そういう「ライトノベル」の歴史を俯瞰したいのだ。
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