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公開講座「現代ファンタジー入門」

原稿No.199803-10

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Last Update: 2004-01-24 14:25:30

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公開講座「現代ファンタジー入門」

公開講座「現代ファンタジー入門
井辻朱美氏を講師に横浜朝日カルチャーセンターで行われた公開講座。

  • 2003年8月30日(土)15:30〜17:30
  • 2003年9月13日(土)15:30〜17:30
  • 2003年9月27日(土)15:30〜17:30

《講師のことば》
 三回連続でファンタジーの魅力について、お話ししたいと思います。一日目は、時間のファンタジー、二回目は空間のファンタジー、三回目はファンタジーの策略というか、世界観の文学としてのファンタジーをとりあげます。時間のファンタジーでは、比較的古典的な作品、ネズビット、ノートン、ピアスなどを、空間のファンタジーでは『千と千尋の神隠し』やダイアナ・ウィン・ジョーンズなど、現代のファンタジーをとりあげ、そして世界観のファンタジーでは、日常を転覆させるファンタジー独自の力を、枠物語、世界モデルの提示などのファクターをからめて『十二国記』(小野不由美)、『指輪物語』(トールキン)などのハイ・ファンタジーに探ってみます。

以下は、その講座の自分用のメモです。

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公開講座「現代ファンタジー入門」第1回

2003年8月30日(土)15:30〜17:30

受講者は私も含めて11人。女性ばかりで年代は20代後半から40代ぐらいまで。だいたい児童文学&ファンタジー読みな感じの人達でした。

井辻先生登場。鮮やかな水色のお召し物でした。TVで拝見したより小柄な感じ。
事務局の人がプロフィールを紹介しようとして、あまりの肩書きの多さに絶句し、「時間がもったいないので、あとは講座案内の紹介をご覧ください。」とやる一幕も。

第1回のテーマは、「時間のファンタジー」。
トマス・モア『ユートピア』から始まり、スーザン・クーパー『影の王』に終わるファンタジー作品の年表を資料に、時間のファンタジーというものがどのように生まれ、発展してきたかを眺めてから、フィリッパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』、E.ネズビット『魔よけ物語』、ヒルダ・ルイス『とぶ船』、ネイサン『ジェニーの肖像』、スーザン・クーバー『影の王』などをとりあげて、時間のファンタジーについてのいくつかのタイプ(幽霊譚、時間軸の交錯、観光ツアー、ある時代への哀惜、『バックツーザフュチャー』的家族のトラウマ癒し系)について解説するという講座でした。

年表を見て思ったのは、ファンタジーというのは神話・伝説を除くとメインは旅行なんだなということ。時間のファンタジーというのも旅行のヴァリエーションなんですね。

面白かったのは、幽霊譚も時間ファンタジーの一種として取り上げられていたことで、確かにピアス『トムは真夜中の庭で』なんて幽霊譚のヴァリエーションという気がしますね。

それから、入門講座だからということもあるのでしょうが、作品についてコメントするときには、必ず映像化の話が出てくるのが印象的でした。
1964年の『メアリ・ポピンズ』の映画化によってSFXが一般化されて、その後は映像化された魔法や不思議な事件が当たり前になってしまって、文学としてのファンタジーは不思議な現象/事物を描くことそのものではなく、それを通して人間の内面を描くことにポイントをおくようになってきたという指摘が興味深かったです。

あと脱線話として、ディズニーの三大お姫様物の『白雪姫』『眠れる森の美女』『シンデレラ』はそれぞれ描き方が違っていて、『白雪姫』はグリムタイプで登場人物の着ているものが年代不詳、『眠れる森の美女』は時代を中世に設定して衣装もわりと時代に忠実、『シンデレラ』は王子様が19世紀風だという話が面白かったです。『シンデレラ』は、話のパターンとしては一番古く、中国にも似たような話があって、地域や時代ごとにお色直しされているのだとか。

講座のメインの話はネズビットの『魔よけ物語』でしたが、今は残念ながら絶版なのだそうで。(【ニム】さんは読んでいるんだよねー。うらやましい。)
ネズビットはウェルズと仲が良くって、その作品はC.S.ルイスにも大きく影響を与えているのだそうな。へぇ〜、へぇ〜、へぇ〜。

