Alisato's 本買い日誌*

2001年 02月 中旬

更新日: 2002/01/06

2001年02月 [ 上旬 / 中旬 / 下旬 ]

1997年〜1999年2000年
2001年 [ 01| 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12]
2002年 [ 01| 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12]

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Topics

11 (日)
[obs] ブックオフ北関東制覇の旅 その2: 02/11
[購入本] 紫堂恭子『癒しの葉 3』(角川書店 ASKA COMICS DX): 02/11
[購入本] エドガー・ライス・バローズ『ターザンの帰還』(創元SF文庫): 02/11
[購入本] 水玉蛍之丞『こんなもんいかがっすかぁ』(アスキー出版): 02/11
[購入本] ディアナ・ウィン・ジョーンズ『魔女集会通り26番地』(偕成社): 02/11
[購入本] イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』(ハヤカワ文庫SF): 02/11
13 (火)
[mysite] [url] ndiary関連: 02/13
水玉蛍之丞『こんなもんいかがっすかぁ』: 02/13
山本弘『妖魔夜行 戦慄のミレニアム(下)』: 02/13
高瀬彼方『戦場の女神たち』: 02/13
14 (水)
[book] 5人目の小夜子: 02/14
エドガー・ライス・バローズ『ターザンの帰還』: 02/14
森奈津子『冒険はセーラー服を脱いでから』: 02/14
15 (木)
[book] 5人目の小夜子 つづき: 02/15
[net] 「幸福論は必要か?」について: 02/15
松井千尋『犬が来ました』: 02/15
小野不由美『黒祠の島』: 02/15
16 (金)
[diary] 不摂生の日々: 02/16
[soft] nDiaryへの要望点: 02/16
17 (土)
[diary] 服を買う: 02/17
[obs] ブックオフ野田店: 02/17
[購入本] イルメリン・サンドマン=リリウス『トッレ王物語 Vol.3 白鳥』(福武書店): 02/17
[購入本] 夢路行『金と銀』(東京三世社): 02/17
[購入本] ジョン・クロウリー『ナイチンゲールは夜に歌う』(早川書房): 02/17
[購入本] アキフ・ピリンチ『猫たちの森』(早川書房): 02/17
[購入本] O・R・メリング『妖精王の月』(講談社): 02/17
19 (月)
[soft] フロッピーのフォーマットの互換性について: 02/19
[soft] nDiaryへの要望点 つづき: 02/19
20 (火)
購入本(bk1): 02/20
[bk1購入本] 加納朋子『螺旋階段のアリス』(文藝春秋, 1600円): 02/20
[bk1購入本] 『SFが読みたい!2001年版』(早川書房, 693円): 02/20
[bk1購入本] Kernighan / Pike『プログラミング作法』(アスキー, 2940円): 02/20
[bk1購入本] 上遠野浩平『ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド』(電撃文庫 ,556円): 02/20
注文本(bk1): 02/20
[net] 幸福論関係 つづき: 02/20
[net] ジョーカーみたいな言葉/言葉の意味を考えたことある?: 02/20
[net] 宗教みたいで、気持ち悪い: 02/20

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2001.02.11 (日)

◆[obs] ブックオフ北関東制覇の旅 その2

 昨日5軒もまわったくせに、まだ物足りないんだそうです。また行くといってます。はいはい、行きましょう。

 昨日よりも出発時間が遅いので、時間短縮のため高速を使います。ナビゲーターはワタシ。運転手はオット。高速道路に入るまえに 遊あいらんど本庄店なんて店にひっかかります。

 関越自動車道を前橋インターで降ります。渋滞にハマります。17号線右手にブックオフが見えます。高崎緑町店です。でも中央分離帯があります。右折できません。仕方ないから高崎貝沢店に先に寄りましょう。そこを左折して。えっ? なんで左折せんのじゃー!? そこの道だよ、曲がるのはーっ! 高架に上るんじゃないのかって? 高架って何よ? ありゃ高崎線よ? 何ボケとんじゃー!?

