『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』

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『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』のネタバレ感想です。
ネタバレ全開ですので、未見の方はご注意ください。

あまり好意的ではありませんので、劇場版がお好きな方は、良かったところだけ羅列しているところに飛ぶか、回避なさったほうがよろしいかと思います。
監督と脚本家に対しては全然まったく少しも好意的ではないので、お身内の方は読まないほうがよろしいかと思います。

DVDBOXの特典の感想

ネタバレ注意
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それでは、いっきまーすっ。

ナチス台頭前夜という時代を舞台にした物語に『鋼の錬金術師』のキャラクターを使う必然性がまったく感じられない。時代背景の描写もカキワリ的。そもそも2時間で描き出せるようなテーマじゃないだろうに。ってゆーか、そーゆのやりたいんだったらハガレン人気に寄生しないでオリジナルでやれや>監督&脚本屋

脚本の都合で人死にすぎ。くっだらねーアイデアのためにキャラクターを消費する脚本屋が主人公の口を借りて偉そうに演説しても、しらじらしいだけ。

ギャグの演出がセンスないと思った。雪だるま状態のロイ・マスタングとか。北方の寒さをギャグの寒さで表現しなくてもよろしい。TV版の鳥の巣頭のエドやシェスカの宇宙人発言のときも思ったけど、この監督のギャグのセンスは私には受け入れがたい。「コメディリリーフ」の意味が全然わかってないんじゃないか? 原作はそのあたりが超絶的に巧いから(10巻の「ボイン」とか)、アニメのギャグのセンスには、なおさらゲンナリする。
ちなみに劇場で一番笑いをとっていたのは、最後のスカー&ラスト(のそっくりさん)登場シーンだった。

作画はとても良かった。結局のところアニメ版人気を支えているのはキャラクターの魅力と作画だろう。(だからグッズが売れる。もっとも各種グッズになっている劇場版の手ぱんエドの絵柄はなんだかプロポーションが変で微妙だけど。)
全体的に劇場版クオリティかというと疑問が残るのだが、よくある劇場版と比べても遜色はないと思う。もともとTV版のクオリティが高かったから、期待値が高くなっちゃったかも。途中でリテイクも食らったらしいし、殺人的にタイトな製作スケジュールの中で大健闘というべきだろう。戦闘シーンは本当にすばらしく良く動いていた。
もっともストーリー全体のバランスからいうと、戦闘シーン長すぎといえなくもないんだけどね。

ミュンヘン仕様のエドの作画は相変わらず無駄に色っぽくて素晴らしい。(笑)
ハイデリヒの心の機微を描きだしてみせたアニメーターさん、グッジョブ! ハイデリヒの個性と魅力を支えたのはビジュアルの演出の力だったと思う。
やんちゃなアルフォンス・エルリックも可愛かったよ。

音楽は悪くなかった。ラルクの歌も含めて(いや、エンディング歌詞が「ぶさいくだへーぶん」にしか聞こえない空耳アワー状態だったはちょっとアレでしたが)。特に冒頭のロマの女性たちの合唱が良かった。「ブラーチア」とかこういう民族的な曲の使い方が巧いなと思った。

劇場版キャラの声の演技がすごく不安だったんだけど、心配したほど悪くはなかった。一番心配だった小栗旬のハイデリヒは、ビジュアルのイメージどおりで及第点。台詞の少なさに助けられたところはあるかもしれないけれど、最後の「忘れないで」とか泣けたよー。細かい演技は作画の人ががんばったしね。
ノーア役の沢井美優は予想外の大健闘。浮いたりせずに、ちゃんとキャラに合っていた。
かとうかずこのエッカルトも割とお上手です。しょーもない役なんでむしろ気の毒。
最低だったのは、TBSのアナウンサーたち。浮きまくり。なんであんなの出したの? CM放送料との等価交換?

ストーリー展開。
納得いかねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!
途中経過も結末も。
都合よく人が出会いすぎ。ご都合主義すぎ。
「なんで都合よくあなたがそこにいるのですか。なんで都合よく○○があるのですか」みたいな展開が10回も続くと、呆れるの通り越して悟りの境地に。

(追記:
2回目に一緒に見た知人(非オタ)よると、この映画の一段のツッコミどころは、エドと映画監督がエンヴィを捕らえにきたヘスにサクっと殺されないところだそうです。普通に考えたら、あの状況だったら口封じのためにあっさり殺されてるはずだと。いわれてみりゃそうですね。「ま、主人公だから死なないのよね」ええ、そうなんです。もっともTV版じゃ死にましたが)

そういえば、エドは門を開ける錬成陣を描くときに右手を使ってました。あの義手でそんなに描けるものかしら。オートメイルのときは左を使ってたのに。それから、あの短いチョークであんなに巨大な錬成陣をくっきり描けるものかしらとも思いましたよ。

あるサイトで、エド丈夫過ぎという突っ込みを拝見したのですが、ほんとに丈夫すぎ。高いところから何度も落ちてるのに平気なのよね。でも、それをいうなら、ウィンリィとシェスカもなんだけど。鋼世界の人間は高いところから落ちても大丈夫なのか? だとしたら、やんちゃアルが竜巻起したのも納得ですね。あれを見たときに、「落ちたら死んじゃうじゃん、なんて酷いことをアルにさせるのっ!」と思ったものですが、鋼世界の人間はあれくらいの高さから落ちても死なないのかも。

で、これだけ都合よく展開するくせに、ハイデリヒは死ぬんだよな。
なんで都合よく腹(じゃなくて背中か)に入れてた設計図の束に弾が当たったとかにならないのさ。
(しかも兄弟が再会の嬉しさのあまり、倒れているハイデリヒを無視するのは激しく萎え)

だいたい、ハイデリヒが死ぬ必然性なんか全然まったく少しもないじゃん。
パパと師匠は寿命もあるので仕方ないと思えるけど、ハイデリヒはアルフォンス・エルリックをこっちの世界に連れてくるのに都合が悪かったから消されただけでしょ。それも多分、監督屋と脚本屋がナチの爆弾を追うエルリック兄弟という劇場版第2弾を作りたいがためでしょ。●●がっ! だからそーゆのやりたいんだったら、オリジナル作品でやれっ!