いろいろ刺激のある講座でした。ディズニーとファンタジー関係については、自分でも調べてみたいです。
次回は9/13。楽しみ。

講座で取り上げられていた主な本

 ★は現在入手困難。

  • 荒俣 宏『ヨーロッパホラー&ファンタジー・ガイド 魔女と妖精の旅』
    (講談社 講談社+α文庫 ,2002.9,\800+税, ISBN4-06-256662-1)
     ISBN4-06-256662-1 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02224080)
  • ヴィンフリート・レシュブルク/林 竜代訳/林 健生訳『旅行の進化論』
    (青弓社 青弓社ライブラリー 2 ,1999.7,\1600+税, ISBN4-7872-2011-X)
     ISBN4-7872-2011-X 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01690456)
  • 石原 孝哉『幽霊(ゴースト)のいる英国史』
    (集英社 集英社新書 0196 ,2003.6,\720+税, ISBN4-08-720196-1)
     ISBN4-08-720196-1 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02333130)
  • イーディス=ネズビット『魔よけ物語 続・砂の妖精 上』八木田 宜子訳
    (講談社 講談社青い鳥文庫 72−2 ,1995.8,\544+税, ISBN4-06-148425-7)★
     ISBN4-06-148425-7 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01209194)
  • イーディス=ネズビット『魔よけ物語 続・砂の妖精 下』八木田 宜子訳
    (講談社 講談社青い鳥文庫 72−3 ,1995.8,\544+税, ISBN4-06-148426-5)★
     ISBN4-06-148426-5 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01209195)
  • フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で 新版』高杉 一郎訳
    (岩波書店 岩波少年文庫 041 ,2000.6,\720+税, ISBN4-00-114041-1)
     ISBN4-00-114041-1 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01779797)
  • メアリー・ノートン『空とぶベッドと魔法のほうき』猪熊 葉子訳
    (岩波書店 岩波少年文庫 076 ,2000.11 ,\720+税, ISBN4-00-114076-4)
     ISBN4-00-114076-4 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01954983)
  • ヒルダ・ルイス『とぶ船』石井 桃子訳
    (岩波書店 ,1987,\2800+税, ISBN4-00-110822-4)
     ISBN4-00-110822-4 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00524970)
  • スーザン・クーパー『影の王』井辻 朱美訳
    (偕成社 ,2002.3,\1500+税, ISBN4-03-631510-2)
     ISBN4-03-631510-2 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02143671)
  • ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』山室静訳
    (偕成社 偕成社文庫 4028,1979年,700円+税, ISBN4-03-850280-5)
     ISBN4-03-850280-5 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00278080)
  • ロバート・ネイサン 『ジェニーの肖像』井上一夫訳
    (早川書房 ハヤカワ文庫 NV 90,1981年,408円+税, ISBN4-15-040090-3)★
     ISBN4-15-040090-3 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00106429)
  • ジョーン・ロビンソン『思い出のマーニー 上 新版』松野 正子訳
    (岩波書店 岩波少年文庫 110 ,2003.7,\640+税, ISBN4-00-114110-8)
     ISBN4-00-114110-8 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02346373)
  • ジョーン・ロビンソン『思い出のマーニー 下 新版』松野 正子訳
    (岩波書店 岩波少年文庫 111 ,2003.7,\640+税, ISBN4-00-114111-6)
     ISBN4-00-114111-6 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02346374)

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公開講座「現代ファンタジー入門」第2回

2003年9月13日(土)15:30〜17:30

今回のテーマは「空間(Raum)と場所(Topos)のファンタジー」。
なぜ、ファンタジー講座で時間と空間について扱うかというと、ファンタジーというものは時間と空間をいじるものだから、という前振りに続いて、夢想の舞台となる「場所」についての解説がありました。ファンタジーの舞台になりやすいある特定の「場所」がいくつかあるという話で、たとえば、

  • 洞窟、地下世界
  • 遺跡、博物館
  • 鏡や絵の中
  • 水底(海底)
  • ホテル
  • 庭園→公園
  • 遊園地

城やホテルは、寝食とレジャーの機能を兼ね備えた閉じたひとつの世界を形成している。島もまた、隔離された閉じた世界である。

で、次にファンタジーに関連していそうな空間の思想――風水思想、箱庭療法、ミニアチュールの世界、洞窟と地下世界の夢想、NLP(神経言語生理学)などなどについての解説がありました。
ミニアチュールの世界は、ファンタジーの世界観(第二世界の創造)につながる点があり、NLPは枠物語にもつながるという話でした。