 現在位置を見失って迷います。群馬の道路標識って見ずらい。名前のない信号が多いし。ハマらなくてもいい渋滞にハマって30分。ようやく高崎貝沢店に到着。
 Toy-offという、おもちゃのリサイクル店が併設されてます。フィギュアとかアニメLDとかTVゲームとかアニメ同人誌とか大きいおトモダチ用のおもちゃもこっち。

 高崎貝沢店を出て高崎緑町店へ。黄色いジャケットの店員さんが旗を振って呼び込みやってます。ご苦労さまです。この店は高崎貝沢店と比較するとアダルトな感じがしました。

 高速に乗って埼玉に戻ります。
ひもじいね、ご飯食べましょう、何食べたい、和食がいいね、和食のファミレス探そうね……って、ファミレスがみあたりません、ひもじいひもじい、もういいよそのへんのコンビニで食べ物買おうよ、あ、セブンイレブンみつけ。
 というわけで、セブンイレブンでパンを買って車の中で食べました。なんでこんなことやってんでしょう私達。

 17号深谷東方店。ええと、ここって何がありましたっけ? よく覚えていません。へろへろしながら熊谷へ。熊谷警察署のすぐ近くにあるのが熊谷店。独自の割引券とか買い取り基準とかを設定しているみたいです。直営店じゃなくてフランチャイズなのかな? まあブックオフもいろいろ大変なんでしょう。夜10時だというのに子連れで来店する家族連れもいます。いいのかそれで? 子供は早寝させろよ。

 今日も5軒まわりました。へろへろです。
行った店。
遊あいらんど本庄店
ブックオフ高崎貝沢店
ブックオフ高崎緑町店
ブックオフ17号深谷東方店
ブックオフ熊谷店

□[購入本] 紫堂恭子『癒しの葉 3』(角川書店 ASKA COMICS DX)

□[購入本] エドガー・ライス・バローズ『ターザンの帰還』(創元SF文庫)

□[購入本] 水玉蛍之丞『こんなもんいかがっすかぁ』(アスキー出版)

□[購入本] ディアナ・ウィン・ジョーンズ『魔女集会通り26番地』(偕成社)

□[購入本] イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』(ハヤカワ文庫SF)

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2001.02.13 (火)

◆[mysite] [url] ndiary関連

 【nDiary導入用覚え書き】のリンクが切れてたり、アップロードしそこねたりしてました。すみません。
 ええと実はレイアウトサンプルから 【森山和道】さんの日記にリンクしてますんですが、それって2/10に森山さんとこのアクセス増加に関係あるかしら。……あるかも。【nDiary Antenna】はSF書評系コミュニティとは微妙に客層が異なりますから。

T-FILE】【2/10 nDiary
えーすけさんのnDiary環境について
日記もどき】【2/8 nDiary 覚え書き(1)「CSS 一覧」[nDiary]
CSS のクラス名一覧はあると便利。

■水玉蛍之丞『こんなもんいかがっすかぁ』

 水玉蛍之丞『こんなもんいかがっすかぁ』(アスキー出版)読了。

 フロッピーみたいな正方形の上下2冊本のやつじゃなくて、その前の1992年に発行された版。ずっと探してましたのさ。(「古本屋さんには売らないようにな。」って書いてあるのにきかなかった人がいるのね。でも私は嬉しい。どうもありがとう。)
 上下2冊本に収録されていない初期のものも収録されています。

 昔はネタだったのが、いまや現実になっているものがいろいろあります。
 バーでメールアドレス交換とかエッチソフトの自動販売機とかジャストパスポートサイズの「ポケット98」とか。
 パソコン事情がこんなに変化しちゃうとは、リアルタイムでコラムを読んでた人は誰も予想できなかったでしょうね。

■山本弘『妖魔夜行 戦慄のミレニアム(下)』

 山本弘『妖魔夜行 戦慄のミレニアム(下)』(角川スニーカー文庫)読了。

 人間の想いが妖怪や妖精を生み出すという設定で始まったシェアードワールドな都市妖怪奇譚が、ガンガンスケールアップしてついにハルマゲドンに突入。アレもコレもソレもみーんなそういう「妖怪」で、N.Y.の高級ホテルだかで世界の神話伝説キャラクター総覧みたいなパーティを開いてみたりしてます。あまりにもバカバカしくていっそ爽快。
 ネタ的には1984年の世界幻想文学大賞のアレとかイアン・マクドナルドの[フィリップ・K.ディック記念賞受賞作]とかと一緒かも。比べるのは、あまりにアレですが。

 麻耶ちゃんとガンチェリーの日米美少女はよござんしたよ。

■高瀬彼方『戦場の女神たち』

 高瀬彼方『戦場の女神たち』(講談社ノベルス) 読了。

 面白いんですよー。でも版元品切れで入手困難なのね。
 高瀬彼方は、キャラクターのデフォルメの加減が非常に上手い。「こういう奴いるいる」というキャラクターを「こんな奴いるかーっ!」寸前までふくらませて、困った人……だけど憎めないキャラに仕上げてますね。「ガニメデの赤い翼」「女王様」ことシャイア・メーソンといい、「セレナルの黒い魔女」ことイズミ・マキムラ艦長といい……。

