加門七海さんは『晴明。』『死弦琴妖變』(カバーは波津彬子さん) などの伝奇ファンタジーをお書きになっている方。東雅夫さんは『幽』編集長で、怪奇ホラー文学の評論家&アンソロジストでもあります。
インタビューですが、イラストーレーターや漫画家志望者のためのテクニック情報雑誌なので、『唐人屋敷』の画面構成の話がメイン。最後の方に出てくる、マンガ家になるまでの話やこれからデビューしたい人たちに向けての話が興味深いです。
あとがきというか解説を波津彬子さんが書かれているそうです。実物未確認です。
デビュー時のことから、作品執筆の裏話まで、情報満載。
あまりご自分の事を語らない方なので(「日々平安」の波頭先生は波津先生じゃありませんものね(笑))、インタビューというのは珍しいのでは?
「絵を描くのがお好きだったんですよね」という質問に「いまだに上手くならないのがつらいですね」と答える波津先生にインタビュアーの方が「めまいのしそうな言葉ですね」。
同感。
ネット上で読めるインタビュー。読者から募集した質問への回答も載っています。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、1980年に26歳の若さでなくなった少女漫画家 花郁悠紀子さんは波津先生の実のお姉様です。 花郁悠紀子さん関係のお仕事で、「波津彬子」名義で執筆なさるのは、今回が初めてだろうと思います。
図書館員のためのブックガイドですが、『雨柳堂夢咄 其の4』の紹介が掲載されています。
いわく、「さわやかで明るいロマンチックな古くて新しいファンタジー」「実にまあみごとに和風ファンタジーをつくりあげています」、
でもって、分類が「偉大な癒しの物語」。キースの『アルジャーノンに花束を』(早川書房)と同列に扱われているのがすごい。
実際、雨柳堂シリーズって、もののけを通して人間が癒される物語なんですよね。
まさか図書館員のためのブックガイドに出てくるとは思わなかったので、びっくりしてしまいましたが、
見る目のある人はちゃんと評価してるんだなぁって、嬉しくもありました。
次のページに紹介されているのは、おなじく朝日ソノラマから出ている今市子さんの『百鬼夜行抄』。
あなたの街の図書館に、波津作品が並ぶ日も近い!?
実物未確認なのですが、「古都に移ろう心描く」という題だそうです。
有里 (alisato@anet.ne.jp)
最終更新日:2006/01/16