1999.09.07

架空書評勝負 感想

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 DASACON2の目玉企画である架空書評勝負に対する有里の投票メールと、参加作品に対する寸評です。
 投票は、本が読みたくなる書評と「まいりました」と言いたくなる書評を選びました。
『バンシーの夜』に対する書評は、本が読みたくなるものが多すぎて、結局どれも選べませんでした。

架空書評勝負 投票メール

1位
14. ぬーべる・給仕犬 さん『電脳走査線ハイッバーコップ』
表紙画像つき。かっこいい。
変なものが多いハイッバー書評の中でも屈指のおバカ度と勢いのある書評。
すげー!さいこー!
サイバーパンク嫌いの私が思わず「読みたいっ!」って叫んでしまった。
ゆえにこれ、一等賞!
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2位
8. 細木賢一 さん『大宇宙の屍・完全復刻版』
「あとがき」ですか! いやぁ、これは参った。
ずるいといえばずるいが。(笑)
孫が語る有沢柚木次郎の人となりが感動的。
平成11年逝去、享年81歳ということは、20歳での執筆だったわけですね。
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3位
3. 雨宮孝 さん『電脳走査線ハイッバー・コップ』
悩みました。
『バンシーの夜』の各書評も良かったのですが、順位をつけるのが大変だったので、
結局全部パスし、この作品になりました。
小説作者の変人度にポイントをおいたところがユニーク。
最後の「けども、やっぱり、なんとなく納得できないんだよなあ。」が効いてます。
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架空書評勝負に対する感想
楽しい企画でありました。
自分がふだん小説のどういうところに反応しているのか、よーくわかりました。
DASACON本会に参加できない人も楽しめるので、またやって欲しいです。

ただ、架空の書評であることがうまく伝わらず、すっかり騙されて
本屋に本を探しにいってしまった人が出てしまったのは、失敗でしたね。
オフラインで迷惑かけちゃいけませんって。
次回もやるのであれば、ダサコン本会のオークションにひっかけた
架空のオンライン書店のバナーをでっちあげて、架空書評のページへリンクを
張ってもらうようにするとよいのでは?

あと本数が多くて読むのが大変だったので、次回からは一人1本のエントリーに
した方がよいかも。
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作品寸評メモ