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2001.02.14 (水)

 読んだ本はいっぱいあるのだが、感想が間に合わない。とりあえず、読了記録だけつけときます。

◆[book] 5人目の小夜子

(引用開始)
それにしても、タイトルが「サヨコ」でも「沙世子」でもなく「小夜子」なのはなぜなのか気になる。
(引用終了)
読冊日記 2/11

 誰もが気づいているのにあえて言わないのか、それとも特定の世代の人しか気が付いていないのか判断つかないので一応書いておきます。

 恩田陸『六番目の小夜子』(新潮文庫)のタイトルが「小夜子」なのは、「小夜子」という名に内包(コノテート)されたイメージを利用したかったからだろうと思います。そのイメージとは……。

 最初の小夜子……美内すずえ『白い影法師』の小夜子。教室の地縛霊になっちゃった少女。
 二番目の小夜子……吉田秋生『吉祥天女』の小夜子。体育館で風が吹くのは、この人のせいです。
 三番目の小夜子……山口小夜子。ファッションモデル。ひょっとしたらこの人は二番目かも。
 四番目の小夜子……成田美奈子『エイリアン通り』の小夜子。翼の幼なじみ。死体遺棄の共犯者。
 ただ、五番目の小夜子、これが分からない。萩尾望都の浴衣縫っている子は「小夜」だしなぁ。

 1964年生まれの恩田陸と同世代(プラスマイナス5歳ぐらい)の人だと、「小夜子」という名前を見た瞬間にこういうイメージが浮かぶんですけどね。(←多分少女漫画を読んでいる人に限る。)
 要するに「小夜子」という名前には「夜」が含まれていてただでさえミステリアスなイメージなのに、さらにミステリアスなイメージが重ねられているんですね。山口小夜子のおかげで「美しい」というイメージまで加わったし。

 恩田陸はそういう固有名詞が内包する(暗示する)イメージを使うのが巧い作家だと思うのだけれど、そういったイメージは、世代を超えて通用するものなのかしら?

(しないような気がする……。だってさ、いまやオスカーっていったら、アカデミー賞でも緑色のモンスターでも萩尾望都でもなくて守護聖さまのことでしょ? 世代が変わると通じないものってあると思う。)

参考URL:コノテーションについて
Socius_記号論的解読--シニフィエとシニフィアン(自省式社会学感覚:56) http://www.honya.co.jp/contents/knomura/lec/lec56.html】
ラドミラルの翻訳理論を考えるhttp://www.asahi-net.or.jp/~di4m-smzk/art6/theoreme.html】
雑文パラダイス/デノテーションとコノテーションhttp://www.k-freed.com/zatubun/konotati.html】

■エドガー・ライス・バローズ『ターザンの帰還』

 エドガー・ライス・バローズ『ターザンの帰還』(創元SF文庫, ISBN4-488-60144-8)読了。
 『ターザン』の続編。

 ジャンルの密林で類人猿に育てられ、西欧社会に戻ってきたターザン。グレイストーク卿の跡継ぎでありながら愛するジェーンのために身を引いた彼は、フランス高官の妻を悪漢から救ったことからその男に付狙うわれることになる。
 フランス陸軍省の特命を受け、冒険の旅に乗り出したターザンだが、ある船旅の途中悪漢の手によって大海原に投げ出され……。

 波乱万丈を通り越してほとんど荒唐無稽で御都合主義なオハナシになっております。ターザンが、海に投げ落とされた後、なんとか生まれ故郷に流れ着くまではまだしも、なぜかそこにジェーンやその婚約者や悪漢までもがやってきてしまうのは、あまりにも御都合主義。
 これでもか、これでもかと繰り出される、冒険とサスペンスの数々。いや、面白いんですけどね。ターザンかっこいいし、かわいいし。
 しかし、この後もまだまだ続篇があるのだ。(創元SF文庫版では出ていないが、ハヤカワ文庫では出ていた)

購入ガイド
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■森奈津子『冒険はセーラー服を脱いでから』

 森奈津子『冒険はセーラー服を脱いでから』(ログアウト文庫)読了。

 私立黒百合学園のファンタジー研究会部長の山岡千草は、彼女を愛する山田百合子のオカルトの秘術で自分の書いたヘタレたファンタジー小説の世界に連れ込まれてしまう。ファンタジー研究会の部員や生徒会長の玲子をも巻き込んだ、ヘタレた作品世界での冒険は……。

