『現代用語の基礎知識』で「ヤングアダルト」という言葉の意味がどのように変化したか
2003/01/17 だいぶ写し間違えてました。直しました。
〔現代文芸用語〕(小田切秀雄)
〔現代文芸用語〕(小田切秀雄)
〔現代文芸用語〕(小田切秀雄)
SFの浸透と拡散によって、ジャンルが細分化され、中高生を対象としたSF小説も大きな市場を持つようになってきている。夢枕獏の〈キマイラ〉シリーズで当てたソノラマ文庫、新井素子を育てたコバルト文庫などがその中心といえる。
吉屋信子らの活躍した大正から昭和初期、富島健夫や佐伯千秋らの活躍した昭和三〇〜四〇年代と、ジュニア小説にも歴史があるが、ここ数年来のブームには無視できぬ様相がある。書き手の第一人者氷室冴子の「ジャパネスク・アンコール」が象徴するように、日本語は記号と化している。一〇年来の少女マンガで育てられてきた世代の心を掴んでいるスリリングな内実は、考慮する必要があると憂慮する説がでている。氷室のほか正本ノン、久美沙織、田中雅美らが代表的書き手。
〔現代文芸用語〕(小田切秀雄)
〔外来語・略語〕(堀内克明)
直訳すれば「若いおとな」だが、一般的には若さを保持しているおとなの意味。現代は脱年齢、つまりおとなと子どもの区別のない時代で、それを象徴して年齢不詳のおとなが多くなった。
〔現代文芸用語〕(小田切秀雄)
〔外来語・略語〕(堀内克明)
〔現代文芸用語〕(小田切秀雄)
〔外来語・略語〕(堀内克明)
未調査
〔現代文芸用語〕(小田切秀雄)
〔外来語・略語〕(堀内克明)
10代後半の若者。20代前半を含む場合もある。
アメリカの作家ヒューゴー・ガーンズバックが一九二〇年代末に、Science Fictionという語を初めて用いた。戦後SFという略語が一般化した。日本では空想科学小説と訳されている。怪奇幻想小説・冒険小説・伝奇小説・推理小説・シュールレアリスム等と関係しあって発展してきた分野であるが、現在、小説はもちろん、映画、アニメからファミコンゲームまで、人気を集めるエンターテインメントの中で、SF的発想と無縁のものは珍しいという爛熟期ともいえる現況を呈している。一六世紀のトマス・モアの「ユートピア」などを先駆的作品とし、その後の産業革命、科学技術の発達にともなって、本格的なSFが登場する。フランスのジュール・ヴェルヌ「海底二万マイル」、イギリスのH・G・ウェルズ「タイムマシン」などによって、近代SFの基礎が築かれた。日本では海野十三「俘囚」などを先駆的作品とし、戦後は安部公房が風刺のきいたファンタジーやSF的作品を発表した。六〇(昭和三五)年、専門誌「SFマガジン」(早川書房)が発刊されるにしたがい本格化した。星新一、光瀬龍、小松左京、筒井康隆、半村良、夢枕獏、谷甲州、草上仁、中井紀夫らが輩出し、根づいた。
女子中学生を対象にした文学。中学生の中核的世代である一五歳をもじって「いちご」世代という。一九七六(昭和五一)年いちご世代をターゲットにコバルト文庫が創刊されたのに続き、X文庫ティーンズハート、パレット文庫がそれぞれ続いた。女子中学生の八〇%余が読んでいるといわれるいちご文学、その魅力は(1)初恋がテーマ、(2)短いセンテンス、(3)ハッピーエンド、(4)イラスト(登場人物のキャラクター)の多用、などにある。
※コバルト文庫が創刊された当時は「いちご」世代という呼び方はありませんでした。
本来、子ども特有の文化として成立したはずのコミック文化、アニメ文化、ゲーム文化に現在もっとも熱中しているのは高校生、大学生、若年社会人などのヤング・アダルト層である。「ファイナルファンタジーVII」も「もののけ姫」も「エヴァンゲリオン」も、ヤング・アダルト層の支持によってブーム化したといえる。
※「ヤングアダルト」と「ヤング・アダルト」は別のようです。
〔現代文学〕(小田切秀雄)
〔外来語・略語〕(堀内克明)
ヤングアダルト(一三歳から一九歳)は若い大人という意味で、第二次世界大戦後アメリカの図書館界で使われだした。児童書と大人の本しかない日本の出版界に、一九七九(昭和五四)年、YA(YA世代の欲求や悩みに応えるため、その読書力に合わせ、漢字、用語、文体を平明にした図書)出版会が結成され、書店にYA専門の常設棚をつくる運動が展開された。最近では公立図書館でもYAコーナーを設ける(二五%うち一ニ%は専任の担当者配属)動きが広がっている。書棚を「生きる」「知る」「創る」「読む」に分けるなどの試みも始まっている。YA世代の活字離れに一定の歯止めがかかりつつあるようだ。
※YA出版会
2001年夏のフェアの参加出版社:
青山出版社・あすなろ書房・偕成社・花風社・河出書房新社・国土社・旬報社・晶文社・地湧社・草思社・大日本図書・大和書房・東京書籍・童心社・西村書店・日本放送出版協会・白水社・評論社・福音館書店・ほるぷ出版・めるくまーる・立風書房・リブリオ出版・理論社(24社50音順)
〔現代文学〕(小田切秀雄)
〔外来語・略語〕(堀内克明)
ヤングアダルト(一三歳から一九歳)は若い大人という意味で、第二次世界大戦後アメリカの図書館界で使われだした。児童書と大人の本しかない日本の出版界に、一九七九(昭和五四)年、YA(YA世代の欲求や悩みに応えるため、その読書力に合わせ、漢字、用語、文体を平明にした図書)出版会が結成され、書店にYA専門の常設棚をつくる運動が展開された。最近では公立図書館でもYAコーナーを設ける動きが広がっている。書棚を「生きる」「知る」「創る」「読む」に分けるなどの試みも始まっている。YA世代の活字離れに一定の歯止めがかかりつつあるようだ。
〔現代文学〕(青木信雄)
〔外来語・略語〕(堀内克明)