広告に見る1986年〜1989年の雑誌『野性時代』とスニーカー文庫の関係について。
1986年の『野性時代』
表紙は鈴木英人。 「キャンパスあれこれ噂ばなし」「人生の1/3でトップに立った男たち」「有名女子大まるごとウォッチング」等のコラムがあり、明らかに男子大学生向け。小説も載っているが『ホットドック・プレス』『GORO』といった男性雑誌に近い。まさに文芸エンタティメント雑誌。
小説ラインナップは以下を参照。
http://homepage2.nifty.com/te2/m/ysjd1986.htm
なぜか手塚治虫『火の鳥』が掲載されている。
ちなみに1985年創刊の朝日ソノラマ『獅子王』がこの年の9月に季刊から月刊に変わっている。
http://homepage2.nifty.com/te2/m/ssou1986.htm
角川文庫では、「1986年夏の角川文庫ファンタジーフェア」を企画しているのだが、『野性時代』には通常の角川文庫の広告が載っているだけで、特に「ファンタジーフェア」をうたった広告は載っていない。 「1986年夏の角川文庫ファンタジーフェア」のラインナップについては、以下を参照。
http://alisato.web2.jp/diary/l200204-02.htm#02_t8
1987年の『野性時代』
「女子大まるごとウオッチング」のコラムが消える。1986年4月から始まった梅原猛の連載がど真ん中にきて、地味〜に男くさい雑誌になった。
小説ラインナップは以下を参照。
http://homepage2.nifty.com/te2/m/ysjd1987.htm
1987年5月号
p.223に朝日ソノラマ『獅子王』5月号の広告
朝日ソノラマはこの後も『野性時代』に広告を載せつづける。
1987年7月号
7月号から久美沙織『SPEAK EASYの魚たち』連載開始。 (1988年3月に角川文庫青帯で刊行されたが、初出は載っていない。)
1987年8月号
角川文庫では、「1987年夏の角川文庫ファンタジーフェア」を企画しているのだが、これも特に「ファンタジーフェア」をうたった広告は載っていない。
http://alisato.web2.jp/diary/l200204-02.htm#02_t9
1987年12月号(発売は1987年11月)
青色帯創刊の広告が掲載される。
角川文庫に新しいジャンル青色帯誕生!
若い読者を主な読者対象とした人気作家・作品を中心に 新しいジャンル(青色帯)が、今月より誕生します。
具体的な作品名については掲載されていない。
1988年の『野性時代』
小説ラインナップは以下を参照。
http://homepage2.nifty.com/te2/m/ysjd1988.htm
1988年1月号(発売は1987年12月)
『機動戦士ガンダム I』『機動戦士ガンダム II』『機動戦士ガンダム III』の広告が掲載される。 (※『機動戦士ガンダム I』の刊行は、1987年10月。カバー折り返しには、『Zガンダム』までの刊行予定が記されてる)
ソノラマ文庫の広告が掲載される。
1988年2月号
「『ドラゴンマガジン』1988年1月30日創刊」の広告が掲載される。
うたい文句は「新世代のためのビジュアルSTORYマガジン」。
「創刊号はハツラツ唯のSPECIALフォトでファイト!!」ということなので、表紙は浅香唯だったらしい。
創刊号のラインナップは以下のとおり。
- 機械幻想ルーンマスター
- 「花の遠山署」火浦功+美木本晴彦
- 「風の大陸」竹河聖+いのまたむつみ
- 「武蔵野妖精迎撃隊」伊藤和典+山本貴*
- 「アンバランスな放課後」赤川次郎+あいかわももこ
1988年3月号(1988年2月発売)
角川文庫青帯のガンダムフェアの広告
(この時点では、青帯は事実上「ガンダム文庫」だった)
- 『機動戦士ガンダム 1』(1987年10月) ISBN:4-04-410102-7
- 『機動戦士ガンダム 2』(1987年11月) ISBN:4-04-410102-7
- 『機動戦士ガンダム 3』(1987年11月) ISBN:4-04-410103-5
- 『機動戦士Zガンダム 第1部 カミーユ・ビダン』(1987年11月) ISBN:4-04-410104-3
- 『機動戦士Zガンダム 第2部 アムロ・レイ』(1987年11月) ISBN:4-04-410105-1
- 『機動戦士Zガンダム 第3部 強化人間』(1987年12月) ISBN:4-04-410106-X
- 『機動戦士Zガンダム 第4部 ザビ家再臨』(1987年12月) ISBN:4-04-410107-8
- 『機動戦士Zガンダム 第5部 戻るべき処』(1987年12月) ISBN:4-04-410108-6
1988年4月号
『ガンダム 逆襲のシャア』(1988.02刊)『イデオン2』『イデオン3』の広告。
- 『伝説巨神イデオン 1 覚醒編』(1987年12月) ISBN:4-04-410118-3
- 『伝説巨神イデオン 2 胎動編』(1988年1月) ISBN:4-04-410119-1
- 富野由悠季『伝説巨神イデオン 3 発動編』(1988年2月) ISBN:4-04-410120-5
- 『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』(1988年2月) ISBN:4-04-410109-4
1988年5月号
富野由悠季作品以外の青帯の広告が登場する
- 渡辺由自『ドリーム・トラベル 魔群惑星 3』(1988年2月) ISBN:4-04-410203-1
- 火浦功『ニワトリはいつもハダシ』(1988年2月) ISBN:4-04-162705-2
- 山本弘『ラプラスの魔』(1988年3月) ISBN:4-04-460101-1
- 飛火野耀『イース 失われた王国』(1988年3月) ISBN:4-04-460201-8
1988年3月には、「角川文庫 80's 新青春フェア」があったはずなのだが、広告は掲載されていない。
http://alisato.web2.jp/diary/l200204-02.htm#02_t10
『野性時代』で連載されていた久美沙織『SPEAK EASYの魚たち』も入っているんだから、広告ぐらい出せばいいのにと思うのだが。
1988年6月号
『ロードス島戦記 灰色の魔女』の広告が掲載される。
- 水野良『ロードス島戦記 灰色の魔女』(1988年4月) ISBN:4-04-460401-0
1988年7月号
「角川文庫のニューウェーブ だれだって冒険中 YOUNG SELLERS」のキャッチフレーズが登場。