 「いわゆるライトファンタジー」にありがちな設定を笑いものにしつつ、女子校おねえさま物のキャラクターで異世界ファンタジーをやってしまった作品といったらいいのかな。ゲームのファンタジー物に影響をうけて「ファンタジー小説」を書いている人は、一度読んでおくとよろしいじゃないかと思います。

 百合子おねえさまの最強の呪文「あたくしは、こんなの、みとめなくってよ!」(p.67) がステキ。

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2001.02.15 (木)

◆[book] 5人目の小夜子 つづき

 年代的に合っているので、「五番目の小夜子」は【風野ドクター】の日記にでてきた ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』の天野小夜子(生霊らしい)でオッケーのような気がします。
 『六番目の小夜子』の小夜子に一番近いイメージは吉田秋生『吉祥天女』の小夜子だと思いますけれど。
(掲示板では、有吉京子『SWAN』の京極小夜子姫という人が出ているという話題も……)
追記:2001/06/17
おむらよしえ】さんのページで清原なつの『真珠取り』の小夜子 という話も出ました。
困った、6人以上いるぞっ!)

 しかし皆さん『白い影法師』の小森小夜子をご存知ないですかー。そうですかー。いや、物すごく怖いので、知らないほうが幸せかもしれないけど。白泉社文庫の『美内すずえ傑作選1』に入っているみたいです。興味のある方はどうぞ。

◆[net] 「幸福論は必要か?」について

 【ネットワークうろうろ日記。】の「2/14。 チーズはどこへ消えたやら。」と「2/14。 幸福論は必要か?追加。 」について。みなみさん、注釈ありがとうございます。

 ええと、みなみさんのいっていることを私なりに解釈するとこんな感じになります。意味を取り間違えていいたらご指摘ください。(2001/02/17 文脈的に「アンモラル」じゃなくて「インモラル」のほうがいいのでは?というメールをいただいたので、「モラルに反するもの」という表現に変更しました。)

====以下は有里によるパラフレーズ=====
不倫とか恋愛語りとかエロ語りやひきこもりとかが叩かれるのは、なぜか?
コミュニティ性の閉鎖性が叩かれるのは、なぜか?
誰かを叩いて、痛みを与えることに意義があるのか?
それは単に自己満足だったり、屈折したストレス解消ではないのか?

不倫やひきこもりといったモラルに反するとされるものを激しく拒絶や否定するのは、それらが表にでてきてメジャー(=多数派)になるのを怖れてのことなのだろうか?
====有里によるパラフレーズおわり=====

(2001/02/21 みなみさんよりお返事がありました。「表にでてきてメジャー(=多数派)になる」とは考えてないそうです。詳細は
ネットワークうろうろ日記。】の「2/19。 逆リンクとか」をご覧ください。)

●叩く人

 何かを「叩く(=必要以上に激しく拒絶や否定や攻撃する)」人には二種類いると思います。対象はなんでもよくて叩く大義名分だけが必要な人と叩く対象が気に入らない人。叩く大義名分だけが必要な人がやっているのは、結局のところ「屈折したストレス解消」。対象が気に入らない人を必要以上の攻撃に駆り立てているのは、多分劣等感か怖れであろうと思われます。

 本明寛『なぜ電車の席は両端が人気があるのか 行動の心理学』(ふたばらいふ新書)[→感想]という本には、人を激しく非難する行動の陰に隠された「投射」という心理の説明として、ゴミを行楽地に捨てていく人を声高に非難する女性アナウンサーの例(←ただし事実はどうだかわからない)が挙げられていて、なかなか興味深いものがありました。

●「偽善」と大義名分

(引用開始)
本当に「偽善」を嫌う文化は、アタシにはよくわかんない。
(引用終了)

 わかんなくても当然です。だって「文化」じゃないもの。
 「偽善者」という言葉は、相手に落ち度が見つからない場合はこの言葉をくっつけておけば、とりあえず叩く大義名分が立つとおもって使われる用語だと思います。「文化」なんてもんではないし、「道理」もないですよ、多分。
 だから「「偽善」と比べて、「悪」の方がマシなのかしらね。」と聞く前に、「あなたのいう偽善って何ですか? なぜそれが悪いと思うんですか?」と聞いたほうがよろしいかと。(笑)

 2chですら(2chだからこそ……でしょうか) 叩く大義名分が必要なんですね。「私怨ちゃん」という言葉があるらしいんです。個人的な恨みから誰かの悪口を書いてまわる人を軽蔑して呼ぶ言葉。こういう言葉があるってことは、あそこに書き込んでいる人たちの間には(タテマエとして)2chは「公憤」「義憤」の場であるという共通認識があるってことでしょう。

