ジョン・クロウリー『エンジンサマー』(福武文庫)は、〈嵐〉と呼ばれる大破壊後のはるか未来のアメリカをでの生活を〈しゃべる灯心草〉と呼ばれる少年が語っていく物語である。
その物語の中には古代の遺物として、20世紀の品物がいくつも出てくる。その物の用途も意味も知らぬ未来の少年の目を通した描写を読むことで、その物を見慣れたはずの我々の目にも、それが見慣れぬ不思議なものとして見えてくる。――というのがおそらくは、作者の意図したところであろうと思う。だが、作者と同世代のアメリカ人であれば、おそらく描写を読むだけでそれがなにか分かるその品物が、悔しいことに日本人の私には分からないのだ。
というわけで、気になって気になって仕方のないそれらのアイテムがなんであるかを探り当てるのがこの稿の目的である。
(といって、やりかけのまま放り投げているのですね 2002/09/25)
By 有里 alisato@anet.ne.jp