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本の感想:倉阪 鬼一郎 (1)

日記から抜粋した本の感想です。

本の感想 目次
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倉阪 鬼一郎 (1)

公式Webサイト:新weird world

冊数が多いので、(1)(2)に分けてあります。

bk1で倉阪鬼一郎を検索】 【bk1:倉阪鬼一郎

倉阪 鬼一郎 『活字狂想曲』

表紙:4344402634

倉阪 鬼一郎『活字狂想曲』

出版者:幻冬舎 幻冬舎文庫
出版年:2002.8
価格 :\533+税
ISBN :4-344-40263-4

bk1/amazon/Yahoo!
bk1(02206969)

解説:

 キれると怖い怪奇作家・倉阪鬼一郎が会社員として過ごした日々のあんなことやこんなこと。 噂通り、すっごく面白いので、超おすすめ。これから、パンフレットやカタログを見るたびに、その陰に屍累々なのを思い出しちゃうかも。

(1999/06/24)

「胸が締め付けられそうになります」(【見下げ果てた日々の企て(。】)といった人様の感想を読んで、「えええ、そうなの!? そういう話だったの!?」と思ってしまったワタクシ。学生時代は現実不適応でしたが、社会に出てからは過剰適応しちゃったらしくて、あんまりそういう辛さが実感できなくてスミマセン。

(2003/01/12)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]かつじきょうそうきょ:『活字狂想曲』

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倉阪 鬼一郎 『赤い額縁』

表紙:4877282580

倉阪 鬼一郎『赤い額縁』

出版者:幻冬舎 
出版年:1998.10
価格 :\1600+税
ISBN :4-87728-258-0

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bk1(01586348)

解説:

「赤い額縁」というタイトルの本をめぐるメタメタしたホラー&ミステリ。少女誘拐殺人事件あり。あらすじを紹介するのは困難。『幻想文学』を読んでいると面白さ倍増。探偵役の「ひとでなし」の二人がとっても気に入ったので、『百鬼譚の夜』も探そう。お笑い路線で突っ走ってくれた方が私としては好みです。

(1999/06/24)

できれば、前日譚の『百鬼譚の夜』を先に読んだほうがいいです。

(2003/01/12)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]あかいがくぶち   :『赤い額縁』

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倉阪 鬼一郎 『百鬼譚の夜』

表紙:4882931419

倉阪 鬼一郎『百鬼譚の夜』

出版者:出版芸術社 
出版年:1997.7
価格 :\1500+税
ISBN :4-88293-141-9

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bk1(01457096)

解説:

 「赤い羽根の記憶」「底無し沼」「黒い家」「百鬼譚の夜」の4編から成る連作短編集。『赤い額縁』の前日譚なので、できればこちらを先に読んだほうがより楽しめます。

「黒い家」と「百鬼譚の夜」が、とてもいいです。

 特に「黒い家」は、傑作です。家に入ってからが、すんごいんですわ。恐ろしくも美しい様式美の世界とゆーか。
 後日譚の『赤い額縁』(幻冬社)を先に読んでしまったので、「百鬼譚の夜」のオチは分かっているんですが、ホラーの場合は「来る、来る」と思うところに「来る」のもまた良いもので……。

 倉阪センセイの作品は、恐怖じゃなくて怪奇の美学を追求したもの方が面白いと思います。『異形博覧会 トロピカル』収録の短編「屍船」とか。

 それから、「百鬼譚の夜」は『百鬼夜行抄』の今市子がマンガ化したらいいんじゃないかと思いましたです。「百鬼」つながりというわけではなくて、絵柄や雰囲気が合っているんじゃないかなぁと。(『百鬼夜行抄』の元ネタはM.R.ジェイムズが多いそうです。)角川あたりで、やらないかなぁ。

(1999.10.01)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]ひゃっきたんのよる :『百鬼譚の夜』

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倉阪 鬼一郎 『白い館の惨劇』

表紙:4877283536

倉阪 鬼一郎『白い館の惨劇』

出版者:幻冬舎 
出版年:2000.1
価格 :\1600+税
ISBN :4-87728-353-6

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bk1(01713360)

解説:

美術館となっている白い館を舞台に起こった殺人事件に「名探偵」が挑む……といっちゃっていいんでしょうか? 相変わらずメタメタした構成です。

白地に藤田画伯の手による額縁の絵と金文字のタイトルという、たいへん美しい装丁。シリーズの残りはやっぱりタイトルに合った地色の装丁になるのでしょうか。
某日記で「ザ・ヒヌマ・マーダー」をやっていると書かれていたのはこういうことかぁ。砂嵐というので、ちょっと皆川博子の短編を思い出したり。「駝鳥館」にゃ頭を抱えましたけどねぇ。そのうちパンダ館(……大熊猫館?)も出てくるのではなかろうかと思っちゃいましたよ。

ゴーストハンターと仲間たち(山田宮司も好きだな)の出てくるパートは楽しませていただきました。キャラクター至上主義者としてはあの人たちがトリオ漫才やってくれればそれで満足というか。
キチクな原理主義者たちと「とくにたたかわない」というタレた姿勢がいかにもらしくてよろしいですね。
朱盤というのは、よい名前なのになぁ。もったいないなぁ。