(2001/02/16追記)
 「幸福論」の話まで辿り着きませんね。
 「他人を不幸と決め付ける」人は、他人との相対で幸福度/不幸度が決まると思っている人なんでしょうね。他人が不幸に見えると相対的に自分の地位が上がったように感じるんだろうなぁ。相対尺度を採用するなら他人を巻き込まずに自分自身の状態の比較だけでやって欲しいものですが。
 ほどほどに暇でほどほどに不幸せで、絶望感も幸福感も味わったことがない人たちなのかぁという気はします。本当に忙しい人と絶望感のど真ん中にいる人と幸福の絶頂にいる人は、他人のことなんか気にしませんからね。

(この話題[2/20]につづきます)

■松井千尋『犬が来ました』

 松井千尋『犬が来ました ―ウェルカム・ミスター・エカリタン―』(集英社 コバルト文庫,¥476+税, ISBN4-08-614765-3)読了。

 高校生・圭吾のもとにイギリスに留学中の一番上の兄から手紙が届いた。兄の友人のエカリタン氏が日本に行くので、その間滞在させて欲しいという内容だった。だがやって来たエカリタン氏は、なんと「犬」だった。

 「ウェルカム・ミスター・エカリタン」はそういう話。『くまのパディントン』のパロディか? と思いましたが、違いました。エカリタン氏は元から犬ではなかったのです。
 ファンタジーでもなくて登場人物のひとりが犬になってしまった点を除けば、割と普通のホームコメディ。

 一緒に入っている「カラコロ」は、圭吾のおさななじみのいずみと圭吾の兄・眞吾とがペンションにバイトにいって、そこで眞吾の元ガールフレンドと再会し……というオハナシ。割と普通のラブコメディ。

 最後に収録されている「緑の犬」は、エカリタン氏の御先祖のオハナシ。美女と野獣です。ファンタジーなのか? シリアスな設定なのにシリアスになりきれない文体ですね。「いぢわる」侍女エステルのキャラが好き。

 作者の松井千尋は、1974年生まれ。「ウェルカム・ウェルカム・ミスター・エカリタン」は、1999年ノベル大賞読者大賞受賞作。あとがきのボケっぷりは、ちょっと乙一を思わせます。キャラクターが生き生きしてるし、ときどきはっとするような表現があったりするので、「化け」たら面白い作家になりそうです。注目しておきます。

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■小野不由美『黒祠の島』

 小野不由美『黒祠の島』(祥伝社 ノン・ノベル,¥886+税, ISBN4-396-20708-5)読了。

 作家の葛木志保が失踪した。葛木の取材調査の手伝いをしていた調査員・式部は、彼女の経歴を辿り「夜叉島」という島に行き着く。余所者を嫌うという島民は、誰も本当のことを話さない……。

 風車と風鈴に溢れた閉鎖的な島、神社の樹に逆さ磔にされた全裸女性の死体、封印された過去の忌まわしい事件、などなどムードは満点なんですけどね。謎解きもちゃんとしてるんですけどね。読者をひっぱる力も読者への問いかけもあるんですけどね。そして驚くべきことにこんなに猟奇な事件なのに後味はそれほど悪くなかったりするんですけどね。けどね、けどね、けどね、それだけだったりする。
 あらゆる条件をクリアした結果、突出した魅力も傷もない規定通りの作品になってしまったという感じ。
 カタストロフに持ち込んでバカホラーになるのを期待しましたが、そういう展開にはなりませんでした。(倉阪鬼一郎じゃなくて小野不由美だからね。)

 登場人物の一人は伏字にすると☆田均になるなぁ、なんてどうでもいいことが気になったり。

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2001.02.16 (金)

◆[diary] 不摂生の日々

 不摂生がたたって、頭痛いです。反省。これからはなるべく規則正しい生活を心がけましょう。花粉の季節になることだし。

 動作が荒くなっているらしく、昨日はガラスのカップ、今日は急須のふたを割りました。ふた、別売りしてるかなぁ。

◆[soft] nDiaryへの要望点

 「月別ファイル名に hoge2001.html みたいに prefix をつける話」ですが、prefixっていうか出力ファイル名を指定できると嬉しいです。.htmlじゃなくて.htmにすることができるとか、下位のディレクトリに置くようにできるようになるとか。
 あとトピック一覧も雛形ファイル名と出力ファイル名を別々に指定できると嬉しいです。

 現在のバージョンでは、原稿ディレクトリと出力ディレクトリは同一のものを指定するとエラーになるようですが、最新日記、過去日記、トピックス一覧それそれに雛形ファイル名と出力ファイル名を指定できるようになれば、原稿と出力ファイルが同じディレクトリにあっても問題はないんじゃないかと思うんですがどうでしょう?