具体的なファンタジー作品のとしては、エレベーターを舞台にした物語としてネズビット「エレベーター=ボーイはだれ?」(『魔法!魔法!魔法!』収録)、博物館を舞台にした物語として、カニズバーグ『クローディアの秘密』とメアリ・シュトルツ『鏡のなかのねこ』が取り上げられました。

今回は参考文献も話題も多く(90分で大学の講義2コマ分の内容)、まだ私の中で消化しきれていません。NLPの話は、なかなか興味深いものがありました。

講座で取り上げられていた主な本

 ★は現在入手困難

夢想の舞台となるトポス

  • 谷川 渥『廃墟の美学』
    (集英社 集英社新書 0186 ,2003.3,\660+税, ISBN4-08-720186-4)
     ISBN4-08-720186-4 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02298739)
  • 谷川 渥『図説だまし絵 もうひとつの美術史』
    (河出書房新社 ふくろうの本 ,1999.8,\1800+税, ISBN4-309-72615-1)
     ISBN4-309-72615-1 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01694852)
  • 高山 宏『カステロフィリア 記憶・建築・ピラネージ』
    (作品社 叢書メラヴィリア 1 ,1996.5,\3495+税, ISBN4-87893-751-3)
     ISBN4-87893-751-3 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01337536)
  • 澁澤 龍彦『城 夢想と現実のモニュメント』
    (河出書房新社 河出文庫 ,2001.10,\650+税, ISBN4-309-40642-4)
     ISBN4-309-40642-4 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02079574)
  • ジェフリー・ロビンソン『ザ・ホテル 扉の向こうに隠された世界』
    (文芸春秋 文春文庫 ,1999.11,\695+税, ISBN4-16-730987-4)
     ISBN4-16-730987-4 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01705934)
  • 橋爪 紳也『日本の遊園地』
    (講談社 講談社現代新書,2000.9,\660+税, ISBN4-06-149520-8)
     ISBN4-06-149520-8 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01928505)
  • 能登路 雅子『ディズニーランドという聖地』
    (岩波書店 岩波新書 ,1990.7,\780+税, ISBN4-00-430132-7)
     ISBN4-00-430132-7 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00684722)
    ……これは読んだことがあります。ものすごく面白い。おすすめ。
  • 河合 隼雄『イメージの心理学 』
    (青土社 ,1991.11,\1600+税, ISBN4-7917-5155-8)
     ISBN4-7917-5155-8 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00767023)

風水思想

  • 荒俣宏『ワタシnoイエ シム・フースイ Version 1.0』
    (角川書店 角川ホラー文庫,1993年4月,700円+税, ISBN4-04-169018-8)
     ISBN4-04-169018-8 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 荒俣宏『二色人(ニイルピト)の夜 シム・フースイ Version 2.0』
    (角川書店 角川ホラー文庫,1993年12月,580円+税, ISBN4-04-169022-6)
     ISBN4-04-169022-6 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 荒俣宏『風水先生』
    (集英社 集英社文庫,1994年4月,524円+税, ISBN4-08-748159-X)
     ISBN4-08-748159-X 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 荒俣宏/著 『風水先生レイラインを行く』
    (集英社 集英社文庫,1997年12月,686円+税, ISBN4-08-748656-7)
     ISBN4-08-748656-7 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 加門七海『大江戸魔方陣』
    (河出書房新社 河出文庫,1997年9月,580円+税, ISBN4-309-47336-9)
     ISBN4-309-47336-9 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 加門七海『東京魔方陣』
    (河出書房新社 河出文庫,1997年10月,540円+税, ISBN4-309-47337-7)
     ISBN4-309-47337-7 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 渡辺欣雄『風水思想と東アジア』
    (人文書院 ,1990年7月,1,900円+税, ISBN4-409-41048-2)
     ISBN4-409-41048-2 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 三浦国雄『風水中国人のトポス』
    (平凡社 平凡社ライブラリー,1995年7月,1,359円+税, ISBN4-582-76105-4)
     ISBN4-582-76105-4 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • 植島啓司 『聖地の想像力』
    (集英社 集英社新書 0037,2000年6月,680円+税, ISBN4-08-720037-X)
     ISBN4-08-720037-X 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat

