妹尾ゆふ子『真世の王』

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あらすじ

 かつて竜が思うままに飛翔するのみだった宙に、〈銀の声を持つ人(ラハナンァル)〉があらわれ、力ある言葉によって新たな世界を構築した。だが、いまや言葉の網は緩み、力は歪みこぼれ落ちて魔物となり、人々を襲う。世界の滅びは間近に迫っていた。

 力ある言葉によって魔物を退けんとする月白領王ソグヤムに付き従う青年ウルバンは、王都でこの世の運命を変えるかもしれないふたりの人物と出会う。
 ひとりは、ウルバンの幼馴染であり、〈銀の声持つ人〉イーファルの直弟子にして竜使の青年ジェン。ひとりは、世界が滅んだ後その再生を担う〈真世の王〉の候補として生み出された、漆黒領王家最後の姫エスタシア。

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解説

 著者渾身の1300枚。なかなかにハードな物語でした。決して読みにくいわけではないのですが、なにしろ先が読めない。魔物を焼き払えば終わり、魔物の親玉を倒せば大団円というわけではないからです。力をふるえば綻びは増える、〈真世の王〉は世界が滅んでからでしか意味をなさない、世界を生み出した〈銀の声持つ人〉のひとりのイーファルですら決して万能ではない。先が見えない中を、それぞれのキャラクターが己にできる最善の方法を探して進んでいく話というか。

 耳のいい人なら、中つ国やアースシーの響きを聞き取ることは容易でしょう。でもどっちの作品にも似てないけれど。人工的な世界のシステムの中で登場人物たちが悩み苦しみ戦うという意味では、むしろ十二国記に似ているかもしません。
『指輪物語』に漬かったコアなファンタジー読みには超お薦めです。

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背景素材は Free Material --The forest of cat-- からいただきました。

更新日:2002/06/17

有里 (alisato@anet.ne.jp)
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