『劇場版 鋼の錬金術師 完全生産限定版』DVD BOX 感想

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劇場版 鋼の錬金術師シャンバラを征く者 完全生産限定版 プレミアムDVD BOX劇場版 鋼の錬金術師シャンバラを征く者 完全生産限定版 プレミアムDVD BOX
荒川弘 水島精二 朴ロ美

アニプレックス 2006-01-25
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DVD BOX 公式情報

ディスクと特典は以下の通り。

伊藤嘉之描き下ろしイラストBOX
本編(DISC1)
音声5.1ch、2ch 英語字幕収録
特典(DISC2)
・メイキング映像「水島監督の始末記」
・キャスト&監督特別座談会(朴ろみ、釘宮理恵、大川透、監督)
特典(DISC3)
・AUDIO COMMENTARY 制作スタッフver
・AUDIO COMMENTARY キャスト&監督ver.
 (朴ろみ、釘宮理恵、豊口めぐみ、監督))
・劇場&TV TRAILER
・DVD特別TRAILER(3min)
ジャケットサイズカード集
キャラクターデザイン伊藤嘉之氏による劇場版イラストカード10枚組
書き下ろしなし。『アートブック3』にほとんど掲載されている。
解説付きガイドブック
オールカラー64P
解説(氷川竜介)
主要スタッフインタビュー(脚本、総作画監督、音楽、音響監督、監督)
キーワード解説
未公開アートワーク

総括

劇場版に対してはアンビバレンツな感情を持っているので、見てるうちにどんどん情緒が不安定になって大変だった。やっぱりこの脚本屋は私の敵だと思った。監督はオーディオコメンタリーを聞いているうちに、アニメーションのモノ作りに関しては頑張っていたらしいと、ちょっぴり評価が上がった。でも認めたわけじゃないから。

本編

本編そのものは、一部を見ただけだが、劇場で3回見たので、もう本編のストーリーに対しての感想は変わらないと思う。

[公開時の感想]

絵は素晴らしくきれい。TVだと細かいところはわからない代わりに画面の隅々まで見られるので、後ろのほうでもしっかり動いていたりするのが見て取れる。コマ送りもできるので、じっくり見ようと思う。

装丁

箱のエドのイラストは遺影みたいで好きじゃない。黒に金文字のボックスそのものはカッコイイ。

ブックレット

ブックレットは線画が載っているのが嬉しい。
コメントはアニメーターの伊藤さんと音楽の大島ミチルさんのところだけ読みました。あとのはどうせ腹が立つから読まない。

特典トレーラー

3分のトレーラーはまるで別の映画のようです。かっこいい……でも誉めたくない。あのハイデリヒの台詞は本当に小栗声なんだろうか?

メイキング

メイキングでは、アフレコ時にまだ絵が上がってなくて、線画アニメに声を当ててたという話がでてきて、なかなか衝撃的でした。そのときの色がのっていない線画だけのアニメが映りましたが、それが凄く良かったです。オーディオコメンタリーなんかなしにして、あれをつけてくれればよかったのに。アニメーターさんの技の凄さが分かる一品。
作画は初回ラッシュで半分以上リテイク食らって、4日間でそれを直したとか凄いこといってました。まさに殺人的スケジュール。ほんと作画チームのみなさん、お疲れ様でした。ええ、私は劇場版の作画には文句ありませんよ。作画にはね。(ああ、音響にも文句ないな。)
かとうかずこと小栗旬のインタビューがちょっとだけありました。

座談会

座談会はダレてました。アフレコ裏話は面白かったな。線画の状態で声を当てたので、まさかロイ・マスタングの登場シーンがあんなだとは思わなかったとか、そういう話。あとホーエンハイムの江原さんも線画の状態だからどういうシーンだか把握してなくて、最初は結構明るい感じで演じてたとか、大まじめに笑いをとっていたとか。小栗声にあわせて絵を変えたところがあるとか。(コメンタリーによると口のあけ方や表情を少し変えたようです)
監督と声優との一対一のトークは世間話に終始。つまらない。

オーディオコメンタリー キャスト&監督編

キャスト&監督編は、ウィンリィ役の豊口さんがばんばん文句いっているのが素敵でございました。もっと言ってやって、もっともっと!!

エドの中の人がかなり苦労して仕切ってるような感じがしました。兄弟再会〜葬式のあたりは他の話をしてるうちに過ぎちゃいましたが、あれはわざとじゃないのかな。ハイデリヒがらみのところはどう転んでも地雷なので、避けているような雰囲気。

オーディオコメンタリー 製作者編

制作スタッフ編はメンバーによっては聴くのをやめようと思っていましたが、監督、テクニカルディレクターの宮原洋平氏、制作デスクの大藪芳宏氏(ヨタ日記の人)、毎日放送の丸山(?)氏(プロデューサーに丸山博雄という人がいるので、この人かな)の4人だったので聴くことにしました。作画と進行面についての解説だったので、これは面白かったです。この場面はだれが原画をやったとか、実は後ろのほうも細かく動いているんだとか、だれそれのこだわりが……とか、なかなか上がってこなくて大変だったとか。

途中で色彩設計の中山しほ子さんとキャラクターデザイン&総作画監督の伊藤嘉之さんの解説も入りました。
色彩設計では、ミュンヘン側は意図的に「色を抜いた」(という表現をしてました)んだそうですが、鋼世界に戻ったときも色が暗かったのは曇天と地下世界だったからで、対比があまりでなくて、いささか不本意だったらしいです。で、一番気に入っているのは、ハイデリヒがエドを突き飛ばすシーンの色だとか。ちなみに中山さんはハイデリヒのことを「アル」と呼んでました。エルリックのアルはなんて呼ばれていたんだろう?

最後の方は本当にデスマーチってゆーか屍累々な状態だったらしく、使えるものならなんでも使おうといろんな人に頼んだとか、時間の感覚がなくなっていったとか、壮絶でした。

たしかに本当に作画は凄い。だから、本編を見るよりコメンタリーを聞きながらのほうが、絵に集中できていいかもなーと思いました。

ハイデリヒの「運がいいね、エドワードさんは」は自分が入れたと監督が自慢してました。あの台詞は好評でしたから、よっぽど嬉しかったんでしょう。(他の担当部分はボロクソにいわれてるもんな) スカーそっくりさん登場のところも受けたのが嬉しかったらしく、言及してました。

スタッフロール作成に時間がかかったというのが意外でした。考えてみれば結婚式の名簿だって、作るのすげー大変ですものね。順番とかいろいろ……。今スタッフを数えたら、原画だけで80人以上いました。キャスト含めて500名弱かな。それを読めるスピードでスクロールさせていくというのは、確かに大変なことなのかもしれません。でもって、劇場公開時には誤植があったそうで……。
あそこで軍部の後日談でも入れてくれればいいのにと思ったものですが、そんなことやってられないほど切羽詰ってたわけですね。

DVDでは、細かい修正がいろいろ入っているらしいです。劇場公開時には鋼世界に侵攻してきた鎧に黒子がついていなかったので、それをつけたりとか(エッカルトの船に乗っているやつ。完全ガイドブック52ページのスチールをみたら、たしかについていなかった)。DVDはコマ送りで見たりしますから、細かいエラーもつぶしておきたいってことなんでしょう。大きく直す余力はないってことね。(3分トレーラーが精一杯か)

by Alisato
http://alisato.parfait.ne.jp/etc/hagarenmovie/