地下世界

  • ロザリンド・ウィリアムズ/市場泰男訳 『地下世界 イメージの変容・表象・寓意』
    (平凡社 テオリア叢書,1992年8月,4,466円+税, ISBN4-582-74420-6)
     ISBN4-582-74420-6 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • フェリス・ホルマン/遠藤育枝訳 『地下鉄少年スレイク 121日の小さな冒険』
    (原生林 ,1989年8月,1,200円+税, )
  • ニール・ゲイマン/柳下 毅一郎訳『ネバーウェア 』
    (インターブックス ,2001.7,\2400+税, ISBN4-924914-34-7)
     ISBN4-924914-34-7 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02043535)
  • ジュール・ヴェルヌ/朝比奈弘治訳 『地底旅行』
    (岩波書店 岩波文庫,1997年2月,760円+税, ISBN4-00-325692-1)
     ISBN4-00-325692-1 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • ジョンストン・マッカレー/乾信一郎訳 『地下鉄サム』
    (東京創元社 創元推理文庫,1980年,311円+税, ISBN4-488-12601-4)
     ISBN4-488-12601-4 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • マーガレット・マーヒー/青木由紀子訳 『地下脈系』
    (岩波書店 ,1998年6月,1,900円+税, ISBN4-00-115620-2)
     ISBN4-00-115620-2 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • ジュリー・ハーン/海後礼子訳 『チェンジリング・チャイルド』
    (ソニー・マガジンズ ,2003年4月,2,200円+税, ISBN4-7897-2042-X)
     ISBN4-7897-2042-X 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat
  • ジミー/作・絵 宝迫典子/訳 『地下鉄 Sound of colors』
    (小学館 ,2002年11月,1,300円+税, ISBN4-09-727362-0)
     ISBN4-09-727362-0 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat

場所のファンタジー

  • J.M.バリー/石井 桃子訳『ピーター・パンとウェンディ』
    (福音館書店 福音館文庫,2003.6,\750+税, ISBN4-8340-0622-0)
     ISBN4-8340-0622-0 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02332663)
  • ジュール・ヴェルヌ/波多野 完治訳『十五少年漂流記 改版』
    (新潮社 新潮文庫 ,1990,\400+税, ISBN4-10-204401-9)
     ISBN4-10-204401-9 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00775266)
  • イーディス=ネズビット『魔法!魔法!魔法! ネズビット短編集』
    (講談社 講談社青い鳥文庫,1996.1 ,\544+税, ISBN4-06-148438-9)
     ISBN4-06-148438-9 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01321656)
  • メアリ・シュトルツ/中村 妙子訳『鏡のなかのねこ』
    (偕成社 偕成社文庫 3218 ,1996.9,\680+税, ISBN4-03-652180-2)
     ISBN4-03-652180-2 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01353176)
  • E.L.カニグズバーグ/松永 ふみ子訳『クローディアの秘密 新版』
    (岩波書店 岩波少年文庫 050 ,2000.6,\680+税, ISBN4-00-114050-0)
     ISBN4-00-114050-0 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01779800)

NLP

  • リチャード・バンドラー『神経言語プログラミング』
    (東京図書 ,1986.12,\1500+税, ISBN4-489-00184-3)
     ISBN4-489-00184-3 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00431378)
  • リチャード・バンドラー/ジョン・グリンダー『王子さまになったカエル 神経言語プログラミング 』
    (東京図書 ,1991.10,\1456+税, ISBN4-489-00370-6)
     ISBN4-489-00370-6 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(00765583)
  • アンドレアス『心の扉をひらく 神経言語プログラミング実践事例集 』
    (東京図書 ,1995.2,\2000+税, ISBN4-489-00464-8)
     ISBN4-489-00464-8 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01182974)
  • ドナルド・ロフランド『こころのウイルス 』
    (英治出版 ,2001.12,\1900+税, ISBN4-901234-16-1)
     ISBN4-901234-16-1 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(02110981)
  • ジョセフ・オコナー/ジョン・セイモア『NLPのすすめ』
    (チーム医療 ,1995,\2428+税, ISBN4-88509-035-0)
     ISBN4-88509-035-0 【bk1/amazon/Yahoo!/Webcat】 【bk1(01383981)