 それからトピック一覧にはプラグインが使えないみたいなんですが、プラグインを使えるようにすることは可能でしょうか?

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2001.02.17 (土)

◆[diary] 服を買う

 従妹の結婚式用の服を買いに行く。なんか地味ーなのを選んでしまいました。
 実は着られる服はないかとタンスの中を漁ってみたのですが、昔のワンピースが全滅。ファスナーが上がりません。知らなかった、ワンピースって入らなくなるのね……。いや、物理的に着られたとしてもデザインが似合わなくなっているので、着るのは無理なんですけどね。
 30歳を過ぎるまで太ったことがなかったので、あまりの事態に茫然自失。ダイエットとシェイプアップの必要性をひしひしと……。

 ダンベル体操しよ。

◆[obs] ブックオフ野田店

 服を買った後、ブックオフ野田店と春日部駅東口店へ。

 ブックオフ野田店は、広かった。某社の倉庫から出てきたと思しいハードカバーが何冊もあったり。客層に海外物を読む人が少ないのか、結構美味しいハードカバーがごそごそ100円落ちしてました。

 クロウリーは残り1冊。『ドラゴンファーム』もありました。買おうかどうか迷ったけど、すでに新刊書店で買ったダブリが1セットあるので見送り。欲しい人は車で走れ。(車じゃないと行けない場所だと思う。)
 書くの忘れてましたが『エンジンサマー』は、ブックオフ高崎緑町店に1冊みかけました。買ってこなかったのは、すでにダブっているから。ハードカバーをトリプらせる余地はないです。

 ブックオフ春日部駅東口店は、新規開店した店らしく、あまりめぼしいものはなし。あ、夢路行を拾いました。ようやく「夢路行」の名前に目が自動的に反応するようになりました。

□[購入本] イルメリン・サンドマン=リリウス『トッレ王物語 Vol.3 白鳥』(福武書店)

□[購入本] 夢路行『金と銀』(東京三世社)

□[購入本] ジョン・クロウリー『ナイチンゲールは夜に歌う』(早川書房)

□[購入本] アキフ・ピリンチ『猫たちの森』(早川書房)

□[購入本] O・R・メリング『妖精王の月』(講談社)

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2001.02.19 (月)

 寝室の大掃除。家中で一番暖かい部屋なので、ベッドがまるでダニ培養装置のようになっていた模様。掃除機をしつこくかけたら鼻炎が止まった。

◆[soft] フロッピーのフォーマットの互換性について

 友人から「フロッピーが別のパソコンで読めないー! どうしたらいいのー!?」という電話があったので、フロッピーのフォーマットの互換性(意外に知られていないらしい)についてのメモ。初心者向け。

 現在パソコンで使われている3.5インチ2HDフロッピーのフォーマットには以下のものがある。


・NECのPC-98用フォーマット     1.2MB
・Windows(DOS/V)用フォーマット  1.4MB
・マッキントッシュ用フォーマット  1.4MB

 通常のWindowsパソコンなら、Windows(DOS/V)用フォーマット(1.44M)のフロッピーは、必ず読める。
 フロッピーディスクに3モードフロッピードライバが設定されていれば、PC-98用フォーマット(1.2M)のフロッピーも読める。
 Windowsパソコンでは、マッキントッシュ用フォーマットの2HDのフロッピーは読めない。

 他のパソコンで読み書きできたフロッピーが、別のWindowsパソコンで読めない場合は、PC-98用か、マッキントッシュ用でフォーマットされている可能性が高い。一番手っ取り早い解決方法は、フロッピーの中身をWindows(DOS/V)用(1.4MB)でフォーマットしたフロッピーにコピーし直してもらうことである。
 マッキントッシュを使っている人からフロッピーを貰う場合は、「Windows用フォーマットにしてね」と念を押しておこう。
 Windowsの場合は普通にフォーマットすればWindows(DOS/V)用(1.44MB)でフォーマットされる。

 フォーマット済みのフロッピーの場合は、DOS/Vフォーマット 1.4MBと書かれたものを購入すること。
 PC-98用フォーマット 1.2MB と書かれたものは、NECのPC-98シリーズ用の意味であって、Windows98用のという意味ではない。98用を購入しても、1.44MB用にフォーマットし直せば問題はない。