というわけで、カルトな(?)一冊。マニアならちゃんと『赤い額縁』から順に揃えるべきでしょう。

(2000.01.05)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]しろいやかたのさんげ:『白い館の惨劇』

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倉阪 鬼一郎 『青い館の崩壊』

表紙:4061822659

倉阪 鬼一郎『青い館の崩壊 ブルー・ローズ殺人事件』

出版者:講談社 講談社ノベルス
出版年:2002.7
価格 :\800+税
ISBN :4-06-182265-9

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bk1(02197390)

解説:

『百鬼譚の夜』『赤い額縁』『白い館の追憶』に続く待望のゴーストハンター・シリーズだが……。

あれ? 幻冬舎じゃないよ、ハードカバーでもないよ、表紙が藤田新策さんじゃないよ!? がーん、『赤い額縁』『白い館の惨劇』の隣に並べるつもりだったのに、大きさがあわないじゃん。安いのは嬉しいが複雑な気分。

顔の溶けた人間が目撃されるという噂の歪で面妖な七階建てマンション「ブルー・ローズ」の向かいのに引っ越したゴーストハンター。そのマンションの最初の所有者は奇怪な密室ミステリーを残して失踪したという。五万枚のミステリーを書いているゴーストハンターは、マンションの住人たちと密室ミステリーの謎に巻きこまれ……。
今回は黒猫のぬいぐるみミーコちゃんも登場し大活躍(?)。

作中作の「青い館の追憶」が結構気に入ってしまい、こんなの気に入るのは私ぐらいかと思っていたら石堂藍さんが誉めていたので安心した。七色の氷の館のイメージは、ファンタジー読みの琴線にふれるものがあるんじゃないでしょうか。

ゴーストハンターと黒川の漫才にミーコちゃんと謎の猫耳娘も加わって、なにがなにやら訳判らんことに。いや、いいんですけど、私はこの雰囲気が好きだから。

今回の地下室のシーンは怖かったっす。多分、私が今まで読んだ倉阪作品の中で一番怖い。

というわけで、倉阪マニア向けの作品。初心者にはお勧めしない。

(2002.07.15)

ゴーストハンターと黒川が、『百鬼譚の夜』の頃とはまるっきり別人になっております。いや、でも面白いんだけどね。

(2003/01/12)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]あおいやかたのほうか:『青い館の崩壊』

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倉阪 鬼一郎 『死の影』

倉阪 鬼一郎『死の影』

出版者:広済堂出版 広済堂文庫 異形招待席
出版年:1999.7
価格 :\552+税
ISBN :4-331-60758-5

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bk1(01685339)

解説:

 倉坂鬼一郎『死の影』(廣済堂文庫)読了。マンションを舞台にした、サイコと邪教集団と幽霊と鬼畜の出てくるホラー……のはずなんだけど、クライマックスに至って笑いがこみ上げてくるのは、なぜ? 私だけじゃなくて、【松本楽志さん】もそうだったようなので、安心して笑って……いいのかなぁ?

 それにしても凶行のために念入りに準備を整えるサイコとかアナグラムの矢印とか「○○な×××の鬼畜」とか、なんだってこんなに面白いのでしょう。中でも最高なのは、矢印です。矢印! いや、もう、最後のあれは……。

 次回刊行の『田舎の事件』は正真正銘のユーモア小説だそうなので、楽しみにしてます。今度こそ安心して笑えますでしょう。

(1999/07/21)

作者が気合入れて書いた(らしい)ホラーを「笑いがこみ上げてくる」なんて書いちゃって申し訳ないと思うんだけど、でも……。
(2003/01/12)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]しのかげ      :『死の影』

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倉阪 鬼一郎 『田舎の事件』

表紙:487728317X

倉阪 鬼一郎『田舎の事件』

出版者:幻冬舎 
出版年:1999.8
価格 :\1500+税
ISBN :4-87728-317-X

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bk1(01692639)

解説:

 JR本線が通ってはいるものの、最寄り駅に行くためには何時間もかけてバスと私鉄のお荷物路線を乗り継いでいかなくちゃならないような田舎の町で「エリート」たちが引き起こすあんな事件やこんな事件。

 こんどこそ、安心して笑えるだろうと思ったら、やっぱり笑いが引きつってしまいました。こういう「田舎」がどういうものなのか想像できてしまって、私にとってはある意味『死の影』よりコワかったです。

 田舎はね、コワイぞ〜。「この前」の大水のとき(←50年前のこと)には、水が引いたあとで、2倍に膨れ上がった赤ん坊が木の枝にひっかかっていたとか、どこそこの嫁が姑にいじめられたあげくおかしくなって、ドブ川にハマって死んだ(←25年前ぐらいの話らしい)とか、どこそこの息子はヨメさんに逃げられた(←15年くらい前の話らしい)とかいう話題が、茶飲み話の席でうれしそうに何度も何度も繰り返されるんだから。あー、やでやで。