兄弟の再会は嬉しいけど、おまえらは戻るべきだよ。自分たちの世界に戻るべきだ。
まさか監督屋と脚本屋はその話を劇場版第2弾でやる気なのか? こぉぉの●●がっ! それ以上その商魂で汚れた手でハガレンキャラに触るなっ。やりたいんなら、自費で作ってコミケで売れっ!

核爆弾? そんなもんほっとけ。どうせこっちの世界でも誰かが作ってる。
だれもが世界と無関係でいられるわけじゃないのは確かだけれど、だからといって自分たちだけで世界が救えるなんて考えるのは勘違いと思い上がりも甚だしい。
主人公たちは、情報を持って自分たちの世界に戻って、他の人間たちに協力を求めるべきなんだよ。だれもが世界と無関係でいられるわけじゃないってことは、主人公以外の人間だって世界を守る権利と義務があるってことじゃないのか? 

ぜいぜい……。

2006/02/08追記:
とあるサイトさんで拝見した「監督屋」「脚本屋」という呼び方を当サイトでも採用することにしました。

2006/01/29追記:
劇場版には納得いかない、もっと辛口な感想が読みたいという方のために、巨大匿名掲示板のアンチスレからのよりぬきもご用意しました。アンチスレとはいえ、ヒステリックな叩きではなく比較的冷静で納得できる意見を集めてあります。(本当は自分の心の平安のために集めたんですけどね。読んでると和む〜。)

というわけで、気を取り直して「良かったところ」探し。

結局のところ、二次創作のネタ提供映画だったと思います。

2005/08/14追記:
ネット書店で『シナリオブック』を買ったのですが、パラパラと拾い読みしてるだけで腹が立ってきたので、戸棚に放り込んでしまいました。
退避勧告:以下、脚本家が好きな人は読まないほうがよろしいです。













『十二国記』のときもそうなんだけど、根本的なところで考え違いをしているとしか思えない。なまじ部分部分の作りが上手いもんだから、その考え違いのところが凄いムカツク。

もともと別世界の人間がこちら側の世界で生きることがなんで「現実に帰ってくる」ことになるのさ。 ばっかじゃねーの。それは新しい物語の始まりであるかもしれないけれど、「永遠の流刑」の物語なんだよ。

エドワードにとっての「現実世界」は「錬金術のある世界」なんだよ。エドワードに感情移入している観客にとってもそうなんだよ。別世界もまた「現実」であると認めることでは「アリ」だけど、それは「現実に帰ってくる」ことではないだろうが。
ふつー、異世界に飛ばされた「現実世界の少年」が異世界で生きていくことを選ぶ話を「観客が現実に帰ってくる」話だとはいわんだろうが。宇宙人が地球で生きることを選ぶ話を「観客が現実に帰ってくる」話だとはいわんだろうが。
脚本屋、自分の作った設定に酔うあまり『鋼の錬金術師』という作品の大前提をすっかりわすれてんじゃないの? 思いつきばかりで整合性のない自分の設定に酔いたいなら、オリジナルでやれっ!
脚本屋の原作に対するリスペクトのない態度が本当に大嫌い。
あーー、むかつく。
そもそもTV版のあのラストを「ハッピーエンド」といいきったあの脚本屋は感覚がおかしい

だいたいね、『鋼の錬金術師』ファンの子に「(ハイデリヒの死を無視する)エドワードなんて大嫌い」といわせてしまう作品を作ったというだけで、脚本屋と監督は万死に値すると思うよ。

ところで、【eiga.com [トップ10速報]】によると、劇場版のハガレンは出足こそ好調だったものの苦戦しているらしい。(記念プレゼントとかをやったので、封切り直後に観客が集中した模様)
あちこちで追加舞台挨拶までやって、てこ入れに必死。府中の舞台挨拶ではポスターまで配ったってことは、前売りが不調だったってことでしょうか。(そりゃコミケ直前で場所が府中だもんな)
ついには8/17の舞台挨拶で最終兵器の大川透を投入。(あ、これは私も行きたいかも(笑))しかし、あれだけお笑い要員として作中でいい加減に扱った軍部の人間まで引っ張り出すとは、カ・ン・ト・ク必死だな!

このままいって、制作費はなんとか回収できるが、続編を作るほどヒットはしないという状況に落ち着くといいと思う。

2005/09/05追記:
2chの鋼の錬金術師 シャンバラを往く者スレ2(http://tv8.2ch.net/test/read.cgi/cinema/1123506817/)によると、「最終的には20億円オーバー」を狙うどころかその半分だった模様。

453 名無シネマ@上映中 sage New! 2005/08/25(木) 17:01:26 ID:LAunuxcH
「鋼の錬金術師」7/23(土)〜8/21(日)の30日間
動員 90万6200人 興収 10億9010万円 250scr.
by Alisato
http://alisato.parfait.ne.jp/etc/hagarenmovie/