◆[soft] nDiaryへの要望点 つづき

 雛形ファイルと出力ファイルが同じディレクトリにあることのメリットは、画像や他のファイルへのリンクがやりやすくなることです。雛形/原稿用ディレクトリと出力ディレクトリの深さを同じにして、相対アドレスを駆使して同じ画像ファイルを使うようにするというやり方を思い付くまで、画像ファイルの取り扱いに悩んだりしたので。
 面倒なら、無理にとはいいません。

いまはこうやってます


	雛形/原稿用ディレクトリ    c:/mypage/log/
	出力用ディレクトリ          c:/mypage/diary/
	画像用ディレクトリ          c:/mypage/diary/img/

雛形 c:/mypage/log/index_tmp.htm の中では、
画像へのリンクを ../diary/img/xxxx.gif と指定。

 トピック一覧で使いたいプラグインは、timestr.rb 。生成日を記載するのに使います。トピックを年度別に区切るなら特に必要になるのでは?

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2001.02.20 (火)

 久々に『トルネコ2』をやってみる。

□購入本(bk1)

 午前8:15に注文したら、9:00には出荷が完了し、夕方5:00に到着。凄い、凄すぎる。東京に通勤している夫に輸入してもらうより早く手に入ってしまった。
 でも前は夜中の1:00に注文すると明け方4:00に出荷が完了して、届くのが夜8:00だったんですけど。朝注文したほうが速いの? それとも企業努力でさらに納品スピードがアップしたの? 後者であって欲しいものですが。

□[bk1購入本] 加納朋子『螺旋階段のアリス』(文藝春秋, 1600円)

□[bk1購入本] 『SFが読みたい!2001年版』(早川書房, 693円)

□[bk1購入本] Kernighan / Pike『プログラミング作法』(アスキー, 2940円)

□[bk1購入本] 上遠野浩平『ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド』(電撃文庫 ,556円)

□注文本(bk1)

◆[net] 幸福論関係 つづき

  [2/15 「幸福論は必要か?」について]の続き。
 みなみさん@【ネットワークうろうろ日記。】からお返事がありました。ちょっと長いけど引用します。

(引用開始)
「ただ単に表に出てきて、目につくのが嫌なのかな?」という感じがしたんです。目につく度に、それは自分の選んだものが本当に正しいのかしら?と、振り返らざる得ない「きっかけ」になるんではないかと。いつもは見ないように努力してるのに。
(中略)
選択肢の一つとして、マイノリティーを認めることもできないマジョリティーの「余裕のなさ」みたいなものに、怯えみたいなものを感じたのです。
 確かに、悩むことが少ないほど幸せだというのならば、選択肢は少ない方が楽だし、選ばなかった選択肢が魅力的に見えることは怖いことかもしれないなぁ、と。
 初めからなかったのなら、その選択を選ぶことが「間違い」だったなら、確かに楽だろうなぁ、という意味で、目につくことが不快なことなのかもしんないな、と。
(引用終了)
「2/19。 逆リンクとか。」

 「選択肢の一つとして……」というのは、「マイノリティーのやり方も選択肢のひとつとして許されるはずなのに、マジョリティーはそれを選択肢として存在することすら認めない。」という意味ですね。(読点「、」の位置のせいで、意味が取り難いかも)
 ああ、なるほど。「立場の逆転」とか以前の問題ですね。

( ところで、みなみさんが例にあげた夫婦別姓問題――実は私も例に挙げようと思っていた――に関しては、私は夫婦別姓に賛成です。で、別姓反対する人の意見がさっぱり理解できないんです。ほんとに「「夫婦同姓」に、「夫婦別姓」という選択肢がプラスされる話で、「夫婦同姓」がなくなる訳ではない」のになんであんなに反対するんだろうと思います。いったい何に怯えているんだろう?)

◆[net] ジョーカーみたいな言葉/言葉の意味を考えたことある?