 『田舎の事件』は、まさしくそういう「田舎」が生み出した事件を集めた短編集。
 自我だけ肥大した「エリート」であっても、都会であれば、生き延びる道はいくつも存在する。周囲に馬鹿にされつつも自分をごまかし続けて生きることも、ヘコまされて分相応の生き方を選ぶことも可能だろう。だが「田舎のエリート」は、肥大した自我を抱えたまま、周囲の「善意」と「期待」によって狂気へと追いつめられていくのだ。ああ、こわい。

 唯一大笑いできたのは「恐怖の二重弁当」でありました。これだけは、私にとって全くの他人事だってことなんでしょうね。都会に住んでいてこの作品集で心から笑える人がうらやましい。

(1999.08.01)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]いなかのじけん   :『田舎の事件』

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倉阪 鬼一郎 『不可解な事件』

表紙:4344400259

倉阪 鬼一郎『不可解な事件』

出版者:幻冬舎 幻冬舎文庫
出版年:2000.10
価格 :\533+税
ISBN :4-344-40025-9

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bk1(01935237)

解説:

『田舎の事件』(幻冬舎)の続編みたいなものですね。今回は意識的に艶笑譚の方向に進んでいるらしい。
「第一話 切断」、「第七話 湖畔にて」とデキちゃた婚をするカップルによる全編会話文の「第五話 赤い斜線」が面白かったです。特に第一話のネットがらみのエピソードには、なにやら既視感が……。インターネットはネタの宝庫?

一番のヒットは、第七話の黒猫のぬいぐるみ責めでしょう。やっぱり、「あんなことやこんなこと」されるのは、じじいや中年男より可愛い女の子じゃないとね。あとは、××ですね。まったくもって「不可解な事件」。

(2000.10.10)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]ふかかいなじけん  :『不可解な事件』

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倉阪 鬼一郎 『文字禍の館』

表紙:4396328141

倉阪 鬼一郎『文字禍の館』

出版者:祥伝社 祥伝社文庫
出版年:2000.11
価格 :\381+税
ISBN :4-396-32814-1

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bk1(01947125)

解説:

一般非公開のテーマパーク「文字禍の館」に招待された、オカルト雑誌「グノーシス」編集部の髀塚たち三人。彼らがそこで見たものは……。

中島敦で泡坂妻夫で夢枕獏です。でもやっぱりこーゆーこと考えるのは倉阪鬼一郎ぐらいかも。漢和辞典を手元に置いて読むとより一層楽しめます。(多分)

ところで、某所で「文字禍の館」が「文学禍の館」と誤植されていて、あまりにもタイトル通りの事故(?)だったのが妙に可笑しかったです。

(2000.10.28)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]もじかのやかた   :『文字禍の館』

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倉阪 鬼一郎 『首のない鳥』

表紙:4396207050

倉阪 鬼一郎『首のない鳥 ジェットコースター・ホラー』

出版者:祥伝社 ノン・ノベル
出版年:2000.12
価格 :\857+税
ISBN :4-396-20705-0

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bk1(01959793)

解説:

百年の歴史を誇る印刷会社・光鳥印刷で、校正者の辻堂怜子は社が請け負った極秘文書を担当することとなる。上司から特別なバッジを渡され、窓のない部屋で仕事をする彼女だが、直後、元同僚の男性が失踪し、怜子の友人の有佳里もまた留守番電話に助けを求めるメッセージを残して失踪する。
新たに配属された校正者・城野は、光鳥印刷にまつわる忌まわしい過去を探り当てるが……。

途中まで「まぁ、倉阪せんせいってば、ふつーの小説も書けるんじゃない」なんて思ったほどいつもの倉阪節は押さえられていて、このまま大衆好みの結末になだれ込むのかと思いきや、崇高なるホラー精神は通俗に落ちることを許さず、ひぇぇぇぇ、きゃー、きゃーきゃー誰か止めてぇぇぇな展開に。(レーベルの要求するシーンもしっかり入ってます。入り過ぎかも。)ジェットコースターは頂点にいきつくまではゆっくり動くのだというのを忘れてましたよ。
本当にすんごい展開なので、覚悟しておいてください。力いっぱいR指定です。

城野大作は倉阪作品では珍しいキャラクターだなと思いました。金髪だし女好きだし頼り甲斐ありそうだし。
個人的に気になったのは私より漢字が一文字多い有佳里さんで、どんな目にあうのかワクワクドキドキしてたら、大活躍(?)でしたね。しかも当人はけっこう楽しそうだ。タクシー怪談が怖かったです。「お客さん、後ろを見ちゃいけません」ってやつ。

ひょっとしたら伝奇SFかも。もちろんSFはサイエンス・フィクションの略です。あー、間違っても『活字狂想曲』の後日譚だと思って読まないほうが……。

カバーイラストは『屍船』と同じく久枝アリアさん。章の扉のイラストが良いです。この「首のない鳥」、ブローチにしたいっすね。(←やめなさい(笑))

(2000.12.07)

[著者]くらさかきいちろう :倉阪 鬼一郎
[書名]くびのないとり   :『首のない鳥』

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有里 (Alisato Akemi)
http://alisato.web2.jp/erewhon/books/