01. 松本楽志 さん(『時間流刑』)および『時間流刑』&チャーノック ネタバレ掲示板
「暗黒星雲の光」は、本格ミステリとのこと。
いかにもミステリ系らしく、トリックにこだわった書評。
ネタバレ掲示板ってのは、凄いかも。
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02. 雨宮孝 さん(『時間流刑』)
翻訳にケチをつけるというひねった書評。
火星猫は女性の腕の中でまるくなるぐらいの大きさ。悪の総統ビックリが出てくるらしいです。
それにしても、ほんとに酷い訳ですねぇ(笑)。
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03. 雨宮孝 さん(『電脳走査線ハイッバー・コップ』)
投票メール3位の感想を参照
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04. ちぇろ子 さん(『無謬の町』)
各短編のコメントと感想。
”たまつりびと”が面白そう。
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05. 溝口哲郎 さん(『大宇宙の屍・完全復刻版』)
>和製ワイドスクリーンバロックミステリ
>全知全能かつ完全知見のこの宇宙規模の敵の存在を推測するシーンは印象的
うんうん、と読んでいたら、
>神藤博士が敵を越える理解力を持った電脳知性をつくる
だって。オチがすごすぎ。(笑)
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06. 高 さん(『電脳走査線ハイッバー・コップ』)
夏コミに向けて、ハイッバー・コップ本を作るそうである。
画期的なことだと思う。
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07. 雪樹 さん(『時間流刑』)
ヨーロッパ中世のような惑星でムマという種族たおす使命をおびた冒険物。
火星猫の名はミューリ。ガニマタでグラサンをかけている。
異星人の名はソウ。冷静沈着。ディックは実は××
>「未来世紀ブラジル」な雰囲気
書評を読んだ限りでは、ディック的というよりは神林的な感じがします。
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08. 細木賢一 さん(『大宇宙の屍・完全復刻版』)
投票メール2位の感想を参照。
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09. 物体おー さん(『電脳走査線ハイッバーコップ』)
なんと、女刑事アキラは全身ナノマシンのアンドロイドだった!
って、もしやこのネタはアキハバラ電能……
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10. ニム さん(『バンシーの夜』)
思わず読みたくなって、TRCで検索をかけようとしたのだ。
すっかりだまされたのだ。最初は3位にするつもりだったのだが……。
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11. 安田ママ@銀河通信 さん(『バンシーの夜』)(うまくジャンプできない場合はこちら
大きいのはゴジラだったのか! 私の読んだ本と微妙に重なるような重ならないような。
メルヘンチックなのが、いかにも安田ママさんらしい。
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12. 春都 さん(『大宇宙の屍・完全復刻版』)
春都さんが読んだ版では、笠井潔・筒井康隆・夢枕獏が解説を担当しているらしい。
豪華な解説者の顔ぶれに見合う奇跡の一作のようです。
名ゼリフ「人間に何が出来る? 何だって出来ますよ」がいいですね。
(ちょっと新本格の探偵風)
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13. 野田令子 さん(『バンシーの夜』)
まさか野田さんがこれを選ぶとは。
でもって、「完全に科学入門書になるくらい正確な」「児童文学を装った神経生理の本」とは。
そーゆー本だったのかぁっ!
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14. ぬーべる・給仕犬 さん(『電脳走査線ハイッバーコップ』)
投票メール1位の感想を参照。
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15. たろう さん(『無謬の町』)
初出誌を見ると幻想文学系にみえるんですけど、 「今世紀最後の和製本格SF短編集」だそうです。
でも、本格SFってどういうものなのか、私にはよくわかりませんのです。
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16. ちぇろ子 さん(『バンシーの夜』)
野田さんの感想をうけた形。子供たちがいっぱい出てくるらしい。
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17. 杉並太郎 さん(『時間流刑』)
蒸気機関車が走る世界。アインシュタインやホーキング、チューリングの姿も。
火星猫のメルルと異星人のカテナクシ。
ディックと似ているが、ディックより明るいとのこと。
黄金のパターンて何でしょう?
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18. ちぇろ子 さん(『電脳走査線ハイッバーコップ』)
本の四分の三くらいまでのところで、唐突に終わっちゃうらしい。
雨宮さんとこに来たメールでも判るけど、 この作者の変人ぶりは、とっても有名のようです。
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19. 有里 (『バンシーの夜』)
自分の。ニムさんの書評を元にしての感想。私はキャラクターにしか反応できないんです。
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20. 加藤隆史 さん(『時間流刑』)
>時間警察の背後に潜む超時間知性とのやりとり
>(間違った1930年代ファッションのくだりが爆笑物でした)
主人公たちの名前がなぜ何種類もあるのかという理由が、 加藤さんの解説(すばらしいっ!)でわかりました。(笑)
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21. フク@UNCHARTED SPACEさん(『大宇宙の屍・完全復刻版』)
解説者からみて、春都さんの版と同じもの。
フクさんはミステリー系だけど、謎やトリックにこだわらない読み方を する方のようですね。小栗虫太郎ファンだからってこともあるのかも。
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22. u-kiさん(『時間流刑』)
変な囚人たちがいっぱい出てくるらしい。
ストーリーのお馬鹿さからして、雨宮さんの読んだ版と同一と思われる。