以下はまとまらないので、箇条書き。

 ・さらに【ネットワークうろうろ日記。】からの引用。

(引用開始)
偽善については、最近これって、「そいつを言ったらおしまいよ」的な言葉だなぁ…と考えていました。ウザイ、痛い、キモイも同じですが。
 どっちかというと「逃げるための言葉」という感じでしょうか。「偽善」という言葉が、トランプのジョーカーみたいに使われてる気がします。
(引用終了)
「2/19。 逆リンクとか。」

 ・「トランプのジョーカーみたいに使われてる」っていうのは、私が感じていることを上手く言い表しているような気がする。言葉が自分の考えや心情を表現するために使われるんじゃなくて、意味なんか考えないでアイテム的に使われてるというか。何を言っても/書いても、くっつけておきさえすれば反論されない(というより反論を無効化する)便利なアイテム代わりの言葉というか。

 ・日記才人系のいくつかの日記で、「”自戒をこめて”という言葉は一種の逃げ」というような話題が出たことがあったけれど、その問題と似ているかな。

 ・上記の話題がでていたサイト( 【オレテキウラニッキ http://face.ruru.ne.jp/raf/ura.htm】リニューアルされて過去ログがなくなったようです。もったいない。)の 1/5 には、「イタい」「サムい」についての言葉もあって確かに言えてるなと思ったんですけど、元のログが消えているから引用していいものかどうか悩む。(筆者に問い合わせてみます)

 ・意味を深く考えずに状況に合わせて自動的に使われる言葉は、通常「紋切り型」っていわれますけどね、それとはちょっと違うような気がする。

 ・「イタい」「サムい」「偽善」「思考停止」といった言葉が使われる度に、そういう言葉を他人に対して使う人は、本当にちゃんと意味を考えてつかっているのかと疑問に思う。私には、自分の感情や思考を表わすのに必要だからこれらの言葉を選んでいるわけじゃないみたいに思える。もう少し言葉を大切に扱ったほうがいいんじゃないかという気がする。

 ・【備忘の果実】2/1から引用。この態度はとても正しいと思う。(2001/02/21 すみません、すみません、ページ名を間違えてました。「忘却」じゃなくて「備忘」! 「忘れてどうするんですか(^^;」のツッコミあり)

(引用開始)
「痛い」とか「濃い」とか「薄い」とか。いつの間にか聞き慣れてしまったそれらの言葉が、実は苦手だ。だから、うまく使える気がしない。だから、結局使わない。話している相手に使われても止めはしないが、何かがわかったような伝えられたような気がするだけで、相手の言いたいことは結局「なんとなく」しかわからない。確信できないまま、その言葉を素通りさせることしかできない。それでも使わないでと言えないのは、やっぱり「なんとなく」はわかっちゃうからなんだよな。言葉って、難しい。
(引用終了)

◆[net] 宗教みたいで、気持ち悪い

 で、【ネットワークうろうろ日記。】の2/17で取り上げられた「宗教みたい」という言葉も、きちんと意味を考えて使わないといけないなと、『地球少女アルジュナ』というアニメを見ておもわず「変な宗教みたいで、気持ち悪い」と口走ってしまった私は「自戒をこめて」思うのであった。

 でも安易に使う言葉ではないとは思うけど(というよりどんな言葉でも安易に使ってはイカンと思う)けど、「宗教みたい」という言葉の解釈についての私の意見は、みなみさんとはちょっと違う。日本人が宗教を怖れているというは確かだと思うけど。(橋本治『宗教なんかこわくない! 』(ちくま文庫)【bk1(01694445)】という本もあります。)

 長くなるので、三点だけ。

1.「宗教みたい」という言葉が想定しているのは「伝統宗教」とか神仏への素朴な信仰ではなくて、「カルト(cult)」のことじゃないのかな。無批判の崇拝の意味ね。

2.ビットマンのイベントを見て「なんだかヘンだよ!!胸でなんかピカピカ光ってるし!!宗教みたい!!見ていこうよ!!」といったオンナノコの言動はある面ではとても「正しい」のではないかということ。
 人が大勢集まってひとつのことをやる非日常的な空間というのは一種の祭りで、「祭り」は「宗教的儀式」の一種なんだから、「宗教みたい」っていうのは当たっているのでは?

3.「宗教みたいで、気持ち悪い」という言葉を「(嫌悪すべき)宗教に似ていて、気持ち悪い(=嫌悪を感じる)」という意味にとっているようだけど、すべての人がそいういう意味で使っているのかな?
 「(本来なら無批判に崇拝すべきでないものを)宗教みたいに無批判で受け入れていて、気持ち悪い(=非常に違和感がある)」という意味で使っている人もいると思うのだけれど。少なくとも私が『地球少女アルジュ』を見て感じた「変な宗教みたいで、気持ち悪い」は、正確に言語化すると後者になる。

『地球少女アルジュナ』に関しては、その嫌悪感に近い違和感をなだめてココロのバランスを取るために、【谷田貝】さんのページを読んだりするのだった。一種の毒消しというか。がんばってくださーい > 谷田貝さん)

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