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公開講座「現代ファンタジー入門」第3回

  • 2003年9月27日(土)15:30〜17:30

今回のテーマは「ファンタジーの仕掛け」。ファンタジーの「あの手この手で、日常のベタ感をひっくり返す方法」について。

ファンタジーを、現実と別世界の対比の観点から、「枠物語」「ハイ・ファンタジー」「サイコ・ファンタジー」に分類しての解説。メインは、「枠物語」と「サイコ・ファンタジー」、特に『メアリー・ポピンズ』『マリアンヌの夢』でした。

  • 「枠物語」の中には、エヴリディ・マジック物や『ナルニア国物語』のように行って帰ってくるものも含まれる。
  • 「枠物語とは単なる二つの世界の行き来ではなく外界と内界でもある。」
  • 枠物語の構造ひねりパターンとして、「内側と外側の逆転」、「層をなす内側」などがある。
  • 枠の中の物語を通りぬけることによって登場人物の意識は変化し、その読者にも影響が与えられる。たとえば、「現実の物語化」「世界の輪郭を垣間見る」
  • 「サイコ・ファンタジー」は、『公園のメアリー・ポピンズ』が始めた鏡像ファンタジーの流れで、現実の世界(外界)と 鏡像としての別世界=内面世界(内界)の対比が描かれる。
  • 「箱庭の作品化・夢の物語化」ともいえ、しばしば創造(物語を書くこと等)によって現実を作り変えて意識する癒しが描かれる。

最後に井辻先生から受講者へ「ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(DWJ)を読んだか、どの作品が好きか」という質問がありまして、私が『グリフィンの年』が好きと言ったら「あれ、かわいいですよね〜(←語尾にハートがついてる感じ)」、『わたしが幽霊だった時』も好きといったら「えええ〜っ!? 私はあれが一番苦手で……」とおっしゃってました。
DWJの面白さがよく解らないと、井辻先生はどこかで書いてらしたことがあったので、多分あちこちで、この質問をしていらっしゃるのではないかと想像します。

DWJは形式こそファンタジーだけれど、面白さの半分は、伏線がどう収束していくかというミステリーの面白さだと思うんで、純ファンタジストの井辻先生には理解しがたいところがあるのかもしません。残りの面白さも、ホラーやホラ話の要素が入っているし。
私は好みの根っこがブラウン神父と『光車よまわれ!』なので、ミステリーっぽくてホラーがかっているのも全然オッケーなんですが。

休み時間には、井辻先生の著書の『魔法のほうき』にサインをいただきました。どうやってお願いしようかなーと思ってたんですが、他にもサインをお願いする人がいたので、私も便乗しました。

井辻先生の講義を受けるというのが夢だったので、実現してとても嬉しいです。

講座で取り上げられていた主な本

枠物語

夢オチ

  • 『ふしぎの国のアリス』

お話の中のお話

  • 『千一夜物語』
  • 『くるみわり人形とネズミの王さま』
  • 『リンゴ畑のマーティン・ピピン』
  • 『幽霊の恋人たち』

劇中劇

  • 『サーカス物語』(M・エンデ)

書物の中へ入る

  • 『リリス』
  • 『はてしない物語』(M・エンデ)
  • 『プリンセス・ブライド』(ゴールドマン)

別世界へ行って帰ってくる

  • 『ナルニア国物語』

エヴリディ・マジック

  • 『砂の妖精』
  • 『火の鳥と魔法のじゅうたん』
  • 『風にのってきたメアリーポピンズ』
  • 『帰ってきたメアリー・ポピンズ』
  • 『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』
  • 『公園のメアリー・ポピンズ』

その他

  • 『これは王国のかぎ』(萩原規子)
  • 『薔薇と海賊』(三島由紀夫)

ハイ・ファンタジー

  • 『ホビットの冒険』
  • 『指輪物語』
  • 『十二国記』

サイコ・ファンタジー

  • 『マリアンヌの夢』(キャサリン・ストー)
  • 『危険な空間』(マーガレット・マーヒー)
  • マーガレット・マーヒーの作品
  • ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品

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