(u-ki総統が『ハイッバーコップ』ではなく、この作品で参加ということは、 あっちが総統の担当作品だったのかな?)
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23. 平野まどかさん(『電脳走査線ハイッバーコップ』)
お給仕犬さんの書評から受ける印象よりもずいぶんとおとなしい感じですが、
きっと平野さんが関西人で、多少のギャグには動じない感性をもっているからでしょう。
それとも、大阪への郷愁に負けたからなのでしょうか?(笑)
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24. 細木賢一さん(『バンシーの夜』)
東逸子の表紙だが、クトゥルフ仕立ての児童ファンタジー
クトゥルフですかー。ああ、なぜこんなところまでクトゥルフ……。
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25. 細木賢一さん(『電脳走査線ハイッバーコップ』)
女刑事アキラは全身ナノマシンのアンドロイドでいろんなものに変身するらしい。
デッカードだけでなく、アキラもバカなんだなぁ。
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26. 細木賢一さん(『無謬の町』)
各短編のコメントと感想。
初出誌が全然ちがうので、たろう氏の読んだ版とは全くの別物でしょう。 いくつかの作品は、ちぇろ子さんの読んだものと同じかも。
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27. 山田博史さん(『大宇宙の屍・完全復刻版』)
昔風の作品はお嫌いのようです。
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28. 浅井良典さん(『無謬の町』)
ええと、これは書評なのでしょうか、それとも小説なのでしょうか?
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29. かつきよしひろさん(『電脳走査線ハイッバーコップ』)
女刑事アキラは全身ナノマシンのアンドロイドで、美少女。 で魔女っ子SFらしい。一部の人にはとってもウケるだろうなぁ。
物体おーさん、細木さんとは同じ版らしいけど、 お給仕犬さんが読んだ本と同じものなんだろうか?
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30. タカアキラ ウさん(『バンシーの夜』)
>キケロの魔女アスパバールとの戦い
ちょびっと『ナルニア』入ってますね?(笑)
ユニコーンの使い方が気になるです。
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31. 木和田勝浩さん(『大宇宙の屍・完全復刻版』)
モトネタを考察した高度な解説。これは本物ですよね?
私には本物とフェイクの区別がつかないので、いまいち面白さがわかりませんでした。残念。
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32. 涼元悠一さん(『バンシーの夜』)
前かかれた書評をふまえつつ、テーマからのアプローチ。
騙された人は多いだろうなぁ。
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33. Okawaさん(『バンシーの夜』)
木で出来た巨大な大鷲、ルビーの巨人、風の髑髏、幾つもの魔物
その危機を救う謎の騎士, 月光の砦にとらわれた少女
個々のモチーフが魅力的。読んでみたいっす。
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34. kanazawaさん(『バンシーの夜』)
主人公の水月, 物知り博士の幸彦 ,男まさりの麻里佳, 謎のホームレス
千年に一度のバンシーの夜 ターシャは夢の王女
おおっと日本が舞台だったのかっ 。
半分くらい私の読んだ本と同じ?
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35. 一歩さん(『バンシーの夜』)
野田さんと同じ版。
>新しい形の「仲間」を、この本は提供してくれています。
子供たちのネットワークというのに惹かれます。 もしかしたら、私が読んだ本と同じかも。
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36. 赤尾杉 隆さん(『時間流刑』)
火星猫のマダウリと異星人のデリリ。 異星人たちにはそれぞれ、自分の故郷に似た世界に見えるらしい。
神学的SF? 私にはちと難しすぎますー。
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37. おがわさん(『時間流刑』)
「ウルムルル」は、すべての名詞が「ウルムルル」で表示される言語的怪作らしい。
「小さな窃盗事件をきっかけにして、世界のすべての争い事を綺麗に治めてしまう」
というあらすじからすると、この版は松本氏のものと同一かも。
おがわさんは、言葉にこだわる作品がお好きのようです。
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38. 清水賢治@没のホームページさん(『バンシーの夜』)
>「謎のあのお方」のお屋敷に向かっての、町内障害物パン食い競走
裏切りと絶望のファンタジー。
おおっっと、清水さんの読んだのはそういう本でしたか。 私の読んだ本と違う〜。
『バトルロワイヤル』とか小林泰三とか入ってません?
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39. 一歩さん(『大宇宙の屍・完全復刻版』)
昔の本としてタンノウしたそうです。
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40. 一歩さん(『無謬の町』)
小説がどういう内容なのかはよくわからないんですが、この短編集に対する愛が伝わってくる書評。
ippoさんの好みが私と同じなら読んでみようかなという気になりますね。
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41. 一歩さん(『電脳走査線ハイッバー・コップ』)
なんだかよくわかんなかったとのこと。
町中にチョンマゲ結った通行人が出てきたらしい。
まあ、この作者ならおお真面目にそれぐらいメチャクチャするかも。
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42. 一歩さん(『時間流刑』)
>ある種「はみだし者」たちが活躍する話である.
U-kiさんの読んだ版と同一かな? あんまりお気に召さなかった様子。
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By 有里 alisato@anet.ne.jp
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