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本の感想:倉阪 鬼一郎 (2)

日記から抜粋した本の感想です。

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倉阪 鬼一郎 (2)

公式Webサイト:倉阪鬼一郎 Weird World

冊数が多いので、(1)(2)に分けてあります。

bk1で倉阪鬼一郎を検索】 【bk1:倉阪鬼一郎

倉阪 鬼一郎 『内宇宙への旅』

表紙:419905121X

倉阪 鬼一郎『内宇宙への旅』

出版者:徳間書店 徳間デュアル文庫
出版年:2002.9
価格 :\505+税
ISBN :4-19-905121-X

bk1/amazon/Yahoo!
bk1(02223685)

解説:

表紙を見て、「倉阪鬼一郎がお耽美に挑戦か!?」と思ったら、中身は相変わらずの倉阪節でした。主人公の名前が「倉阪鬼一郎」で、いつもよりも私小説的。

ホラー作家・倉阪鬼一郎は、美人編集者・宇野あずさから「スペキュレイティヴで読者の意識の変容を迫るような作品」の書き下ろしを依頼される。幼少時の記憶を辿りながら執筆を始めた倉阪は、自分の小学校時代の記憶が非常に曖昧であることに気付く。祖母の見舞いと取材を兼ねて故郷の伊賀へ帰った倉阪が見たものは……。

一応SFだけどホラー。倉阪鬼一郎は私小説っぽい展開の作品のほうが面白いなと思って読んでいたら「どういうわけか、本質は私小説家なのではないかと言われることが間々あるのだが」(p.61)という一節が出てきて笑った。この書き方だとそう言われるのは不本意だということですね。

日本でふたりぐらいしか出来ない超絶技法を使った作中作には、ヤられました。変な名前が多いとは思ったんだけど、いつものことだから気にしなかった。全体としてのオチは途中で分かっちゃいましたけど、そのへんは作者も計算済みかな。

黒彩社の後ろにいるのって、やっぱり光鳥印刷ですかね。

読み終わって最初にやったのは、「伊賀 ニュータウン」でネット検索かけることだったり。(恐ろしいことにヒットするページがある。廃墟じゃないけど)
それから忍者屋敷のコスチュームは実際にピンクのようです。

デュアル文庫の読者向けかどうかは別として、倉阪鬼一郎らしくまとまっているので、倉阪作品の入門用によろしいかと。

ネットで話題になっていた表紙の人物ですが、該当する人物が他にいないし、口絵がそこはかとなく(ってゆーか骨格が)似ているので、多分そーゆーことではないかと。10歳若返らせてビジュアル系化粧をすれば……。といっていたら、著者からこんな発表が。

イラストレーターによりますと、カバーに描かれている人物は小説の主人公すなわち倉阪鬼一郎だそうです。これほど確かな証言はございません。あれは私です。
Weird World 2002.9.27

この表紙だったら、藤井黒宇を美青年に設定して主人公にからませたら、あとは一部読者が勝手に盛り上がったのではないかと。(笑)

(2002/09/25)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]ないうちゅうへのたび:『内宇宙への旅』

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倉阪 鬼一郎 『緑の幻影』

倉阪 鬼一郎『緑の幻影 』

出版者:出版芸術社 
出版年:1999.9
価格 :\1800+税
ISBN :4-88293-175-3

bk1/amazon/Yahoo!
bk1(01697806)

解説:

『内宇宙への旅』に「表紙が怖すぎて売れなかった本」として出てくるのは、多分これ。この作品の別バージョンが『内宇宙への旅』といえないこともないです。

ホラー雑誌編集長の白坂は、失踪した知人の女性編集者を追って緑風院という施設を訪れる。そこは白坂の雑誌への常連投稿者が住むという場所でもあった。

謎の歌姫の曲が流行していて、しかもその歌が……というあたり津原泰水『妖都』とかぶる点もありますが、拡散していって放り出す『妖都』に対し、何度もひっくり返したあげく内へ内へ収束していくのが倉阪鬼一郎らしい。(そういう意味では、『首のない鳥』は倉阪鬼一郎としては、かなり珍しい作品なのかも)

すんごく凝った装丁(よく見たらインクも緑だった)なんですけど、やっぱり表紙は怖い……。

(2002/09/25)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]みどりのげんえい  :『緑の幻影』

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有里 (Alisto Akemi)
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